人は「嫉妬」をコントロールできるのか?絵画に描かれた狂気の世界

恋愛・感情

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こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。

「七つの大罪」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

アニメや映画の題材にも頻繁に登場する『七つの大罪』は主にカトリック(キリスト教の一派)において人を “死に至る罪”に導く罪業のことです

大罪と言われている罪は・・傲慢、憤怒、嫉妬、怠惰、強欲、暴食、色欲の7つ!

本日はこの中の「嫉妬」にスポットを当てて、絵画鑑賞をしていきたいと思います。

底知れぬ嫉妬に苦しんでいる方もいらっしゃるでしょう・・

その嫉妬の正体を絵画とともに探ってまいりましょう

嫉妬とは

 

ヒエロニムス・ボス作『七つの大罪と四終』

七つの大罪の一つ嫉妬とは英語で「envy (エンヴィー)」

他の七つの罪に比べて下に見られがちな「嫉妬」ではあるんですが・・・・

カトリックでは罪と悪魔を関連付けていまして、「嫉妬」に当たる悪魔はレヴァイアタン(リヴァイアサンともいう)は、海まはた水を司る悪魔です。

この悪魔はですね!どんなの攻撃も通さず、悪魔払いも効かないという厄介なもの。

一度取り憑かれると追い払うのはとても難しい。

自分の感情なのにどうにもコントロールできなくなるという「嫉妬」に相応しい悪魔ですね(((uдu*)ゥンゥン

このやっかいな「罪」と、人々はどうやって戦ってきたのか?果たして戦えるものなのか?

絵画に描かれた「嫉妬」という感情を読み解いてまいりましょう・・・

人類最初の殺人は嫉妬が原因

 

ウィリアム・ブレイク作『発見されたアベルの遺体』1825年

人類最初の殺人はカインが弟アベルを殺すという兄弟間殺人でした。

カインとアベルはエデンを追放されたアダムとイヴの最初の子どもです。

なぜ兄が弟を殺すことになったのか・・・その原因は「嫉妬」です。

兄カインは農作物を・・

弟アベルは子羊を・・

それぞれ、神にお供えするんですが、神が受け取ったのはアベルの「子羊」だけだったんです。

 

神

血を流さない供物なんて意味ないし

ビー玉
ビー玉

神様サイコパス・・・

まぁ普段の不満も溜まっていたんでしょうが、神がアベルだけをひいきすることに嫉妬したカインは弟を殺してしまいます(´-ω-`)

ブレイクが描いた『発見されたアベルの遺体』は殺した弟の遺体を隠蔽しようとした時に両親に見つかり、神の怒りから逃げるカインを描いたものです。

ちなみに神は「アベルを殺したのは誰か」とカインに問いかけ、カインは「知らない」と答えます。だけど人類はまだ両親とアベルとカインの4人だけですからね!バレバレにも程があります(;´д`)トホホ…

どう頑張ってみても信じられない嘘をつくなんてねぇ

嫉妬とは人から理性を完全に奪い去るものなのか・・・

ルーカスバンライデン作 『アベルを殺すカイン』1529年

この絵を見ると弟の足がカインの股間にクリティカルヒットしているので、脅しのつもりが「思わず」って感じだったのかもしれないなぁ・・なんて(゚∇゚ ; )

兄弟姉妹の長男長女は少なからず下の弟妹に嫉妬心を燃やしたことがあるんじゃないかと思うので、カインにはなんとなく共感しちゃうんですけど、

もしかしたら、神への当て付けで弟の血を流し、神への供物にしようとしたのかも・・とか思ったり。

カインはその後エデンの東にあるノデという地へ逃げのびます。

ジェームズ・ディーンの代表作「エデンの東」はこのお話が元ネタとなっているのです。

神様だって、人間だって、すべての人を平等にあつかうなって無理なんですから・・嫉妬心というのは過去も未来もなくなることはないんでしょう…報われない場所で勝負するより、自分をひいきしてくれる場所へ移動して、自信を回復させるのも手!

嫉妬する顔は醜い?

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作『嫉妬に燃えるキルケ』1892年

ウォーターハウスの『嫉妬に燃えるキルケ』は恋敵である水の精スキュラを醜い化け物の姿に変えようと、スキュラがいつも水浴びをする水辺に魔法を仕掛ける魔女キルケを描いたものです。

毒薬を一気に流したりせず、小出しに少しずつ水辺に流し入れるキルケはなんとも恐ろしい!!

心から溢れ出した嫉妬心を呪いを込めてゆっくりじわじわ時間をかけて注ぎ込む・・・怖すぎです。

程よい嫉妬は可愛らしくもあり、恋の駆け引きにも使えますが、自分で自分をコントロールできないほど嫉妬に襲われたら厄介です。

自分の嫉妬に駆られた顔を鏡に写してみたことがある方はいらっしゃるかな?

