沈黙の画家「フェルナン・クノップフ」

印象派

こんばんは!ビー玉です。

今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・

本館、【大人の美術館】は、素人の素人による素人のための妄想美術館です。いわゆる “常識” とされている見解と違う箇所もあるかとは思いますが、ゆる~い気持ちでリラックスしながらご観覧ください。「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します・・・

本日の題材は・・・

 

沈黙の画家フェルナン・クノップフ

 

フェルナン・クノップフ作 「ブリュージュにて 聖ヨハネ施療院」

今まで実際に観たことのある絵の中で、感銘を受けた作品を挙げろと言われたら、この絵が最初に浮かびます。

人々に忘れ去られ、滅びようとしているブリュージュの街を舞台に書かれた、<死都ブリュージュ>という小説に触発されて描かれたシリーズのうちの一枚です。

何の変哲もないように思える絵なんですが、この絵の前に立ったとき、時間が止まったような、不思議な感覚に囚われて、身動が取れなくなっちゃったんです・・・

波風一つ立たない水面、人の気配が感じられない建造物・・そこには時間の流れすらなく、あるのは静寂のみ・・・・

 

帰ってから、この絵に描かれたブリュージュについて調べたんです。

人々に忘れられ、静寂に満ちた美しい街が、本当に存在するのかを知りたくて・・

すると、ブリュージュという街は実際にあったんですよ!!でも、絵に描かれたような忘れら去られた街どころか・・・活気ある観光地になってましたけど( ̄▽ ̄;)

幼少時代、まだ静かだったブリュージュに住んでいたクノップフは、この街をこよなく愛し、変わりゆく街を正視できなかったようです。どうしても街を通過しないといけない時は、決して街を見ないようにしていたとか・・・

そして、クノップフにはブリュージュ以外にも偏愛していたものがありました・・・

 

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クノップフの偏愛

 

フェルナン・クノップフ作  「メモリーズ(記憶)」

この絵を観て、どこか不自然に感じませんか?

よく観ると・・誰も視線を合わせてないんですよね・・・

しかも!もっともっとよく観ると・・・

 

全員同じ顔!!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

全員同じ人物だから、絶対に視線は合わないんですよ!!

この絵はタイトルにもあるように、画家の頭の中にある心象風景だと思うのですが、まったく同じ女性が全体を支配しています。

どれだけ思い入れがあった女性なんだろう?って思いますよね??

 

実は、この絵のモデルとなった女性の名前は・・・マグリット・クノップフ

 

クノップフの奥さんちゃいますよ!6歳下のです。

クノップフの描く人間は、依頼されて描いた肖像画以外、男女関係なく、すべて妹マグリットなんです。

ちなみに、この「メモリーズ」という作品は、想像で描いたのではなく、マグリットに違う衣装、違うポーズをさせて撮った写真を元に描かれました。

もう変態と言っても過言ではないほどの執着心!!

 

クノップフにとって妹は、唯一無二の理想のミューズ(女神)だったんでしょうね・・・

 

触れてはいけない愛

 

フェルナン・クノップフ作  「女性の頭部」

近親相姦の間柄だったという人もいますが、私はそうは思いません。クノップフの描く女性は、どことなく触れると消えてしまうんじゃないか・・・という現実味に欠ける儚さがあります。

決して触れることのできない女性=妹というマグリットの立ち位置も重要だったのではないかと思います。恐らく、触れてはいけない女性というシチュエーションにも萌えていたんですよ!

 

フェルナン・クノップフ作  「沈黙」

この絵も大好きなんですよね?♪マグリットが嫁いでしまった年に描かれたものです。

沈黙を促すよう口元に添えられた手が、なんとも色っぽい・・・

封印したいのは妹への想いでしょうか・・・

 

フェルナン・クノップフ作  「私は私自身に対してドアを閉ざす」

妹が嫁いでしまってから描かれた絵です。

中央にいる女性のモデルは、もちろん愛するマグリット・・・怖いのは、マグリットが頬杖をついている黒い布がかけられた箱・・想像つくと思うけど、棺桶です。

中央上部には眠りの神ヒュプノス、その傍らに死の象徴である芥子。

手前には枯れかかった百合の花。

死の象徴が全面に散りばめられています。

 

落ち込みすぎやわクノップフさん(´-ω-`)

 

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理想化する妹

 

その後もクノップフはマグリットの面影のある絵を描き続けますが、絵の中のマグリットは若く美しいままで・・・

冒頭のブリュージュ同様、静寂の画家クノップフの中で、愛するモノの姿は永遠なのです。

キャンパスに「動」を表現しようともがく画家たちが多い中、ここまで「止」に拘って描き切った画家というのも珍しい!

クノップフの死後、部屋からは妹を写した大量の写真と妹のテニスラケットがみつかったそうです。死ぬまで妹を愛していたんだなと・・・

だけど、本当に妹だったんだろうか?

理想化した妹。本当に理想だったのは母親ではないのかなと思うんですけどね。

クノップフの代表作「愛撫(スフィンクス)」は、明らかに母の表情だし、母を愛してしまう物語ですから・・

本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。

ふふふ・・今回はアドセンス貼れちゃうぞ٩( ᐛ )و

 

・・・あ!近親相姦はヤバい???(ΦдΦlll ガーン

 

でも貼っちゃうw

 

本日は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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