こんばんは!ビー玉です。
今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・
本館、【大人の美術館】は、素人の素人による素人のための妄想美術館です。いわゆる “常識” とされている見解と違う箇所もあるかとは思いますが、ゆる~い気持ちでリラックスしながらご観覧ください。「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します・・・
本日の題材はふわふわと、可愛い絵画ですよ~♪
ゴシックからロココへ
ロココという言葉を聞いたことがありますでしょうか?ロココ時代、ロココ様式、ロココ文化なんて言われ方をしますが、日本のバブル期のような、ちょっと軽薄で底抜けに明るいフランスの美術様式のことをいいます。
18世紀、太陽王ルイ14世の死去、とにかく厳格で、暗く荘厳な・・人々を恐怖で支配する威圧的なゴシック様式の文化が終了します。
ゴシックの代表作 ベルニーニの「聖テレジアの法悦」
ゴシック・・私はカッコよくて大好きなんだけど、当時の人々は窮屈に感じていたらしく・・・
その反動で巻き起こったのがロココ様式の華やかな文化!!
ロココは、のちの世に軽薄とも評されるくらい、とにかく明るく開放的な文化です。
ゴシック建築 |
カッコイイ~~~~(ノ´∀`*))スキー
ロココ建築 |
ま、眩しい(=Д=)✧✧
暗黒の時代から光明の時代へ・・って、ふり幅が大きい!!
そんなバブリーな貴族趣味のロココ文化の代名詞といえるのが・・・本日の題材の絵画です。
ジャン・オノレ・フラゴナール
【作 者】ジャン・オノレ・フラゴナール(Jean-Honoré Fragonard)
【作品名】ぶらんこ(The Swing )
【年 代】1767年
【種 類】カンヴァス、油彩
【寸 法】81cm × 64.2cm
【所 蔵】ウォレス・コレクション(The Wallace Collecti)/イギリス・ロンドン
ジャン・オノレ・フラゴナール作 「ぶらんこ」
女性のドレスがフワフワと、まるで金魚が水の中に微睡んでいるような、優雅で可愛い絵画ですよね~~~♪
この絵を観て、そこはかとなくエロスを感じるあなたは・・・なかなかのツウです٩( ᐛ )و
では、何がエロいのか見てきましょうか( ̄▽ ̄;)
まず、この絵を依頼したのは・・・
左下にいるこの人物!!名前をサン=ジュリアン男爵といいます。
彼がフラゴナールに1枚の絵を依頼した際に出した条件は3つ!
1、自分の恋人がブランコに乗っている姿を描いてほしい
2、自分をその足元に配置してほしい
えっと・・・なにフェチですか???
3、ブランコを引く司祭を描いてほしい・・・
えっと・・・なに目的ですか(;''∀'')???
実は、この恋・・・
エロス(キューピット)が口に指をあてています。「この恋は秘密だよ」ってことです。
そう、ブランコに揺られる若くて可愛い恋人には夫がいるのです。
はい、不倫です!
ブランコを引くのは司祭のはずだったんですが、フラゴナールの悪戯心なのか何なのか??
司祭を描くはずのところに彼女の夫を描いちゃいました(゚д゚)!
フラゴナールは複雑な三角関係を安定した三角の構図で描き上げたんですよねぇ・・これは、なかなかキツいシャレですよ(;''∀'')w
なんたる不道徳・・・って思うかもしれませんが、この時代・・これは1つの愛の形です。
この時代の女性は結婚が早く、10代で結婚するのが普通でした。カトリック(キリスト教の宗派)の教えでは、結婚するまでは処女であることが何よりも大切なので、処女を失うような婚前交渉は以ての外!!
しかも、父親ほどの年齢の男性と結婚することも多く、もちろん自分で相手を選ぶことなんて、ほぼ不可能です。
だったら女性たちは、一生好きな人と結ばれない運命なのかというと・・・実はそうでもなくて・・
なんと!女性たちは夫の庇護の元、結婚してから自由に恋愛するのです。
夫は夫で、それを容認するのが甲斐性だとされていたんですね・・・
女性は夫と愛人の間を行ったり来たり・・浮遊します。
この「ぶらんこ」は、そんな貴族の恋愛事情を上手く皮肉っているんです。
女性の挑発的な表情と、飛んでいくミュールが厳格な少女時代から大人の女性へと達する「性」の開放を意味しています。
まぁ・・そんな時代だからこそ、男爵は彼女への本物の愛を示すために、「司祭」を描いて神に誓いたかったのかもしれないけど・・フラゴナールってば女性の開放を描いちゃって( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
果して男爵は、この絵で満足だったんだろうか???
満足じゃないけど・・・せっかく綺麗に描いてくれたし・・・な~んて感じで、ちょっと気弱で人の良さそうな感じが滲み出てて、微笑ましいぞって思っちゃいます(;''∀'') 優しい男がモテる時代だったのかな??
あのアニメにも登場する「ぶらんこ」
実は、この絵画・・・超有名なアニメ映画にも効果的に使われています。お気付きですか?
↑こちらの作品で~す♪
主人公のアナが「生まれてはじめて」を歌いながら、お城のギャラリーに入って行きます。
そこに登場するのが、「ぶらんこ」をモチーフとして描かれた絵。
さすがにスカートの中を覗く男爵は描かれていないですけどねッ(;´∀`) お子さんも見ますからねぇw
シンクロするアナ・・・初めての恋に浮かれて、出逢ったばかりの男性と結婚を決めてしまう・・その後の奔放とも軽薄ともいえる恋愛観を暗示しているのかなぁ・・・
ちなみに「アナと雪の女王」のレビューはこちら↓
※私の別ブログに飛びます!
明るく軽快なロココ文化はフランス革命とともに終焉を迎え、その反動でカタく知的なものしか認めないよ~という新古典主義へと時代は移り変わっていきます。
そんなカタい時代でも、エロは存在します。ちょっとムッツリ系になりますけどねぇ(ΦωΦ)フフフ…
まぁ、それについては後日・・・
本日は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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