私はあります。

まさにキルケの顔そのものでした。可愛さなんて皆無です。

その嫉妬をパートナーに向ける人、その相手に向ける人、そして自分に向けてしまう人・・・

いろんな人がいるかと思いますが、もともとの顔の造形は関係なくその姿はもれなく醜くて恐ろしい!!

どうしようもなくなったら、鏡で自分の顔を見てみるのがいいかもしれない・・・

パートナーにこんな顔見せられないって思い止まれたらラッキー!

そこで思い止まれたらいいんですけどね(´-ω-`)

嫉妬は愛ゆえと言われますが、自分の嫉妬する顔をみて思いとどまれない場合は、愛ではなく執着なんじゃないかなぁと私は思うのです。

苦しい執着はなくしたほうが楽ではあります。難しいですけどね。少しづつ…

 

反戦?それとも嫉妬?

 

パブロフ・ピカソ作『ゲルニカ』1937年

有名なピカソのゲルニカ・・・

スペインのゲルニカという地域が、ナチスドイツに都市無差別爆撃を受けた様子を主題に描かれた壁画です。

実は人類が空爆を受けたのは、この戦いの空襲が初めてのことでした。人類はかつてない空から降ってくる暴力になす術もなく、恐怖と悲しみに喘ぐ人々の狂気が臨場感をもって描かれています。

反戦がテーマとなった本作ですが・・・実はこの絵の制作中にこの絵の前で女性たちが苦しい戦いを繰り広げておりました。

ピカソの恋人で写真家のドラ・マール撮影

私の中でゲスな画家No.1に輝くピカソです。まぁ当然のように同時に複数の女性と付き合っていたわけですよ!

ある日、当時付き合っていたマリー・テレーズとドラ・マールがゲルニアの前で鉢合わせそちゃいます(llФwФ`)ガクガクブルブル

緊張感漂うこの修羅場で、ゲス野郎ピカソが言い放った言葉は

「2人で争って決めて!僕は勝った方と付き合う」

戦いのゴングでした∑( ̄□ ̄;)ナント!!

女性2人が取っ組み合いの様子は「ゲルニカ」にインスピレーションを与えます。

牛の下で泣き叫んでいるのがドラ・マールで、ランプを持って覗き込んでいるのがマリー・テレーズです。そりゃぁ臨場感も生まれますってwww

その時のことをピカソは「最高に楽しい思い出」と言っています。

館長
館長

ゲスですねw

どちらが勝ったのはわかりませんが、ピカソの元がら去っていったのはドラ・マールでした。

でもマリー・テレーズはピカソの死後自殺していますから、ピカソからの依存が解けたドラ・マールのほうが「自分の人生」という舞台では勝ったのかもしれません。

ゲス野郎と付き合うのも嫉妬に苦しむのも女性にとってはまさに戦場( ✧Д✧) カッ!!

反戦ちゃぁ反戦!

 

恋愛メンヘラ画家が描く嫉妬

ネガティブ恋愛ネタでは常連のムンク!

もちろん「嫉妬」も激しく渦巻いてますよ〜( ✧Д✧) カッ!!

エドヴァルド・ムンク作『嫉妬』1895年

この『嫉妬』シリーズは1895年〜1930年の間に、11作品以上も描かれていて驚きです。

ビー玉
ビー玉

さすがメンヘラ恋愛のプロ

『嫉妬』に描かれ正面を睨み付けている男性はムンクの友人のスタニスラフ・プシビジェフスキ

そして、赤いガウンの女性はプシビジェフスキの妻のダウニー!

アダムとイヴになぞられて、イブであるダウニーが男性を誘惑します。

ダウニーは性的にかなり奔放な女性で、結婚する条件も「性の自由」だったんだとか・・・

納得の上の結婚だったとしても、そりゃぁ嫉妬に取り憑かれてもおかしくない状況です。

で!ですね!!!

そんなダウニーを描いたムンクの絵がこちら


ムンク作『マドンナ』1895-1902年 大原美術館所蔵

 

彼女をとりまくのは精子たち、そして左下の胎児はムンク自身です。

これはダウニーへの受胎に成功したってことです。ムンクとダウニーは男女の関係だったんですよ!

友人の嫉妬の対象になっているのは、まさに妻であるダウニーと自分です。

そんなムンクが友人の嫉妬を描く・・・それも11枚以上も(´-ω-`)
どういう心境だったんだろうなと思うと空恐ろしくなります。

嫉妬するときって、パートナーと別の誰かが仲良くしている姿を俯瞰してみているような錯覚囚われることはないでしょか?(私だけ?)

