官能的なキス、秘密のキス、悲しいキス、あなたはどんなキスが好き?

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こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。

あなたはキスはお好きですか?

おそらくお好きな方が多いんじゃないかな・・ただ時代によって表現されるキスの形は大きく変わります。あたなはどんなキスがお好きでしょうか?

本日は絵画に絵に描かれたキスの歴史を振り返ってみたいと思います。

キスがお好きな方もそうでない方も、よろしければ最後までお付き合いください。

キスの歴史

古代のキス

キスの歴史というのは、あまりよく分かってませんが、キスが文献に初登場したのは紀元前1500年ごろ。インドの聖典に書かれたのが最初ですが、キスの歴史はもっともっと古いのです。

美術品(古代人の落書きっぽいですけど)としては、ブラジル北東部のセラ・ダ・カピバラ国立公園(Serra da Capivara National Park)に残されている壁画が最古かなぁ・・紀元前27,000年ごろの壁画に人同士がキスしているように見える絵が残っています

(画像出典:https://ensinarhistoriajoelza.com.br/pre-historia-do-brasil-parte-2/)

確かにキスに見えなくもない・・かわいいですよね♡

カイロのエジプト考古学博物館には、紀元前1350年頃 に作られたであろうアクエンアテン王と娘がキスする石像が所蔵されています。

(画像出典:https://egypt-museum.com/)

日本でのキスは?

ちなみに日本に「キス(接吻)」という言葉が入ってきたのは明治時代くらいなので、キスは明治時代以降の習慣だと思われているかもしれません。

厳密にいえば、平安時代にはすでに存在しました。ただ・・・現代の性行為を伴わないような軽いものじゃなくて、がっつり性行為の一環としてのキスです。

キスとは言わず「口吸い(くちすい)」なんて言ってたんですよ(ノ∀`)タハー

口吸いで検索してもらったら、モロの春画がたくさん出てきますので気になる人は検索してみてくださいね♪

面白い逸話としては・・・

江戸時代の浮世絵、歌川国芳の「口吸心久茎」

「口吸心久茎」これなんて読むかわかりますでしょうか?

実は「ちゅうしんぐら」と読みます。

まぁ、ざっくり言うと忠臣蔵のエロパロディです(^▽^;)

口吸を  “ちゅう” と読ませたことで、日本ではキス(接吻)のとこを “ちゅう” というようになったのです。(諸説あり)

意外と古い歴史がある “ちゅう” なのです(ノ∀`)タハー

 

館長
館長

話が外れてきてますよっ!

ビー玉
ビー玉

話が大好きな浮世絵に逸れてしまいましたので・・・戻します。

西洋絵画に描かれたキスをみていきましょう

 

宗教画としてのキス

古代、親愛の情だったり、愛の行為だったキスですが・・

キリスト教が力を持った中世になると、キスの意味合いが大きく変わってきます。

キスといえば「ユダの接吻」

裏切りのキスです!!


ジョット・ディ・ボンドーネ作「ユダの接吻」 (1305年頃)
スクロヴェーニ礼拝堂

中央でキスしているのはイエスとユダ

ちなみに男と同士ですがBL(ボーイズラブ)ではありません。

ユダはイエスの弟子でありながら、追手に銀貨30枚でイエスを売ったのです。

ユダがイエスだと、追手に知らせるためにキスをしたという場面。

ちなみにドラマチックでわかりやすいバロックになると、同じキス場面でも・・・

カラヴァッジョ作「ユダの接吻」1601年

イエスさんが指を組んでハニカんでいたり・・

ルドヴィコ・カラッチ作「ユダの接吻」1600年

イエスさんの服を脱がせて胸触っていたりしますが・・・

BLではありません。けっして!断じて!(。-`ω´-)

キリスト教的キスといば、官能とは対局のこの裏切りのキスなのです。

恋人たちのキス

18世紀ごろになると、キリスト教的なキスよりも、恋人たちのキスが全盛になってまいります。

しばし官能的なキスを御観覧ください・・

まずは可愛らしいキスから

ウィリアム・アドルフ・ブグロー作「アムールとプシュケー、子どもたち」1890年

なんとも可愛らしい・・・この絵は「ファーストキス」と呼ばれることもあるのですが、本来のタイトルは「アムールとプシュケー(L’Amour et Psyché, enfants)」なんです。

web上で間違った表記をされて以来、「ファーストキス」というタイトルがついている場合が多いのです。

可愛らしくて「ファースキス」というのもいいですけどね♪

実はこの2人は恋人同士でして、本来の姿は・・・

ウィリアム・アドルフ・ブグロー作「プシュケーの誘拐」1895年

このくらい大人です(^▽^;)

男性はアムール(クピト、キューピットともいう)で、美と愛の女神ヴィーナスの息子です。

女性はプシュケー、美しい人間。

プシュケーの美しさはヴィーナスの怒りを買うほどで、ヴィーナスはプシュケーを醜い生き物に恋をするように息子に恋の矢を射るよう命じるのです。

だけどプシュケーに目を奪われたアムールは誤って矢を自身に刺さしてしまい、プシュケーに恋をしてしまうことになるのです。

まぁ、そこから壮絶な嫁姑戦争が勃発するんですが、詳しくはまたいずれ・・・

ブグローがそんな恋人たちを子どもの姿で描い他のは、2人の無垢な気持ちを描きたかったからのかもしれませんね。

秘密の恋

秘密の恋を燃え上がらせるのは、古今東西 “官能的なキス” と相場が決まっております。

ジャン・オノレ・フラゴナール作 「盗まれた接吻」1780年

これは身分違いの恋かなぁ・・・

光沢のある美しいドレスを着た女性とそれほど高価そうでない服装の男性。

2人とも若そうだから、結婚前の貴族の娘に恋をした男性が強引にキスをしてる場面なのかもしれません。女性は隣の部屋を気にしつつも、気持ちは男性に傾いているのか、とっさに掴んだのはストール!

