絵に描かれたヤバい男女の物語。記憶から抹消したいツラい恋に効くかもしれない西洋絵画6選

恋愛に効く西洋絵画

こんばんは、大人の美術館ナビゲーターのビー玉(@beedama_lab)です。

上品なエロティシズムについてテーマ展をしようと資料を集めていたんですが、気がつけば「ヤバい男女の恋愛模様」になっていました。

暴走する嫉妬、忘れられない元カレや元カノ、

印象に残る絵って何かしら印象に残る物語があるものです。

本日は画家たちが絵につづったヤバめな愛の世界にあなたをナビゲートします。

よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

若かりしころの思い出の恋を引きずる女

Sir-John-Lavery-Ariadne

ジョン・ラヴェリー 『アリアドネ』1886年

青い海に向かって腕を伸ばす彼女の名前はアリアドネ

アリアドネはギリシャ神話に登場するミノス王の娘です。

彼女は一目惚れしたアテナイの王子テセウスのために父を裏切り故郷を捨てます。

結婚の約束をしていたはずのテセウスは、そんなアリアドネを旅の途中に一人置き去りにするんです。

最終的にアリアドネは愛するテセウスではなく酒の神バッカス(デュオニソス)と結婚して4人の子どもに恵まれ幸せに暮らすのですが・・・

ジョン・ラヴェリーの描くアリアドネは、海の向こういる愛する人を想って手を伸ばしているんです。

哀愁のある後ろ姿がなんとも色っぽい

 

だけど、だけどですよ!

女の恋心は上書き保存だと言われます。

過去の男よりもハイスペな夫と幸せな結婚生活を送っているにもかかわらず、自分を裏切り手ひどくふった昔の男を想って切ない気分になるものでしょうか?

私だったらたまに思い出して「腹立つわぁ」ってムカっとするくらいです( •ὢ•)←切り替えが早いタイプ

完全に黒歴史ですよ(; ・`д・´)

なので、これはアリアドネを置き去りにしたテセウス(もしくは画家)のビジョンなんじゃないかって妄想しちゃいます。

自分が置き去りした女が誰もいない島で、当時と全く変わらない姿で自分を想い続けて待っているんじゃないかという妄想というか願望。

男性には多いらしいですが、その思考は女性からみとヤバめですのでご注意をっ(゚∇゚ ; )

 

 

ゆらゆら揺れる女心

Fragonard-The-Swing

ジャン・オノレ・フラゴナール『ブランコ』1767-1768年

一見すると男女がイチャイチャしてるだけの他愛のない絵に見えなくもないんですが、この二人は不倫カップルです。

キューピットの像が口に手を当てているころから秘密の恋だと暗示しています。

少なくても女性は既婚者。

そして、この絵を依頼したのはブランコの下で女性のスカートの中を覗いている男性です。

それだけだったら不倫カップルの浮かれた絵って感じなんですが、ヤバいのは女性のブランコを押しているのが彼女の夫だということ。

女性はブランコに揺られながら愛人と夫の間を行ったり来たり

寝取り寝取られな1枚なのですよ。

ただ、スカートの中を見られるのは自分だけという寝取り男の強烈なマウントなのかもしれませんね。

 

 

結婚という牢獄に囚われている女

 

Dante-Gabriel-Rossetti-Proserpine

ダンテ・ガブリエル・ロセッティ『プロセルピナ』1874年

「プロセルピナ」とは、ローマ神話にでてくる春の女神(ギリシア神話ではペルセポネー)。

冥界の王に略奪され冥府の食べ物ザクロを食べてしまったがために、冥界の王の妻として1年の1/3を地下で暮らすことになってしまった女性(女神)です。

ロセッティのプロセルピナは鮮鮮烈に飛び込んでくるザクロの赤と唇の紅がとても官能的な名画。

禁断の果実を持つ腕を制止するように右手が添えられています。

このプロセルピナのモデルとなったのはロセッティの友人でデザイナーのウイリアム・モリスの妻ジェーン。

Dante-Gabriel -RossettiJane -MorrisWmmorris

ロセッティとジェーンは夫公認の不倫カップルだったんです。

モリスは1年の半分をロセッティ、残りの半分を自分と過ごすことを条件に二人の仲を黙認

まるで冥府の王とプロセルピナの関係のようではありませんか。

ロセッティは夫に縛り付けられている哀れな女神としてジェーンを描きますが、ジェーンはロセッティ以外とも何人もの男性と浮名を流す愛に奔放な女性。

そんなジェーンは意外にも夫モリスと生涯添い遂げました。

 

略奪、不倫、なんでもありのゲスな画家ロセッティーを振り回した魔性の「プロセルピナ」
友達の恋人も妻も関係なし!サークル内クラッシャーと呼ばれたラファエル(ラファエロ)前派の画家ロセッティ。そんな彼を翻弄した魔性の女とはだれだったのか?

 

友人の妻や恋人もお構いなしにつまみ食いしたサークル内クラッシャーのロセッティですが、愛に奔放な女性ジェーンと寝取られ願望のあるモリス夫婦に振り回されただけだったというのがなんとも皮肉っ(ΦωΦ)フフフ…

 

 

友人の妻を寝とりつつ、その友人に共感する男

Edvard-Munch-Jealousy

エドヴァルド・ムンク作《嫉妬》1895年

「叫び」で有名なムンク。じつは人妻フェチで恋愛をこじらせる達人です(自覚があったらしい)。

その中でも『嫉妬』は “まさにムンク” といえる1作。

正面を睨み付け嫉妬で心を焼かれる男性はムンクの友人のスタニスラフ・プシビジェフスキ。

そして、赤いガウンの女性はプシビジェフスキの妻ダウニー!

