こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。
今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・
当館【大人の美術館】は、web上の仮想美術館です。
「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します。
自分の感情なのに自分ではどうしようもない暴れ出そうとする狂気の感情を絵画に塗りこめた画家がいます。
本日はちょっと悲しい愛の世界へあなたをナビゲートします。
お時間よろしければ、最後までお付き合いくださいm(_ _)m
オスカー・ココシュカ作 【風の花嫁】
本日のお題は・・・・
作者:オスカー・ココシュカ(Oskar Kokoschka)
作品名:風の花嫁(Bride of the Wind)
年代:1913年頃
種類:油絵
寸法:181cmcm × 220cm
所蔵:バーゼル市立美術館 (Basler Kunstmuseum) / スイス
天才作曲家、グスタフ・マーラーの未亡人で、音楽、絵画、建築、詩・・数々の芸術家たちのミューズとなった女性います。
彼女の名は、アルマ・マーラー
「風の花嫁」は、アルマと画家のココシュカ自身がモデルです。
ちなみにココシュカは、アルマよりも7つも歳下・・なのに、絵に描かれたココシュカはまるで老人のよう・・
寄り添い微睡むアルマに対して、緊張感を隠しきれないココシュカ・・・・アルマに心酔し、結婚を熱望していたハズなのに、寄り添うアルマに足を絡めることもなく、指も自分を律するように組まれたままです。
一体何がココシュカにこの絵を描かせたんでしょうね・・・
本日は少しだけホラー要素を含みます。観覧にご注意くださいm(_ _)m
傑作が描けたら結婚する
アルマは典型的な「才能を愛する女」で、しかも、その才能を見出すことに長けていて、彼女と関わった芸術家はことごとく歴史に名を刻んでいます。
作曲家のグスタフ・マーラー、建築家のヴァルター・グロピウス、小説家フランツ・ヴェルフェルと3度の結婚し、作曲家のツェムリンスキー、画家のクリムトなどとも浮名を流し、「天才たちの恋人」と呼ばれました。
恋愛観も自由奔放で・・・しかも、そのすべてが、支配する形になるという女王様気質。
そんな彼女に心酔したのが、まだ当時は年若い駆け出しの画家であったココシュカでした。
こんなココシュカが彼女に結婚を迫ったとき、アルマが言った言葉・・それが「あなたに傑作が描けたら結婚する」です。
この言葉に奮起して、描かれたのが「風の花嫁」
だけど・・・絵を観ると想像できると思いますが、2人の間は間もなく破綻します。
アルマ曰く、別れの原因は「彼の嫉妬と猜疑心」・・・
当時アルマはココシュカとは別の恋人もいたので、「何を言っとる?」「ココシュカさん可哀そう…」って思う人もいるでしょうが・・
一瞬でアルマサイドにシフトしたくなるエピソードもございます。
それは・・・・
怖い画像を含みます
ちょっとしたホラーです。
ご注意ください
ココシュカさん御乱心?
なんと!!アルマと別れた後、
アルマを模した等身大の人形を制作((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
友人の人形師に依頼して、彼女特徴、抱き心地まで考慮されたオーダーメイドのダッチワイf・・・生き人形です。
関節も稼働可能な高性能・・・
この人形にドレスを着せて夜な夜な連れ歩いたり、人形をモデルに絵も描いています!!
ココシュカさん・・・・怖いわっ。・゚・(゚`д´゚)・゚・。
結婚を迫った時も、アルマを独占したいがために、勝手に彼女の戸籍を取り寄せて、結婚の日取りまで決めてしまっていたとか!!
そう・・ココシュカはストーカー体質だったんです。
実は私ビー玉も過去に数回ストーカー被害に遭ったことがありまして、一時期全く知らない人と婚約状態にあったことがありました・・なので、この怖さは充分すぎるぐらい分かります。
「傑作が描けたら」というのも、もしかしたら彼女なりに自分から目をそらせさせるための作戦だったのかもしれません。
ココシュカとアルマ人形との関係は、その後7年ほど続き、ココシュカが人形の首を斬り落とす・・という人間だったら大事件の様相で終止符が打たれました・・
風の花嫁をみて想う・・
このエピソードを知った後、「風の花嫁」を観てみると、しっかり組み合わされたココシュカの手は、暴走しそうになる自分の気持ちを必死で抑えようとしているように 見えてしかたがありません。
恋心って、時には人を狂気に駆り立てますもんね( ノД`)シクシク…走り出したら、どうあっても止められないみたいな・・
私は、この恋愛感情というものが少し怖いです・・・
そして・・・
アルマ人形殺害事件の数十年後、70歳の誕生日を迎えたアルマの元に、一通の電報が届きます。
「いとしいアルマ。僕たちは「風の花嫁」の中で、永久に結ばれているのです」と・・・
なぜアルマの住所を知ってるんだココシュカさん( ノД`)シクシク…
本日は以上です。お読みいただき、ありがとうございます。
コメント