こんばんは!ビー玉です。
今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・
本日は・・・エクスタシーについてです。
あたなははエクスタシーを感じたことがありますか?
エクスタシーとは日本語で法悦!宗教用語なんですが、美術において法悦をテーマにしたものは色っぽいものが本当に多いのです。ベルニーニの彫刻「聖テレジアの法悦」やカラバッジョ の「マグダラのマリアの法悦」はなぜあんなに色っぽいのか?
そんなエクスタシーの世界にあなたをナビゲートします。
お時間よろしければ最後までお付き合いください
エクスタシーとは
まずは「エクスタシー」とは何かということから・・・
語源はギリシャ語のέκστασις(ekstasisエクスタシス)からきており、意味は「外に立つ」です。
玄関の外にたっただけでエクスタシーを得ることができる人は真性のど変態ですよ(^▽^;)w
「外に立つ」のは肉体ではなく魂です!魂が肉体から外に出て浮遊するという意味です。
大辞林 第三版によりますと・・・
① 気持ちが良くて我を忘れてしまう状態。
② 〘哲・宗〙 神と合一した神秘的境地。
③ 性交時における恍惚状態。
まぁ、ざっくり言うと気持ちよくて我を忘れるという意味なんですが、本日題材にするのは、②の神と合一した神秘的境地についてです。
エクスタシーとは、日本語に訳すと「法悦(ほうえつ)」神様を信仰することで得られる魂が肉体を抜けて空中を舞うほどの喜びです。
では、改めて質問します!
「あなたは法悦状態(エクスタシー)を感じたことがありますか?」
私は未だかつて一度も神様とは合一したことはございませんっ(。-`ω´-)キッパリ!!
絵画で描く法悦
とはいっても、どれほどの喜びなのか、よくわかりませんよね?
そういう時は、絵画です。
宗教画は民衆にキリスト教をわかりやすく教えるためのツールです。
「まんが日本の歴史」みたいなもです!
絵を見ればキリスト教が理解・・・・
【作 者】ジョット・ディ・ボンドーネ(Giotto di Bondone)
【作品名】聖フランチェスコの法悦( Ecstasy of St Francis)
【年 代】1297〜1300年
【種 類】フレスコ
【寸 法】270×230cm
【所 蔵】サン・フランチェスコ大聖堂(Basilica di San Francesco)/イタリア
・・・・・・。
まるで理解できません_| ̄|○
雲に乗って空を飛ぶアトラクションみたいな悦びですか?(; ・`д・´)
なんとなく楽しそうですが、悦びまでは感じられません。
この「法悦」を描いた芸術が庶民でもわかりやすくなるのはバロック時代からです。
ちょっと難しい話をすると・・・
宗教芸術から離脱したプロテスタントと利用したカトリック
16世紀の前半、カトリック(キリスト教の宗派)の腐敗を嘆いて宗教改革が起こります。カトリックに対抗して現れたのがプロテスタント(キリスト教の宗派)です。
この宗教改革によって、カトリックは多くの信者を失ってしまい、新たな信者獲得のために利用されたのが宗教芸術です。
誰でも「わかりやすく」なおかつ「格調高く」をスローガンに、見る者の感情に訴えかけるような、わかりやすい表現が推奨されました。そこで生まれたのが「バロック芸術」です!
とにかく劇的で格調高いんです!!
先ほどの「聖フランテェスコの法悦」はこうなります!
【作 者】ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(Michelangelo Merisi da Caravaggio)
【作品名】聖フランチェスコの法悦( Ecstasy of St Francis)
【年 代】1595年
【種 類】カンヴァス、油彩
【寸 法】92.5cm× 127.8cm
【所 蔵】ワズワース・アテネウム美術館(Wadsworth Atheneum Museum of Art)/アメリカ
これは、キリストと同じ場所に「聖痕(傷)」を与えられて天使の腕の中で恍惚としているフランテェスコの絵です。
画像ではわかりにくいですが、フランチェスコは薄く目を開け天使を見つめています。
どうでしょう・・なにかエロティックな香りを感じませんか?
ちなみにカラヴァッジョは同性愛者でサド志向でした。傷を与えられて悦ぶフランチェスコに色っぽさを感じつつ描いていたんだと想像しちゃいます(((uдu*)ゥンゥン
ルーベンスの法悦
【作 者】ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)
【作品名】法悦のマグラダラのマリア(St Mary Magdalene in Ecstasy)
【年 代】1619〜1620年
【種 類】カンヴァス、油彩
【寸 法】295x220cm
【所 蔵】リール美術館(Palais des Beaux-Arts de Lille)/フランス
これは、悦びのあまり失神しちゃったマグダラのマリアです。
マグダラのマリアはキリストの死後、全てを捨てて山奥で修行生活を行なっていました。この頃のマグダラのマリアの魂は天使に導かれて天国と地上を行ったり来たりしていたそうです!
