変な絵満載!ヘタウマ画家「アンリ・ルソー」の絵に惹かれるのはなぜか?

画家

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こんばんは!ビー玉です。

今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・

当館【大人の美術館】は、素人の素人による素人のための妄想美術館です。いわゆる “常識” とされている見解と違う箇所もあるかとは思いますが、ゆる~い気持ちでリラックスしながらご観覧ください。「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します・・・

上手いばかりが画家じゃない!「下手」を武器に観衆を魅了し、時代という “ふるい” の網目をかいくぐってきた画家がいます。

本日は、元祖ヘタウマ癒し系「アンリ・ルソー」の回顧展です。

お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

 


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アンリ・ルソーとは

アンリ・ルソーとは、1844年フランス西北部のラヴェルに生まれ、印象派が活躍した時代に独自の画風を貫き、今も昔もコアなファンを持つ素朴派の画家です。

ちなみに素朴派(ナイーブ・アート)とは、美術教育を受けていない画家たちの総称。

日本では裸の大将でお馴染みの山下清氏も素朴派と呼ばれます。

素朴派は画家を本職としない、いわゆる日曜画家がほとんどでした。ルソーもパリの関税局に勤めながら日曜日になるとパリのルーブル美術館へ行って模写しながら独学で絵を学びました。

その頃に描かれたのがこちら↓

【作 者】アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー(Henri Julien Félix Rousseau)
【作品名】夜のカーニバル((Un soir de carnival)
【年 代】1886年
【種 類】カンヴァス、油彩
【寸 法】117,4 × 89,61cm
【所 蔵】フィラデルフィア美術館(Philadelphia Museum of Art)/アメリカ

月明かりに浮かぶ真っ白なカーニバルの衣装をきたカップルが寂しげな風景の中に佇むエキゾチックで幻想的な絵です。

現在の私たちが観ると、何の違和感もなく印象的な絵だなぁ・・って感じると思うのですが、この時代は印象派ですらまだ先進的な人たちのもので、保守的な絵画ファンは新古典主義の綿密な画風に慣れ親しんでいました。

【作 者】ジャン・レオン・ジェローム(Jean-Léon Gérôme)
【作品名】蛇使いの少年(The Snake Charmer)
【年 代】1879年
【種 類】カンヴァス、油彩
【寸 法】82.2×121cm
【所 蔵】クラーク美術館(Clark Art Institute)

エキゾチックといえば、アカデミックの重鎮ジェローム!!上の絵のような荘重でリアルな描写が好まれました。

そんな時代に遠近感も奥行きも無視で、なぜか小屋が透けてるようなルソーの絵は違和感ありありだったわけです。

 

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違和感だらけのルソーの絵

 

ちょっと当時の感覚が分かりませんか?

(ΦωΦ)フフフ…分かるようにして差し上げましょう♪

私は初めてルソーの絵を見て、頭の中がハテナマークが飛びまくった作品です♪

だけど、ルソーが大好きになった作品でもあります!!

【作 者】アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー(Henri Julien Félix Rousseau)
【作品名】フットボールをする人々(The Football Players)
【年 代】1908年
【種 類】カンヴァス、油彩
【寸 法】100.3×80.3cm

【所 蔵】グッゲンハイム美術館 (Guggenheim Museum)/アメリカ

なぜに同じ顔?なぜに囚人服??フットボールって、ボールを持ってる人を殴ってもいい競技なの???
そんな疑問はどうでよくなるほどの魅力的でコミカルな絵・・見ているだけで楽しい気分なる♪
この絵が私のルソー初体験でした。
多様化した今の時代に見ても、ちょっと変でしょ(^▽^;)?
だけど、驚くことに!本人はコミカルな絵を描こうと思って描いてるんじゃないんですよ!ルソーが目指していたのは、印象派でもキュビズムでも、ましてやヘタウマでもなく・・・あくまでも「蛇使いの少年」を描いたジェロームのようなアカデミーを代表する画家なんです!!
フォービズム(野獣派)か?と思えるような絵も、ルソー本人は写実的に描いてるつもりなのです。

ちょっと奇妙なルソーの肖像画

【作 者】アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー(Henri Julien Félix Rousseau)
【作品名】詩人に霊感を与えるミューズ
【年 代】1909年
【種 類】カンヴァス、油彩
【寸 法】131×97cm
【所 蔵】プーシキン美術館 /ロシア

これはルソーが考案した(本人談)風景肖像画。

友人で詩人のアポリネールとその恋人であった画家マリー・ローランサンの肖像です。
この絵を描くにあたって、モデル二人の体を綿密に採寸したと言われています。

それなのにっっ!!

