恋に生きる!乙女チックを貫いた画家『マリー・ローランサン』

20世紀美術

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こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。

本日はマリー・ローランサンの回顧展です。

淡い色調のと単純化された線。なによりも憂いを帯びたやわらかな女性像が特徴。

ふんわりやわらかい画風ながら誰もが作品を観るとローランサンだと分かるような強烈な個性!

美の巨人ブラックやピカソらに妹のように可愛がられ、それをしっかり利用するしたたかさもある小悪魔系の女流画家『マリー・ローランサン』。

そんなローランサンの人生にナビゲートします。

よろしければ最後までお付き合いください。

マリー・ローランサンってどんな人?

1883年10月、フランスのパリにシングルマザーの一人娘として生まれました。

婚外子ではありましたが、父親の援助があった為か金銭的な苦労はなかったようです。

ローランサンはレースや絹に彩られる部屋で少女時代を過ごします。

10歳には高級マンショに移り住み、上流階級の子どもが通うお嬢様校に入学して、しっかりした教育を受けています。

19歳で陶器の絵付けを学び

20歳で画家を目指し、画家としては少々遅いスタートをきりました。

本格的に画塾に通うようになり、ピカソと共にキュビズムを生み出したジョルジュ・ブラックに出会います。

ジョルジュ・ブラック『ギターを弾く女性』1913年

 

キュビズム(立体派)は、ピカソによって確立され、対象物をあらゆる視点からバラバラし、組み立て直すという遠近法に囚われない新しい絵画手法。

 ピカソ作「泣く女」

ブラックに連れられて、ピカソやモディリアーニ、マティスなどの芸術家たちが住居兼アトリエとしていた『洗濯船』と呼ばれるモンマルトルのアパートに出入りすることになります。

そこでは画家たちのアイドル的な存在として、キュビズムやフォービズムといった最先端の芸術を吸収していきました。

ローランサンは自分に伸ばされた手をしっかり掴む素直さとしたたかさがあったんです。

マリー・ローランサン『優雅な舞踏会あるいは田舎での舞踏』 1913年 

そして運命の出会いが訪れます。

後に有名な詩人になるギョーム・アポリネールです。

アポリネールはピカソから「君のフィアンセにあったよ」とローランサンを紹介されてその言葉通り二人は逢ってすぐに恋におちます。

 

館長
館長

さすが恋愛経験豊富なピカソですね

その当時のローランサンをアポリネールはこう語っています

「彼女はパリっ子らしい可愛い悪戯っぽさがあります。どういう可愛さかといえば、縄跳びしながら僕に逢いにくる姿を思い浮かべてください。階段の上をぴょんぴょん飛びながら」

縄跳びは何かの比喩かなって思うんですが、実際に街を縄跳びで移動していたようです。

ビー玉
ビー玉

不思議ちゃんですよね!

館長
館長

・・・・。

私には可愛さが迷子ですが、まぁちょっと不思議な雰囲気をもった可愛い女性だったのでしょう。

ピカソの言葉を借りると「少女のようでいながら、男性の人生を狂わせる魔性の女」なんだそうです。

 

激しく恋に落ちたアポリネールは、ローランサンを強力にバックアップします。新聞、雑誌、美術批評でローランサンを大絶賛。いつの間にかローランサンは新進気鋭の女流画家へと祭り上げられました。

そんな二人は理想のカップルに見えたのですが・・・

マリー・ローランサン『アポリネールとその友人たち』1908年

この絵に描かれているのは向かって左からピカソとその愛犬フリッツ、ローランサン、アポリネール、当時ピカソの愛人だったフェルナンド・オリヴィエです。

この絵に描かれた恋人たちに待っていたのは破局です。

愛が深まるに連れてアポリネールの所有欲が膨らみ、嫉妬心でローランサンを支配するようになったんです。

愛しあっている最中にも「今誰のことを考えてる」と激昂するアポリネールにローランサンの気持ちは徐々に離れていったのです。

ローランサンを有名にしたのはアポリネール自身なのに、ローランサンが有名になり自分の元を去るんじゃないかって不安になったんでしょうね(´-ω-`)

あくまでも自分の手の内で踊らせておきたい男心でしょうか・・

マリー・ローランサン『家具付の貸家』 1912年

まぁ嫉妬だけならフラれたアポリネールに同情できなくもないですが、アポリネールは几帳面な性格で、「ベッドシーツにシワが入るのが嫌」という理由で愛し合う場所はソファの上だけだっただと聞くと・・・

ビー玉
ビー玉

フラれても仕方なしっ

なんて、思ってしまいます。

理想のカップルと言われた2人ですが5年で終止符がうたれました。

ローランサンの描く『家具付きの貸家』では揉めてる男女を心配そうに様子を伺う女性が描かれています。

もめる男女はアポリネールと自分でしょう・・

実はローランサンは恋に傷づいた自分をこの絵のように「女性」に慰めて欲しかったんです。

 

失恋の傷を癒したのは「女性」の存在

その後、ドイツ人貴族と結婚しますが、破局!

