同一人?!聖母子の変遷を辿ると5分で美術の流れが丸わかり!

聖書

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こんばんは!ビー玉です。

以前に聖母子だけで美術史がわかると書いたことがあったんですが、そういえば実際に並べたことがなかったなと思いまして、軽い気持ちで並べてみました!

聖母子というのは、キリスト教のテーマのひとつで、聖母マリアと幼児キリストを描いたものです。

431年、キリスト教の公会議によってマリアの神性宣告をつけたのち、宗教絵画において最も描かれたテーマになりました。

まぁ、本日は難しいことを抜きにして、この聖母子を通して美術史を感じていただこうかなと思います。

宗教画は難しいという方も気楽な気分でお付き合いくださいm(_ _)m

本日の記事は以前書いたヴィーナスと聖母マリアを比較を書いた

ヴィーナスとマリアに注目すると、たった10分で美術の流れがすんなり分かる!

から聖母子だけ抜き取り大幅に加筆しました。以前に読んだことがある方にも楽しんでもらえるようにしたつもりですが、内容が一部重複しており申し訳ございません。

同時に前記事も分かりやすく整理しました。興味のある方はお立ち寄りください。


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〜14世紀 初期キリスト教美術 (ロマネスク・ゴシック時代)

 

ウラジーミルの聖母(生神女)12世紀ごろ

本来キリスト教では、実は偶像崇拝を禁止しており、本来ならキリストの像や絵を崇拝の対象にしてはいけなかったんです。

人間の作り出した偽物の神の姿(偶像)を拝むなんて何事か〜〜コラー! ( `Д´)ノ って感じです。

ただ、最初ユダヤ教徒のみに行われていた布教活動がヨーロッパ全土に広がっていくと、言葉も文化も違う多様な人々にキリスト教を手っ取り早く広めるために、わかりやすい図像を利用するようになっていったんです。

だけど、聖人たちは特別な存在でなくてはなりません。

絵を人間とみまごうようではダメなんです。なので立体的な造形は避け、背景は神の国を象徴した黄金一色で表されました。

そして!描かれる子どもは神の子キリストです。子どもとはいえども生まれながらに威厳があり成熟していなければなりません!

そんなクールなキリストをご覧ください。

ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ作 1283〜1284年

成熟さが頭にでてます!

ビー玉
ビー玉

ということで、すでにハゲ散らかってます

 

アンブロジオ・ロレンツェッティ作 14世紀前半

ビー玉
ビー玉

メンチ切ってきます( •ὢ•)(※睨む)

 

館長
館長

神の子もグレたくなる時期はありますw

とりえず、この微妙な赤子を見て崇拝する気になるかどうか・・・

偶像崇拝禁止というか・・・私には崇拝できませんwww

 

14世紀〜 ルネサンスで何が復活?

プレ・ルネサンス

早熟して可愛げなかった子ども(キリスト)が、時代が進むに連れてどんどん怖くなっていきます・・

たぶん画家も同じようなノペっとした絵を描くのに飽きてきて、自分の技術を見せつけたくなったのでしょう・・

少しず写実的な表現がされていくんですけどね・・・幼児キリストが妙にリアルで恐いんですよ(; ・`д・´)

子どもが怖い・・

とりあえず衝撃の絵画をご覧ください!!


ピエトロ・ディ・ジョヴァンニ作 「キリスト降誕」

ズームアップします!

い、生きてるのか死んでるのか!!目を見開き拘束された恐怖の赤子!

この絵は聖母子像というテーマではないんですが、面白いので載っけましたwww

包帯でグルグル巻きにされているように見えますが、これはスワドリングという「おくるみ」です。

中世から18世紀ごろまで、主にヨーロッパではこのように赤ちゃんを身動きとれないようにして寝かせつける風習があったのです。

館長
館長

それは、目を見開きたくもなりますね

睡魔という悪魔と戦っているんでしょうか?

