ヘンリー8世!英国史上もっともスキャンダラスな王と王妃の物語!

宮廷

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こんばんは!ビー玉です。

イングランド史上最も残酷でスキャンダラスな王と呼ばれた「ヘンリー8世」をご存知でしょうか?

生涯に6人の女性と正式に結婚し、その妻たちを離婚・追放、最悪の場合は無実の罪をきせて斬首。

二人目の妻アン・ブーリンと結婚する為に国教まで変えて、自ら神に最も近い存在となり、反対する者は情け容赦なく処分したという悪名高い王ヘンリー8世とその妻たちの物語にあなたをナビゲートします。

よろしければ、最後までお付き合いくださいm(_ _)m

 


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ヘンリー8世と悲劇の妻たち

生涯自分の欲望を我慢できなかった「ヘンリー8世」は1491年、ランカスター家(赤薔薇が家紋)とヨーク家(白薔薇が家紋)との「薔薇戦争」と呼ばれる30年にも及ぶ内乱を終戦に導いたヘンリー7世の次男として生まれました。

父ヘンリー7世は身分がそれほど高くはなかったものの、イングランドの英雄「アーサー王」の末裔を名乗りイングランドの王にまで登り詰めたチューダー朝の始祖です。

 

館長
館長

勝手に名乗ったんですか?

ビー玉
ビー玉

アーサー王の末裔だという根拠は何もありません。

チューダー王家2代目は兄アーサー(アーサー王にちなんで名付けられた)が継ぐはずだったのですが若くして病死してしまったために次男ヘンリーに白羽の矢が当たりました。

即位直後のヘンリー8世

そして、新婚4ヶ月で亡くなった兄の妻であり、スペイン王家から嫁いてきたキャサリン・オブ・アラゴンを強引に妃に迎えるのです。

ここから、ヘンリー8世の王妃たちの悲劇は始まります。

誇り高いスペイン王女キャサリン・オブ・アラゴン

当時ヨーロッパ随一の大国スペイン王家の王女で、兄アーサーに嫁いだものの、新婚4ヶ月で夫は他界。

スペインから嫁いてきた美しい義姉に横恋慕していたヘンリーは、兄の死後、キャサリン・オブ・アラゴンと強引に婚約することになります。

ローマ教会による特例発動

教会では義姉妹との結婚を倫理上良くないとして禁じていましたが、スペインとの絆をつなげておきたい父ヘンリー7世のゴリ押しもあり、特例という形で婚約が許されました。

ヘンリー8世11歳、キャサリン17歳でした。

ヘンリー8世は絶倫王としても有名で、キャサリンは絶え間なく妊娠するも、死産・流産を繰り返し、体は休まる暇もなく弱っていきました。無事に育ったのは王女一人。

この王女はのちにブラッディ・メアリー(血塗れメアリー)と呼ばれイギリス国民を恐怖のどん底に陥れたメアリー1世です(実質的にはイギリス初の女王)。

息子を熱望してたヘンリー8世は、王女しか生まず30歳半ばのキャサリンを見限り、キャサリンの侍女をしていた女性に目をつけます。

野心家アン・ブーリン

特に美人ではなかったものの、フランス仕込みの優雅な身のこなしが魅力的だったというアン・ブーリン20歳です。

最初は王を拒んでいたアン・ブーリンですが・・

「私は、あなただけを恋人として、あなた以外の全ての人を心と愛情から追い出し、あなただけに仕えることを約束します。」

王からこのような熱烈なアプローチを受けるうちに、アンにもその一族にも野心が芽生えます。

アン・ブリーン心の声:もしかして、うまくすれば王妃の座につけんじゃね?

そこで、アンが巧妙な作戦を仕掛けます!

「私は王妃になるには身分が低すぎます。そうかと言って愛妾なることは私の誇りが許しません」と返答するんです。

暗に「結婚してくれないと体は許さん」ということです。

今まで自分の思い通りにならなかった女など存在しなかったヘンリー8世の闘志に火がつきます!