採寸に使用したメジャーがどんな狂い方をしたらこうなるのか(゚∇゚ ; )

華奢だったと言われるローランサンが大柄だっというアポリネールよりも大きく描かれていて、まさにマツコデラックス状態w

ちなみに、そんな二人の実際の写真はこちら↓

この絵を見たマリーローランサンは激怒したらしいですが、女性としてその気持ちはとてもよく分かります(((uдu*)ゥンゥン

実際より華奢に描くことはあっても、大きく描いちゃいけません( •ὢ•)

そんなローランサンの気持ちとは裏腹に、「詩人に霊感を与えるミューズ」は別の理由で描き直されました。

絵を書き直した理由

絵を書き直したその理由とは?

ルソー曰く、詩人を象徴するカーネーションを描くつもりが間違ってニオイアラセイトウを描いてしまったんだとか!

左がロシアのプーシキン美術館所蔵の1作目

右がスイスのバーゼル市立美術館所蔵の2作目

カーネーション・・・(゚∇゚ ; )?

 

館長
館長

どちらが正しいのか、もはや分かりませんね

ローランサンは完全に怒り損です(^▽^;)w

 

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変な絵色々・・

 

【作 者】アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー(Henri Julien Félix Rousseau)
【作品名】人形を持つ子ども
【年 代】1892年
【種 類】カンヴァス、油彩
【寸 法】67×52cm
【所 蔵】オランジェリー美術館

これも不思議な絵ですよ〜!

可愛いとは言えない少女(女装したおじさんにも見えるw)が草むらに空気椅子状態で、座ってるのか立っているのかもわからない・・・

その少女(たぶん)が抱いている人形がこれまた・・・

不気味(((( ;゚д゚)))アワワワワ 花もしおれてるし・・・

子どもを可愛く描かないことには定評があるルソーなのです!

 

では、駆け足で彼の他の絵を見ていきましょうか・・・

アンリ・ルソー作「風景の中の自画像」1890年 プラハ国立美術館

この絵のおかしなところがどこか分かりますか?

まぁ、全体にツッコミどころ満載なんですが・・・

まず・・・

自画像であるルソーがなぜか浮いてる!

背景の船を見ている人が小さすぎる!小人?妖精?

 

空に浮かぶ雲は、実は日本の形らしくて、浮世絵風の日の丸まで描き込んでいるのに・・・北海道も四国も消滅してるし、九州は見切られてます(((( ;゚д゚)))アワワワワ 本州のみクローズアップw

ルソーは遠近法を知らないと言われていましたが、実は日本の浮世絵を手本に、あえて遠近法を用いずに大切なものを大きく描くという技法を選択していたとも言われています。それが正しいか間違っているのかは私にはわかりませんが(^▽^;)

 

アンリ・ルソー作 「ジェニエ爺さんの馬車」1908年 オランジェリー美術館

この絵の不思議な箇所はどこでしょう?

馬の前を歩く小さすぎる生き物も不思議ですが、なによりも・・・・

白い服の女性に抱かれてる生き物が不思議ですw これがタイトルの「ジェミニ爺さん」なのでしょうか(゚∇゚ ; )? ←違いますw

 

このような感じで絵を発表するたびに、人々の失笑をかい、メディアからも「子どものが描いたような絵だ」と酷評されていましたが、ルソーは大笑いしてる人を自分のファンだと誇らしく思い、酷評している新聞も喜んでスクラップするほど、超ポジティブで打たれ強い人柄だったようです。

 

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そして転機は突然に!

 

こんなルソーではありますが、「死」を身近に感じる人生を歩んでいます。2回結婚してますが、奥さんを二人とも早く病気で亡くし、7人の子宝に恵まれましたが、そのうちの5人は若くして亡くなりました。

最初の妻を亡くしたあと、49歳で関税を早期退職し、画家に専念します。

そこから、人に絵を教えるも生徒は集まらず、絵も売れず、経済的にはくるしい生活を送ります。

そんなルソーを励まし支え続けた2人目の妻も結婚して4年で亡くなります。

ルソーの絵は、コミカルの中に孤独を感じるは、そんな彼の人生によるものなのでしょう・・

 

ルソーの強さ

お世辞にも上手いとは言えないルソーの絵を見て人々が惹かれるのは、過酷な人生を歩んでも、どんなに人々に失笑されても、世論に酷評されても、絵を諦めることなく自分の信じた道を突き進む力強さを感じるからだと思います。

ピカソやゴーギャン、マティスなど、早くにルソーの才能(強さ)に気づいた若き画家も少なくありませんでした。

そしては転機はたった一枚の絵によって訪れます!

