時代への挑戦者イカロスの意外な真実!いかにしてイカロスは英雄になったのか

ギリシャ神話(神話画)

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こんばんは、ナビゲーターのビー玉(@beedama_lab)です。

新しい技術を開発したときや不可能だと思われていたことに挑戦するとき、よく耳にするのが「イカロス」という言葉。

イカロスは太陽に立ち向かい敗れた若者だと記憶されている方も多いでしょう。

無謀にも太陽に挑戦した若者

驕り高ぶった青年が神から罰を与えられた話し

そんなイメージがあるかもですが、ギリシャ神話に登場するイカロスは少し趣が違います。

じつは物語の主役でもなかったというイカロスの物語へ名画を通してナビゲートします。

よろしければ最後までお付き合いください。

なぜイカロスは空を飛んだのか?

イカロスは、自ら太陽に挑戦しようと鳥の翼を背負って太陽に向かっていったのはありません。

イカロスは逃亡のために翼を背負ったんです。

しかもそれを作ったのはイカロスではなくイカロスの父親ダイダロスでした。

ダイダロスはギリシア神話に登場する高名な技術者で、斧、錘(つむ)、水準器などを発明したと言われています。

ダイダロスは甥で弟子のタロースがノコギリを発明したことを妬み、岸壁から突き落とすという嫉妬深い一面も持っていて、そのことで女神アテナの怒りを買い息子イカロスとともに住み慣れた都市(アテナイ)を追われます。

そうして行き着いたのがエーゲ海で絶対的な力を持つクレタ島のミノス王のお膝元。

ダイダロスはミノス王の海軍のために船のマストと帆などを開発。

ミノス王はダイダロスを信用して義理の息子であり雄牛の頭を持つ怪物ミノタウルスを閉じ込めるための迷宮の建設を任ます。


エドワード・バーン・ジョーンズ《ミノタウルス》 1861年

そして、その迷宮の秘密を守るためにダイダロスとイカロスの親子は王宮の塔に幽閉されたのでした。

こんなラビリンスならすぐにバレそうですけどねw

 

で、幽閉された塔から脱出するために登場するのが例の「イカロス翼」でした。

イカロスの翼

塔から脱出を図ったダイダロスは鳥の羽を集め、大きな羽は糸で、小さな羽はロウソクのロウで固め大きな翼を作り上げました。

 

ビー玉
ビー玉

脇フェチですよね?って画像になっちゃってますw

 

館長
館長

ビー玉さんが選んだんですよね

 

 

すいません。

脇フェチ画像ではなく、ダイダロスが作った翼をイカロスに装着している場面です。

 

そして、息子だけが飛んだわけではございません。

シャルル・ポール・ダンドン《ダイダロスとイカロス》1746年

父ダイダロスも同じ翼をつけて一緒に飛びます。

ダイドンの《ダイダロスとイカロス》の絵は、まるでイカロスを突き落とすかのようです。

甥のタロースを岸壁から突き落とした光景とリンクさせているんでしょうね!

 

館長
館長

完全にイカロスに死亡フラグが立ったパターンです

結果的に息子を死に向かわせることになるのですから、突き落とすのを同じようなものです。

 

飛ぶ前にダイダロスがイカロスに翼を使う時の注意事項を説明します。

【イカロスの翼の取り扱い説明書】

①、太陽の熱でロウが溶ける恐れがあるので高く飛びすぎないこと

②、低すぎると海水の湿気で翼が重くなってしまうため低空飛行を避けること

③、①②を踏まえて安全に中頃を飛行しましょう

そんな感じ。

 

だけど鳥のように飛べたことにテンションが上がってしまったイカロスはもっと早く、もっと高くとなってしまうのは仕方がないことです。

メリー・ジョゼフ・ブロンデル「イカロスの墜落」1796 年

案の定、高く飛びすぎたイカロスは太陽(アポロン)に近づきすぎて、太陽の熱でもって翼のロウが溶けて落下することになってしまいます。

どうでしょう?