 

館長
館長

ダメだと言われたら、我慢できなくなる駄々っ子の特徴をうまく突いてきましね!

ビー玉
ビー玉

アン・ブーリンは恋愛先進国のフランスに長くいたので、その辺りの駆引きには長けていたんでしょう。

カトリックは離婚禁止!

王はついに最初の妻キャサリンとの離婚を決意するもカトリックは離婚を禁止しています。

そして、ヘンリー8世は驚くべき主張を始めるのです!!

キャサリンはもともと兄の妻で、義弟の自分との結婚は禁止されている。だから結婚自体が「無効」なのだと・・

 

館長
館長

厚顔無恥とはこのこと!

キャサリンとの結婚を「特例」まで発動して認めたローマ教会が、この結婚を無効にする訳ないじゃありませんか!!!

だけど、そんなことで、ヘンリー8世は怯みません。

カトリックの総本山、ローマ教会を敵に回し、自らを長とする英国国教会を設立!

ビー玉
ビー玉

鼻先にぶら下げた人参(セックス)の効力たるや・・

これって、すごいことなんですよ。

日本の天皇が「神道やめて、明日からカルト教団の教祖になります」って言う以上の衝撃です。

わかりやすくす言えば「明日から白ごはん禁止」くらいの衝撃でしょうか?

館長
館長

違うと思いますけどね・・

そんなこんなで、王はアン・ブーリンと無理やり結婚。

白米禁止・・・違った!イングランド国教会設立に反対した者は反逆者の汚名を着せられ容赦なく処刑!

哀れキャサリンは抵抗虚しく王妃の地位を剥奪され、城から追放。娘のエリザベスは臣下の地位まで貶められました。

そして、城を追い出されたキャサリンは3年後に失意のうちに亡くなります。

念願だった王妃の座を手に入れたアン・ブーリンは間も無く妊娠するも、生まれたのは王子ではなく王女。

この王女がのちにバージンクイーンと呼ばれた名君の誉高いエリザベス1世です。

だけど、生まれたのが王子ではなかったことでヘンリー8世の落胆は凄まじいものがありました。

もともと闘志に火がついちゃっただけで、それほどアンのことを愛していた訳ではなかったのでしょう。

2度めの妊娠で流産したアンに罵声を浴びせ、不義密通という無実の罪を着せて処刑してしまうんです(llФwФ`)ガクガクブルブル

処刑方法は切れ味の鋭い剣による斬首。当時の処刑方法としては人道的な方法で、ヘンリー8世のアンに対する最後の慈悲だったと言われています。

分不相応な地位を求めた女性の最後は凛々しく王妃らしいものだったそうです。

アンを処刑したロンドン塔では、今もアンの霊が夜な夜な彷徨っているという目撃談があとをたちません。

控えめな女ジェーン・シーモア

そして、鬼畜ヘンリー8世が次に目をつけたのが、またまた妻の侍女であったジェーン・シーモアです。

なんと、アン・ブーリンの処刑からわずか10日後の結婚でした。

翌年、ジェーンは待望の王子「エドワード6世」を産みますが、産後の肥立ちが悪く、出産後すぐに亡くなります。

当時アン・ブーリンの呪いだと噂がたったのは肯けます。

流産や死産はヘンリー8世が原因?!

度重なる王妃の死産や流産の理由はヘンリー8世が若い頃にフランスで罹患した梅毒が原因だと言われています。
ジェーンの産んだ王子も先天性の梅毒を患っており、幼いころから病弱で若干16歳で亡くなっています。肖像画もどこことなく弱々しい・・・

これが事実なら、世継ぎを求めるヘンリー8世との結婚は、奇跡が起こらない限り不幸しか見えません。
そして、ヘンリー8世はまだまだ世継ぎを諦めません!!

