深い闇をのぞいた男。光の魔術師「レンブラント」

画家

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こんばんは!ビー玉です。

今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・

本館、【大人の美術館】は、素人の素人による素人のための妄想美術館です。いわゆる “常識” とされている見解と違う箇所もあるかとは思いますが、ゆる~い気持ちでリラックスしながらご観覧ください。「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します・・・

本日はダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、ベラスケスの「ラス・メニーナス」とともに世界三大名画のひとつといわれる「夜警」を描いたレンブランドの企画展です。

お時間よろしければ、最後までゆっくりご鑑賞ください。

 


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はじめに!鑑賞時の注意

世の中には呪われた絵画というのが存在します。

見ると死に至る。

精神が崩壊する。

不幸になる。

などなど・・・

後から聞いてないよ〜(; ・`д・´) と、言われても困るので最初に言っておきます。

レンブラントの絵画にも、このような「呪われた絵画」と言わざるをえないものが存在します。

レンブラントの代表作である「夜警」と「ダナエ」です。

この2枚は「魅了された」という理由で何度も切りつけられたり、硫酸をかけられたり、修復不可能な傷を負わされたりしております。

特に「夜警」の少女と目が合うと心が乱されるという話もありますので、鑑賞に関してはご注意ください(*´罒`*)ニヒヒ

まぁ・・・当館はあくまでも画像であって、本物の絵画じゃないんで大丈夫ですけどねぇ♪

館長
館長

それを言っちゃぁ、このブログの世界が乱されます!

す、すいません(゚∇゚ ; )

 

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レンブラントとは

レンブラント・ハルメンソーン・ファン・レイン(Rembrandt Harmenszoon van Rijn)は17世紀にネーデルランド連邦共和国(現オランダ)で活躍した画家です。裕福な家に生まれ、当時では珍しく大学に入学したエリートだったのですが、大学はわずか数ヶ月で退学し、両親を説得して画家の道を目指します。

普通は「勘当」騒ぎになってもおかしくないところ、なんとか両親を説得できたのは、この時すでに周りを説得させられるだけの画力があったんじゃないかと想像します。

本格的な絵の勉強を始めて。数年後には画家として賞賛を浴びていたので、両親の見る目も大したものだなと(((uдu*)ゥンゥン

「聖ステファノの殉教」(1625年)

すでに「光の魔術師」としての片鱗が伺えます。影とスポットの対比がんなんともドラマチックではありませんか!!

ちなみにステファノは、石を投げつけられて殉教したキリスト教の聖人です。

アトリビュート(個人を特定するモノ)は石です。

どんなに“たんこぶ” に見えても、この場合は聖ステファノです( •ὢ•)上手に小石を乗せるねw

 

世の中の常識を打ち破った肖像画!

当時のネーデルランド(現オランダ)は、絵画に比較的自由なプロテスタント(キリスト教の宗派)で、経済的にはまさにバブル景気真っ直中で、裕福な庶民が絵を頼む時代でした。

その中でも、みんなでお金を出しあって頼む「集団肖像画」が大人気で、たくさんの肖像画が描かれんたんです。

集団肖像というのは今でいう集合写真のようなものとお考えください。

まぁ、このように全員がカメラ目線で並んで描かれていて、ちょっと偉い人がセンターを務めるくらいで、できるだけ平等に描くのが常識でした。

これは家族だろうか?一人以外全員同じ顔に見えます(。-`ω´-)

左の人も、ちょっと太っちゃっただけで、痩せれば同じ顔になりそうだけどw

まぁ、今見るとちょっと奇妙だったりもしますが、親戚縁者が揃う結婚式などの
集合写真を西洋の人がみると、こんな風に感じるのかもしれませんね(^▽^;) 東洋人の顔の区別が難しいらしいのでw

そんな、画家の個性なんていらないと思われていた集団肖像画の世界に鋭く切り込んでいったのが、レンブラントの出世作・・・

「テュルブ博士の解剖学講義」1632年

これはもう集合写真じゃなくて、人々の日常をすっぱり切り取ったようなドラマ性のある絵画!!

