シェーレグリーン、フレークホワイトなど、綺麗だけど人を死に至らしめる恐い色の話。

豆知識

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こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。

昭和の時代、子ども用の駄菓子に有害な成分が入っていたり、気付け剤として有害な薬が売られていたりと、研究が進みむに連れて、かつて体に無害と思っていたものが有害だったと分かったいう話はよく聞きます。

絵画の世界でも危険な顔料が使われていました。

厳密にいえば今も使われているものもあります。

美しいものには棘がある!

本日は美しい色にまつわる「ちょっと恐い」話にあなたをナビゲートします

よろしければ最後までお付き合いください。

鉛白(フレークホワイト)

鉛白(画像出典:Wikipedia

鉛白(えんぱく)、フレークホワイト、シルバーホワイトなんて呼ばれる白の顔料で、絵の具だけでなく古今東西「おしろい」として美を追求する女性たちに愛用されてきた顔料です。

作者不明『即位衣を纏うエリザベス1世」17世紀

じつは現在でも油絵の絵の具として細々と販売されています。

化学名は塩基性炭酸鉛 、鉛。

摂取しすぎると鉛中毒を引き起こし疲労感、神経過敏、頭痛、最悪の場合は脳症を引き起こし死に至らしめる場合もあるんです。

古代ローマでは水道管やワインの保存に使われていたため、鉛中毒が多発して国を滅ぼす原因になったとも言われています。

この鉛白、長らく女性の肌を白く美しく見せる「おしろい」として使われてきただけあって、絵の具としても人の肌を美しく描くのに最適でした。

血が通っているような柔らかな肌という称されたルノワールの描く美しい女性たちの肌やドレスを彩ったのも鉛白です。

ルノワール『レースの帽子の少女』1891年

ルノワールの時代はすでに危険性がわかっていながら発色の美しさから使い続けた画家が多かったようです。

そんなルノワールは享年84歳と長生きだったのは

19世紀にはチューブ入りの絵の具が発明されて画家たちは自分で鉱物を砕いて絵の具を作るということをしなくなっていたおかげでしょう。

18世紀中頃までは、画家たちは自分(もしくは弟子たち)が絵の具を作っていました。

鉛白はほんとんどの画家が使っていたポピュラーな絵の具。

当時の多くの画家は白の顔料を作るときに大量の鉛を吸い込んでいました。

画家疝痛なんて呼ばれるくらい鉛中毒で早死にする画家がとても多かったんです。


フランソワ・クーリエ『スコットランド女王のメアリー・スチュアートの肖像』1560-61年

現代では婚礼の色のイメージが強い白ですが、かつては死、喪を意味する色でした。

白の原料である亜鉛中毒でなくなる人が多かったこともあるのかなと思ったりします。

今も販売されているカドミウムレッド

 

アンリ・マティス《赤い調和、赤い室内(赤のハーモニー)》1908年

マティスが愛した美しい赤「カドミウムレッド」にも毒性があります。

カドミウムは鉱物や土の中などに存在する天然の金属。亜鉛に似た性質を持っています。

日本ではイタイイタイ病の原因となったことで知られており、発がん性も確認されています。

現代もカドミウムレッドと名前のついた絵の具が販売されていますが、そのほとんどは「カドミウム風レッド」でカドミウムは使用されていないものがほとんどです。

ただ、他の色に混ぜて使った時の発色が他の絵の具では得られない美しさがあり、プロが使う顔料にはカドミウムが含まれているものが今でも販売されていたりもします。

学校で使うような数百円で買える絵の具には毒性があるものは使われていませんので安心してくださいね。

だけど、プロが使う画材で毒性があるものは今でも少なくなく、注意が必要なんです。

クロム系のクロムイエロー、クロムグリーン、
バリウム化合物のマンガニーズブルー、バリウムイエロー

先ほど紹介した鉛化合物のシルバーホワイト、フレークホワイト

などなど・・・

まぁ現代の絵の具は何本も絵の具を直接飲むとかしなければ大丈夫だとは思いますが、プロ用の画材は知識がないものが発色が綺麗だからと無闇に使わないようにしたいですね。

史上最悪のシェーングリーン(花青緑)

読んだら死ぬ本というのをご存知でしょうか?

