こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。
本日は、日本で大人気の画家フェルメールの「天秤を持つ女」にスポットをあってて、じっくり鑑賞してみたいと思います。
読み終わるころには絵の印象が少し変わるかもしれません。
よろしければ最後までお付き合いください。
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合わせてお読みいただくと、より楽しめます♪
フェルメール 天秤を持つ女
この絵画を先入観なしに見ると、どんな場面を描いたものだと感じますでしょうか?
静かに天秤を見つめる女性。天秤マニア?
密かに貯め込んだ金貨を量っては、ニヤリとほくそ笑んでいる人?
実際、以前は「金貨を量る女」だったり「真珠を量る女」と呼ばれていたんですが、近年になって、天秤には何も乗っていないことがわかってきました。
だったら、彼女はいったい何を計っているのでしょうか?
ヒントは、壁にかけられた絵にあります。
絵の中に飾られている「最後の審判」はなにを意味するのか?
絵画の中の絵画(ややこしい?)に描かれているのは「最後の審判」
この世の終わりに人間を天国と地獄へ分ける場面を描いたものです。
ちなみに「最後の審判」とは、世界が終わる時に助かる者と助からない者を分けることじゃありません。
とりあえず、一旦はみんな死にます。
死んだ後、最後にどこへ行くのかっつぅ話なんです!
そこで、最後の審判を受けるために、全ての死者を復活させ、全ての魂が審判を受け、選別されるのです。
正しい行いをしてキリスト教に忠誠を誓ったも者は天国へ引き上げられ永遠の命を賜り、そうでないものは地獄に落とされ悪魔とともに地獄の業火に投げ込まれ永遠の終焉を迎えるのです。
ちなみに異教徒はみんな地獄なので、クリスチャンの方以外はもれなく地獄いきですよ(^▽^;)
そして、魂の行先を決めるのが大天使ミカエルです。
ほとんどの場合はミカエル は天秤をもっており、その天秤で罪深さを計るのです。
ハンス・メムリンク『最後の審判』1467-1471年頃
本来、天秤を持って人間を善と悪に振り分ける役割を担う「天使ミカエル」の描かれるべき場所に天秤を持つ女の顔が重なっているんです。
そのことから、この女性が計っているのは「人間の魂」であろうと言われています。
とある街の一角、なんの変哲もない住居の一室で、人知れず世界の終わりに向けて人間が最後に行くべき場所が決められているのか?(それはそれでイイねですが、"静か"すぎてチト怖い)
う〜ん・・・この絵画から受ける印象は、もっと身近な感じ!!
いったい誰の魂を計っているんでしょうね。
描かれた女性は妊婦なのか?
ちなみにこの女性のお腹が膨らんでいるよに見えますが、たぶん妊娠ではありません。
当時のオランダでは、このようにお腹にボリュームをもたすファッションを流行っていました。
19世紀ごろまでは妊婦を絵に描くという習慣がなかったのに、何枚もお腹がふっくらした女性を描いてるって、妊婦なんだとしたら何フェチ?って感じでしょう(^▽^;)
まぁフェルメールとその妻カタリーナには十数人の子どもがいたと言われているので、奥さんを描いた絵なんだとすると妊婦さんでもおかしくはないんですけどね。
それだったら子どもの絵も描きそうですが、1枚もありません。フェルメールは家族の絵を描くことに興味はなかったんじゃないかと思います。
彼女の計る魂は、いったい誰の魂?
では、話を戻しましょう。
天秤を持つ女性はいったい誰の魂を計っているのでしょうか?
夫か恋人など身近な人の「行いに対する審判」を冷静にジャッジする女性。心当たりがある人はヒヤっとしませんか(^▽^;)?それにしてや顔が穏やかすぎると感じます。
窓際にかかっている鏡に注目してみると、彼女自身の「自己の内面」を量っているという解釈をする方もいます。
だけどね、女性は鏡を見ていないんですよ。なので私は彼女の「自己の内面」ではないと思っています。
天秤にあるのは鑑賞者の魂
では、いったい誰の魂なのか?
彼女が祈るように計ってるのは、この絵の鑑賞者。すなわち、この絵を見ている私たちの魂なのではないかと!
鏡には「真実」と「偽り」という相反する二つの意味を持っています。
鑑賞している私たちには鏡を覗くことができません。自分では省みることができない私自身の内面を計られているんじゃないかと思うのですよ!
天秤の周りには宝飾品が散らばっています。私の外見を飾るものをすべてはぎ取られたあとに残るものはいったいどんな私なのか・・・。
そんなことを思いながらこの絵をみると、さっきまではなかった緊張感のようなものが生まれませんか?
顔をあげてこちらに向ける彼女の表情は祝福なのか、哀れみなのか?
どうでしょう・・この絵は謎に包まれていて、専門家でも意見は別れます。
ということは、妄想はし放題なのです。あなたも答えのないパズルを楽しんでみませんか?
さて、本日はいつもと趣向を少しかえて1枚の絵にスポットをあっててみました。
1枚の絵も解釈によっていろんな表情を見せてくれるのがおもしろい♪
わからなくてもいいんです。わからないからこそおもしろいんです!そんな絵画鑑賞も楽しいでしょ?
何がわからないんだろう?
って、考えることこそが知性なのかなって思う今日この頃です。
本日は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
また来週お会いいたしましょう(*ˊᵕˋ*)੭
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もう少しフェルメールについて知りたいという方は是非お立ち寄りください。
コメント
『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』という映画を観てから、もしかしたら天国より地獄のほうがおもしろいのかもしれない、と思っています。
姐さん、地獄で一緒に楽しく暮らそう♪ヾ(o´∀`o)ノ♪
なるほどね、そこまで読み切れなかったなぁ。フェルメールの絵は謎めいていますよね。表情とか、手紙などの道具立てとか…。そして、美しい女性の「静」の表現。吸い込まれます(*´ー`*)
やっぱり絵画では、その中心に描かれているものだけじゃなくて、その周囲に描かれているものが重要だったりするんだなー、と思いました。この絵の後ろに最後の審判が描かれてるなんて知らなかった、、、
私も地獄で楽しく暮らす予定です。
1枚の絵を「ただの絵」としか見たことがなくて、そこに書いている説明とか背景とかを読んでなるほど~と思ったことがないので、解釈が確定していない絵について自分で思いを巡らせることをしたことがありませんでした^^;
そうやってみるととても楽しいですね。妄想し放題^^
絵画で思いを膨らませるっていいな、と思いました♪
あ、私も地獄で待ってます~~☆
(`・ω・´)シャキーン 天国直行便でお願いします。
魂の選別をするバイトΣ(゚Д゚)
わたしも地獄行きかなあ…(^▽^;)
せめて直行便で( ´∀`)bグッ!