神話「トロイの木馬」ってどんな話?なぜ人々は木馬を信じたの?【西洋絵画の読み方】

ギリシャ神話(神話画)

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こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。

令和2年最初の更新はおめでたいテーマにしないとなぁ・・・って思っていたんですが、お正月休み中に観た「半沢直樹」のスピンオフドラマで “トロイの木馬” が連呼されていて、なんとなく「新年はトロイの木馬をやろう」って思ってしまい今に至ります(^▽^;) なんの洗脳?

ドラマに使われていたのはPCやスマホに悪影響を及ぼすウイルス(厳密にはマルウェア)の「トロイの木馬」だったのですが、前々から上手いネーミングだなぁ・・と思っていたので、本日は元ネタの「トロイの木馬」の世界に絵画を通してあなたをナビゲートします。

全くおめでたくはありません(^▽^;) でも明日会社で使える!・・・かもしれないネタです。

よろしければ、最後までお付き合いください

トロイの木馬とは何か?

トロイの木馬とは

スパルタ、ミュケナイのギリシャ連合軍トロイア王国の10年にもおよぶ長い戦争(トロイア戦争)に終止符を打った作戦名であり、それに使われた奇想天外な装置の名前(誰もが知ってると思うけどw)でもあります。

 

考案したのは、酔っ払って暴れるからマストに括り付けられちゃってるようなこちらの男性!

マスト男の秘密はこちら↓

人を魅了する「セイレーン」の秘密
こんばんは!ビー玉です。 今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・ 本館、【大人の美術館】は、素人の素人による素人のための妄想美術館です。いわゆる “常識” とされている見解と違う箇所もあるかとは思いますが、ゆる~い気持ちでリラ...

一応、ギリシャ神話で登場する英雄の一人でございます。

ではでは、戦争の発端となった名画を観ていきましょう・・・

トロイア戦争の発端

フィリップ・パロット作 パリスの審判  1875年

なになに乱行パーティ( ✧Д✧) ?

いえ、違いますw

三人の美女はギリシャ神話の女神たちで

全能の神ゼウスの妻「ヘラ」
美と愛の神「アフロディーテ(ヴィーナス)」
戦いの女神「アテナ」

この3人の中から最も美しい女神を選んでいるところなのです。

詳しくはこちらの記事をご参照ください↓

 

ヌードはお好き?3人の美女のヌードを描け!「パリスの審判」
トロイア戦争の引き金となった「パリスの審判」。このテーマが多くの画家に愛されたのはなぜか?そしてなぜ戦争になってしまったんのかを名画を通して紐解きます。

 

選者はトロイアの王子「パリス」

見届け人は伝令の神「ヘルメス(マーキュリー)」です。

女神たちは自分を選ぶようにとそれぞれパリスに賄賂を持ちかけます。

ヘラは “絶大な権力” 
アテナは “輝かしい戦勝” 
アフロディーテは “最高の美女” 

まぁ普通だったら「権力」のヘラか、時代によっては「戦勝」のアテナを選ぶ人が多いと思うんですけど・・

パリスは“最高の美女”を選びます。

ビー玉
ビー玉

なんて本能に忠実なwww

で!その最高の美女というのがですね・・・

ガストン・ビュシエール作「トロイのヘレネ」1895年

スパルタ国の王妃ヘレネです。ちなみに夫がいます。

はい、人妻ですね(´-ω-`)

 

ビー玉
ビー玉

絶世の美女ヘレネは多くの画家に描かれましたが、私はガストンのヘレネが一番好き♡

 

そんな美しすぎる人妻ヘレネにパリスは一瞬で心を奪われます!

ヘレネの略奪

フアン・デ・ラ・コルテ「ヘレネの略奪」1620年ごろ

浮かれた不倫カップルがタイタニックごっこをしているのではありません。

 

 ティントレット作「ヘレネの略奪」1580年

どこまでも本能に忠実なの男パリスは人妻ヘレネに対して何の躊躇もなく略奪しますエェェェェェェェェ Σ(゚Д゚ノ)ノェェ,,

 

この題材は “美しいヘレネ” 描きたさに、あらゆる時代の画家たちが描いてきたんですが・・

実はですねぇ・・ちょっとおバカなパリスは絶世の美男子だという設定なのですよ!!

