西洋絵画のヒーロー列伝！押さえておきたいヒーローたち

こんばんは！ナビゲーターのビー玉です。

今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・

当館【大人の美術館】は、web上の仮想美術館です。
「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します。

封建的時代は元娼婦から聖女になったという肩書きのあるマグダラのマリアが

開放的なルネサンス期に愛に奔放な美の女神ヴィーナスが

男性を破滅に導くファム・ファタールたちも人気がありました。

そして永久不滅の清純派アイドル聖母マリア！

これらの女性たちが西洋絵画を彩る主なヒロインたちです。
私はどちらかといえば女性が好きなので、ついつい女性中心に紹介しちゃいます。

もちろん西洋絵画の世界にはイケメンヒーローも登場します( ✧Д✧) ｶｯ!
本日ははそんなヒーローたちを簡単にサラっと紹介いたしましょう♪

館長

男性も平等にきっちり紹介してくださいっ！

今回紹介するのは登場回数の多いヒーローたちなので、これらを押さえておけば、観ただけで何が描かれているか「分かった」という絵が増えてきますよ〜！

絵画界のスーパーヒーロー　イエス・キリスト！

まずは母の聖母マリアと共に西洋絵画の永遠のヒーローはイエスキリストでしょう！！

ゆりかごから墓場までどころか、受胎の瞬間から注目されていたヒーローなんて彼以外には存在ません( ✧Д✧) ｶｯ!!

ルーベンス　『いばらの冠を被るキリスト』

イエスは3年間の布教活動の末に捕らえられ、拷問ののちローマ人によって十字架にかけられ処刑されます。罪状は自らをユダヤの王だと偽り民衆を先導という罪です。

皮肉を込めて「ユダヤの王イエス」書かれた罪状とともに棘だらけのいばらの冠を頭に被せられて、十字架にかけられます。

エッケ・ホモ（Ecce homo ）　見よ、この人だ

これはエッケ・ホモ（見よ、この人だ）という題材で、痛めつけられたイエスキリストと、刑を失効したローマ人と刑を決定したユダヤ人、もしくは嘲る観衆が一緒に描かれます。

チーゴリ(ロドヴィコ・カルディ)作

クエンティン・マサイス作

拷問をウケたあとのイエスはぐったりと弱々しく描かれることが多く、その方が人類の罪を一身にうけて殉教したイエスに感謝の気持ちがわくのかもしれませんが・・・

ルーベンスのイエスは観るものを哀れんでいるようにも見えます。なんとも誇り高く凛としたイエスではありませんか！！不謹慎は重々承知しておりますが、ルーベンスのこのイエスの目つきがなんとも色っぽくて、私のお気に入りいです。

緑と赤。クリスマスカラーの由来

ちなみクリスマスカラーである緑と赤の由来は、柊の葉の棘（とげ）がイエスが最後にかぶせられたいばらの冠をイメージして、赤はそれによって流されたイエスの血の色を表しているといわれています。

そう思うと、ちょっと恐ろしいような気もしてきますね。

神からの伝道者　天使ガブリエル

そして、イエスの受胎を告げに来た天使ガブリエルも絵画によく登場するヒーローです。

ガブリエルは女性的に描かれることが多いので、ヒーローというよりもヒロインといった印象の人も多いとは思いますが、天使には性別がないのでヒーローと言っても問題ないかと思います(((ｕдｕ*)ｩﾝｩﾝ

アドリアン・ファン・デ・フェルデ　『受胎告知』

このガブリエルは色っぽい(*´﹃｀*)

この絵を初めて観た時は、聖母マリアを妊娠させたのって天使ガブリエルだったのかもしれない・・と想像たくましく妄想しておりましたが、一応聖母マリアは処女のまま懐妊しイエスを産んだということになっています！

白百合を手に持って現れる天使は処女マリアに神の子を宿したことを告げにきた天使ガブリエルです。どんなに天使が色ぽくても決して女性のところへ夜這いにきた邪な天使ではございません！！ご注意くださいｗ

戦う天使　ミカエル

同じ天使でも戦う天使ミカエルは勇ましいです。

天使が剣か天秤を持っていたらミカエルだと思ってOKです・

戦うミカエルの構図はどれも似ていて・・・

凛々しく剣を振りかざし、悪魔を踏みつけるというこのがお決まりのパターンです。なので絵の中でミカエルを見つけるのは比較的簡単です！

そんなパターン化されたミカエルの中でも私がもっとも気に入ってるのは・・・・

ジョス・リフェランクスの悪魔を退治するミカエルです。

足を悪魔の口の中に押し込んで抵抗できなくした上で、不敵な笑みを浮かべつつ剣を振り下ろす様が悪魔よりも恐ろしいですが、かっこよくてしびれます(ノ∀`)ﾀﾊｰ

ちなみにこの世の終わりに人間の魂を善と悪に振り分けるのが、このミカエルです。私たちが天国にいくのか、地獄の業火に焼かれるのかは、このミカエル次第ということになります。

魔王ルシファー

そしてミカエルの双子の兄弟といわれ、かつては神に最も愛された天使でありながら神をも恐れぬ野心をいたいたことによって堕天して地獄の魔王となったのがルシファーです。

私はアレクサンドル・カバネルの描く堕天使ルシファーが大好きです。

肉体美も去ることながら、空を舞う天使と地に落ちたルシファーの対比がドラマチックで、ルシファーが触れた植物は枯れ、彼がもう聖なるものではないことを告げています。

この天を睨みつける悔しそうな目がなんともセクシーではありませんかっ( ✧Д✧) ｶｯ!!

