驚くのは価格だけじゃない!話題の映画「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」を見た感想

本・映画の感想

こんばんは!、大人の美術館ナビゲーターのビー玉(@beedama_lab)です。

世界で最も高額だと言われている絵画はレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』

その価格は、推定で8億ドル以上だとも言われており、日本円で874億240万円ほど!

レオナルト・ダ・ヴィンチの作品は、高額なのはもちろんですが作品数が極端に少なくどの美術館でもすでに至宝となっているので、実際に取引されることとはほとんどありません。

そして近年「男性版モナリザ」として発見、そして史上最高価格で落札され話題となったのが『サルバトール・ムンディ』

レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたのではないかと言われる救世主イエス・キリストの肖像です。

その名画は落札された直後から所在不明になり「誰に落札されたのか」「どこにあるのか」と謎が謎が呼びさらなる話題を呼びました。

 

その謎の顛末が、アート界の巨大な闇を引っ提げて驚愕のドキュメント映画となって一般人である私たちの前に出現しました。

この映画がめちゃくちゃ面白かったんですよ(; ・`д・´)!!

本日はダ・ヴィンチの名画を通してアート界の闇を描いた映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』のネタバレなしの感想レポです。

よかったら最後までお付き合いください

『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』のあらすじ

ネタバレなしとはいっても、事の顛末は英語版のwikiには詳細にアップされています。

Salvator Mundi (Leonardo)

映画は見に行けないけど、顛末を知りたいという方はこちらをどうぞ。

始まりは一般家庭の階段に飾られたぼろぼろの絵

始まりはアメリカの一般家庭(起業家だけど)の階段の壁にかかっていた古びた一枚の絵

持ち主が亡くなり、遺産処理のためにクリスティーズに持ち込むも「ウチでは扱えない」と断られてしまいます。

仕方なく地元ニューオリンズの小さなオークションに出品。

当時の出典目録の添えられた紹介文は悲惨なものでした。

「状態の悪い暗い絵」「複製か後世に描かれたもの」

悲惨なその絵に興味を持ったのがニューヨークの画商。

 

『サルバトール・ムンディ』は1500年ごろ、フランスのルイ12世のためにダ・ヴィンチによって描かれ、アンリ4世の娘の嫁入りと同時にイギリスに渡ります。

17世紀にはイギリス王室の目録にあるのを最後に300年もの長期に渡って消息を絶っていた眠れる名画(スリーパー)だったんです。

 

映画のインタビュー映像では「最初からオリジナルと信じていた」というスタンスでドヤ顔で語っていますが・・・

実際のところ、

落札した時には、失われたオリジナルの複製でダ・ヴィンチ工房で作られた弟子の作品ならラッキーくらいに思っていたんじゃないかと思うんですけどね(^▽^;)

 

『サルバトール・ムンディ』はダ・ヴィンチの信奉者や弟子に20枚以上も模写されていましたから。

 

画商はオリジナルを模写したという画家ホラーの版画と似てるということで購入を決めたようです。

でもまぁ、眠れる絵画 “スリーパー”を見つけるのは画商の夢ですからね、ドヤ顔になるのは仕方なしです(((uдu*)ゥンゥン

落札価格は1175ドル、日本円で13万円ほど。

画商が美術修復家に修復を頼んだことで物語が大きく動きます。

もしかしたらダ・ヴィンチの真作かもしれない

(画像出典:GAGA公式サイトより)

修復の過程で親指が2本描かれていることがわかるんです。

 

館長
館長

キリストって指が6本だったんですか?

ではなくてですね、描き悩んだ跡があったってことです。

模写だと描き悩むことがないですからね、もしかしたらダ・ヴィンチの真作ではないのかという説が浮上してきたわけです。

そこで、画商はダ・ヴィンチ研究の研究者5人に調査を依頼。

そのうち、ダ・ヴィンチの研究者が「真作」と認めたことで大騒ぎになります。

ただ全員一致の「真作」判定ではなく

5人のウチの1人が真作、1人が「偽物」、あとの3人が「保留」という結果でした。

疑惑はありありな状態だったんですよ。

この『サルバトール・ムンディ』に目をつけたのが「ダ・ヴィンチ展」を数年後に控えていたロンドン・ナショナル・ギャラリー

なにしろ作品数の少ないダ・ヴィンチです。

ナショナル・ギャラリー、いやイギリス全体でも所有するダ・ヴィンチは「巌窟の聖母」の1枚のみ

しかも、この「巌窟の聖母」は、ダ・ヴィンチ以外の手が多く入った、いわばダ・ヴィンチ作というよりはダ・ヴィンチ監修作品

どうしてもダ・ヴィンチの真作をイギリスの美術館に掲げたいという焦りがあったんでしょうね。

疑惑はあったものの本物として展示するんです。

このことが、のちにこの絵の価格を跳ね上げる決定打になったんだと思われます。

 