キリストの苦行はもう始まっているようです・・・負けるな!人類のために戦うのだっ(ง •̀_•́)ง‼

 

パオロ・ウッチェロ 作 15世紀中ごろ

このキリストの表情には、もう悪意しか感じない(; ̄Д ̄)

この絵の母子像のどこに威厳を感じたらいいのか分かりませんが・・・実はこの絵の幼児キリストは額縁から足が飛び出しています。

この表情の子どもが額から這い出てくるとか・・威厳というより恐怖です(llФwФ`)ガクガクブルブル

この頃から、絵に奥行きを持たせよう、聖人にも血を通わせよう、という機運が高まって参ります!!

盛期ルネサンス


サンドロ・ボッティチェッリ作 1479年

祝!子どもがかわいいっっヽ(´▽`)/

ルネサンスも中期になると聖人たちの人物像も人間らしくリアルになってきます。

マリアの衣装の色もブルーでほぼ固定です。当時高級だったラピスラズリを使った青です。

ラピスラズリといえば、フェルメールのイメージかもしれませんが、フェルメールだけが使っていたわけではないのです。

ラピスラズリを使った青はウルトラマリンブルーと呼ばれて高貴な宗教画、特に聖母マリアの衣装にはよく使われる顔料だったんですよ♪

 

ラファエロ・サンチェ作 小椅子の聖母

マリアとキリストから威圧的なムードが消えました。

こちらをまっすぐ見る目が印象的ですよね!マリアとキリストの目は、この絵を見ている信者たちに向けられています。

「ルネサンス」とは「再生」という意味です。何を再生してのかといえば、キリスト教以前の文化や芸術です。

キリスト教が「異教」だといって排除していた古代ギリシャやローマの躍動的で肉感的だった彫刻に感銘を受け、絵画もよりリアルな表現へと変化していきました。

今まで、絵画のスポンサーというのは「教会」だったのが、メディチ家などの富豪がスポンサーになっていったという背景もあり、「威厳」に満ち神々しく描くものだとされた聖母子が、「慈愛」に満ちた愛情深く共感できるものへと変わっていきました。

後期ルネサンス(マリエリズム)

パルミジャニーノ作 「長い首の聖母」 1535年

教会に変わって芸術のパトロンとなった富豪や王侯貴族は、そのインテリジェンスをひけらかしたくなってくるんですね。

素朴な慈愛じゃなく、難解で知的ゲームのような絵画が好まれるようになります。

その煽りを受けて聖母子も優美で意味ありげなものに変わってくるんですが・・・・インテリジェンスのマウント合戦はそれほど長くは続きません。

次の時代が駆け足でやってきます!

 

17世紀〜 ドラマチックバロック

お金を持った富裕層が権力を持つと、死後もお金の力で救われようと、免罪符というものを発行します。この免罪符を買うと現世での罪が報われるというお金持ちパラダイスのような制度です。

このような拝金的主義に反発して、信じるものは聖書のみというプロテスタント(宗派)が生まれ、今まで力を持っていたカトリック(宗派)と力を二分するようになります。

その流れに危機感を持ったカトリックが、信者の流出を防ぐために「見る聖書」としての宗教画を利用しようと思いつきます!

 

館長
館長

偶像禁止はどうなったんでしょうか?

印刷技術が発達するまで、聖書はとても高価で、誰でも簡単に手に入るものではなかったんです!

なので、見るだけで感覚的に理解できる宗教画は庶民のハートを鷲掴みします。

 

ビー玉
ビー玉

もう形振りかまってられませんから!

知識のない者にも分かりやすく・・・そして心を動かされるようにドラマチックに!

というのがバロックの特徴です。

これぞバロック

カラバッジオ作 「ロザリオの聖母」1606-1607年

明暗によってどこに注目すべきか明白!

ピラミット型の古典的な構図なんですが、うねるような視線誘導により動きがありドラマティックな演出が施されています。

カラバッジオ 作 ロザリオの聖母子 1606-1607年

ドレープの聞いた赤い布が劇的な場面であることを物語っています!

人間の動作が舞台演技をしているかのように派手で表情がリアル!!

これぞバロックです( ✧Д✧) カッ!!

