こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。
今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・
宝石!レース!リボン!!
あの日、あの時、幼い少女だった私たち(今は淑女)が憧れた華麗なる宮廷ドレスの世界にあなたをナビゲートします。
ドレスの歴史がわかると肖像画がだいたいいつの時代のものが分かるようになります。
かつて画家は人間をうまく描くと共にドレスを上手く描く画家が人気があったのだとかっ!
画家たちの超絶技巧と合わせて華やかなドレスの世界は前後編でお届けします。
▼▼後編はこちら▼▼
よろしければ最後までお付き合いください。
\こちらの記事は動画でもお楽しみいただけます/
西洋のドレスとは?
日本の着物は、反物から直線で断たれたパーツを組み合わせて作られており、平面的で、基本的な形はそれほど変わらずに、色合わせや柄などに重点をおいてきました。どちらかといえば、体の線を隠すように作られています。
洋服は曲線で断たれた複雑なパーツを組み合わせて、体に添わせて立体的に作られており、体のラインを強調する作りです。洋服の歴史はシルエットの歴史と言われていて、そのシルエットは猫の目のようにコロコロと変わります。
古代西洋の衣装
日本の着物のように身体に布を掛けてきるような衣装を「懸衣型(かけぎぬがた)」といいます。
西洋もギリシャやローマが文化の中心だった頃はこの懸衣型の衣装でした。
サモトラケのニケ(紀元前200年〜紀元前190年ごろ)
4世紀後半になってゲルマン民族の大移動があり、冷寒地であり、騎馬の習慣があったゲルマン民族のズボンの文化が入り込み、長い時間をかけて体の線にフィットしと衣服へとシフトしていきました。
中世盛期(11~13世紀)ロマネスク〜ゴシック
ブリオーを着る女性の彫刻(1200年ごろ)
12世紀〜13世紀ごろ(中世盛期)には紐で縛り衣類を体に密着させるようになり、13世紀ごろには複雑な裁断も行われるようになってきました。
体にフィットさせるヨーロッパの「笮衣型(さくいがた)」衣装の始まりです。
この頃にはまだボタンが発明されていないので、着るたびに紐で縫い合わせていて、複雑なドレスは一人ではとても脱ぎ着できませんでした。
女性の袖が大きくなる(ブリオー)
エドモンド・レイトン作「騎士号授与」(1901年)
女性のドレスの袖(そで)はどんどん広くなっていきます。
この袖は取り外しができまして、ドレスの一部というよりはアクセサリーのような位置付けだったようです。
財産目録にはドレスとは別に個別に記載されています。
そしてこの袖は、恋人の騎士に愛の証として送るために使われました。
騎士はこの袖を槍や兜の先につけて、実践や試合につけて戦ったんです。
ロマンチックではありませんか♪
「マネッセ写本の挿絵より」
たぶん、負けてるほうが布(袖)をつけているのではないかとwww
恋人がいない人の嫉妬の的ですねw
ちなみに試合に優勝したら、賞金や賞品は愛の証として袖をくれた恋人に渡す習慣です。
愛というよりギャンブルのような・・
中世女性はパンツを履いていなかった!
ちなみに中世の時代、女性はパンツを履いていません(ノ∀`)タハー
パンツの文化なかったのではなく、キリスト教の教義によるものです。
女は男の着物を着てはならない。また男は女の着物を着てはならない。あなたの神、主はそのような事をする者を忌みきらわれるからである。
旧約聖書『申命記(しんめいき)』より(wiki参照)
当時はパンツとズボンの界が曖昧だったために、男性衣類の象徴であったズボンはもちろんのころと、パンツまで禁止になったんです・・・
じゃぁ、女性の浮気防止の貞操帯はどうなんだ?って思うんですけどね(゚∇゚ ; )
貞操帯は十字軍の従軍する夫が遠征中に妻(恋人)に浮気防止や強姦防止に装着させていたと言われる鍵付きの金属のパンツです。(諸説あり)
女性だけのものだと思われがちですが、男性用もあります。
中世後期(14~16世紀)後期ゴシック〜ルネサンス
ボタンが洋服に普及して脱ぎ着がしやすくなったのはこの時代!
より体のラインに沿うような型になってきました。
とんがり帽子の「エナン」登場!