大盛況のうちに幕を閉じたナショナル・ギャラリーのダ・ヴィンチ展。

正直、このままナショナル・ギャラリーの所蔵になるんだろうなと思っていたんですけどね。

この絵を購入したのは、なんと個人!

ロシアの鉱山王。実際に購入に動いたのは、鉱山王の仲買人となったスイスの美術商イブ・ブービエです。

その時の落札価格は日本円で約150億円

衝撃だったのは、この絵の行き先でした。

世界中の美術品が集まる場所

落札後にこの絵は鉱山王の家に飾られることなくスイスのフリーポートに預けられるんです。

このフリーポートの件がこの映画の前半の見どころの一つだと思われます。

(画像出典:GAGA公式サイトより)

【フリーポートとは】

デジタル大辞泉「自由港」の解説

中継貿易や加工貿易の発展を図るため、全域または一定区域に限り、自国の関税法を適用しないで外国貨物の自由な出入を認める港。 … 自由貿易港。

世界で何箇所かあるこういうフリーポートに物品が保管されている限りは通常だと5~15%払わないといけない関税が無料なのです。

現在、このフリーポートには個人売買で購入された美術品が何百万点も集められて厳重なセキュリティの元に眠っていて、内部では秘密の売買も当然の如く行われているそうです。

画像出典:Googleマップ

 

画像出典:Googleマップ

これがスイスのフリーポートの倉庫です。

秘密の場所って感じではなく、普通にGoogleマップで探せました。

ただ、セキュリティは厳重で、機関銃を持った警備員が24時間監視しているそうですよ(((;꒪ꈊ꒪;))):

美術品が誰の目にも触れずに富豪たちの資産運用としてだけ存在しているというのは、まさにアート界の闇!

魑魅魍魎がうごめく世界

そして『サルバトール・ムンディ』もここで長い眠りにつくと思われたんですが・・

絵を購入したロシアの鉱山王。

その仲買人を務めたイブがほんと食えない男でして、落札価格だと思われていた150億円のうち、50億円をポッケにないないしておりました∑( ̄□ ̄;)ナント!!

本当の落札価格は100億円だったというわけ。

 

館長
館長

50億円もポッケにないないできるものなんですか?

ビー玉
ビー玉

できちゃったみたい

映画ではまるで武勇伝のように語るイブに背筋が震えました。

50億円ですよ!人が何人死んでもおかしくない金額です。

おそらく日常的に、このくらいの金額が動いている世界なんでしょうね。

ロシアマフィアに消されないといいんですけどね(((( ;゚д゚)))アワワワワ

このことに腹を立てた鉱山王はケチのついた絵を売りに出します。

ドラマよりもドラマチック

この時、この絵の競売を請け負ったのがオークション最大手のクリスティーズ

最初に一般家庭から見つかったときに「扱えない」と手を横に振ったクリスティーズです!!!

 

ビー玉
ビー玉

ドラマよりもドラマチックな展開

最初にこの絵を見送ってしまったクリスティーズとしては、なんとしても高値で売らねばなりません。

ただね、真偽は謎のままの絵です。

そのままだったら100億円どころが一銭にもならない可能性だってあるんですよ。

ここで、クリスティーズは『サルバトール・ムンディ』を高値で売り抜くべく、世界一といわれるマーケティングのプロにプロデュースを依頼します。

この男がですよ、出どころ不明の真偽の怪しい絵画の価格を史上最高額510億円まで押し上げといっても過言ではないでしょう。

彼が提案した方法が美術界の常識を完全無視した斬新なもの!