盛りすぎちゃった女アン・オブ・グレーブ

そして、次なる悲劇の妃となったのは、お見合い用の肖像画から見た目だけで選ばれたドイツの王女アン・オブ・グレーブス!

妃に選んだものの・・結婚式で初めて会ったアン・オブ・グレーブは、ヘンリー8世にとって全く別人に見えたようで(^▽^;)

「不細工すぎて抱く気がしない」と半年ほどで離婚。

 

館長
館長

女性の敵ですね!!!

いや、このことはアン・オブ・グレーブにっとてはラッキーでした。

 

これは、別の画家によって描かれたアンの肖像画ですが、この肖像画も多少の盛りはあると思われます(^▽^;)

ただ、離婚に際してアン・オブ・グレーブは一切異議申し立てをしなかったおかげで「王の妹」という名誉称号を与えられ、多額の年金を受け取り、王族として生涯大切に扱われました。

ヘンリー8世の6人の妻の中で、幸せな余生を過ごすことができた唯一の女性なのです。

ビー玉
ビー玉

私はアン・オブ・グレーブになりたいっ

館長
館長

その前に、王に見染められたりしないので、ご安心ください。

若すぎた王妃キャサリン・ハワード

そして、次なる悲劇の王妃は、またしても前王妃の侍女だったキャサリン・ハワード。

デジャブです。もう嫌な予感しかしません( •ὢ•)

この時、キャサリン18歳、ヘンリー8世は48歳でした。

キャサリンは名門の出身ではあったものの、教育熱心でない義母の元で自由に過ごしていたようで、女王教育はもちろん、貴族の娘としての心構えなども乏しかったように思います。

おそらく、キャサリンは国王と結婚したという自覚もなく、シンデレラよろしく降って沸いた幸運に酔いしれていたのでしょう・・

性格的にあまりにも幼かったキャサリンは、なんと!独身時代の恋人に結婚した後も想いを伝える手紙を送り続けていたのです!

キャサリン・ハワードから元恋人への手紙

王との結婚後は体の関係こそなかったようですが、手紙のことを密告されたヘンリー8世は大激怒。

誰もが恐る王の剣幕を前にしてキャサリンの無実を証明する者などいるはずもなく、キャサリンは言い訳すら聞いてももらえぬまま若干20歳で斬首されました。

処刑台で最後に叫んだ言葉は・・・

「私は王妃としてではなく、愛する人の妻として死にたかった」

あまりにも若く幼い王妃の最後です。

王の最後を看取ったキャサリン・パー

最後に王妃となったキャサリン・パーは、2度の結婚を経験した未亡人でした。

最初の結婚は16歳の時、夫はすでに50歳を超えており、祖父といってもおかしくない年齢差。程なくして夫は他界。

次の結婚は21歳の時、夫はまたしても高齢で、結婚後間も無く亡くなります。

小説の世界だと毒でも盛ったのか?って感じですが、キャサリン・パーは2人の夫を最後までしっかり介護したそうですよ。

キャサリン・パーは勉強熱心で知性豊かな女性だったので、夫の死後は、その知性を買われてヘンリー8世の息子エドワードの教育係に抜擢され宮廷に赴きます。そこでエドワードの伯父に当たる男性と出会い初めての恋に落ちました。

ところが愛する男性と結婚間近という時に、不運にもヘンリー8世に見染められてしまったのです。

キャラリン・パーは、すでに30代になっており、若くもなく、美人でもなかったのですが、50代になり持病を悪化させたヘンリー8世は、さすがに世継ぎを諦め、自分の介護を献身的にしてくれそうな女性を探していました。

2人の夫の介護を経験したキャサリン・パーは最適な人材だったのでしょう。

そしてキャサリン・パーには断る術はありません。

恋人とは別れ、「臣下として王と結婚する」という言葉と共に覚悟を持って嫁ぎました。

キャサリン・パーは王妃になっても奢ることなく、病床の王にも献身的に尽くし、王位継承権を失っていた前妻の娘たちメアリーとエリザベスの地位を復権させるなど、エドワード王子の教育にも熱心で、よき嫁としてだけでなく、よき母ぶりをも発揮!

