こんばんは!ビー玉です。
今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・
本館、【大人の美術館】は、素人の素人による素人のための妄想美術館です。いわゆる “常識” とされている見解と違う箇所もあるかとは思いますが、ゆる~い気持ちでリラックスしながらご観覧ください。
「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します・・・
前回、禁断の「受胎告知」のことを書きましたが、その受胎告知の原案ともいえる話があるのをご存知でしょうか?
※諸説ありますよ!!
フラ・アンジェリコ『受胎告知』1435年 プラド美術館所蔵
今回はかなり大人っぽい内容になります。大人っぽい内容に抵抗がある方は、残念ながら今日のところは引き返していただき、よかったら後日また遊びに来てくださいね。
はい、質問です。
あなたは18歳以上ですか?
YESの方は、しばし大人の美術館を楽しんでいただけたら幸いです。
18歳以下の方は・・・こっそり楽しんで(´艸`*)
ダナエとキリスト教
作者不明『都市のモデルを備えたコンスタンティヌス1世皇帝の献呈図』1世紀ごろ
4世紀半ば、ローマでキリスト教を広めようと決めた皇帝が名案を思い付きました♪
「土着的な太陽神とキリストを融合させたら受け入れやすいんじゃね?」と!!
太陽神のお祭りだったのがキリストの誕生を祝う日(誕生日ではない)に変化し、地元の合コンイベントはバレンタインデーになり、血を飲む儀式はワインに変わり、女神の神話は聖母マリア様の伝説へと姿を変えていったんです。
そのひとつがギリシャ神話のゼウスとダナエのお話です。
グスタフ・クリムト『ダナエ』1907–1908年
私の大好きなクリムトの描くダナエです。
幸福に満ちた女性の表情が大好きです。大好きな理由はのちほど・・・
まぁ、なんの知識がなくても、この絵がエロティックである、ということは感じ取れると思います。
それで充分ではあるんですが・・
ダナエの話を知れば、彼女の幸福感の理由と、目には見えないもう一人の登場人物が見えてきます。
よかったら最後までお付き合いください。
ダナエは神話に登場する悲劇の女性
「Danae」は、「ダナエー」とも言われますが、ここでは「ダナエ」に統一します。(なんか・・ダナエーって字面がダイエーみたいだからww)
アルゴス(ギリシャ)の王であるアクリシオスには、ダナエという美しい娘がいました。
息子が欲しかったアクリシオスは神託を求めた結果、息子を得られないどころか、娘のダナエが産んだ子ども(自分の孫)によって殺されるであろう、という予言を受けてしまうんですよね。
その予言を信じた王は、ダナエが男性と接触することがないように青銅の塔のてっぺんに幽閉します。
そのダナエに目を付けたのが、好色で有名な全能の神ゼウス!!
狙った女性を手に入れるためならば、白鳥に化けたり雄牛に化けたりと手段は選びません。
今回のゼウスさんは黄金の雨となりダナエが幽閉されている青銅の塔へと侵入を果たします。
塔への侵入を果たした後は、人の形に戻ればいいものを・・・
雨のままダナエにも侵入しちゃうゼウスさんの変態ぶりったら(;´д`)トホホ
ダナエは、この「黄金の雨」と交わり、息子を身ごもります。
ちなみに、この息子とはメドゥーサ退治でお馴染みの半神のペルセウスです。
画家を魅了したダナエたち
黄金の雨と美しい乙女との交わり・・・
いやぁなんとも美しいイメージではございませんか!
この美しいイメージは画家たちのイマジネーションを刺激したようで、後世に残る絵がたくさん描かれています。
そして、それらは・・・もれなくエロいです(*ノД`*)タハッ
少し紹介しましょうか・・・
ヤン・ホッサールト『ダナエ』1527年 アルテ・ピナコテーク所蔵
これだけ窓あったら、ゼウスは空も飛べるんだし、わざわざ雨に姿を変えなくとも侵入可能なんでない?
自ら黄金の雨を誘導するダナエの姿も、なかなか艶っぽくていいですね(´ω`*)
コレッジオ『ダナエ』1531年 ボルゲーゼ美術館所蔵
この絵の塔にも窓はあるけど、桟(さん)があるってことは、もうガラスが存在する時代なのかな?
顔がすこし幼くて、ちょっと背徳感を帯びたダナエです。
エロス(キューピッド)が雨をダナエへと誘導します。
えっと・・・好色で名高いゼウスやで?誘導必要か?
ちなみにダナエの絵画には、よくエロス(キューピット)が一緒に描かれます。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『ダナエ』1553-1554年 プラド美術館所蔵
なんか登場人物増えてるし、老女登場!!(ダナエの侍女です)
雨とはいえ黄金ですからね、集めたくなる気持ちも分かります(((uдu*)ゥンゥン
喜びを待つダナエに対して黄金を待つ老女の対比・・・う〜ん、老女の気持ちのがほうが分かる(ノД`)シクシク
宗教とエロスはライバル関係
恍惚をもたらすのは、エンドルフィン・・・そう、幸福を感じさせてくれる脳内物質です。
これは、「死の存在」を知ってしまった人間だけに生まれた、不安感を和らげるための物質です。
なので、性行為は一時でも開放感を得たり、不安な気持ちを和らげる効果が絶大です。
宗教の役割も同じなんです。キリスト教が性行為を極端に制限するのは、ライバル関係だからなんですよ。ええ。(言い切ってやった!)
愛撫してはならない
深いキスは禁止
体位は正常位のみ
1晩に1回以上は禁止
そして極め付けは・・・・楽しんではならない。
上記は、中世の教会が決めた家庭生活における性的な項目に関するルールです。
厳しいでしょ(;''∀'')
「性行為は子どもをつくるためだけの行為ですよ!」と植え付けるのに必死すぎっ!!
そして、ダナエの性的描写をすべて削ぎ落としたものが「受胎告知」 です。
ダナエは聖母マリアに、エロスは天使ガブリエルに姿を変えますが、神の子を宿すということは・・・まぁそういうことです。それをマリア様は素直に受け入れるっていうんだから×××
うわっ!!怖っ!!怖い筋から怒られそう((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
ちょっと頭のおかしな主婦の妄想と思って見逃してくださいっっ!!
(ダナエについて書く前に受胎告知を紹介するって決めてた確信犯だけどww)
クリムトのダナエ
グスタフ・クリムト『ダナエ』1907-1908年 ヴュルトレ画廊
さぁ、あなたには・・・もうゼウスの姿が見えますよね(´ω`*)
どうでしょう、R指定でしょ?
四角い空間に折り曲げられた肢体は、幽閉されていることを暗示しています。
何に幽閉されているんでしょうね?
当時は今よりも制約の多かった女という性なのか、抑圧された常識や理性・・
少し息苦しい感じがしますが、女性の表情はそれらすべてを開放します。
抑圧と解放。エンドルフィン全開。すべてをやわらかく包み込む圧倒的な幸福感・・・
目に見える物質で幸福感を得ようとすると、今の世の中は素敵なもので溢れていて、追っても追っても終わりがありません。そして、自分には手に入れられないと感じた時、得体の知れない閉塞感に見舞われちゃうんですよね・・・
だけど、この絵をみると・・・本当の幸福感って、もっと単純に得られるんじゃないかって思えて、物質的な幸福から解放されて、すこしホッとするんです。
まぁ・・完全に個人的な感想なんですけど( ̄▽ ̄;)
そんな些細で大きな幸福感に浸りながら、本日は以上です。最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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