こんばんは!ビー玉です。
ビー玉セレクション!マニアックすぎる絵画関連映画レビュー!!
またしてもマニアックすぎて誰も知らないし興味があるとも思えない映画です。
本日は大人の美術館別館【大人の絵画資料室】です(๑•̀.•́ฅ✧
ブリューゲルの動く絵
【絵画の世界を旅するような新しい絵画体験が味わえる体感型のアートムービー】
という心躍るような謳い文句に誘われ、映画を観に行ったのはいつだったか・・
いや~見事に騙された騙された・・
そんなアトラクションみたいな楽しい映画ではまったくなくて・・睡魔と戦う系の風変わりな映画でした!!
うん、騙されてよかった♪
ブリューゲル作「ゴルゴタの丘への行進」
映画は、この『ゴルゴタの丘への行進』という絵画を映像化したものです。
ちなみにブリューゲルとは、16世紀から17世紀のフランドルで活躍した画家です。
画面右端、高く掲げられた車輪にかかる布切れの意味など、具体的に示してくれる場面も多少あるものの、基本的にはヒントが与えられるだけで答えをはっきり提示してくれることはありません。
そして、映画上これといったストーリーもありません。
予備知識を得て、答えを探しストーリーを想像する。
まさに絵画を読むがごとく・・・そんな映画です。
3D顔負けの立体感で、セリフも音楽も最小限・・その反面、始終聞こえ続ける生活音・・・
映画を観ている間は分からなかったんですが、映画で使われる効果音が秀逸すぎて、映画の世界が私の脳内においてリアルな記憶だと変換されていたようで・・
後日、画集で「ゴルゴタの丘への行進」の絵を観た時に、「たしかに私は “この絵の中” にいた!」という不思議な感覚に襲われたんです∑(゚Д゚)
前世体験って、こんな脳の誤変換が原因だってこともあるかもしれない!!こんなのは初めての体験でした。
絵にもブリューゲルにも興味がなくても、この感覚を味わうだけでも睡魔と闘う意味があるかもしれない・・・
ここから先はネタバレというか、私の妄想炸裂です。
この映画を観たけど全然意味が理解できなかった〜〜〜!!(おそらく大多数でしょうw)という人へ向けてのレビューとなっております。先入観なく映画を観たい人は、華麗にスルーしてください。
以下、私の妄想劇場です٩( ᐛ )و
CM挟みます!
映画完全ネタバレ(ほぼ妄想)
夜が明けて巨大な風車が回り始めると、人々の生活が始まります・・・
そんな朝の日常風景が恐ろしいほどに美しく表現されていて、思わず息を飲みます。
そんな朝の風景にうっとりしていると・・のどかな日常が切り裂かれように始まる理不尽な殺戮シーン。
支配者による殺戮は無数に立てられた車輪の数だけ繰り返され、すでに日常化している様子・・・
行きかう人々は関わりたくないという気持ちからか、皆無関心です。
※16世紀のオランダでは支配者スペイン(カトリック)による異教徒(プロテスタント)狩りが行われていた時代。(カトリックとプロテスタントはどちらもキリスト教なんだけど・・)
「このありさまを表現できるか」と友人から問われた画家ブリューゲルは、この「ゴルゴタの丘への行進」を描き上げます。
絵中央には磔刑直前のキリストが小さく、群衆に紛れるように描かかれています。
歴史的な出来事が目の前で繰り広げられているのにもかかわらず、群衆がキリストに注目することはありません。
実は、この絵画は16世紀オランダが舞台。
キリストが処刑されてから1500年以上の時を経ています。
この時代に実在しないキリストやマリアが描かれている理由は、キリストが処刑された過去から現在にいたるまで、なんら変わることなく愚行が繰り返えされ、日々を生きることで精一杯の民衆は世の中でどんな大事件が起こっているとしても直接自分に関係ない場合は無関心なのだ!
・・な〜んてことを皮肉たっぷりに描かれたのではないかなと。(これは現在にも当てはまる普遍的なものですよね!「対岸の火事」という諺もあることだし)
しかも、この絵画を鑑賞している人間も群衆に紛れたキリストに目を向けることは困難。
観客さえも愚民の1人なんです!
そして・・
映画のラストにはキリストを裏切ったユダが自殺するシーンがあるのですが、そのすぐ後ろでユダの自殺という歴史的な光景に目もくれず、風に飛ばされた絵を一心不乱に拾っているブリューゲルが映し出されます。
この絵を描いたブリューゲルも同じく寓話の中の住人なのです。
以上が私の妄想です。
全部読んでくれた奇特な方、心より感謝します(^▽^;)
この映画を観て、「まったく意味が分からなかった」と感じた方のヒントになるといいのですが・・・
本日は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
当ブログは週一回、土曜の夜に更新予定です。
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