 

【作 者】アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー(Henri Julien Félix Rousseau)
【作品名】蛇使いの女(The Snake Charmer)
【年 代】1907年
【種 類】カンヴァス、油彩
【寸 法】169 x 189.5 cm
【所 蔵】オルセー美術館(Musée d’Orsay)

「蛇使いの女」を発表した時、ルソーの絵を絵を見て笑ってやろうと集まった人たちは息を飲みました。

 

館長
館長

理由はともあれルソーの絵をわざわざ観に行くという行動を起こしている人は、すでにファンです

 

ルソーが描く架空のジャングルの熱気に人々は圧倒されたんです。時代がルソーに追いついた瞬間でした!!

芸術は上手い下手ではなく、作品を見たら誰が制作したかわかる個性が大切なのだ(((uдu*)ゥンゥン

 

蛇使いの女は誰なのか?

 

幻想的な丸い月、その柔らかな逆光に浮かび上がるのは女性の肉感的なシルエット・・・

ジャングルの夜、湿気を帯びた空気を撼わす笛の音が聞こえてきそうではありませんか?

女性の射るような視線に、蛇でなくても魅了され、毒気にやられてしまいそうです!

 

アンリ・ルソー作 「「イブ( Eve)」1908年 オランジェリー美術館

ルソーの「蛇使いの女」を見ていて、もしかしたら「アダムとイブ」のイブは外の世界に憧れて、蛇を操って禁断の実を取らせたのではないかなぁ・・なんて想像したりします。

「蛇使いの女」の正体がアダムとイブの「イブ」だったら、女性は誘惑に弱いというイメージを払拭させることができて気分がいいのに♪

ルソーの蛇使いの女は、従順なイブの裏の顔だと思うとワクワクしませんか(ΦωΦ)フフフ…

 

 

現代でもルソーの絵を見て、私のように笑ってしまう不届き者も多いですが、決してただの失笑ではありません!尊敬を持って笑っています(((uдu*)ゥンゥン

アンリ・ルソーは、絵を見て笑ってもいいんだという安心感を与えてくれる数少ない画家なんだと思います。

ルソーの絵はパワフルで、かっこよくて、そして面白いんです٩( ᐛ )و 最強ではありませんか!!

 

本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。

当「大人の美術館」は毎週土か日曜の深夜に開館します。また来週お会いいたしましょう・・・

またのご来館をお待ちしております。

 

 

 

 

コメント

  1. いや~・・・ww
    これは奥さん怒って当然w

    実際よりもかなりボリュームが( *´艸`)

    いや、でもなんとも不思議な感覚の画で独特の世界と魅力がありますよね(^^♪
    これは、絵画展とか来たら観に行ってみたいっす(^^♪

    多分、不思議な動物はシュナウザー系のわんずかなと( *´艸`)

    • ビー玉 ビー玉 より:

      えたさん、コメントありがとう♪
      ははは・・・大きく描かれるのは女性としては許すまじですよ(^▽^;)
      アンリ・ルソー氏は頻繁に日本にもきてますし、日本にも何枚かあります。出会ったら「これだ!」って思ってもらえると、ルソーファンとしては嬉しい限り♪
      やっぱり犬系の生き物でしたかぁ(゚∇゚ ; ) シュナウザー・・・そう言われたらそう見えないこともないような・・気が少しだけしてきたよ(゜д゜)(._.) ゥンゥン

  2. koichi より:

    「人形を持つ子ども」の絵が、
    芸人の「くっきー」に見えてしまうのは、
    自分だけ・・・・・?