西洋のおとぎ話などで登場することが多いので、みたことがある!という方も多いでしょう。
その後いろんな形に進化していきます。
ディズニーアニメの「眠れる森の美女」で主人公オーロラ姫に魔法をかけた魔女「マレフィセント」が被っている角のような型の帽子もエナンから派生したものです。
当時は額を広く見せるために、前髪を抜いたりもしていたみたいですよ!
マレフィセントも痛みをこらえて前髪を抜いていたと思ったら、ちょっと面白いですよね(*´﹀`*)
ちなみに「眠れる森の美女」の時代設定は14世紀ごろです。
そしてお待たせいたしました!!!女性のファッションに煌めく “アレ” が登場します
宝石解禁
ジャン・フーケ作「ムランの聖母子像」(1452年ごろ)
フランス国王・シャルル7世の公妾「アニエス・ソレル 」をモデルに描かれた聖母子です。
ソレルはダイヤを身につけた初の女性だと言われています。
宝石(特にダイヤ)は15世紀ごろまでは、戦いに赴く騎士のお守りとされていて、女性が身につけることはゆるされていませんでした。
宝石が「お守り」から「権力の象徴」とされるにしたがって、女性も身に着けるようになったんです。
まぁ、ムランの聖母の場合、宝石がついた王冠よりもむき出しの胸が気になりますが、これは授乳のためではなく・・・ファッションです( ✧Д✧) カッ!!
ソレルの美しい胸を引き立たせるためだったようですよ。リバイバルして欲しくなくブームの一つです(゚∇゚ ; )
フランス史上最高の美女と謳われたソレルの美の秘訣は、毎晩「カタツムリ」の粘膜を体に塗ってて寝ていたんだとか!
数年前に韓国の美容法としてカタツムリパックが流行ったけど、それよりも500年以上も前に実行していた人がいたんですね∑( ̄□ ̄;)ナント!!
宝石とコルセットとペチコート
ニコラス・ヒラード作「エリザベス1世、「フェニックス」の肖像
16世紀になるとコルセットとペチコートが誕生し、細い腰と膨らんだスカートが特徴となってまいります( ✧Д✧) カッ!!
よし!ドレスらしくなってきた!!
コルセットは胸まで圧迫して鎖骨から腹部まではストンとしたシルエットです。
叩くとコンコン鳴りそうな硬い感じがしますね・・・
衣装全体に宝石が縫い込まれたジュエリー・コスチュームが16世紀の特徴的なドレスの一つですが、ものすごく重そうです(゚∇゚ ; )
しばしゴージャスなジュエリーコスチュームの世界をご堪能あれ
そして、首回りに大きなレースをあしらったスタイルは16世紀〜17世紀初頭の特色です。
真夜中の大人の美術館です
16〜17世紀ごろの肖像画でよく見るこの首周りのレース飾りは「ラフ」
顔まわりの白いレースは顔色よく見せ、華やかだってことで大流行しました
#レフ版効果 だわね😅
あと、着用すると首から下がよく見えないために動作がゆっくりになり、それが優雅に見えたんだとか🤔 pic.twitter.com/CVEVU6rFEv
— ビー玉@真夜中の美術館 (@beedama_lab) February 24, 2021
17〜18世紀 バロック〜ロココ
そしてドレスといえばこの時代!
17世紀の謎ブーム 「つけぼくろ」
17世紀には肌の白さがもてはやされました。
ルイ・ル・ヴァウの肖像(建築家)1612年
男性なのに手首にリボンを巻いています。この時代はリボンやレースは女性のものというよりも男性のものでした。
手首の黒いリボンは白い肌を演出するものです。
その延長線上につけぼくろがあるんです。
顔の目立つ場所に黒いホクロをおくことで、肌を白く見せようという計算です。
口元のホクロとか色っぽいですし、その発想はわからなくもないんですが・・・
どんどんエスカレートして、星や月、中には馬車の形をしたホクロもあったそうですよ。
今となっては、謎ブームですねw
リボンとレースのロココドレス
そしてついに夢とレースのロココ時代到来です٩( ᐛ )و
重い宝石を縫い込んだジュエリーコスチュームから軽やかなレースとリボンの時代へと変化していきます。
ちなみに女性の身持ちも軽くなりますwww
妻の浮気を黙認するのが夫の度量だと思われていて、結婚するまでは処女でいないといけませんでしたが、結婚して女性は恋愛に自由になったんです。
コルセットは胸を圧迫するものから、胸を強調するように( ✧Д✧) カッ!! 谷間を見せてナンボの世界!