おそらくですが、姿形は友人でダウニーの夫のプシビジェフスキの姿を借りてはいますが、嫉妬の炎を燃やしているのはダウニーの不貞を妄想するムンク自身なのでしょう・・・

ダウニーを通して、夫であるプシビジェフスキに強烈な共感を覚えていたのかもしれません。

考えるとかなり複雑ですけどねぇ(;´д`)トホホ…

こういう倒錯した表現がムンクは本当に秀逸!!怖いですけどね

 

いかがだったでしょうか?いろんな嫉妬を見てまいりました。

共感する嫉妬はありましたか?あったら、ちょっと怖いですけどね(^▽^;)

どの嫉妬も苦しい・・苦しい気持ちは今も昔も変わらないってことで、今苦しみの最中にいる方は、なんとか乗り越えられますように。

ちなみに現役時代の私は嫉妬もプレイの一環だと思うことにしておりました(;//́Д/̀/)’`ァ’`ァ

な〜んてどうでもいい告白をしつつ・・本日は以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

大人の美術館は毎週土曜か日曜に深夜にオープンする仮想美術館です。

また来週お会いいたしましょう(*ˊᵕˋ*)੭

コメント

  1. miyukitty より:

    私は2人姉妹の長女で
    子供の頃には妹に嫉妬して噛みついた記憶があります^_^;
    その後、小学生になった頃には私が祖母に溺愛されていたので
    妹が私に嫉妬していたのを記憶しています。
    恋愛に関して嫉妬した事は無かったかなぁ。
    学生の頃とか会社勤めになってからは贔屓があるから
    周りで嫉妬の嵐を目にしますね。

  2. ねぇやん より:

    七つの大罪、と言う漫画が好きでした(*´ω`*)
    嫉妬…自慢げに聞こえたらあれですが、される側だったので、
    人の嫉妬の恐ろしさは外側から何度も経験しています。
    と、言いつつ、自分も常に美しい人、お金持ちの人に嫉妬する小者です(;´∀`)

  3. aiai より:

    嫉妬って罪なんだね~
    わたしあんまり嫉妬心ってないかも(;^ω^)
    でも嫉妬心の塊みたいな人が近くにいるw
    嫉妬で「もきぃー」となったりはしないけど、「あの人○○でいいよね~」ってよく言ってて、わたし的にはすげーどーでもいい(・∀・)といつも思ってるw
    わたしは強烈に人に嫉妬することもなければ、強烈に人に嫉妬されることもないだろうな。
    嫉妬という大罪からは遠くにいる人らしい。。。

  4. Nick Ollie より:

    嫉妬かー。最近嫉妬って感情がなくなってきたなあ。成長なのか退化なのか。退化だね、きっと。

    キルケの顔はほんと嫉妬してるー。美しいのに怖いわー。

    そして何故そんなゲスなピカソに惚れるのだ?

  5. ヨウコの川歩き より:

    ひゃ~!「ゲルニカ」は反戦の象徴だと思い込んできたなぁ確かにこれを描いている頃、マリー・テレーズとドラ・マールが争っていたエピソードは知ってたけど、まさかね(^0^;)ピカソは罰も当たらず90年以上生きたよね。
     ムンクのマドンナも好きな作品。いやぁ、そんなぐしゃぐしゃが背景にあったとは…ね。
     しかし、芸術家って、作品のためなら嫉妬のエネルギーまでつかうのね。酷いけど凄いわ

  6. 伏兎 より:

    ピカソのゲルニカは「反戦」の象徴じゃなくて女性達の嫉妬の戦いだったとは。
    ピカソは清々しい程にゲスな作家だったんですね(-ω-;)
    後ろから刺されてもしょうがないくらいのゲスさですね(´-ω-)ウム

  7. 何だか、7つの大罪と聞いて”セブン”を思い出しちゃいました。また観よ。
    (/^-^)/ソレハコッチニオイトイテ…

    相変わらず、絵は置いといて画家たちのゲスっぷりよ。ピカソにしてもムンクにしても。

  8. スマイル より:

    お元気ですか?嫉妬…
    嫉妬はすごい歪んだエネルギーでよね!
    これをプラスに持っていけば…
    確かにすごい顔になりますよね!

  9. ジミー より:

    ムンク『嫉妬』1895年の作品の正面を向いている男はムンク自身とずっと思っていましたが、ムンクの友人でしたか。知りませんでした。ビー玉さんの解説で友人を通してダクニーへの嫉妬を燃やしているとはさすがムンクです。ダグニーの赤いドレスも下品な印象を与えてくれますね。

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