ペリー公のいとも豪華なる時祷書より

地に落とされる堕天使たちの青が美しい(((ｕдｕ*)ｩﾝｩﾝ

天使だったころのなごりがあり、美しく描かれること多いルシファーですが・・・

うへぇ(´-ω-｀)っていうものまで幅広く描かれております。

アトリビュートは、しいていえばコウモリのような羽かなぁ(((ｕдｕ*)ｩﾝｩﾝ

悲劇のヒーロー　聖ゲオルギウス

聖書の世界からもう一人！中世の騎士の間で絶大な人気をはくし、騎士団の守護神とされて、絵の題材としても人気のあった聖ゲオルギウス（Georgios）です！

ゲオルギウス、ゲオルギオス、ジェルジオ、ゲオルギイとも呼ばれますが、ここではゲオルギウスで統一します。

旅の途中で、異教の町に立ち寄ったゲオルギウスはドラゴンに生贄にされそうになっている国の王女を「キリスト教」に改宗することを条件に助けます。

数ある聖ゲオルギウスのドラゴン退治の絵の中でもカルロ・クリヴェッリの絵が私は好きです、ドラゴンもそれっぽいですし、怖がる馬とそれをものともせずドランゴに向かうゲオルギウスが素敵です。ドラゴンの首に刺さって折れたであろう紅白の剣が臨場感をかもしだしていますね。

このテーマの最大の見所は、ドラゴンを倒す躍動感と画家たちが想像を駆使して描いたドラゴンです！そんなドラゴンを少し見ていきましょう・・・

館長

蛇にしかみえませんｗ

館長

ツチノコ？

館長

王女のペットですよね？

館長

ドラゴンって哺乳類でしたっけ？

まさかの裏切り！

まぁドラゴンの出来はさておき、普通だったら王女と結婚してめでたしめでたしみたいになるんですが、この話は少々複雑で、なんだかんだでキリスト教への改宗を嫌がった王女の父にゲオルギウスは捕らえられて処刑されてしまいます(ﾟ∇ﾟ ; )

ドラゴンを倒したゲオルギウスを処刑できるなら娘を生贄にする前にドラゴンを倒せばいいのいって思うのは私だけじゃありませんよね(´-ω-｀)

こうして殉教したゲオルギウスはキリスト教の聖人の一人となります。

セントジョージの秘密

ゲオルギウスの英語読みはジョージ。セントジョージと呼ばれる赤十字のイングランド国旗はゲオルギウスの流した血を表しています。

ゼウスとダナエの息子　ペルセウス

そんなゲオルギウスの元ネタになっているのはギリシャ神話のペルセウスです。

ギュスターヴ・モロー『アンドロメダ』

こちらも同じように怪物の生贄にされそうになっていた王女を助ける話なんですが、ヒーローであるペルセウスは助けた王女と結婚して国を治めます。

このような逆玉ストーリーをペルセウス型神話といい、世界中で同じようなお話が伝えられています。日本のヤマタノオロチなんかも典型的なペルセウス型神話ですね。

このテーマの見所は、怪物ともうひとつ！捕らえられた王女の裸体です。

どうもSっけのあるスポンサーに人気があったテーマらしく、同じテーマで、それはもうたくさんの作品が生まれました

ペーテル・パウル・ルーベンス　『アンドロメダを救うペルセウス』

ペスセウスとゲオルニウスの絵の見分け方は、捕らえられている女性が服を着ていたらゲオルニウス。鎖で拘束された女性が全裸、もしくは半裸の場合はペルセウスだと覚えておいてください。例外もありますが、たいだいこれで見分けられます。

ちなみに、見るもを石に変えるというメデューサを退治したのも、このペルセウスです。母はダナエと言う名の人間ですが、父はギリシャ神話の最高神ゼウスです。半分は人間といえども、ペルセウスは英雄となるための力を父からうけついでいたんですね・・・・

ギリシャ神話の最強ヒーロー　ゼウス

ゼウスは繰り返す浮気癖で、妻のヘラから怒られてばかりいるイメージですが、紛れもなくギリシャ神話最高のヒーローです。

ジェイムス・バリー　「イデ山のゼウスとユノ（ヘラ）」

実の子供に自分の地位をおびやかされることを恐れて、ゼウスの兄弟たちを一人残らず飲み込んだ父ウラノスを倒したのは末っ子ゼウスです。

体内からポセイドンやハデスといった神々を救い出し、救い出した神々を率いて反乱をおこします。その戦いはティタのマキアと呼ばれ、10年にも及ぶ長い激戦の末にゼウスらオリンポスの神々が勝利を納めます。

ジュリオ・ロマーニ　巨人の間の壁画より

雷鳴を轟かせて雨を降らせ、大地にみのりをもたらすゼウスは人間にとって尊敬すべき最高神なのです。

そんなゼウスの子孫を名乗りたいばかりに、人間の都合で人間の女性との間に次々に子どもを作らされちゃったんですけどねｗ

それほど、魅力あるヒーローだっということで( ✧Д✧) ｶｯ!!

＊＊＊＊　この記事は動画でもお楽しみにいただけます　＊＊＊＊

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