アダムとイヴになぞらえて、イブであるダウニーが男性を誘惑します。

ダウニーは性に奔放な女性で、ムンクもダウニーの恋人の1人に過ぎませんでした。

 

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なので、絵の中でダウニーに誘惑されている男性はムンクであり、嫉妬している男もまたムンクであるというこじらせ具合。

友人の妻を寝とった立場でありながら、寝取られた友に激しく同調してるんです。

それを絵にするムンクもなかなかに業が深い(゚∇゚ ; )

いや、むしろ絵を描くためにわざとこじらせているムンクも相当にヤバい男です。

 

 

10歳年上の妻に依存してしまう男

Dali-masturbador

サルバドール・ダリ『大自慰者』1929年

ダリは幼少期に父親に見せられた梅毒患者の悲惨な写真により、性と死が親密に結び付きます。

そのトラウマから性的不能者となってしまうんです。

 

館長
館長

行き過ぎた性教育の弊害というものですね

 

そんなダリを救ったのが10歳年上の妻ガラ

ダリから何が欲しいと尋ねられたガラは「私を殺して」と答えます。

これが性と死が表裏一体だったダリの心にぐっさり刺さり、あれほど恐れていた死が甘美なものへと変化したんです。

で、祝・ED解消٩(●˙▿˙●)۶

ダリの描く『大自慰者』では下を向く巨大な顔はダリの精神的な自画像。

嫌悪していたはずのイナゴ(性的比喩)と向き合い恍惚の表情を浮かべています。

その斜め上では男性の股間に口を近づけているガラ。

ガラとの初めての行為を夢想しての恍惚

Salvador-Dali

ダリはかなりなイケメンだったのに性的に不能だったことで自己肯定感は下がりまくっていたのでしょう。

自分にはガラしかいないと思い込みガラにがっつり依存していくことになります。

ダリの愛の「重さ」もあってかガラに避けられることになるんですけどね。

そして、嫌われていてもガラに執着し続けたダリも切ない。

ダリは実際のガラのお墓の隣ではなく、自分が描いた理想のガラの絵に囲まれて永遠の眠りについています。

 

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ヤバさはダントツNo. 1!

Oskar-Kokoschka

オスカー・ココシュカ『青い服の女』1919年

なにも知らずにこの絵をみても多少のヤバさは感じますが、実際は想ってる以上にヤバい絵ですw

この青い服の女のモデルは人間ではありません。

厳密に言えば、愛する人を模した人形です。

ココシュカが愛したのは天才作曲家グスタフ・マーラーの未亡人で、音楽、絵画、建築、詩・・数々の芸術家たちのミューズとなった魔性の女アルマ・マーラー

アルマの恋愛観は自由奔放、そのすべてが男性を支配するというドSな女王様気質。

そんな彼女に心酔したのが、まだ当時は駆け出しの画家であったココシュカでした。

Oskar-Kokoschka-portraitalma-mahler

ココシュカは元々の性格がメンヘラ気味だったのか、アルマに出会ったことでメンヘラ化したのかはわかりませんが、嫉妬と猜疑心からアルマを束縛しストーカー化。

そんなココシュカにアルマ女王様がおとなしく従うわけもなく、アルマはココシュカの元を去ります。

ここまではココシュカに同情できるところも多いですが・・。

アルマに去られたココシュカにはドン引きです。

なんと、アルマの等身大の人形を作り7年もの間、どこに行くにも一緒に連れ回します。

その間、アルマ人形をモデルにたくさんの絵画を制作しますが、ヤバすぎてここでは紹介できません。

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そんなアルマ人形をモデルとして描かれた最初の絵が『青い服の女』

一作目なので、ココシュカの中でも希望の火が小さく燃えていたのか、描かれたアルマ人形は優しく微笑んでいます。

ここからどんどん狂気を増していくのがこわいんですけどね(((;꒪ꈊ꒪;))):

ヤバい画家ランキングがあれば、ココシュカがダントツで優勝でしょう。

 

7年後にアルマの思い出と訣別するように人形の首を切り、ココシュカのアルマへの気持ちは落ち着きを取り戻します。

7年は長いっっ(ノд-。)クスン

愛の期限は3年と言います、それ以上に諦めきれないのであればそれは幸せだった過去への執着かもしれませんね。

執着の末に復縁や復習を果たしても、幸せになるのは難しいと思うので早めにきっぱり忘れたもの勝ちですよ(゚∇゚ ; )

 

本日は以上です。

なかなかにヤバくて濃いエピソードが出そろっちゃました。

あなたには共感できるものはありましたでしょうか?

何かしら刺さったエピソードがある場合は、ヤバいのは自分だけじゃないと癒されてもらえると幸いです。

では、またのご来館日にお会いいたしましょう。

 

 

 

コメント

  1. aiai より:

    わたし他人の恋愛にあまり興味ないのですが・・・だからこそなのかしら、めっちゃおもしろかった( *´艸`)
    普通じゃない恋愛はたのしいね!(本人たちは苦しかったんだろうけど)

  2. Nick Ollie より:

    どれもみんなアブナイのばかりねぇ。昔の西洋の女性って、今よりずっと愛や性に奔放だったのかな、とも思ったりしました。

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