この絵が当時の人の度肝を抜きました!!

このドラマチックな一場面に自分が入り込む感覚は、肖像画を頼んだ人にとっては衝撃的で、今まで経験したことがない感動に包まれたんだと思います((uдu*)ゥンゥン

この1枚の絵で、レンブラントは一躍時の人となり、注文が殺到し、大きな工房も持ちました。

この時期にレンブラントは結婚をします。

「フローラに扮したサスキア」(1634年)

サスキアです。サスキアは裕福な家の娘で多額な持参金と一緒にレンブラントのもとに嫁いできました。この頃のレンブランは名声も財産も手に入れて、本当に順風満帆で飛ぶ鳥に飛び乗る勢いだったのです。

 

「ダナエ」(1636年)

このダナエはいいですね(ノ∀`)タハー 胸の感じとか実にリアル♡

塔に幽閉されていたダナエを見初めた全能の神ゼウスは金色の雨に姿を変えてダナエと交わったというギリシャ神話なんですが、レンブラントの「ダナエ」には金色の雨は描かれておらず、金色の光でゼウスを表現しています。そのゼウスを自ら誘うかのような表情が色っぽくていい(」゚ロ゚)」ぃぃぃぃいい

ダナエの心象風景は右上の天使が代弁しています。

手を縛られて苦悩する表情・・・そんなダナエには、今まで抑圧されていた感情を解放してくれるゼウスが「救い」に思えたんでしょうね・・

この絵からは、レンブラント自身を輝く光(ゼウス)に見立てたような、画家としての自信を感じます。

この絵は1985年に「ダナエに誘惑された」という男性に切りつけられて、現代も修復中です。350年という時を超えて私たちの心に入り込んでくるダナエの救いを求めるm眼差し・・・

以前のような美しさで私たちを魅了する日がくるといいのですが・・・

 

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やがて訪れる人生の斜陽

恵まれた画家であったレンブラントの人生に斜陽がさすのは、ある名画が引き金となりました。

その名画こそが、世界三大名画に数えられる・・・

「夜警」(1642年)

「夜警」と呼ばれるこの絵画の本当の名前は「フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副長の率いる部隊」という、火縄銃組合自警団の集団肖像画なのです。

集合肖像画なので、ここに描かれている人物が全て主役であるべきだったのですが、スポットライトが当たるのは隊長と副隊長の二人・・・

他の団員は暗くて顔も判別つかなかったり、ほとんど顔が出ていないなど、平等性など皆無(゚∇゚ ; )

この描き込みの落差は、同じ金額払っていたら納得できないでしょう(^▽^;)

まぁ、後々しっかり描かれている人とそうでない人の金額を変えることで納得してもらったようですけどねぇ(゚∇゚ ; )

そして、隊長と副隊長だけにスポットライトがあたるならまだしも・・・

団員全員が「誰?」という少女にもスポットライトがあたっています!!

謎の少女?

そして、この謎の少女、そもそも少女なのかそうでないのか、人間なのかそうでないのかすら謎です。

この女性が腰に下げている鶏は火縄銃協会を表す紋章、水牛のツノは盃を表し、火縄銃組合自警団の団結を示していると言われています。なのでこの少女は人間ではなく自警団を象徴する女神だという説が有力です。

不自然なのは少女の体に中年女性のような顔。この顔は妻のサスキアにとてもよく似ています。

実はこの絵が完成した頃に、サスキアは産後の肥立ちが悪く亡くなります。

絵を描いている時は病床にあったサスキアを守って欲しいという気持ちを込めて自警団を描いたんじゃないか・・って思ったりします。

そんな雇い主無視の集団肖像画を描いたことがきっかけで、絵の注文は激減してしまうんです・・・

大金を出して、ボンヤリとしか描かれなかったり、顔の一部しか書かれないとかって嫌ですもんね!私なら凹みます(; ・`д・´)

後世に残る名画で、画家にとって最も有名な代表作が輝ける人生に影を招いたというのは皮肉なものです・・・

 

絵に降りかかる災難

夜じゃなかった!