これはまさに天国へイっちゃってるマリアです。
目がね・・・怖いの(ノД`)シクシク
脱力感・・・と放心・・・まさにエクスタシーの極致です・・・怖いけど(llФwФ`)ガクガクブルブル
法悦のマグダラのマリア
そして先ほどのカラヴァッジョも法悦のマグダラのマリアを描いています。
【作 者】ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(Michelangelo Merisi da Caravaggio)
【作品名】法悦のマグラダラのマリア(St Mary Magdalene in Ecstasy)
【年 代】1606年
【種 類】カンヴァス、油彩
【寸 法】103.5cm × 91.5cm
【所 蔵】個人蔵
もうわかりやすくエロいです・・・・
そろそろお気づきかもしれませんが・・・・
わかりやすい法悦表現は性的快感!!
バロックではエクスタシー = オルガスムス(性的快感)という表現が好まれました。
なぜなら・・・・
法悦(エクスタシー)は誰もが感じられるものではなく、ごくごく一部の神から選ばれた人しか感じることができません。もちろん、一般市民にはどんなものかわからないんです。
そこで、一般の人でもわかりやすいオルガスムスと結びつけたのです。
では、では・・・究極の「法悦」表現を見てみましょうか(ΦωΦ)フフフ…
聖テレジアの法悦
【作 者】ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini)
【作品名】聖テレジアの法悦(Estasi di santa Teresa d'Avila)
【年 代】1647〜1652年
【種 類】大理石
【寸 法】150cm
【所 蔵】サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会コルナロ礼拝堂(Chiesa di Santa Maria della Vittoria)/イタリア
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ作「聖テレジアの法悦」
バロック芸術の最高傑作(≧∇≦)
この元となる逸話も色っぽい!!
ある日、寝ている修道女テレジアの枕元に天使がやってきて、手に持っている金の矢で何度も自分の心臓を貫いた・・・その時に究極の恍惚を体験したそうです。
寝室に現れたのは本当に天使だったのか?体を貫いたのは本当に金の矢だったのか?という疑問は置いておいて・・・
賢明です!
世界で最も色っぽい石の芸術です。
このテレジアと天使の表情・・・ドキドキしませんか?
もう究極のエクスタシーです!!
テレジアの襟元を掴む天使の手・・・
その天使に身を委ねるように脱力するテレジアの指・・・
指フェチ鼻血必須(*´д`*)アハァ
手は口ほどにモノを言う♪
聖女テレジアの言葉
「金の矢を持った天使を見ました。彼は長い金の矢を私の心臓から臓腑にまで挿し入れ、矢を抜くときには私の臓器の一部を持ち去りました。その時、激痛とともに神の大きな愛を感じて、私を燃え上がらせたのです。その痛みに耐えきれず、私はうめき声を上げてしまいました」
ポ、ポルノとしか読めないっ(; ・`д・´)
矢は「刺し入れ」でしょう!あくまでも法悦ですよっ!!
あくまでも神の光です!
神々しくも天空から降る注ぐ陽の光・・・・空間芸術の極み!!
って、このこの光は教会に現金を寄付すると電気が点くって仕組みだって、師匠から教えてもらったですが本当ですか?・・・本当なら世知辛いw
このどうみてもエロティックするぎる大理石彫刻は本当に教会にあっていいものだろうか・・って思っていたら!
もっと凄いものがあったw
福者ルドヴィカ・アルベルトーニ
「聖テレジアの法悦」と同じベルニーニ作の「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ」
貧しい人たちに尽くした修道女ルドヴィカ・アルベルトーニの臨終の場面なのですが、これはどう考えてもエロすぎる!!
どこを切り取ってもエロス・・・
しかもこの大理石彫刻があるのはサン・フランチェスコ・ア・リーパ聖堂(ローマ)。
・・・煩悩が目覚めるわっ( ✧Д✧) カッ!!
バロック時代のカトリック教会はどこへ向かっていたのでしょうか〜〜〜〜〜?!
