こんばんは!美術ナビゲーターのビー玉です。
本日のテーマはダビデ 君です。当大人の美術館でも何度か取り扱ってる例の “彼”です。
トランプのスペードのキング・・・と言ってもわかりにくいですね。
このダビデ君です。
乙女時代に誰しも「パンツぐらい履けよ」って心の中で突っ込んだこがあるかと思います(私だけ?)。
この “まっぱ” のダビデ 君、実はイスラエルを統一に導いた英雄だったんですが、不倫炎上しちゃったりと、なかなか興味深い人物なのですよ。
なぜ裸なのかの謎も解けるかも♪
美術の世界でも頻繁に登場するので、彼のこと知っていると美術鑑賞もちょっと楽しくなります。
本日はそんなダビデ王の光の影の人生にあなたをナビゲートします。
よろしければ最後までお付き合いください。
竪琴の名手だった少年時代のダビデ
ダビデは旧約聖書に登場する実在の人物で、ベツレヘム生まれの琴の名手でした。
そんな琴の腕を見込まれて、ダビデ少年は心を病んでいたサウル王を琴の音色で慰めるために楽士(音楽を奏でる人)として王宮に仕えることになりました。
レンブラント作『琴を奏するダビデとサウル王』1633年
ダビデ の奏でる琴の音色にだけは心癒されたサウル王はダビデ を気に入り、部下に取り立てます。
じつはこのサウル王はイスラエルと女性たちの間で「国で一番のイケメン」と評判の美王。
ダビデ も負けず劣らずの美少年と言われていたので、腐女子ではない私も「腐心」が刺激されます。
気に入ったのは本当に琴の音色だけだったのか?
立派な腐じゃないですか
ヴェロッキオ作『ダビデ像』1465年
腐ですよね???
英雄としてのダビデ
そんな頃にサウル王が率いるイスラエルと、近隣国ペリシテとの間で戦いが始まったんです。
ペリシテにはゴリアテ(ゴリアトともいう)というめっぽう強い巨人がいて、イスラエルは苦戦を強いられていました。
そこで立ち上がったのが、まだ年若いダビデ 。
ダビデ は羊飼をしていた頃に投石で猛獣から羊を守っていて、腕には自信があったんです。
軽装でゴリアテに立ち向かおうとするダビデ にサウル王は心配して自分の鎧を貸すのですが、ダビデ は「重いから」と、すぐに脱いでしまいした。
だから、ダビデ像は裸だったり半裸だったりすのかも!
裸で立ち向かってゴリアテを油断させたという説もあります。
かといって、全部脱ぐことはないよねぇ(^▽^;)
ミケランジェロ 作『ダビデ 像』1504年
このダビデ 像は、風呂上りみたいな様相ですが、巨人ゴリアテに今まさに立ち向かおうとしているところ・・・
左手に皮の投石機を肩にかけ、右手には投石用の石を隠し持っています。
つい股間に目がいきがちですがw
この緊張感ある腕の表現がたまらなくかっこいいんだわ。
オズマール・シンドラー作『ダビデとゴリアテ』1888年
ダビデ の放った石は油断しきっていたゴリアテの額にクリティカルヒット!
まさかゴリアテも “まっぱ” の美少年にやられると思ってなかっただろうし、油断もすますって。
巨人は呆気なく大地につっぷし、ダビデ に首を切られます。
カラヴァッジョ作『ゴリアテの首を持つダビデ 』1610年
ダビデ に首を切られてつかまれいるゴリアテの顔は、この絵を描いた画家カラヴァッジョの顔です。人を殺してしまったカラバッジョ の自責の念だともいわれますけど、どうなんでしょうね?
ただ美少年に虐げられたかっただけのような気がしないでもないけど。
※カラヴァッジョは美少年好き
レー二作『ゴリアテの首を持つダビデ 』1604-1606年
不思議とこのテーマのダビデ はみんな色っぽいんですよ・・画家ってMばっかなんだろうか?もしくは絵の依頼人にM気質の人が多かったのか?