ベンジャミン・ウェスト作「ヘレネの略奪」1776年

床に跪きプロポーズする紳士なパリス。そして悪い気は絶対にしてないヘレネw


グイド・レーニ作「ヘレネの略奪」1626〜29年

パリスに手を引かれて自ら歩いてついて行くヘレネなど・・17世紀以降のヘレネは略奪というよりパリスとの逃避行っぽくなってきます(^▽^;)

時代が進むと、すでに倦怠期を迎えていたかもしれない夫よりも、美男子パリスを選んだ女性というイメージに変わってくるのが面白い(≧∇≦)

まぁ、略奪だろうが逃避行だろうが、夫であるスパルタの王は大激怒です。

兄であるミュケナイの王と、ヘレネに恋心を抱いていた諸外国の力を借りてギリシア連合軍を結成してヘレネ奪還のためにトロイアに攻め入ります。

これが有名なトロイア戦争の始まりです。

たった一人の美女の為に国同士が戦争とかする?って思わないでもないですが、王妃略奪以前からずっと関係に燻りはあって、パリスとヘレネのことは引き金に過ぎなかったのかなぁ?とは思います(((uдu*)ゥンゥン

この戦争は10年にもおよび、パリスは途中で戦死し、残されたヘレネはパリスの弟と結婚するんです。

パリスも死んだし、もとの夫のところに返したらええやん?って思うんですが・・返さない( •ὢ•)

パリスの弟もまたヘレネの美しさに魅了された一人なのでしょう・・

雑誌アート

ついにトロイの木馬登場!

この戦争を終わらせたのは「トロイの木馬作戦」

発案者はギリシャ側の英雄オデュッセウス(いちおう知将)です。

木製の巨大な木馬を作り、その木馬の中に兵士を隠し、木馬を城壁の中へ入れさせて難攻不落なトロイの城を内側から陥落させるという奇策!!

ロープなんて使わなくても降りられるんじゃ・・という大きさですが、実際(伝説だけど)のトロイの木馬は高さ12m、横幅10mで、中には50人もの兵士が入っていたらしいです。

12mというとビル3〜4階建ほどの高さ!かなりデカいです。

 

館長
館長

そんな大きな木馬をどうやってバレずに建設できたんたんでしょうね

 

ビー玉
ビー玉

それは言わないお約束w

 

海辺に木馬だけを残して、ギリシャ軍は撤退を装って戦艦や兵士を別の島へ移動!

トロイアの人々はギリシヤ軍がついに撤退したと喜びます。

そして、逃げ遅れたであろうギリシャ人を捕まえて尋問すると・・・

 

兵士
兵士

女神アテネが怒っていて、このままだと全滅するというお告げがあった

兵士
兵士

女神アテネの怒りを沈めるための木馬です

兵士
兵士

だけど木馬を取られたら、戦争に負けるというお告げがあったので、取られないように城門よりも大きく作った

全部オデュッセウスの指示でついた嘘です。

だけど、こんな怪しい言葉を信じてトロイアの人々は木馬を場内に入れることを決めます。

自分たちは勝利したと信じたかったんだろうなぁと思います

トロイアのセキュリティー

ただ・・・この言葉を怪しんだ人物が2人いました。

神官「ラオコーン」とトロイアの王女「カッサンドラ」です。

未来を見通すカッサンドラ

カッサンドラは、かつて太陽神アポロと恋仲で、その時に未来を見通す力をもらっていたのですが、アポロをふったことで「だれも彼女の予言は信じない」という呪いをかけられていました。

彼女がどれほど木馬が危険かを叫んでも、誰も彼女の言葉は信じない・・

イーヴリン・ド・モーガン作「カッサンドラー」1868年

冷静に物事を見極めるラオコーン

「どう考えても怪しい!」
神官ラオコーンが木馬を引き入れてることに反対した途端に、海から大蛇が現れて2人の息子を噛み殺し、ラオコーン自身も海に引きずり込まれてしまいます。

 

この惨状を目の当たりにしたトロイアの人々は、アテナが木馬を求めているからだと、急いで城内に引き入れてしまいます。

実は、パリスに「最も美しい美女」として選ばれなかったアテナがギリシャ側に味方してラオコーンを陥れたと言われています。

 

↓パリスが選んだ美女は誰だ?

ヌードはお好き?3人の美女のヌードを描け!「パリスの審判」
トロイア戦争の引き金となった「パリスの審判」。このテーマが多くの画家に愛されたのはなぜか?そしてなぜ戦争になってしまったんのかを名画を通して紐解きます。

 

このように2つのセキュリティーを難なく突破!

木馬は城門よりも大きかったので、門を破壊してしまいますがお構いなしです。

難攻不落のはずのトロイアの城のセキュリティーは、すでに “ない” に等しい状態( ꒪⌓꒪)

トロイアの人々はギリシャ軍が撤退したこと、木馬を手に入れたことで勝利を確信し、長い戦争の憂さを晴らすように一晩中勝利の美酒に酔いしれました。

そして、トロイアの人々が酔い潰れて寝静まった頃、木馬から現れたギリシャ軍の兵士たちに斬殺されてしまいます(llФwФ`)ガクガクブルブル

隠れていた他のギリシャ軍によって、トロイアは瞬く間に炎上し、あれほど強固だった城は内側からあっけなく陥落したのでした・・・

実はトロイアは、木馬以前にも浮浪者に変装したオデュッセウスを城内に入れてしまい守神の象を盗まれているんですよ・・

なので、もともとトロイアのセキュリティーには問題があったのだと思いますが・・・

無理矢理入って来ようとするものには強固なセキュリティーも、自らが良いものだと信じて引き入れたもの対しては脆弱!