ちなみにベルニーニの大理石は全てがエロティックです٩(●˙▿˙●)۶
またいずれ、ゆっくり紹介いたしましょう・・・
本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
えっと、メリークリスマス+.d(・∀・*)♪゚+.゚
クリスマスっぽく教会ネタをもってきてみました(クリスマスらしさは皆無w)
当館は毎週土か日曜の真夜中に更新予定です。
年末は何を紹介しようかなぁ・・・
また来週のご来館をお待ちしておりますm(_ _)m
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コメント
エクスタシー感じられるようになるには、来世に期待するくらいしかないかなぁ(´・ω・`)、
こればっかりは表現も様々ですが、マリアさまの半白目wW
イッちゃってるのか、キメちゃってるのかわからないお顔で地味に怖いwW
曾龍さん、コメントありがとう♪
私は延々に無理な気がする(^▽^;)
半目は怖いよね!!AV(大人っぽいビデオw)でもこのような表現がされる時があるおだけど、もれなく怖い(((( ;゚д゚)))アワワワワ
セクシーじゃない気がするw
最初の絵の筋斗雲に乗ったおっさんが(・∀・)イイネ!!
天国に逝っちゃったマグダラのマリアの姿が怖いな(´▽`;) ‘`’` 文字通り逝ってしまった目やねww
伏兎さん、コメントありがとう♪
おっさん言うなw 星人・・・まちがえた聖人様ですよっ( ✧Д✧) カッ!!
逝っちゃったマリアさん、怖いでしょうw 最初の気がついた時は本気でビビったわぁ(llФwФ`)ガクガクブルブル
最近ちょっとカタめの記事書いたんで、
法悦→法税って読んでもたw
天使に心臓メッタ刺しにされて法悦・・・
う・うん・・・
テレシアさんって、M・・・モゴモゴ
えたさん、コメントありがとう♪
わかるわ・・・私も最近は真面目な記事とエロい記事を行ったり来たりしてるから、そろそろ法悦感じてしまうかもしれないwww
もう間違いなくドMですね!ドSの神様とはベストカップルでしょう(ノ∀`)タハー
バロックには、エクスタシー = オルガスムス(性的快感)という表現の仕掛けがあったのねどおりで私には今ひとつ着いていけない感があるはずだわ(笑)。宗教に取り憑かれることがないと分からない快感なんですね。でも、鑑賞する分には、スリリングで引き込まれる題材ですわ(*´ー`*)面白かったです
ヨウコさん、コメントありがとうです♪
ははは・・・着いてきてくださ〜〜いいっ!!と、言いつつ、私も法悦はわからない感覚!!
遠くから眺めてホーホーって頷いてるのがバロックのイメージだったりします(; ・`д・´)←わかりにくい
白目むいてるマリアさんをみて「よし、カトリックに入ろう!」とはならないと思うんですけどねぇ・・・たしかに興味深い(((uдu*)ゥンゥン
こんにちは
毎週アップされる「大人の美術館」の大ファンです!
(※ ハナ館長の大ファンでもあります!)
先月、上野のルーベンス展に行ってきたのですが、
「法悦のマグダラのマリア」を観て、死んだ表情だと思いゾッとしました。実はエクスタシーだったんですね…。
もっと早くこのブログを読んでいたら、違う目線で観れたかも?
来月行く予定のフェルメール展ではこちらのブログを参考に、
拡大鏡を持参して観まくります。
今後も楽しい記事を期待しております。
3nekoさん、コメントありがとうございます♪
めちゃめちゃ嬉しいです٩( ᐛ )و ハナ館長も大喜びです♪
ルーベンス展に行かれたんですね!!関東の方が心底羨ましいっっ!!
確かにあのマグダラのマリアは死んだ表情に見えます(((uдu*)ゥンゥン 実際に天国と現世を行き来していたようなので生死をさまよっていたのかもしれません。あながち死んだ表情も間違いではないと思いますよ〜+.d(・∀・*)♪゚+.゚恍惚も死も紙一重かもしれません・・・
フェルメール展も楽しんできてくださいね〜〜♪なんだかの参考にしてもらえると本当に嬉しいです。テンションが上がります!!ありがとうございますm(_ _)m
最初のおっさん、バブルの頃の結婚式みたいにゴンドラに乗って新郎新婦登場!みたいwでも新婦が落っこちてもおっさん式の前にMDMAキメちゃって気が付かず、逝っちゃったまんま神様においでおいでされてるのか?と思っちゃったwえっとよく見たら聖人さん、ぷぷぷ。
そうか、ちょうどスペインがフィリピンを植民地にした頃カトリックは腐敗してたのね。それでフィリピン人は・・・・ルーベンスは凄いね!なに描かせても素晴らしい!あのマリアの目を見たらチビリそうになったwwゴンドラのおっさんとは雲泥の差!負けず劣らずカラヴァッジョのマリアも・・・
両方共どんなクスリキメたんだろうねぇ・・・目だけ見ていると絵画のほうがリアル感があるように見えるのは小生だけ?彫刻は絵画が放つエロスとは違うベクトルで表現されているからか?
