あべのハルカス「印象派 光の系譜」を観にってきた感想。穴場の駐車場情報も教えちゃいます

美術展ガイド

こんばんは、大人の美術館ナビゲーターのビー玉(@beedama_lab)です。

本日は大阪「あべのハルカス美術館」で開催中の

「印象派 光の系譜」展へ出張美術館です。

とはいえ、開催開始は1月28日ですでに開催終了しようかという時期になってしまいました。すいません。

なので、今回は美術展ガイドではなく私の簡単な感想です。

すでに見に行ったよという方は一緒に思い出していただけたら幸いです。

レッサー・ユリィという画家の発見!

本当は、開催翌日には有給を取って、チケットもオンラン購入して行く予定にしてたんですけどね

世はオミクロン株の大流行で自粛ムード。

悩んだ末に延期することにしました。

開催終了の4月までには落ち着くだろうって思ったし、これが大好きな「象徴主義」とかだったらこっそり行ってたと思うんですが(空いてるだろうし)

私にとって「印象派」はそれほど重要ポジションじゃないゲホゲホ

画家たちは皆個性的で大好きななんですけどね。

陰キャラな私には印象派はキラキラとまぶしすぎるんです(汗)

 

館長
館長

誰に対しての言い訳ですかw

 

ビー玉
ビー玉

印象派ファンの方に

そんなこんなで開催終了の直前、慌てて駆け込みました。

遠くイスラエルの首都エルサレムにある所蔵作品数50万点を誇るイスラエル美術館からパリの印象派を中心に69点の作品が来日。

その80%が日本初公開の作品です。

The Genealogy of LightThe Genealogy of Light2

「まだ見ぬモネの睡蓮」って言われても300点以上も睡蓮ばっかり描いてますからね、どれを見てどれを見てないかなんて、私にはよくわかってないんですよ。

でも、じつはこの展覧会!まだ見てなかったのはモネの睡蓮だけじゃなかったんです。

2021年の日本美術館を震撼させた大事件とまで言われた画家の作品が4点も来日しています。

その大事件とは「レッサー・ユリィ」という日本ではほとんど知られていないドイツ人の画家の発見でした。

正直私も、聞いたことがなかったです。

私だけじゃないですよ!

チラシを見てもらってもわかる通り、ユリィの絵は表裏のどこにも紹介されてないでしょ?

日本で人気のモネ、ゴッホ、そしてゴーガン、ルノワール、ボナール、コローだけです。

ユリィの絵が日本で紹介されるのは初めてではないだろうか?

 

今回イスラエルから来日した絵は69点とけっして多くはなく

日本で人気の「印象派」の展覧会ですし、コロナ禍において密にならないように間隔に余裕をもって展示する必要がありました。

なので、貸し出しリストから厳選した作品だけを選んでいたんだそうです。

その時に貸し出しリストから外したのが「レッサー・ユリィ」の作品3点。

日本では無名の画家だったので仕方ありません。

なのに、イスラエル美術館からのゴリ推しを受けて、結局ユリィの作品が4点が来日することになったんだとか。

 

館長
館長

しかも3点から4点に増えてますねw

 

この無名の画家が「印象派 光の系譜」展で大事件をおこします。

2021年、日本美術界に激震を起こした大事件

レッサー・ユリィについて国内外のサイトを探し回ったんですが思うように情報が集まらず、

ドイツのWikipediaが唯一詳しく解説されてました。

ユリィはドイツ出身の画家で、時代的にはロートレックと同世代。

当時ベルリンから「帝国の首都の芸術的栄光者」として表彰されるほどの人気の画家だったみたい!