病気の悪化に伴って気難しくなったヘンリー8世もキャサリン・パーにだけは心を許していたようです。

怪物と呼ばれた王も病魔には勝てず去年56歳で永眠。

実は最も不幸な最後

王の死後、キャサリン・パーはかつての恋人と4度目の再婚をはたし、結婚後すぐに初めて妊娠!

めでたしめでたしと言いたいところなのですが、処刑されたアン・ブーリンとキャサリン・ハワードの呪いでしょうか・・・

最後はどの王妃よりも悲惨です。

実は、まだ13歳だったエリザベスとヘンリー8世の姪っ子ジェーン・グレイを養女として迎え、静かに暮らしていたキャサリン・パー夫婦ですが、ある夜、愛する夫と養女の一人であるエリザベスが抱き合っているところを目撃してしまうのです。

おそらく王位継承権を持つ二人の王女を養子に迎えたキャサリンの夫には時期女王候補でもあるエリザベスを手中に収めておきたいという野望もあったんだと思います。

13歳頃のエリザベス1世

愛する二人の裏切りを知ったキャサリン・パーは次第に精神病み、娘を出産後すぐに亡くなります。

穏やかな性格だった彼女も最後は夫とエリザベスへの罵詈雑言を呟きながら亡くなったそうす。

何一つ悪いところもなく、苦労続きだった女性の最後としてはあまりにも非情(ノД`)シクシク

病弱だったエドワード6世が崩御したあと、エリザベス、そしてエリザベスと同じくキャサリン・パー夫婦に養女として迎えられていたヘンリー8世の姪ジェーン・グレイ、そしてヘンリー8世の長女メアリー、この3人王女たちの壮絶な政権争いが勃発しますが、それはまた別の機会に・・・

2017年に初来日し話題となった「レディ・ジェーン・グレイの処刑」に思いをはせつつ・・

本日は以上です。お読みいただき、ありがとうございます。

大人の美術館は毎週土曜か日曜の深夜に開館するWeb上の仮想美術館です。

また来週お会いいたしましょう・・

とはいえ・・来週は少々多忙でして、臨時休業の場合はお許しくださいm(_ _)m

コメント

  1. marimo より:

    今回も読みごたえがすごかったです^^

    「もしかして、うまくすれば王妃の座につけんじゃね?」には爆笑でしたが^^;

    どうしても王の妻の座は就くときも離れるときも決断権は無い中でアン・ブーリンは巧妙だなって思いました☆

    最後は介護の相手を選ぶヘンリー8世、自己愛のつよさが半端なかったです><

  2. いや…凄かったです内容。
    驚愕(“゚д゚)

    呪いの類はあまり信じないのですが、これは呪われても祟られても仕方がないような気すらしてしまいます(-_-;)

  3. Nick Ollie より:

    まぁ、ひどい奴がいるもんだ。自分の恋愛や結婚のために国の宗教まで変えてしまうし。「不細工すぎて抱く気がしない」なんて言うし。

    なんか自分が言われてるような気がしてきて、プリプリ怒ってしまったぞ。

    いくら王妃にしてやると言われても、お断りだわ。(って、言われないけどね)

  4. ヨウコの川歩き より:

    はぁ~今回も読み耽ってしまいました。面白かった
     世界史に暗い私でもヘンリー八世の悪評はちょっと知っていましたが、これほどとはね。絶対に地獄に落ちたよね。
     彼に関わった可哀想な女達のドラマはよく映画化されますよね。1番印象深いのは「1000日のアン」かなぁ。ラストの処刑シーンはちょっとトラウマものですが、圧巻な映画でした。
     面白いお話、ありがとうございました

  5. なんか…すげぇな…。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

    纏めると…白米が食べられないのは地獄だな。(((uдu*)ゥンゥン

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