教養のないボクにはわかりましぇ~ん!
pope兄さん、コメントありがとうございます♪
あはは・・・ありましたねゴンドラ!!私の友人夫婦の乗ってました(^▽^;) 以外と揺れるので怖かったと言っておりましたwww
よくみなくても聖人さまですよ〜〜〜!!伏兎さんも「おっさん」って言ってたけど、バチが当たるから( •ὢ•)
そうそう・・なんとかって大聖堂(忘れたw)を建てるための資金を集めるために罪がチャラになるという免罪符を販売開始したころです♪とりあえず5000円くらいだったら1口買ってもいい(ノω`*)んふふ♪
私は彫刻の方にエロさを感じたちゃったw たぶんpope兄さんの方がエロスに関しては想像力が上だね( *• ̀ω•́ )b グッ 精進します!!
エクスタシーと聞いて即座に①から③を連想した僕はまだまだ若いと思ったら、バロック芸術は更に数段上を言っていたw
ルドヴィカ・アルベルトーニの手とかもう…もうう((ノェ`*)っ))タシタシ
もりりんさん、コメントありがとう♪
いや〜埋もれてましたわ・・・英語まみれでしたわ(゚∇゚ ; )
気がつかずに申し訳ございませんっ!!
手はね・・もっとすんごいのがあるんですけどね(ΦωΦ)フフフ… いずれご紹介いたしましょうw
肌に食い込む指とか(ノ∀`)タハー
宗教というベールを被せてしまえば、どんなにエッチっぽいのも大丈夫ってことか、と思ってしまったわ。
もう絵も彫刻も、どんなものもいろんな裏の意味をたくさん想像してしまうようになりました。むふふ。
Nickちゃん、コメントありがとう♪
もうね・・どんな言い訳をしても描きたかったんだと思う!!これはもう今も昔も変わらない人間の性よねぇ(;´д`)トホホ…
だから現代の私たちも楽しめると思うので、楽しんでいきましょう٩( ᐛ )و
いい感じに毒されてくれてくれてありがとう〜♪来年のディープにやっていきますので、どうぞよろしくね〜(ノω`*)んふふ♪
むう…今回のはなかなか。(笑)
でも、面白くは読めましたぞ。
ましゅーさん、コメントありがとう♪
年明けもちょっとディープなものを予定しております(ΦωΦ)フフフ…
>エクスタシーとは、日本語に訳すと「法悦(ほうえつ)」
神様を信仰することで得られる魂が肉体を抜けて空中を舞うほどの喜びです。
今日現在53歳・・・・
とても学びになりました(`・ω・´)シャキーン
koichiさん、コメントありがとう♪
いや〜53歳まだまだお若い!!未知なるエクスタシーを探求していきましょう( *• ̀ω•́ )b グッ
コメント遅くに申し訳ありません~。
大人美術館、大、大好きでふ。ようやく冬休みになりゆっくり楽しんでます。
浅はかな私、題名を読み、即③を連想…おほほ。
そして読後もやっぱり③から抜け出せませんでした。だって手とか顔の表情がイッてしまってるやないの…きゃ。
浅はかなもんで「宗教の名を借りて中学生みたいにエロを言いたいんだな」と思ってしまいました。
でもさ~、エロが一番表現し甲斐あるもん、描いてて絶対興奮してるはず!自然とか建物とか静物なんか興奮しないもん!←私だけ?
ashんさん、コメントありがとう♪
いや〜テレます…..ヾ( 〃∇〃)ツ キャーーーッ♪ 私もファンです(*/∇\*))))))ィャ――――冫♪
いやぁ・・・私も③しか思いつきませんw ここで即座に②とか言われたら引いちゃいますってwww
だけど、なんだかんでエロなんですよぉ!!人類の誕生から、多分滅亡までは変わらないと思います。
正直私は美術品をエロい目でしか見られません(ノ∀`)タハー
建物とか静物も見ようによっては・・・・まぁそこはおいおいwww