もちろんそんなものは、なんの抑止力にもならなのは明らかです。スルスルとほどけゆくストール!なかなか色っぽい演出です。

 

フランチェスコ・アイエツ作「接吻」1859年

こちらは情熱的なキスです。

2人が恋人なのは明らかで、女性が男性に完全に体を預けています。

こちらも女性のドレスの質感が見事!

ビー玉
ビー玉

この時代、何を描けば上手い画家だと言われていたかと言うと、ドレスの質感だったらしいですよ〜!!なので画家はこぞってドレスに力を入れてました!

だけど2人の恋は許されないものと暗示しているのが人目を忍んでいるのであろう寂しげな場所です。斜めに入る影が一つになっているのが官能的です。

ただ、右奥に人影があることで、今後この2人の恋は悲しい結末を迎えるんだろうな・・という不吉な予感はします。

特に根拠もなく「ロミオとジュリエット」だと言われれる絵なんですが、それだけ悲劇的な物語性を感じさせるということでしょう(((uдu*)ゥンゥン

悲しいキス

ハンス・マカルト作「ヴァルキリーの接吻」1880年

ヴァルキリーというのは、北欧神話に出てくる女神です。

戦場を空飛ぶ馬に乗って駆け巡り、父オーディンの元で働く戦死者の魂を集めているのです。

彼女たちは戦士たちの生死を握っている存在で、多くの死者を出さないと仕事を果たせないため、彼女たちが現れる戦場は血で血を洗うような惨状と化す傾向にあります。

ヴァルキーは父オーディンの元で働く勇敢な戦士を探し、死した戦士たちの永遠の都ヴァルハラに連れていくのです。

ヴァルハラでのヴァルキリーは戦士たちの美しい世話係となって従うために、いつしか戦う者たちの守神という側面も持ち合わすことになります。

ヴァルキリーは戦場を惨状に導く怪物と、戦死者たちを導く女神という2面性を持った少し複雑な女神なのです。

そういうわけで、この絵のヴァルキリーにキスされている若者は戦死者なんですよね・・・

戦士の顔が満足げなのは、英雄だけが行けると言うヴァルハラに行けることを喜んでいるのでしょうが・・・・

ヴァルハラに行ったが最後、過酷な職場(戦場)で死ぬことも許されず永遠に働き続けさせられる超ブラック企業に強制就職ってことですからねっっ(; ・`д・´)

わたしには何が嬉しいのがさっぱりわからないwww

それでも美しいヴァルキリーに傅かれるなら行きたい?

そんなことを考えながら絵を見ると、美しい絵だけど、ちょっと悲しくなりませんか(;´д`)トホホ…

死んだあとは安らかでありたいなぁ

キスの決定版!!

グスタフ・クリムト作「接吻(The Kiss)」1907-08年

接吻(キス)を描いた絵画と聞いて、思い浮かべるのはこの絵だと言う方が多いのではないでしょうか?

溶け合うような官能的なキスでございます。

キスする2人は作者であるクリムトと永遠の恋人だっエミーリエだと言われています。

幸せの絶頂という2人だけど、恋人たちの足元は絶壁になっていて、少し間違うと落ちてしまいそう・・・官能と恋の儚さを描いた絵だと言われていますが!

私はこの崖は2人だけになるための崖だと思っているんです。

誰にも邪魔されない2人だけの秘密の場所・・・・

なんともロマンチックで甘美ではございませんか( ´艸`)

それについてはこちらの記事を参照ください。

誰にも邪魔されない二人だけの空間。クリムト作「接吻」 
クリムトの「接吻」、愛し合う二人はなぜ崖の上で愛し合うのか?恋愛の危うさを表現している?それとも?名画「接吻」の謎に迫ります!

 

乙女すぎますでしょうか(ノ∀`)タハー

では、では、恥ずかしくなってきたところで、

本日は以上です。お読みいただきありがとうございます。

「大人の美術館」は毎週土曜か日曜の深夜にオープンする仮想美術館です。

また来週、御来館をお待ちしております。

 

コメント

  1. ヨウコの川歩き より:

    ですよね~あまたキスシーンの絵画はあれど、やっぱりグスタフ・クリムトの「接吻」がどうしても浮かんでしまいます。
     金に密閉された時間の中でのキス。美しくも背徳感のある妖しさも醸し出す、クリムトの傑作でしね(o^^o)
    でも、知らない絵画も沢山ありました…っていうか、知らなすぎの私(笑)今回もありがとう\(^o^)/

  2. やっぱ愛情を確かめ合うものっていうのは今も昔もおんなじなんですね(^^♪
    それにしても、壁画時代からキスがあったとは(≧▽≦)

    ・・・口吸い・・・w
    なんか大阪名物肉吸いが頭に浮かんで離れなくなっちったw

  3. Nick Ollie より:

    カラヴァッジョはほんといつも絵がすごくうまい。感動的にうまいなーと思います。

    そして、クリムトのもブグローのも、女性の恍惚な表情が何とも言えず色っぽくて好きです。

  4. (  ̄っ ̄)ムゥ 恥ずかしながら、まだ”クリムト”の絵の良さがワカランのだ。アイスマン。

  5. pope より:

    嫁にヴァルハラまで連れて行かれて永遠に働かせられる夢を見ちゃったww秘密のキス!というと官能的で背徳的なものを感じますな。これだけでもメッチャ興奮する。そして冒頭の春画検索!キタァー!!やっぱ姉さん最高っす!