こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。
好色な神ゼウスが君臨するオリュンポス山に住う12柱の神々をオリュンポス十二神と呼びます。
オリュンポス十二神という名称は聞いたことがある方も多いと思います。
では実際にどんな神がいるの?となると「?」となる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本日はそんなオリュンポスの個性豊な神々を美術とともに紹介したいと思います。
映画やアニメ、物語の元ネタになることも多いので、知っていると、ちょっと嬉しくなる場面もあるでしょう(たぶんw)
よろしければ、最後までお付き合いください。
オリュンポス十二神の家系図
時間をかけて家系図を作ってみたものの・・・見にくくてすいません(^▽^;)
PCでご覧の方は画像をクリックすると少し大きくなるので、よろしくお願いします。
ピンクとブルーのラインが入った神が十二神です。
オリュンポス十二神 一覧
権能 | ローマ名 | ギリシャ名 | 英語名 | 主なアトリビュート |
全能 | ユピテル | ゼウス | ジュピター | 鷲・雷 |
出産・結婚 | ユノ | ヘラ | ジュノー | 孔雀 |
海神 | ネネプトゥヌス | ポセイドン | ネプチューン | 三つ叉の矛 |
愛と美 | ウェヌス | アフロディーテ | ヴィーナス | 赤いバラ、エロス |
軍神 | マルス | アレス | マーズ | 鎧兜、武具 |
光明 | アポロ | アポロン | アポロ | 竪琴、月桂樹 |
狩・月 | ディアナ | アルテミス | ダイアナ | 三日月の髪飾り、矢筒 |
酒神 | バックス | ディオニュソス | バッカス | 果物の冠 |
使者 | メルクリウス | ヘルメス | マーキュリー | 伝令の杖 |
豊穣 | ケレス | デメテル | セレス | 麦穂の冠 |
鍛治 | ウスカヌス | ヘファイストス | ヴァルカン | 金槌、番犬 |
知恵・軍略 | ミネルウァ | アテナ | ミネルヴァ | 盾、鎧、勝利の女神ニケ |
アトリビュート とは個人を特定するトレードマークのようなものです。
現代、私たちが絵画を鑑賞する場合は美術館だったらタイトルや説明書きがあることがほとんどだと思うのですが、実際に美術品が作られた時代は王侯貴族など教養豊かな方々の宮廷に飾られていて、説明書きはもちろん、タイトルすら付けられていませんでした。
絵を見て、これはどんな場面だと言い当てることで教養を計られていたりしたんですよ(llФwФ`)ガクガクブルブル
その絵や彫刻を読み解くためのアイテムが “アトリビュート ” です。
神話画は歴史画扱いされていたので、絵画のテーマとしては宗教画と並ぶ高尚なものだったはずなんですが・・・
神話の場合はほぼほぼ好色な神々の乱痴気騒ぎです(^▽^;)
では、男女6柱つづの個性的な神々を紹介いたしましょう。アトリビュート を意識して見てくださいね♪
全能の神ゼウス
ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングル 「ユピテルとテティス」1811年
ギリシャ神話の最高神にして、最強の浮気男!!
「ユピテルとテティス」に描かれているのは王座にどっしりと腰をおとし雷を呼ぶという杖を持つユピテルことゼウス。王座の横にはトレードマークの鷲がいます。
そのゼウスになにやら懇願しているのは、息子アキレスの手助けをして欲しいと懇願するテティス。そして左上で様子を監視しているのはゼウス の妻ヘラです。
ゼウスの女性遍歴(一部)
ゼウスは気に入った女性(時に男性)を手に入れるためには白鳥や牛、雨にだって化けちゃいます♪
油断もすきもないのでヘラはいつも目を光らせているのでしょう。
ゼウス の女性遍歴の一部を紹介します!
・白鳥になったゼウスに手籠にされたスパルタ王妃レダ(トロイア戦争の原因となった絶世の美女ヘレネが生まれる。
・卑怯にも女性の夫に化けて事を為したアクルメネ(英雄ヘラクレス誕生)
・雄牛になったゼウスに拉致されたエウロペ(クレタ王誕生。エウロペの名はヨーロッパの語源)
・黄金の雨のなったゼウスと交わったダナエ (英雄ペルセウス誕生)
などなど・・・人間の女性に生ませた子どもは数知れずですが、面倒をみるでもなく放置です∑( ̄□ ̄;)ナント!!