そんな彼女の心を癒したのは女性でした。

マリー・ローランサン『鳩の二人の女』

ローランサンの新しい恋人は旧友のニコル・グレー。

この絵好きなんですよね・・・バックハグするニコルとはにかむような表情のローランサン。親密さが伝わってきますよね(* ̄∇ ̄*)

ニコル・グレーの手引きで社交界のマダムたちの肖像画を描くようになったローランサンは瞬く間に人気画家となってきます。

この時代のマダムたちの肖像画もいいんですよね・・・

淡く優雅でどことなく憂を帯びてて素敵です。

ローランサンの描く肖像画を自宅に飾ることが上流階級のマダムたちの間で大流行しました。

人気が出るのはわかります。

今なら画像にエフェクトかけまくって雰囲気を出したインスタ画像みたな感じではないでしょうか・・・できることなら私も描いて貰いたいですもん(((uдu*)ゥンゥン

マリー・ローランサン『シャネル嬢の肖像』1923年

当時新進気鋭のデザイナーとして人気だったココ・シャネルの肖像です。

気怠い感じが素敵なんですが、この絵はなぜかシャネル本人から受け取り拒否されています。

背後に描かれた牝鹿がレズビアンを象徴するものだったので、ローランサンからの告白をシャネルが蹴ったのでは?と憶測をよび話題となりました。

シャネルは理由を語ることはなかったので、真相はわかりません。

私を忘れないで・・ローランサンの最後の恋

ローランサンの最後の恋人は21歳年下のシュザンヌ・モローです。

シュザンヌは家政婦ととしてローランサンの家にきて、気に入られ恋人、後に養子縁組をして娘となりました。

マリー・ローランサン『シュザンヌ・モロー(青い服)』

彼女はローランサンに献身的に尽くしました。嫉妬深い性格だった為、ローランサンの友人たちを遠ざけ、尋ねてくる友人もなく72歳で人生を閉じるまで30年ほど二人だけの世界に閉じこもりました。

最後は遺言により白いドレスに包まれて、一輪の薔薇とアポリネールからの手紙の束とともに荼毘に付されたんですけどね・・

ローランサンはアポリネールを思いづつけていた訳ではなかっと思います。

退屈な女より もっと哀れなのは 寂しい女
寂しい女より もっと哀れなのは 不幸な女
不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女
病気の女より もっと哀れなのは 棄てられた女
棄てられた女より もっと哀れなのは 追われた女
追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女
死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女

(マリー・ローランサン詩画集『鎮静剤』より 堀口大學訳)

ローランサンの描く少女チックな画風と同じように初恋の人を思いながら生涯を閉じるというロマンチックな自分(画家)を演出したかったのではないかなと思っています。

忘れられた過去の画家としてではなく、世間の記憶にロマンチックな人生を送った画家として記憶に止めて欲しかったのかもしれませんね。

本日は以上です。最後までお読みいただきありがとうございます。

大人の美術館は週に1回開館する仮想美術館です。

また来週お会いいたしましょう。SeeYou(*ˊᵕˋ*)੭

コメント

  1. marimo より:

    画像にエフェクト、確かに!!
    マリー・ローランサンの柔らかい画風が好きで…と思ったらエフェクトにどハマりしました(笑)

    写真撮って~加工して~肌を滑らかに、色は明るくって♪
    現在なら簡単に自画像を加工できるから売れなかったかも、、、の最先端技術だったんですね^^

  2. ねぇやん より:

    縄跳びでパリの街を闊歩する小悪魔…
    出会いたいような出会いたくないような(^^;)
    失礼ながら、超やっすい画像ソフトで加工したような絵柄が苦手でしたが、見方を変えると、不思議です、淡く繊細なタッチに見えてきます(*´ω`*)

  3. aiai より:

    わたしもローランサンに描いてもらいたい。
    できる限り優しい色で描いてね。
    そして、わたしを忘れないで(・´з`・)

  4. ( ̄。 ̄)ホーーォ と思いながら読んでいましたが、「縄跳びして街を歩く。」が引っ掛かる。二重飛びだったのかな…( ゚д゚)ハッ! はやぶさかも!

  5. Nick Ollie より:

    ローランサンの絵の色合い、好きです。ちょっとグレーがかった綺麗なピンクとかが多い気がする。

    縄跳びしながら恋人に会いに行く、不思議だ。疲れそう。そしてベッドシーツにシワがつくからと、ソファーにする恋人側も変だよな。

  6. ヨウコの川歩きw より:

     マリーローランサン…友人には大ファンが何人かいますが、私はそれほどではありませんでしたが…。そうですか、洗濯船のアイドルだったんですね。
     彼女の柔らかいスウィートな世界の裏には、なかなかな人生の困難があったんですね。シャネルの絵は凄く良いですよね。
     何だかローランサンを見直しました(*´ω`*)ありがとうございます( ^o^)ノ

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