結果、内側から破壊されてしまう。

まさに現代の「トロイの木馬」そのものではありませんか!!

 

ちなみにこの話は長らく伝説だと思われていましたが19世紀になってドイツの考古学者「シュリーマン」によってトロイアの遺跡が発見されて、史実だったことが証明されました。

自ら災いを引き入れてしまう・・いつの時代の人間は、自分が信じたものには防備が弱くなるってことですね。

雑誌アート

ヘレネのその後

戦いの原因となったヘレナがどうなったと思いますか?

最終的にはもとの夫の元にもどり、スパルタで夫婦仲良く暮らしたそうですwww

 

館長
館長

男性は美しい女性に弱過ぎます!

 

 

ギュスターヴ・モロー作「トロイアの城壁にたつヘレネ」

トロイアの戦争を引きおこすきっかけとなった絶世の美女ヘレネ。

モローの描くヘレネは顔はぼんやりとしか描かれておらず、足元には戦いによって流されてた血と屍の山が築かれています。

このヘレネは「人を戦争に駆り立てる概念」に思えます。それは “正義” だったり  “誇り” だったり・・・戦いに駆り立て、高揚させ、勝てばこれ以上ないほどの美酒にもなります。

女神が戦勝をもたらすと思われがちですが、実際のところ女神は戦勝をあげた側に微笑むのですよ。

本日は以上です。お読みいただき、ありがとうございます。

 

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当「大人の美術館」は毎週土曜か日曜の深夜に開館します。

また次の開館日にお会いいたしましょう(*ˊᵕˋ*)੭

 

 
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コメント

  1. トロイの木馬にこのような背景があったとは(;^_^A
    普通なら館長が言ってるとおり、怪しすぎて絶対入れないと思うけど、
    アテナさんが激おこなんて言われたら、神々の時代であれば震え上がるでしょうな( *´艸`)

  2. pope より:

    トロイの木馬は映画でも題材に使われていて、昔見た記憶があります。ちょっと今見たら2004年にブラピ主演で作られていたことがwすると小生が見たのは・・・「大城砦」か?(1962製作)ハインリッヒ・シュリーマンの発掘で史実となったのはすごいな。トロイア戦争の背景を考えると何千年も前から人間の営みは変わってない!ということがよくわかりますね。それに神話をくっ付けるもんでややこしいwオリンポスの神々もどことな~く人間臭い表現が多いし・・・

  3. スヤスヤ より:

    いつの時代も変わらないのですね~(^▽^;)
    「トロイの木馬」は名前を聞いたことがあるくらいで
    ウイルスでしか知らなかったので
    とても勉強になりました(*´˘`*)♡
    国や人を巻き込んだ盛大な不倫バトルか~(違w)

  4. aiai より:

    お恥ずかしながら「トロイの木馬」という神話があることすら初めて知りました(;^ω^)
    おもしろい話になっちゃうのは、姐さん節だからですよね( *´艸`)
    考案者の英雄を「酔っ払って暴れるからマストに括り付けられちゃってる」とか言っちゃった時点で、もうわたしの中では楽しい話になっちゃった・・・(;・∀・)

  5. 「女神は戦勝を挙げた方に微笑む。」この言葉こそ真実。綺麗に纏まりましたね。( ^ω^ )ニコニコ

  6. ヨウコの川歩き より:

    ブラッドピットの「トロイ」って映画ありましたよね。あの神話を本気で映画にしたんだぁ…と思いましたが、確かに1部史実だったんですねこんだけの作品を生み出したんだから、大した物語です。闘いの裏に女あり(^0^;)
    面白かった!今年も「大人の美術館」楽しみにしています

  7. Nick Ollie より:

    良かった、国を滅ぼすような美女に生まれなくてってか。ほんと昔から男性は美女に弱いのね。

  8. ash より:

    友人がトルコに住んでいたとき、のんびり一周したことがあり、そのときにこの話を聞きました。
    でもヘレネのことは知らなかった~。
    自分のために人が死んだり血を流すのは嫌ですが、でも現代版でヘレネみたいな人生を送ってみたかった…。「私のために~争わないで~♪」と竹内まりやのように歌ってみたかった…。まったくもって皆無の人生でした…え~ん。いや、まだわからん、老人ホームでじいさんたちが私のために争うかもしれん…。

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