手柄を立てたダビデ はサウル王の娘と結婚して、次々と戦勝をあげ出世街道まっしぐらでした。
ダビデ の苦難と栄光
そんなダビデ にサウル王の嫉妬。
嫉妬といっても恋愛関係のもつれのほうじゃなくてですね
民衆に大人気となったダビデ に自分の地位を脅かされるんじゃないかと猜疑心と嫉妬心を抱き、再び暗黒面へ落ちていきます。
サルヴァトル・ローザ『エン・ドルの口寄せの家でサウルに現れるサムエルの霊』1668年
しばしば悪霊に取り憑かれたようにダビデ を殺そうと剣を振りかざすサウル王。
ダビデ は何度か殺されかけながらも逃げ出すことに成功。
ダビデ のいなくなったイスラエル軍はペリシテ軍との戦いに破れ、サウル王の息子は戦死、自らも「もはやこれまで」と命を断ちました。
サウル王が亡くなり、30歳だったダビデ は民衆の声に答える形でイスラエルの二代目の王となり、強力な指導力を発揮してイスラエルを勝利へと導きイスラエルの統一の果たします。
名君として名声をほしいままにしていたダビデ ですが・・・
W不倫で大炎上!
ここにきて禁断の恋に落ちてしまいます。
臣下の妻バテシバとのW不倫( ๑º言º)
ジェローム作『バテシバ』1889年
入浴中だったバテシバを目撃してしまい、よりよって部下の妻を寝取って妊娠させちゃうんですよ。
不倫発覚を恐れたダビデ はバテシバの夫を戦いの最前線へとおくり戦死させてしまいます。
名君、賢王と呼ばれた男も恋には盲目。狂ってしまうんだなと(´-ω-`)
ウィレム・ドロステ作『ダビデからの手書を受け取るバテシバ』1654年
その後、預言者にその罪を糾弾されてダビデは猛烈に反省するも、
神の怒りにふれたダビデ とバテシバの子どもは生まれて7日間苦しんだ末に死んでしまいます。
天罰というものなんだろうけど、子どもには罪はないのにねぇ(ノД`)シクシク
▼バテシバについての詳しい記事はこちら▼
このエピソードはダビデ 王の汚点として語られますが、文武両道、容姿端麗、指導力あった完全無敵にダビデ が人間として弱さを垣間見せるエピソードとして、個人的には嫌いじゃないです。
不倫相手の夫を死へと追いやったのは許されることではないですが、暴走するのが恋ですから(((uдu*)ゥンゥン
夫を亡くし寡婦となったバテシバはダビデ 王の妻の1人として王宮に迎え入れられます。
そして、再び授かったのが後にイスラエル王国最大の智の巨人と称されるソロモン王です。
ソロモン王についてはまたいずれ♪
真っ裸の像として多くの方の記憶にある『ダビデ 像』はこのようなお話の主人公だったのです。
強敵を油断させようとして裸になったダビデ 像。けっしてミケランジェロの趣味だけではなかったんですね。
ミケランジェロのダビデ像を見る機会があったら、思い出してみてくださいね。
「大人の美術館」は動画でもお楽しみにいただけます
本日は以上です。お読みいただき、ありがとうございます。
今月いっぱい当ブログは不定期更新になるかもですが、どうぞよろしくお願いします。
美術の教科書において、乙女の恥じらいを誘うダビデ像ですが、彼のイチモ◯は・・・・小さめ🤏
時代によっては、小さいほうが知的とか理性的で “かっこいい” と、思われていたようでございますのよ( ´艸`)ホホホ・・
ご注目ポイントです(๑•̀.•́ฅ✧ ←どうかと#美術小噺 pic.twitter.com/zXhJMNHk4b
— ビー玉@R指定された美術ブロガー (@beedama_lab) February 27, 2020
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コメント
まっぱのダビデさんよりもヴェロッキオ作「ダビデ像」の
花弁のように飾られた…のほうが気になります(^^;)
ビー玉さん、手の血管フェチですか?うふ( *´艸`)
なるほど~
興味深いお話をありがとうございます。
手に石を隠し持っている像とは知らなかった。
ダビデさんってスペードのKだったんですか(°д° )!!
あの有名なダビデ像はゴリアテとのたたき中の勇姿だったんですね。まさかゴリアテも真っ裸のイケメンに石を投げられてそのまま首を切られるとは夢にも思っていなかったでしょうね(ノД`)シクシク
いや~面白い内容で勉強になりましたw
真っ裸のダビデの右手に痺れます。あのだらっと下がった血管の浮いた手です(´¬`)
石持ってますよね。しかし、ダビデ様、波瀾万丈だったんですね。読み耽っちゃいました。ありがとうございます(*´ω`*)
ダビデ像というとどうしても「パンツはけ!」ということしか見てなかったけど、これは敵の目をくらます作戦だったのか、、、
手の浮き出た血管に、これから投石するという緊張感が感じられます。
(゚д゚)(。_。)ウン R指定になる理由が良くわかった。