ここからはネタバレになるので、語れませんが、

美術館同士のパワーバランス・・いや、それどころか国と国の政治的問題にまで発展します。

交渉力ではどの国が競り勝つのか、ダ・ヴィンチは “誰に”というよりも “どの国” に微笑むのかって話です。

このあたりの顛末は是非映画で確かめてもらいたいっ

ここまででも映画みたいな面白さでしょ?

 

館長
館長

映画ですけどねっ

 

クライマックスを語っているようですが、まだ序盤です( ✧Д✧) カッ!!

決定的なネタバレはしてません。

予告編

予告編を置いておきます。

世界的なマーケッターにとっては、世界的俳優レオナルド・ディカプリも絵を売るための一つのコマにすぎません。

予告編をみるとディカプリオが出演しているんだって思うかもですが、じつは違うんです。

この真相も映画で確かめてもらいたいっっ

私はこの場面でうっかり泣いてしまいました(ノД`)シクシク

 

あとね、最初にダ・ヴィンチの真作だと言った研究者はナショナル・ギャラリーとクリスティーズの主任専門家なんですよねぇ・・

どうしても、大人の事情ってやつを想像しちゃいますよねぇ(  ˙-˙  )

 

ものすごく面白い映画なんですが、作り込まれたストーリー物ではなくドキュメントです。

監督のアントワーヌ・ヴィトキーヌ氏は富豪や権力者の裏側に入り込み話を聞き出すのが得意な監督さん。

よくこれほどの人たちにインタビューできたなと関心しちゃうんですが、インタビュー場面多し、

というか、ほぼインタービューで話が進んでいきます。

構成もうまくできてるし、エンターテイメントとして成立はしていると思いますが、ハリウットのド派手アクションなどに慣れている人には退屈に感じるかもしれません。

私は仕事帰りに文字通り走り込んみセーフだったこともあり、一瞬だけ睡魔に襲われました。

ほんの一瞬ですけどねw

地味目なヨーロッパ映画を見慣れてる人は大丈夫なんじゃないかなぁ(゚∇゚ ; )?

美術好きな人にとっては、ものすごく面白い映画だと私は思います。

是非、映画館に足を運んで、彷徨える「サルバトール・ムンディ(世界の救世主)」の行方を見守っていただきたいと思います

いつか、私たちの目前に現れることを祈って。

上映館はGAGAの映画公式サイトでお確かめください

もし、ハリウットでこのドキュメントを映画化することがあったらディカプリオを主役にしてあげてほしいっ(*・人・*)

 

本日は以上です。お読みいただきありがとうございます。

また次の開館日にお会いいたしましょう。

コメント

  1. marimo より:

    あ、この映画、旦那さまも一人で観に行ったんですよ~!
    美術関係が好き(詳しくはなく、どちらかといえば外側(ギャラリーとか、鑑定士とか販売する人)で、興味がある~と。

    結構すいていたようで、どうしてこんなに流行ってないんだろう、と言っていました…が終わってからは「ほぼインタビューやった」ということで^^;

    内容がめちゃくちゃドラマですね!ドラマで政治…
    もっと裏では闇があるんだろうな~と想像してしまいました~

    • ビー玉 より:

      marimoちゃん、コメントありがとうです♪
      旦那さんも見にいったんだ!私は一瞬だけうとうとしたかもしれないけど、旦那さんは大丈夫だったかな(゚∇゚ ; )
      私が言った時も観客は5組くらいしかいなくて、空いてた。
      でもまぁテレビでもいいかなって感じではあったけどねぇ

  2. Nick Ollie より:

    そんな経緯があったんだー。なんか絵画は鑑賞するものじゃなくて、倉庫にしまっておいて、そして売買して儲けるものなんだなー、と思ったりして。
    この映画、見たいです。ハリウッド映画とは違う意味でスリリングだと思うわ。

    • ビー玉 より:

      Nickちゃん、コメントありがとうです♪
      今は、そんな時代みたいよ。
      フリーポートには世界有数の美術館ができるくらいの美術品が眠ってるらしい・・もったいないよね(;´д`)トホホ…

  3. (;^_^A 値段ではないのだけど…150億…。

    • ビー玉 より:

      ましゅさん、コメントありがとうです♪
      最終的には500億円だからねぇ・・何人か死人がでてもおかしくないよ。こわいねぇ(((;꒪ꈊ꒪;))):

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