まぁゼウスの好色は、後の人間たちが「我が一族はゼウスの血筋」だと言いたいがために、人間との間に子どもを作りまくったことにされたちゃったという一面もなきしもあらず。
浮気しているだけの神だと思われてるかもですが、ゼウスは乾いた大地に雨をもたらす天空(雷雨)の神様です。人間にっとってとても大切な神なのです。
結婚・出産の神ヘラ
ギュスターヴ・モロー『ヘラと孔雀』1881年
ゼウスの妻で結婚・貞淑・出産などを司る女神。
『ヘラと孔雀』にはどこか得意げな鷲が描かれていますが、鷲はヘラの夫であるゼウスの化身です。
鴬の美しい声を羨んだ孔雀が、ヘラになぜ自分に美しい声を与えてくれなかったのかと訴えたところ「みんな違っていていい・・・その声がいい」といいます。ゼウス 以外には意外に優しいヘラなのでした♪
嫉妬深さの原因は略奪婚
ゼウスの女性関係に嫉妬ばかりしていて、相手の女性にも生まれた子どもにも制裁を加える恐いイメージですけどね。
そんなヘラもゼウスとの結婚は略奪婚で、三番目の奥さんです。自分が元妻から略奪したものだから、ゼウスの浮気が心配なのしょう。
ジェーン・ブライドのジェーンは6月という意味ですが、もともとはヘラの英語名ジュノーからきています。結婚出産などを司るヘラが6月の守護神だったことから、6月に結婚する花嫁は幸せになると言われていますが・・・・
なんか旦那さんに浮気ばかりされそうな気がしないでもない(; ・`д・´)
そんなことはありませんっっ!!
ポセイドン
パリス・ボルドーネ作『ポセイドンとアムピトリテ』 1560年
ゼウスの兄で海界の王。
のちに評価が変わった神様
日本と同じく地震が多いギリシャでは、地震や津波を起こす荒ぶる神として恐れられえています。
地震や津波の他にも干ばつをもたらす神として人間からはあまり好かれていませんでしたが、5世紀になると船を作る技術が発達して、海の戦いが重要になってくると同時に人気が高まっていきました。
ちなみに好色で有名なゼウスやストーカー体質のアポロンより女性遍歴は多いらしい(゚∇゚ ; )
美の女神アフロディーテ(ヴィーナス)
サンドロ・ボッティッリ 作『ヴィーナスの誕生』1485-1486年
美・愛欲の女神アフロディーテ(ヴィーナス)
海の泡から生まれた(ということになっている)ヴィーナスはゼフィロスとクロリスの吹く暖かい春の風を受けて、ホタテの船に乗って地上に上陸しました。人類に愛を運んできたのです。地上ではニンフ(妖精)がヴィーナスを迎えます。
**詳しくはこちらの記事を**
人類最古のセックスシンボル
ヴィーナスはその美しさでもって欲望を掻き立て生殖活動に走らせる。
キリスト教至上主義だった性に厳しい中世では世紀の大淫婦として闇に葬りさられていましたが、15世紀に起こった文化運動ルネサンスに華々しく復活(ボッディチェリのヴィーナスの誕生)(ง •̀_•́)ง‼
以降、美術史上もっとも多く描かれた女神だと思います(((uдu*)ゥンゥン
現代でも美しい女性をヴィーナスと呼ぶなど、彼女の魅力は未だに衰えません。
ヴィーナスの誕生秘話はなかなかにサイコ でして、海の泡から生まれたとされていますが、その泡は父であるウラノスの男根を海に投げ込んだ時にできたものです。
男根から生まれた女神って・・・愛・愛欲の神だけになかなか深いっっ!!
鍛冶の神ヘファイストスを夫に持ちながら、男性遍歴は神や人間と多方面にわたり、オリュンポスの男性神のほとんど(アレス、ヘルメス、ディオニュソス、ゼウス、ポセイドン)を手中に収めています。
軍神アレス
サンドロ・ボッティッリ 作『ヴィーナスとマルス』1480-1490年
軍神なのに平和の象徴?
同じ軍神でも女神アテナは知恵や戦略に長けた守神的存在だったのに対して、アレスは戦争の破壊的な面を司る神として人々から恐れられる存でした。決して人気のある神ではありませんでしたが、ローマ神話のマルス(ローマ建国の父)と同一視されて大人気とあり、下克上を果たしました!