ドイツのアカデミーに反発してドイツ分離派を結成します。

フランスの印象派とは違いますが、新しいものを認めようとしない古い体質の美術界に革命を起こそうとした同志って感じでしょうか。

そんなユーリィの作品はこちら

Lesser-Ury-landscape

レッサー・ユリィ『風景』1900年

海外サイトも一通り探したんですが、高画質の画像が見つからず、1mmも魅力が伝わらず申し訳ないっ。

夜の水面の透明感が幻想的で素敵でした。水面を描くのが上手な画家だったんでしょうね。

 

レッサー・ユリィ『赤い絨毯』1889年

ユリィは早くに父を亡くして、母が裁縫の仕事をして生計を立てていたんだとか

この絵はそんな母親を思って描いたんでしょう。

一生懸命働く母の背中を見ながらユリィは育ったんだろうなと想像しちゃいました。

しずかだけどドラマチックな作品。

床に敷かれたレッドカーペットがそんな母を讃えているようでジーンと胸が熱くなりました。

 

レッサー・ユリィ『冬のベルリン』1920年

こちらの絵は撮影OKでした♪

雨上がりの街なみでしょうか?湿気を帯びた空気感がつたってくるようなしっとりした色調。

セピアカラーの街も人もなんともおしゃれです。

家に帰ってからレッサー・ユリィを調べてみると、この手の雨上がりの街の絵が無数に出てきたんですよね。ちょっとびっくりするくらい大量ですw

ユリィが雨の街並みを描くのが好きだったというよりは、需要があったんでしょうね。

こんな絵を部屋に飾るとおしゃれ度がワンランクもツーランクも上がるようで人気があったのも頷けます。

 

レッサー・ユリィ『冬のベルリン』1920年

雨に濡れた道路に輝くのオレンジの電灯、雨でけぶる青のコントラストがめちゃくちゃおしゃれ!!

この絵も写真撮影OKで、常に人だかりができていました。

大事件とはこの絵です。

大阪に先駆けて東京・丸の内の三菱一号館美術館で行われた展覧会では、無名(日本では)の画家としては異例中の異例、ポストカードが即日完売するという事態に発展し「大事件」と報じられました。

なんと美術展の一推しだったであろうモネの睡蓮よりも無名の画家のポストカードが売れたんだとか!

たしかにね、眩しすぎるくらいに明るい印象派の画家たちの風景がずっと続いて、ユリィの程よい暗さはホッとする人も多かろう(((uдu*)ゥンゥン

 

森とか山とか川はたまに旅行でいくと癒されるし安らぎも感じるものの、長く自然の中にいると都会が恋しくなるというか・・

1章2章と緑多めの風景画ばかりを鑑賞していてですねぇ

3章目にこの絵の前に立つと「やっと帰ってきた」という不思議な安心感を覚えたんですよ。

アウトドアから帰ってきて、夜の街のネオンをみるとホッとする、そんな感じ。

 

現代の私たちの郷愁って、森や山よりも都会のネオンにあるのかもしれないと想像したりして・・

 

そんな一夜にして話題の画家となったレサー・ユリィがは、なぜ忘れられた存在だったのか?

同じような街の風景を多く描きすぎて飽きられたという話もありますが、同じような絵を何百枚も描きつづけたモネやピサロは人気画家になっていますからね。

多分ですが、レッサー・ユリィがユダヤ系ドイツ人だったからだろうなと思います

ナチスドイツのお膝元で、作品がよく残ったなぁと思います。

おそらく大切に隠されていただんでしょう。

長らく行方不明だった作品が戦後再発見されてイスラエル美術館に買い上げられて、今にいたるようです。

イスラエル美術館したら、「ユダヤ人ですごい画家がいるんだぞ」とアピールしたかったのかもしれませんね。

水辺から室内の光へ『印象派 光の系譜』

『印象派 光の系譜』の系譜とは「繋がり」という意味。

19世紀から20世紀にかけて主に印象派の描いた「光」から連なる作品を集めた展覧会です。

展示されているのは全てイスラエル美術館所蔵の作品です。

1章 「水の風景と反映」ではきらめく水の表現

2章 「自然と人のいる風景」では眩しい外光で繰り広げられる人々の営み

3章 「都市の風景」ネオンや街灯、人が作り出した光と街並み

4章 「人物と静物」身近な人や物が放つ内面的な輝き

まさに光づくしの展示!

