【乙女な美術館】「貴婦人と一角獣」の謎

宮廷

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こんばんは!ビー玉です。

友人が2泊3日泊まりに来るので、土曜日の【大人の美術館】と日曜日の「洗濯ブログ」はお休みです。

そんなわけで、本日は【乙女な美術館】を臨時開館したいと思います。

絵画に関する、ちょっとロマンチックなお話です。

乙女と聞いて、あなたは何を想像しますか?

処女が大好き。処女以外は人にあらず。処女だと偽ったら暴力をも厭わない・・・

こんな処女信仰の塊みたいなお方を思い出します・・・

そのお方とは、もともと聖書の誤訳から生まれた想像上の生き物・・・

その名もユニコーン!!

そんなユニコーンのとびきり素敵なアートを紹介いたしましょう。

6枚が対になっていて、絵画だけでなく、文学、音楽、あらゆる芸術に影響を与えた作品です。

2013年の夏にフランスはパリからはるばる来日し、6枚すべてが日本で鑑賞できるのは奇跡だとも言われた、中世のタペストリーです。その時は私も初日に観に行って、人生で最高潮に感動した美術展の一つになってます。

 


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貴婦人と一角獣

 

ちなみに「タペストリー」とは、壁掛けのことです。
中世のお城で装飾と防寒を兼ねた物だったそうで、絵画ではなく織物です。
たぶん、皆さんが想像しているよりも、ずっとずっとデカい織物なんですが・・・間違っても絨毯よろしく床に敷いたりしてはいけませんぞっ!w

フランス・パリにある国立クリュニー中世美術館の至宝「貴婦人と一角獣」のタペストリーは、全部で6枚あって、それぞれ「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」を表し最後の「我が唯一の望み」というタペストリーが多くの人を虜にしてやまない謎を含んでいるんです。

なぜ五感なんでしょうね・・

とりあえず順番に見ていきましょうか(・∀・)ウン!!

 

触れる


「触感」

貴婦人が一角獣の角に触れていることから、「触覚」とされているそうです。

この時代、結うのが当たり前だと言われていた女性の髪が結われていません(それは、今の感覚でいうところのセミヌードです)。
一角獣の角は、男性の・・・と、解釈されていたりもするので、ちょっと艶めかしい感じがしちゃいますけどね(*ノД`*)タハッ

犬や猿など、鳥類やウサギ以外の特定の動物には首輪が嵌められ、支配(抑制)されているように見えます。

女性の貞操に関する寓話が込められているのでしょうか?

 

味わう


「味覚」

6面の中で、最も大きな作品です。

鳥が貴婦人から食べ物を与えられていたり、猿が何かを食べるような仕草に見えることから、「味覚」とされているそうです。

動物達は狩猟に関係する生き物が多く、とても興味深いです。

15世紀といえば、「狩り」という行為が「食べるための猟」から「上流階級の嗜み」へと移り変わっていった時代。

特にタペストリーの上部に描かれている鷹やハヤブサは、高貴な(つまり高価な)鳥とされていたため、ハヤブサや鷹を使った狩り=裕福な貴族を表していると解釈できます。

依頼主の富を象徴しているのかも・・・

 

嗅ぐ


「嗅覚」

貴婦人の猿が花の匂いを嗅いでいることから、「嗅覚」とされているそうです。

貴婦人の編む輪の花は、カーネーション(なでしこ)。
中世北ヨーロッパでのカーネーションは、新婦が身に付けるもので、愛と結婚の象徴だったそうです。

この貴婦人は自分の、あるいは誰かの結婚式のために花冠を編んでいるのでしょうか?

 

聴く


「聴覚」

ポルタティーフ(持ち運べるオルガン、オルガネットともいう)を弾く貴婦人。音楽に聴き入る動物達の様子から、「聴覚」とされているそうです。

ちなみに、このポルタティーフ・・・どんな音を奏でると思いますか?動画を見つけたので、貼っておきますね♪

 

 

見る


「視覚」

一角獣が鏡に映る自分を見て、うっとりとしています。
獅子はこちらを見つめ、他にも見つめ合う動物が多数描かれているので、「視覚」とされているそうです。

中世ヨーロッパでは、五感はヒト以外の動物と共通した次元の低い感覚とされていました。(鳥や四つ脚ちゃんを低次元扱いするとは許せんっ!!)

触れ合って気持ちが良い。
暴飲暴食。
香りに酔いしれる。
音楽を聴き惚ける。
見惚れる。

などといった行為は、人間として見っともない行為だったのです。
それを踏まえて五感のタペストリーを見てみると・・・

触られているのは一角獣。

味じわっているのは鳥と猿

匂いを嗅いでいるのは猿

音を聞いているのは動物達

見ているのは動物達。

貴婦人は五感に支配されていません!!

 

望む

そして、謎多き最後の1枚・・・

我が唯一の望み(V.2013_07_28__11_16_34).jpg
「我が唯一の望み」

こちらのタペストリーが、最大の謎とされています。
解釈は諸説ありますが、私の感想としては・・・ 「五感のタペストリー」で身に着けていた装飾品を箱に封印する* ことで、五感からもたらされる快楽享楽を抑え込む強い意志を表しているのではないかと感じました。

*「宝石を箱に仕舞う」「宝石を箱から出す」どちらの説もあり

つまり、理性の勝利を象徴しているように感じます。

要するに、タペストリーを通して女性の理想像を表しているのかな?と・・・

おそらく、結婚の記念に夫となる男性から妻となる女性へ、貴婦人としての慎み的な寓意を込めてプレゼントされたものではないかと想像しちゃうんですけどねぇ(´,,?ω?,,`)

「僕はこんな女性が好きだからヨロシクね」ってか?

現代の感覚だったら、ちょっとイラっとするかもですが、これだけ圧倒的に美しいモノを貰ったら、わかりました???!!って、なるかもね( ̄▽ ̄;)

 

 

な?んて、ロマンチックの欠片もない嫌味な想像をしてたんですけどね・・

この「貴婦人と一角獣」に関する講習を聞きに行った時、ロマンチックとは程遠い、ちょっとむさくるしいタイプの男性講師が・・・

「一角獣はタペストリーの送り主である男性を意味しており、一角獣を手懐ける貴婦人の図というのは、自分が愛する女性の支配下にあるということを女性にアピールしている」

「つまり騎士が姫君に忠誠を誓っているかのような、愛のタペストリーです。」

と、うっとりしながら話しているのを聞いて、女子力での負けを感じました。

テントの模様は炎とも水滴とも言われていましたが、最新の研究では「涙」と判明しているそうです。

中世での「涙」は、偽りのない気持ちを象徴するものだったので、これは恋愛ごとに疎い私でも、ロマンチックな解釈をするしかなくなりますねぇ・・・

「偽りのない愛で恋するあなたを守りたい」って感じでしょうか?
きゃ〜ロマンチック((ノд`*)っ))

本日は、ちょっとロマンチックに〆てみました。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

当ブログは毎週土曜日の深夜を予定しています。また来週(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ

 

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