こんばんは!ビー玉です。
本日は神に選ばれた男『ノア』のお話をしたいと思います。
ノアとは、『ノアの方舟』のノアです。
神様から方舟を作れと言われ、言われた通りに巨大な船を作り、家族と一対の動物たちを方舟にのせて大洪水の難を逃れた善人ノアですが・・実はとんでもない人物でした∑( ̄□ ̄;)ナント!!
本日は、知ってるようで知らない『ノアの方舟』のお話と、ノアの意外の姿にナビゲートします。
よろしければ最後までお付き合いくださいm(_ _)m
ノアって誰?
アダムとイヴの息子は兄カインが弟アベルを嫉妬の末に殺して家から逃亡という、これ以上ないほどハードな家族崩壊のあと、イヴはセツという息子を授かりました。
そのセツの直系の子孫がノアです。
ノアの時代になると地上は人で溢れ、残念ながら悪人もたくさん現れてくるわけですよ・・・
そんな地上の様子を嘆いたのは、創造主である神です。
なんか・・・リセットしてやり直したい
リセットボタンを押そうとする神をすんでのところで止めたのは大天使ガブリエルです。
「また最初からは面倒臭いので、善人であるノア一家だけを残して、レベル維持でそのままでやり直しましょう」と・・・
そういうわけで、新たな世界をつくる勇者に選ばれたのが、すでに老人だったノアだったのです。
神は、大洪水を起こして世界を洗い流すに際して、大きな箱船を作ってノアの家族8人と動物を一対ずつを助けることにしたんです。
ノアは言われるままに方舟を作る
神が命じた船の指示がやたらと細かいんです。
材質大きさ、全て神の指示にしたがって、ノア一家がたった8人で制作します。
【ノアの方舟レシピ】
材質:糸杉の木
仕様:戸口を船腹に設けた3階建構造。内部は小分けされた部屋をたくさんつくり、コンクリートで内装を固める。
大きさ:全長300キュビト(約150m)、幅50キュビト(25m)、高さ30キュビト(15m)
形としては今のタンカーによく似てると言われています。
ただ、美術の世界では形は後の画家たちには完全に無視されて、好きなように描かれちゃうんですけどね(^▽^;)
まぁ形はどうあれ、当時としては超巨大船を、おそらく船なんて作ったこともないノア一家がコツコツと手作りしたんです。
ヤコポ・バッサーノ『方舟の建設』
たった8人でいったい何年かかったんだろう(´-ω-`)
考えるだけで大変です。
船ができあがっても、世界中から動物を集めて船に乗せないといけないし・・・
ヤン・ブリューゲル(父)『ノアの箱船への乗船』1615年
心なしか、動物たちもイライラしてるようなぁ(^▽^;)
まぁ、この大変な作業を文句も言わずに言われた通りにやり切ったノア!!
さすが神に選ばれし男です。
テオドロス・プーレイクス『方舟とノア一族』 17世紀
神様もご満悦ですねw
そして、ノアたちが方舟に乗り込んだのを見計って、地上に40日間の止まない豪雨を降らせます。
ついに未曾有の洪水が世界を襲う
イヴァン・アイヴァゾフスキー『大洪水』1864年
150日後に世界を覆い尽くしていた水が引き始め、ノアの方舟は現在のトルコ「アララト山」の山頂に流れ着きました。
こんな山頂まで水に浸かっていたのかと思うと、神様の本気が恐ろしい!!
ノアは空にカラスを放すも船の上を旋回するだけで役に立たない・・・
次は鳩は飛ばしますが、鳩もすぐに帰ってきてしまう・・
もう一度7日後に鳩を空に放すと今度はオリーブの枝をくわえて帰ったきたんです!!
オリープの枝は地上から水が引いて乾き始めてきた証拠です。
その様子が描いた名画が・・・・
ジョン・エヴァレット・ミレイ『鳩の帰還』1851年
この女性たちの安堵の表情がいいんですよね(((uдu*)ゥンゥン
一生この方舟で暮らさないといけないって覚悟していたかもしれません。多くの動物の世話に追われて大変だったと思います。喜びを抑えた表現が彼女たちの安堵の大きさを物語っていると思うんですよね・・・
心から安堵したときって、そんな大袈裟に騒げないですもん(((uдu*)ゥンゥン
今、世界では新型ウイルス(COVID-19)が蔓延していて、世の中に暗い影を落としているんですけど、「終息宣言」がでたら、きっと世界中の人がこの絵の中の少女のような表情でホッとするじゃないかなあ・・待ち遠しいです。
そして、さらに7日後に鳩を放すと、もう鳩は帰ってきませんでした。
それは完全に水が引いた証です。
ノアの方舟、あまり知られていない後日談
めでたし、めでたし・・っていうのがほとんどの人が知ってる「ノアの方舟」の話だと思うんですけど、じつは後日談がありまして。
ノア一家は方舟から降りたあと、神への感謝の貢物をします。
ノアは祭壇に犠牲を捧げた
犠牲、これは何かしらの動物の命を神に捧げたという意味です。
1対ずつしか連れてきていない貴重な動物を1種絶滅させました
( ꒪⌓꒪)は?何やってるの??
ノア・・あんたバカなの??
ところが、この貢物に神様はご満悦でして・・
血を流さない貢物に意味はないのよ
貢物に満足した神様はもうノアの子孫を絶滅させないと約束したんです。
それを聴いてノアは大喜び♪
神との約束に安堵したノアは、地上でぶどう畑を作り自作したぶどう酒で泥酔。
その果てに真っ裸で寝ちゃうんですよwww
そんな父の醜態を見たノアの息子のハムは、その姿を他の兄弟セムとヤペテに告げ口します。
まぁ、父の失態を面白おかしく兄弟に知らせるってありますよね?