とても有名な話ではありますが、この絵のタイトルは一般的には「夜警」ですが、この時代に夜にパトロールする習慣はなく、この絵も実は夜ではなく昼間なのです。この絵の所有者が絵を守ろうとして、ニスを塗ったのですが、そのニスが劣化して暗い色調の絵がさらに暗くなり、「夜」と呼ばれるようになったのです。

夜の闇に浮かび上がる自衛団と不思議な少女の絵は、人の精神をかき乱すことがあるらしく・・・

1911年、職場を解雇されたばかりのコックに「嫉妬心」を掻き立てられたと切りつけられる!

1975年、精神的に不安定だった教師に切りつけられる!

1990年、これまた精神疾患のある観客にスプレー式の酸をかけられる!

3度も傷つけられるという受難続きの絵画としても有名で、いつしか「絵の中の少女と目が合うと・・・」なんて噂されるようになりました。

人の心を深く観察したレンブラントですし、妻の病という不安な気持ちを抱えたて描かれた絵画なので、なにかしら不穏な気持ちを刺激されるものがあるのかもしれませんね・・・

 

ちなみに狂気の画家ゴッホはこの絵の神秘性に魅入られて、

ゴッホ
ゴッホ

レンブラントは魔法使いに違いない

・・・というよな言葉を残しています。

 

凡人の私にはちょ〜〜〜〜っとわかりかねる感覚です。残念ながら(;´д`)トホホ…

 

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描き続けらられる自画像

 

1626〜28年(23歳ごろ)

画家を志して、影と光の明暗表現を実験的に描いた初々しい1枚

1633〜34年(27歳頃)

あっという間に売れっ子画家となり、サスキアと出会い、人生に上り坂しか見えなかった頃

1640年(34歳)

宮廷人のコスプレです。画家として絶頂期で、表情もそれっぽい・・・調子にのっていたというわけではなく、この頃はいろんなコスプレをしていろんな表情で自画像を描いています。多種多様な人物の内面を表現するためにレンブラントは自画像を実験台としていました。

1652年(46歳)

愛妻サスキアに先立たれ、愛人に訴えられ多額の慰謝料と研究のために買い漁った美術品などのコレクションのために生活が困窮していた頃。

険しい表情ながら、名声や名誉から解き放たれて、画家としては自由に自らの画風を追求し、自画像からも毅然とした気迫が感じられる。

晩年(63歳)

もう圧巻の自画像です、厚く厚くぬりかさねられた絵の具の奥の深い洞窟のような瞳。レンブラントの人生に吸い込まれるような卓越した自画像です。

 

画家がモデルを雇えない頃に自分をモデルに肖像画を描いたり、それを宣伝材料としていたとはよくあるのですが、レンブラントは容姿が衰える晩年まで自画像を描き続けました。

人の内面を描くのに自分を描くことが最も適任だったからでしょう・・その自画像はナルシストや自意識とは完全に別次元の客観性を持って描かれています。

私もレンブラントの自画像は何枚か鑑賞したことがありますが、特に晩年の自画像は最も心に残っている絵画の中の1枚です。

私はこの絵と初めて対峙したとき30分以上、その場から動けなくなりました。深く深く自分を通して人というものを観察してきた人だけが描ける境地です。

鑑賞しているんだけど、鑑賞されているような・・・自分の内面を丸裸にされているような感覚でした。

 

悪いことばっかりではなかった

水浴する女(1654〜55年)

荒いタッチで描かれており、未完成だとも言われていますが、左下にサインが入っているので、完成品なのでしょう・・ごくごく私的な楽しみとして描かれたものだと思います。

モデルは20歳下の愛人ヘンドリッキェ。(※諸説あり)