いろんな光の表現があるものだなぁと興味深くて楽しかったです。

しかも1章は水辺の絵が展示されていて美術館の床も壁も水をイメージした水色、2章は緑溢れる郊外の光景が集められてて床も壁も緑というふるうに世界観が徹底してました。

では、レッサー・ユリィ以外で私が気になった作品を少しだけ紹介

モネの睡蓮の池

クロード・モネ『睡蓮の池』1907年

人生で300点以上も睡蓮を描いたモネですが1907年は当たり年といわれていて良作が多いんだとか!

「睡蓮」の当たりハズレは正直よくわからないんですが、私はこの睡蓮は好きです。

モネの「睡蓮」って何枚か並べないと光の移り変わりがわからなくて1枚だけだと良さがわかんないなって絵もあるんですが(※個人の感想です)、この睡蓮は1枚の絵の中にいろんな光の表情があって見応えがありました。

ピサロ 『朝、陽光の効果、エラニー』

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ピサロ 『朝、陽光の効果、エラニー』1899年

ピサロは1884年にモネの援助で家を借りエラニーという小さな村に移り住みました

そのエラニーで200枚以上の田園風景を描き、さまざまな光の表現を模索しました。

移り住んで15年が過ぎようとした頃、息子に「わかってきた、楽しくなってきた」というような手紙を送っています。

『朝、陽光の効果、エラニー』はそんな「楽しくなってきた」頃の作品

見ているだけで目が良くなりそうな絵です。

陽光を浴びて生い茂る草木。生命の命の光なのかも!

ポール・ゴーガン『ウパウパ(炎の踊り)』

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ポール・ゴーガン『ウパウパ(炎の踊り)』1891年

今展で一番感銘を受けたのがこの絵でした。

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ウパダンスというのは腰をくねらせお尻を激しく振る官能的など踊りです。

19世紀の初頭にキリスト教宣教師たちが、官能的すぎて西洋の道徳に反するとして禁止。

それどころかタヒチの人にとっては古からの根付いた文化の象徴とも言えるダンスや歌を全て「古い悪習」として禁止する法案が発令されました。

 

それに反発して描かれたのがゴーガンの「ウパウパ」なんです。

南国の文化と西洋の文化を融合を願うようとの願いでしょうか?画面には寄り添う恋人たちの姿も描かれています。

大きく燃える炎は現地の人たちの自国の文化への熱い想いと怒りを宿した強い光に違いありません(((uдu*)ゥンゥン

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール『レストランげの肖像』

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ピエール=オーギュスト・ルノワール『レストランげの肖像』1878年

 

レストランゲとはルノワールの代表作「舟遊びをする人々の昼食」や「ルーラン・ド・ラ・ギャレット」などにも描かれているルノワールの友達です。

不覚にもこの絵の前に立った時に、ちょっと感涙しそうになりました。

画像では伝えきれないんですが、花が咲いたような優しい笑顔だったんですよ。

「第4章の人物と静物」が光の系譜に入れるには無理矢理じゃないかってちょっとだけ思っていたんですけどね、そんな自分が恥ずかしいっ

第4章の最初にこの絵があって自然と私の顔も笑顔になって

ああ、人の笑顔って心に射す光そのものなんだと実感できちゃいました。

最後に「人物と静物」を持ってきた演出、とてもよかったです(ノД`)シクシク

勉強になりますっ!!

混んでましたけど、行って本当によかった「印象派展」

「印象派 光の系譜」

正直「また印象派かぁ」「また睡蓮かぁ」って思って乗り気じゃなかったんですけどね、本当に行ってよかったです。

レッサー・ユリィという知らなかった優れた画家を知ることがでましたし、

ゴーガン大好きなんですが、これまた知らない熱の入ったゴーガンの作品を知ることもできました。

印象派中心の展覧会で、これほどの充実感を覚えたことはかつてなかったかもしれない

あったかもしれないけど(^▽^;)

イスラエル美術館に行くことはないかなっと思うので、今回滑り込みセーフで飛び込んでよかったです。

 

ただ、人気の「印象派」ですし、混んでます。

目を引く絵の前には平日でも人だかりができてました。

ただ、少し会話しようとすると係の人が「話さないでください(実際の文章は忘れましたw)」というプラカードを持って飛んでくる厳戒態!