だけど、他の2人の兄弟は父の醜態を見ないようにノアに衣を被せます。
後日、このことを知ったノアは大激怒!
ハムにこう告げたんです・・
「お前は呪われよ!奴隷の奴隷となって兄たちに仕えよ」と・・・
なにそれ・・・怖い
これが神に選ばれた男の言葉か?
いや、人の親としてどうよ!って思うんですけどね。
正直、神様にとって、人格はどうでもいいんじゃないかと思えます・・・
ここで、ちょっと一休みです
ノアが絶滅させてしまったかもしれない動物について、ブログ仲間のドラコさんが、おもしろい考察をしてくれました!
じつは1番(つがい)づつではなく7番(つがい)の動物も乗せていた!
ノアは絶滅ささせてはいなかったという考察を書いてくれています。
こういのって本当に面白くて・・・多方面からものごとを見るのって本当に面白い♪ぜひ読んでもらいたいです!!!
善人とはなにか?
重要なのは「神をあがめ、信じること」
これ以降の時代にも、神がソドムとゴモラの街を滅した時も、神の教えに従って荒れ狂う暴徒たちに自分の娘(処女)を差し出そうとした父親を神は助けてますからね( •ὢ•)
今の時代の感覚じゃ、よぅわかりませんが、個人の人格や家族愛よりも信仰が重要だった時代もあるんですよ(´-ω-`)
ノアは神の教えを守り、神の言葉を信じ、神の言われるままに方舟を作り上げ、神に感謝する
そんな、とても熱心な信者です。
善人というのは、人に対して良い行いをする人というのではなく熱心な信者ということです。
ちなみにノアの3人の息子は、このあと「世界」を築き上げていきます。
セムはイスラエル人、アラビア半島の諸民族の始祖として
ヤペテは東地中海周年の海洋民族の始祖として
そして、奴隷の奴隷になれと言われたハムは
エジプト文明、古代西アジアの始祖となっていくのでした・・・
この辺りのお話は根深い人種差別へと繋がっていくのですが、当ブログでは詳しくはふれません。
ドメニコ・モレッリ『箱舟を出た後のノアによる感謝の祈り』1901年
神はノアとの約束の印として雨がやんだ大地に虹をかけました。
この美しい情景は画家たちにも人気があったんですが・・後日談を聞くと、素直に綺麗だなぁ・・とは言いにくいような気持ちになります(´-ω-`)
「大人の美術館」は動画でもお楽しみにいただけます
本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
大人の美術館は週末の夜中に開館する仮想美術館です。
みなさま、どうか健やかに、また来週元気にお会いいたしましょう、See You٩( ᐛ )و
宗教画を読むために、持っていると嬉しい書籍紹介
鑑賞者のための キリスト教美術事典
何かおすすめの書籍はある?と聞かれたら、必ず紹介する1冊です。
宗教画を読むためにあると便利は一冊です。
表紙だけみると、お堅めの本に見えますが・・・・
イラスト満載。オールカラーでイラスト満載でわかりやすいっっ!!
絵のタイトルや説明書きで、わからない単語が出てきた時に、辞書のように “あいうえお” 順に単語から検索できるようになっています。たくさんいる聖人の特徴やアトリビュートも網羅されていて、絵画を読む上で、とても実用的に使える事典です。
聖書に書かれた専門用語を覚えるのが苦手な人
カタカナ名がとにかく苦手という人
これから絵画を勉強したいという人はとりあえず1冊買って損はなしです♪
コメント
リセット…したいかも…(-_-;)
後日談、知りたいです。自分でググれ、ですよね(^▽^;)
供物になってしまった動物は…なんだったのでしょうか…(; ・`д・´)…ゴクリ…
そうだったのか、ノアの箱船。因みに神への供物になっちゃった動物は何だったのかしら(^0^;)
ミレイ『鳩の帰還』は良いですね。この人素晴らしいわ。希望が湧いてきます。
神は時々、こういう大掃除をするのかな。今のコロナも?いやいや、とにかく自粛しましょう(◎-◎;)
ノアの選択によって絶滅されられてしまった動物ってなんだったんだろう?
リセットさせられて流されちゃうのもつらいけど、残された少数派もいろいろつらかったでしょうね( ;∀;)
わたしは間違いなく流される人だけど~
滅ぼされた一種がとても気になる。( ゚д゚)ウム 何だったんだろう…。
ノアはなぜ神に選ばれたんだろうね。フツーのおっさんだし、真っ裸で寝ちゃうし。神様の言うことはちゃんと聞くからなのかな。
そして生け贄になり滅ぼされたっていうのは何なんだろう。気になります。
ノア自身の子孫繁栄のために動物一種を犠牲か・・・
ほ~~ぅ・・・そんなことされてたんすね(*´ω`*)
ノアさん、なかなかいい度胸してますな( ̄▼ ̄)フフフ
ノアの箱舟って、善人の人は救われるよ~くらいの話にとらえていましたw
その背景とかこわいし、善人の定義よ、、、
この時代に生きていなくてよかった~、と心から思ってしまいました^^;
鳩がオリーブの葉っぱをくわえているのは「ノアの箱舟」からの逸話だったのですね。とても勉強になりました。ありがとうございます。昭和生まれの私の喫煙世代では、たばこのピースのパッケージを思い出しました。第二次世界大戦後に平和への祈りを込めてデザインされたそうです。