神に近づこうとして無謀な試みをした若者が罰を受けて落下というイメージとは少し違いますよね(^▽^;)

 

どちらかといえば「父の忠告を無視した若者の愚かさ」みたいな話しなんですよね(^▽^;)

人間が手にした文明がどんどん進化するたびに「イカロス」は神の領域に踏み込もうとした無謀な若者の話しに変わっていったのではないかと思っています。

 

オディロン・ルドン《イカロス》1890年頃

ルドンの描くイカロスは何かを天に掲げています。

これが何かというのははっきりとはわかっていません。

私は人間の叡智、頭脳なのかな?なんて想像します。

ルドンが活躍した19世紀は電気、化学、医学など化学が大きくその領域を広げた時代でありましたからね。

神の領域に一歩踏み入れようとする人類を描いものなのかなと!

イカロスの表情は隠されています。

この絵のみて不安なのか応援なのか感じかたは鑑賞する人によって変わりそうですね。

 

 

主役ではなかったイカロス

ピーテル・ブリューゲル(?)《イカロスの墜落のある風景》1558年

西洋絵画でイカロスといえば必ず登場するであろう有名な絵です。

長年ブリューゲルの作品だと言われてきましたが、現代ではブリューゲルの絵の模写ではないかという説が濃厚です。

なので、展覧会ではブリューゲルの名前の後に(?)と入ることが多くなっています。

 

この絵のタイトルは《イカロスの墜落のある風景》

だけど、肝心のイカロスが見当たりません。

よくよく観ると、若干違和感あるものが海辺に描かれているではありませんか。

目線誘導を完全にハズした画面の右下の海に墜落したイカロスらしきものを発見!!

描かれているのは足だけですけどね。

イカロスのことは全員無視というか、誰も気づいてもいない感じです。

羊飼いは空を仰いでいるので、もしかしたら空を飛ぶダイタロスを見ているのかもですが、画面にダイダロスは描かれていません。

私たちの日常っていうのは、こうやって散っていった名も無き挑戦者の上に成り立っているいるかもしれないと思わずにはいられなくなる絵です。

脇役イカロスに共感する人々

 

ハーバート・ジェームズ・ドレイパー《イーカロスへの哀歌》1898年

イカロスの亡骸は父ダイダロスによって埋葬されます。

その様子を冷ややかに見つけているのは1羽のヤマウズラ

じつはこのヤマウズラはダイダロスに嫉妬されて岸壁から突き落とされて、女神アテナに救われてヤマウズラに姿を変えたタロースだったんです。

イカロスが登場する話しは、主役はあくまでも父ダイダロスで、因果応報のオチをもつ物語でした。

あくまでもイカロスは脇役だったんですけどね。

いつの間にやら、本来の主役ダイダロスを超えて、巨大なものに立ち向かう英雄としてのイカロス像ができ上がっていきました。

現代もGReeeeN 『イカロス』やNHKみんなのうた「勇気ひとつを共にして」など楽曲の主役にもなっています。

時代の開拓者たちは、もっと早く、もっと高くと願うイカロスに自分を投影し、新しい時代を切り開いていったんだろうなぁ

そんな人たちの共感と憧れがイカロスの英雄像を作り上げていったのでしょう。

同時に無謀な挑戦への戒めての意味を含みつつ・・

あなたはどんなの物語をイカロスに感じますか?

戒めと共感。それとも全く別のもの?

人によって違うと思います。

なぜなら「イカロス」はあなたを生き方を反映させる物語だからです。

 

本日は以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

大人の美術館の開館日は週一回を目指しています。また次のご来館をお待ちしております。

コメント

  1. (´・∀・`)ヘー おもろい。つか、ダイダロスがアカン奴やん?

  2. aiai より:

    昔ギリシャのイカロスは~♪の歌、「勇気一つを友にして」って言うんだ?(;’∀’)
    「イカロスの歌」だと思ってました。
    小学校のとき習ったけど、羽根溶けて落ちて死んじゃうってひでー歌だな・・・くらいにしか思ってなかったんだけど、イカロス墜落してるのにみんな気づいてない絵もひどい(/ω\)
    けど、他人の挑戦の失敗なんて、そんなもんなんですよね。。。
    成功すればもてはやされるけど、失敗したら「言わんこっちゃない」としか言われないんだ。。。

  3. Nick Ollie より:

    イカロスが落ちたのはそういう理由だったのかー。太陽と張り合ったからじゃなかったんですね。父ちゃんがいちごのいかんような気がするなぁ。

  4. ヨウコの川歩き より:

    イカロス、不憫(@_@)

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