来館数は多かったですけど、私語厳禁でとても静かで落ち着いて見られました。

コロナに負けないという美術館の方々の努力にも胸が熱くなります。

感想は美術館を出てから後でゆっくり安全な場所ですればいいですもんね。

仲間内でワイワイ和やかに絵を鑑賞したい人には不向きな展覧会ではありますけど、私はいつもひとりなので何の問題ないです(`・ω・´)キリッ

印象派光の系譜展とコラボの「カフェラテ」

美術館からエスカレーターで1階上がったカフェ「CIAO PRESSO」では恒例の美術展とコラボのカフェラテが飲めます。

今回はモネの「睡蓮」がモチーフになってました

睡蓮なのかな?ちょっとわかりにくくはありますが(゚∇゚ ; )

 

「印象派 光の系譜」展開催記念カプチーノは、お好きなケーキとカフェラテで790円〜890円

展覧会の半券を見せると50円引きになります。

17階からの景色を見ながら展覧会の感想を話すのもいいですね。

印象派 光の系譜展 会場概要

Harukas-Art-Museum

開催場所:あべのハルカス美術館

開催期間:2022年1月28日(金)〜4月3日(日)

〒545-6016
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43
あべのハルカス16階

06-4399-9050
( 10:00~18:00)

開催時間:火曜〜金曜 10:00〜20:00
月土日祝 10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)

料金(当日)

一般大高学生中小学生
1900円1100円500円

 

●最寄駅

  • 近鉄「大阪阿部野橋」駅 西改札
  • JR「天王寺」駅 中央改札
  • 地下鉄御堂筋線「天王寺」駅 9・10番出口
  • 地下鉄谷町線「天王寺」駅 南西/南東改札
  • 阪堺上町線「天王寺駅前」駅 よりすぐ

駐車場情報

最寄りの駐車場

●タイムズ近鉄パーキングビル
大阪府大阪市阿倍野区松崎町2-2 (642台)

利用時間:平日 午前6時~午前0時
利用時間:土・日・祝・特定日 午前9時~午前0時

最大料金1200円
通常料金 600円/60分

あべのハルカス近鉄本店およびsolaha(ソラハ)、あべのハルカスダイニング、Hoop(フープ)、and(アンド)で当日税込3,000円以上お買い上げで2時間無料

●タイムズ近鉄南
大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋2-2(241台)
利用時間:午前9時30分~午後10時(※入庫は午後8時まで)

最大料金1200円
通常料金 600円/60分

あべのハルカス近鉄本店およびsolaha(ソラハ)、あべのハルカスダイニング、Hoop(フープ)、and(アンド)で当日税込3,000円以上お買い上げで2時間無料

穴場駐車場

天王寺公園のすぐ横にちょっとしたファッションホテル街がありまして、お子様連れには不向きかもですが、休日でも6時間1,000円代で駐車可能です。

このエリアには駐車台数少なめの小さな駐車場が点在しています。

台数が少ないので詳しい住所は言えませんが、この駐車場は公園東口ゲートと目の鼻の先で徒歩1分くらい

空いていればラッキーです。

そして、もっともおすすめなのが地図の住宅街にある駐車場です。

休日でも1000円台の中規模駐車場が点在しています。

美術館へは10分くらい歩きますが、それぐらいなら歩けるという方にはおすすめです。

 

本日は以上です。お読みいただき、ありがとうございます。

また次のご来館をお待ちしております。

コメント

  1. レッサー・ユリィの作品は僕も好きかも。( ^ω^ )ニコニコ 特に赤い絨毯が好きやなぁ…。

    • ビー玉 より:

      ましゅさん、コメントありがとうです♪
      ましゅさんは赤い絨毯が好きと((φ(・д・。)ホォホォ

  2. Nick Ollie より:

    ユリィって画家さんは知らなかったけど、雨の夜の絵、いいですねー。なんか雨の音も聞こえてきそう。

    ウパウパ、好きだ。本物見たいなー。

    • ビー玉 より:

      nickちゃん、コメントありがとうです♪
      ウパウパはよかった!
      私の中ではユリィ以上に大発見だったわ(ΦωΦ)フフフ…

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