もうちょっともうちょっと・・と言われながらたくし上げたであろう裾がなんとも色っぽいです(ノ∀`)タハー

彼女はレンブラントよりも先に亡くなってしまうのですが、経済的な理由から生活が困窮していたレンブラントの前に現れ・・

レンブラントが破産に追い込まれた時は、自ら美術商を立ちあげてレンブラントを従業員として雇うことで絵の所有権を守りました。

彼女の働きによりレンブランの絵が再評価されつつあった1663年にヘンドリッキェ突然この世を去ってしまうのですが、この絶妙のタイミングでレンブラントの前に現れたヘンドリッキェは、もしかしたら芸術の神が遣わした天使だったかもしませんね・・・

 

本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。当館は毎週土曜日の深夜に開館なのですが、学芸が多忙のため、会館が月曜の朝にずれ込んだことをお詫びいたします。

来週は土曜の深夜に開館予定です(多分)。

コメント

  1. 最初の2つは間違いなく、こっち見んなwって突っ込みたくなりますよね( *´艸`)
    夜警の少女(?)、画の中では大勢の中の一人ですが、不思議と目に入ってきますよね( *´艸`)

    • ビー玉 ビー玉 より:

      えたさん、コメントありがとうです♪ その子と目が合うとやばいらしいですよ(; ・`д・´) 集団肖像画、やばいでしょw 全員こっち向いてるので、めっちゃ怖い(llФwФ`)ガクガクブルブル

  2. ( ̄。 ̄)ホーーォ 面白いですなぁ。。。
    目が合うと…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

    • ビー玉 ビー玉 より:

      ましゅーさん、コメントありがとうね〜♪
      目えあっちゃった?なにが起こるかなぁ〜٩(●˙▿˙●)۶

  3. NickNick より:

    ぬおー、少女と目が合ってしまったぞい。怖いよー あ、ほんものじゃなくて画像だから、大丈夫かー。

    ビー玉ちゃんのこのブログを読んで、フェルメール展に行くことにしたよ。チケット取った!

    • ビー玉 ビー玉 より:

      Nickちゃん、コメントあーとぉ〜〜〜♪ あらら・・それはぁ。館長には内緒だけど、ただの画像だから大丈夫( *• ̀ω•́ )b グッ 本物を見に行く時は気をつけて(≧∇≦) フェルメール展!!うわ〜〜〜、めっちゃ嬉しい٩(●˙▿˙●)۶ 一緒に行きたい〜〜〜っ!!楽しんで来てね♡

  4. ヨウコの川歩き より:

    あら?ビー玉さん、ブログサークルのコメント欄外しました?(^^ゞ

    レンブラントの「夜警」、見た覚えがあります。おかしいなぁ、日本に来たことあった?(笑)
    あれはニス光りだったんですね。神秘的な絵でした。少女を見た記憶が無いので、呪いは免れたようです。しっかし、確かに闇(?)に溶け込む人物にされた人は腹立たしいでしょうね。知らないことばかりでしたわ。何を観ていたんだろ、私(笑)

    • ビー玉 ビー玉 より:

      ヨウコさん、コメントありがとです٩( ᐛ )و お手間とらせてしまってすいません(^人^) もう一つブログを立ち上げることになって、コメント欄を一時的に閉めちゃったんです。夜警は来日したかなぁ…だけどモナリザもかつて来日してますし、もしかしたらあったのかも(((uдu*)ゥンゥン
      レンブラントの絵ってサイズが手頃なので、地味によく来日してますよねー♪

  5. 伏兎 より:

    絵に魅了されて絵を汚してしまうなんてことがあるんですね。それほど感受性の強い人たちだったんかな。
    聖ステファノの件が笑ってしまったwたんこぶにしか見えないですよ、あの頭の石’`,、(‘∀`) ‘`,、

    • ビー玉 ビー玉 より:

      伏兎さん、コメントありがとー!!
      感受性が豊かでも人や絵を傷つけたらダメよね–( •ὢ•)
      ステファノは誰も突っ込んでくれなかったから、突っ込んでくれてありがとう(^▽^;) また変な絵を見つけてくるねーー!!