人妻(神妻)ヴィーナスの浮気相手として有名で、結婚のお祝いになぜかヴィーナスとマルスという不倫カップルを描いた絵画を贈るのがブームだったそうです∑( ̄□ ̄;)ナント!!
残虐なマルスがヴィーナスの前では武装を解除するので、二人が仲良くしている間は世の中平和だと意味があったからです。
太陽神(光明神)アポロン
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作『アポロンとダフネ』1908年
光明もしくは太陽神。
ハイスペ男子だけどストーカー
全能の神ゼウスの息子で狩猟の女神アルテミスとは双子の姉弟とも言われる超〜〜〜セレブ!!
もちろんモテモテで男女問わず遍歴多し・・・なんですが!
どれほど完璧な男性でもうまくいかないのが恋愛らしく。
アポロンはあまり幸せな恋愛はしていないようです(^▽^;)
浮気した恋人を殺しちゃったり、付き合っても最後はフラられること多々!!
嫌がるダフネを追いかけ回し、追い詰められたダフネが父神に頼んで月桂樹の木に変わったというのは有名な神話。イケメンだけどストーカー体質な危険な神です。
そんなアポロは小アジアの神からはじまり、いろんな神々と合体しつつ・・・
太陽・光明・音楽・芸術・医術・疫病・法律・道徳・哲学・農業・放牧などなど主な権能は果てしなく多いです。
1969年にアポロと名のつく宇宙船が人類史上初となる有人飛行に成功したことから、未来には「宇宙の神」になってるかもしれません(((uдu*)ゥンゥン
狩猟の神アルテミス
作者不明(フォンテンブロー派の画家)『狩のディアナ』16世期中頃
狩の女神であり、男性嫌いの処女神。
古代ギリシャでは社会的弱者の味方
酒神ディオニュソス
完璧な宴会部長
伝令の神ヘルメス
ウバルド・ガンドルフィ作『ヘルメスのアルゴス退治』1770-1775年
伝令の神。何かにつけて顔を突っ込むけど、深入りはしない。だけど、ことによっては仲裁にはいったり、仲をとりもったり、飄々と仕事をこなす器用な神様。神々の潤滑油的な存在。
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豊穣の女神デメテル
怒らせると本当に怖い女神
鍛冶の神ヘファイストス
アテナ
斧で割ったほうが痛いでしょう・・・
武装したアテナが誕生したというわけ。
コメント
我が家のマースはローマ神話のマルスからなんだけど
爆睡王ですよ( ´艸`)
いやー、すごい。役に立つ。西洋画を鑑賞するにはオリンポスの神々の関係性を知っておくことは大事だし。しかも12柱もいて、なかなか覚えられないし。とてもありがたい。これは保存版だねー。
それにしても神様って、何でもありの世界だねぇ。ええんかい、神様なのに。
中世の画家のみならず、神様もいろいろカオス(;´∀`)
家系図の「ウラノス」氏、ガイアの息子であり夫の記述が目に留まりました。
いやぁ、圧巻でした(^ー^)
保存版ですね。自分、結構絵は観てきたんですが、どうもギリシャ神話が苦手で大混乱、まさにカオスでした。ビー玉さんのブログを読んで、幾つもの謎が解けました。そもそも、ギリシャ名と英語名がごっちゃになってましたからね(笑)(^^ゞ
ヘルメスは学生時代に石膏像で知ってて、裸の胸像でしたがデッサンしながら恋してました(*´ー`*)
でも、こちら何回か読まないと整理できないな(>_<)ヽ
デメテル最強説。(`・ω・´)シャキーン あと、オリュンポス12神と聞いて、聖闘士星矢しか出てこなかったのは内緒。( ´・з・)bシーッ!!
2か月ほど前に指摘しましたが、一向に修正されないので、再度書きます。
十二神の家系図において、ウラノスにゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」の絵を貼り付けていますが、サトゥルヌスはクロノスであってウラノスではありません。したがってこの貼り付け位置は間違いです。
また、別の記事においてもウラノスとクロノスの混同が見られましたが、どこだか忘れてしまいました。探してみてください。
このサイトは大変気に入っているのでがっかりさせないでください。
Decameronさん、コメントありがとうございます。
前回のコメントが反映されたなかったようで、大変申し訳ございません。
できるだけ早く訂正しますね。
ご指摘ありがとうございます。