    何か改めて「ルソー」の絵は、
    書けそう・・・?って思うのも自分だけ・・・

    • ビー玉 ビー玉 より:

      koichiさん、コメントありがとうです♪
      ははは・・・くっきー(≧∇≦) 確かに似てる!! いえ・・私も密かに描けそうって思ってます(ΦωΦ)フフフ…

  3. pope より:

    最後の蛇使いの女、これは見たことがありますね。それが何処で見たのか?の記憶がない・・・奥行きのある緑、ジャングルと川?そして明るく妖しい光を放つお月様!引き込まれた記憶があります。その前の絵は・・・なんだぁ?これは?ってなっちゃったww蛇使いの女とは違って遠近法はめちゃくちゃだし、みんな顔を正面向いているジェニエ爺さんの馬車ww同乗している白い服の女性に抱かれてる生き物はUMAか?最初の頃の絵を勉強していたときの絵はまともだったのでしょうが、そこに自分の個性を加えたらエライコトニなっちゃった!見たいな感じで、その変化が面白い!だけど夜のカーニバルなんか蛇使いの女と比べてもなんか共通点のようなものが感じられるんですけど・・・一周回って元に戻った?

    • ビー玉 ビー玉 より:

      pope兄さん、コメントありがとうです♪
      蛇使いの女は奇跡のような1枚ですよ(゜д゜)(._.) ゥンゥン 私は他の絵も大好きだけど、下手にしか見えないですよねぇ(゚∇゚ ; )ハハハ・・ うまくはないと思うけど、蛇使いをみると「上手いのか?」とか思っちゃうし(゜д゜)(._.) ゥンゥン とにかく個性的であることは間違いない!! やっぱり人間って原点に戻るんですって!! 私の原点はどこだ〜〜〜〜〜〜!!!

  4. NickNick より:

    確かにヘタクソな絵が多いよね。写実を目指さない方が、、、 細部はとても丁寧に写実的なのに、バランスや遠近感がめたくそな気が、、、

    この最後のジャングルの影絵的で平面的なのが、でもすごい幻想的で大好きだ。

  5. miyukitty より:

    上から見ていくとどれもツッコミどころ満載で
    なんか楽しくなる絵だね~(≧▽≦)
    それを狙っていたのではないだろうけど面白い(*^▽^*)
    その過程があったからこそ蛇使いの女にはドキッとさせられたわ。

  6. aiai より:

    ルソーさん、クセになる(*´艸`)
    フットボール囚人のおじさんとか、夢に出てくるやばい男「This Man」みたいで、一度見たら脳裏に焼き付いちゃう(/ω\)
    真似できそうでできないのがヘタウマなのよねー。
    嫌いじゃないです、ルソーさん♡

  7. ash より:

    ありゃ~、やっちまったな!って絵ですね(´艸`*)。今回エロ要素全くないですが、絵は一番好きかも~。
    いつもビー玉さんの解説読んで絵の内容にツッコミ入れる感じですが、今回は絵、そのものにツッコミどころ満載で笑いました。

    • ビー玉 ビー玉 より:

      ashさん、コメントありがとうです♪
      あっはは・・・エロ要素を付け加えるを忘れたけど、ルソーでエロを探すのは難しいかもwww ヌードも書いてるけど人間ぽくないというか、なんというか・・・えっと、これを個性と呼ぶのかw
      絵の出来が秀逸なので突っ込みどろこがありすぎて分からなくなりますwww

  8. ヨウコの川歩き より:

    元祖ヘタウマ癒し系「アンリ・ルソー」とはよくぞ言って下さいました!その通りだと思います。アンリ・ルソーは十代の頃から大好きです。確かにデッサンの曖昧な人物にはわらっちゃいますが、圧倒的な存在感。絵の中に登場する人、空間、物の組み合わせがシュールで魅惑的。「蛇使いの女」はクラクラします。妄想のジャングルの美しいこと!う~ん、やっぱりビー玉さんとは好みが重なりますね。楽しかったです(๑’ᴗ’๑)

    • ビー玉 ビー玉 より:

      ヨウコさん、コメントありがとうです♪
      そうでしょそうでしょ?私もアンリ・ルソーが大好きで、もう何時間見てても面白いというか飽きないというか・・・美術展にいって、思わずアンリ・ルソーの絵があると心底ホッとしてうれしくなるんですよね(≧∇≦) なんだろう?個性的だけど親近感を感じたりして・・本当に不思議な画家さんです(゜д゜)(._.) ゥンゥン  ヨウコさんと好みが似ていて嬉しっっ( ´艸`)♪ 

  9. 嫌いじゃないなぁ…。( ^ω^ )ニコニコ
    絵はあまりわからないんだけど、でも、見てて楽しいからよし。

    • ビー玉 ビー玉 より:

      ましゅーさん、コメントありがとう♪
      見て楽しいでしょ?凹んだ時でもルソーの絵をみるとニコニコしちゃうよ(゜д゜)(._.) ゥンゥン