オカルト的な話ではなく、本をめくるだけで死に至らしめる危険な本。

画像出典:「The Conversation」より引用

南デンマーク大学の図書館に所蔵されている3冊のアンティーク本の表紙に使われていた緑色の塗料の成分を調べたところ、

この緑色の塗料がヒ素であることがわかりました。

ヒ素は世界で最も毒性の高い物質の一つであり、これを浴びると様々な中毒症状やガンの発生、さらには肝臓や腎臓といった全身の臓器に障害が現れ死に至ることもあると言われています。

そのグリーンの塗料こそ強い毒性を持て緑の毒と呼ばれるパリグリーン(エメラルド・グリーン)

 

18世紀のスウェーテンの科学者カール・ヴィルヘルム・シェーレが、かつてなかった鮮やかな緑の顔料を生み出しました

その名前は科学者の名前をとってシューレグリーンと呼ばれています。

鮮やかなグリーンが特徴で、安価で美しいグリーンの顔料は瞬く間に大人気となりドレスや壁紙、子どもの遊ぶおもちゃ、ケーキの装飾にいたるまであらゆる場面で使われれました。

ゲオルク・フリードリヒ・ケルスティング『刺繍の女性』1817年

このシェーングリーンの化学名は酸性亜ヒ酸銅。

それだけでも粉末を吸い込むと腹痛、のどや胸の灼熱感、 下痢、嘔吐などを引き起こす劇薬。

しかもこの酸性亜ヒ酸銅は湿気を帯びると強い毒性を持つヒ素として空気中に放出されるんです。

そのシェーレグリーンから生まれて、さらに毒性を高めたのが死の本に使われていたパリグリーン(エメラルドグリーン)。

死の本恐るべし!

シェーングリーンはウイリアム・モリスの壁紙やゴッホも好んで使っていた顔料です。

ゴッホ『ゴッホの椅子』 1888年

ゴッホの精神疾患はヒ素の中毒からくるものだったという説もあるくらい毒性の強いものです。

そしてこのグリーンを最も愛したのがフランスの英雄ナポレオン。

よりによって湿気の多い浴室にシェーレグリーンを使った壁紙を使っていたそうです。

ナポレオンの死因は胃がんだと言われていますが、シェーレグリーンは発がん性も確認されており、ナポレオンの髪の毛からは大量のヒ素が検出されたそうです。

ナポレオンはシェーレグリーンによるヒ素中毒で亡くなった可能性が高い!

 

美しいものには棘があるとはこのことですね。美しい色には毒があるんです(llФwФ`)ガクガクブルブル

 

今でもアンティークショップなどで、シェーレグリーンが使われた家具などが販売されていたりします。

私も古いものは大好き、アンティークも購入します。古いものを買うときは注意しないとダメですね(ノД`)シクシク

本日は以上です。お読みいただきありがとうございます。

またのご来館をお待ちしております

 

コメント

  1. ((((;゚Д゚))))ガクブル おそろしや。

  2. ヨウコの川歩き より:

    いやぁ、シルバーホワイト、カドミウム系レッド、クロームイエロー…全部使ってましたわ
    もう、時効だけど。アトリエ仲間に制作に夢中になると油絵の具のついた筆を舐めるやつがいて、「やめろ!死ぬぞ!」って言われてた。本当だったのね((((((゜ロ゜;

  3. Nick Ollie より:

    確かにカドミウムレッドやシェーレグリーンはほんとに綺麗な色ですね。画家やナポレオンが惹かれるのも分かる気がする。けど、怖いねぇ。ケーキにまで使われてたとは、、

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