もちろん貞操帯など過去の異物!
そんなゆるい時代を象徴してか、ドレスもふんわり柔らかいシルエット( ´艸`)
しばし、夢のようなふんわりドレスをお楽しみください。
縫い込まれた宝石よりも、どれほど凝った作りなのかが重要でした!
この時代、初めてファッション誌が発行され、「ギャルリー・デ・モード」はヘアカタログも載っていたんですよ♪
・・・・。どれほど高く、奇抜に結い上げるかがモードだったようですw
これはもう、乱痴気騒ぎ
ロココ時代にパニエ(鳥かご)と呼ばれる針金や鯨の髭で作られた籠状の下着が開発され、スカートもどんどん膨らんでいきました。
まあるく膨らんだかと思うと、横に広かったりしつつ、
パニエの着用はフランス革命が起こるまで、宮廷では義務づけられました。
さてドレス談義はひとまずここまで・・・
19世紀以降はまた後日改めて(==)←疲れたらしいw
▼▼19世紀以降のファッション史についての記事はこちら▼▼
本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
「大人の美術館」は動画でもお楽しみにいただけます
大人の美術館は毎週末の夜中に開館するweb上の仮想美術館です。
また来週お会いいたしましょう(*ˊᵕˋ*)੭
参考書籍
コメント
ムランの聖母子像の赤さんの凛々しさ具合がw
つけぼくろは今のタトゥー的な感じだったんすかね(*´ω`*)
えたさん、コメントありがとうです♪
あ・・タトゥーかぁ・・・今なるほどって思いましたわ(((uдu*)ゥンゥン
ムランの母子像は見ようによっては現代美術みたいでかっこいいのです(๑•̀.•́ฅ いや、怖いけどねw
頭に船!ありましたね~こういう画^^
なんか、歴史ごとにドレスを見た経験がないので、こうやって細かく分けると違いがはっきり!!
ロココ系のドレスが私の中の“ドレス”ですね♪
よくイラストでお姫様を描いたときのレースとリボンいっぱいのドレスでした~~~☆
marimoちゃん、コメントありがとうです。
実は前に神戸のマリーアントワネット展に行った時に、この船のかつらを被って写真を撮ってのよw
あの写真、どこへ行ったんだろう(^▽^;)
やっぱドレスはロココですよねぇ(((uдu*)ゥンゥン このあとも続くんだけど、また近々(* ̄∇ ̄*)エヘヘ
素敵✨ドレス、素敵(*´˘`*)♡
スヤスヤもいつかこんなドレスを着て外に…(捕まるw)
ドレスとか着物とか制服とか…
創作意欲を起こしてくれるよね、萌えるよね(*´Д`)ハァハァ!(笑)
スヤスヤちゃん、コメントありがとうです♪
(ΦωΦ)フフフ… そんなスヤスヤちゃんには四国の大塚美術館がおすすめよ♪
コスプレをして写真が撮れるのだ٩(●˙▿˙●)۶ ちょっと遠いけどwww
制服萌えはわかる(;//́Д/̀/)
ドレスはあんなにステキなのに、頭、どーしちまった?? そしてホクロもどーしちまった?? って感じ。ブームって後から見ると面白い。
Nickちゃん、コメントありがとうです♪
今回は女性だけに焦点を与えたけど、男性のブームも「なんじゃそれ!」ってのがあったりするのですよ(゚∇゚ ; )
わたくし、ロココの時代に生まれたかったでございますわ(*´▽`*)
片チチを出すのがファッションの時代だけは勘弁www
姐さんはどちらかというと後者よね?( *´艸`)
aiaiちゃん、コメントありがとうです♪
私もロココがいいっ!!
片乳はこっそり見るのが楽しいので、堂々で出されても困っちゃう(ノ∀`)タハー
まぁ、私は世の中のブームにあまりのっかってないから、片乳ファッションが流行っても、関係ないんだけどねぇ٩( ᐛ )و