今まで紙芝居しか見たことがない民衆に、突然大スペクタルな映画を見せたような衝撃があったのではないかと想像します。

 

まぁ、これを描いた画家カラバッジオ は教会が望んでる以上に劇的な場面を描くために、時折受け取り拒否をされたりしてるんですけどね(^▽^;)

そして・・・

ルーベンス作 1604年

時には劇場から現世に下り、クライアントの前にも現れるというサービス精神も忘れません。

館長
館長

会いにくる聖母(アイドル)w

ある意味、親しみ深いですね

 

18世紀以降 自由な表現へ・・・

時代が進むにしたがって、教会の力を弱まっていき、画家も自由に描きたいものを描けるようにもなっていきます。

だからと言って、聖母子が全く描かれなくなかったわけではなく・・


ドメニコ・コルヴィ作 18世紀後半

聖人としてではなく「母と子」の情愛の情景として絵描き続けられていきます。もう観衆に目を向けるでもなく、マリアの視線は愛しいがに注がれます。


ウィリアム・アドルフ・ブグロー作 1893年

親子の情愛というものは時代が変わっても普遍的なものですからね・・時代とともに人々が必要としたのは「威厳」ではなく「共感」へと変わっていったのでしょう。聖母子像も時代によって姿を変えて、いまなお生き残っております!

どうだったでしょう・・駆け足ではありましたが、美術史における聖母子の遍歴をみてまいりました。

制約の多い時代もありましたが、優れた画家たちはクライアントの要望に答えつつも、なにやらこそこそと革新をおこなっており、長い歴史をみると劇的に絵が変わっていったのがお分かりいただけたのではないでしょうか?

最初と最後を見比べると随分違いますもんね(* ̄∇ ̄*)エヘヘ

それでもややこしいという方は、幼児キリストが可愛くなってくるのはルネサンスと覚えていただければ充分でございます。ルネサンスは人間の感情!子どもがかわいいという当たり前のことを再生させて時代でありまました。(エロもねw)

 

本日は最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今週は土日が少々忙しく、1日遅れの開館となったことをお許しください。

また次の開館日にお会いいたしましょう。

たぶん土曜日か日曜日の真夜中で〜す(゚∇゚ ; )

 

コメント

  1. ヨウコの川歩き より:

    ー今まで、絵画のスポンサーというのは「教会」だったのが、メディチ家などの富豪がスポンサーになっていったという背景もあり、「威厳」に満ち神々しく描くものだとされた聖母子が、「慈愛」に満ちた愛情深く共感できるものへと変わっていきましたー
    ってところに激しい納得しました(*´ー`*)
     画集をめったやたら見始めた高校時代に、図書室であの「可愛くないキリスト」を観て友人と笑い転げたのを思い出します。まったく、何も知らない顰蹙な女子高生でした(^0^;)

    • ビー玉 ビー玉 より:

      ヨウコさん、コメントありがとうです♪
      いやいや・・私は今でも笑い転げてます(≧∇≦)
      時代によって流行りがあるので、同じテーマを時代の流れてみると、面白いなって思いました♪
      ちょっと他のテーマでもやってみたくなりました(((uдu*)ゥンゥン

  2. いや~パオロ作のが…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル 

    曼☆画太郎の絵みたい。

    • ビー玉 ビー玉 より:

      ましゅーさん、コメントありがとうです♪
      曼☆画太郎なつかしいっっ!!今はどうしておられるのか(´-ω-`)

  3. Nick Ollie より:

    前半のキリスト。宗教画で崇拝の対象のはずなのに、こんなに笑ってしまったのは初めて。吹いてしまった。不謹慎な私、、、だって、ひどくて面白すぎる。

    • ビー玉 ビー玉 より:

      Nickちゃん、コメントありがとうです♪
      いやいや・・・私も大笑いしながら面白い絵を集めていたりするので、それでいいのです( ✧Д✧) カッ!!
      面白い絵は笑っちゃいましょう(≧∇≦) クリスチャンの方がみてたらすいませ〜〜ん!

  4. 伏兎 より:

    パオロの作品が秀逸wwwwwウィリアム作と並べて載せているアイキャッチ画像が特に衝撃過ぎます(;´∀`)…ァハハハ…ハハ…ハ…
    時代の移り変わりとともに、同じ題材でも作画は変わって行ったんですね。

    • ビー玉 ビー玉 より:

      伏兎さん、コメントありがとうです♪
      いや〜パオロの絵は当時からお笑い路線だった気がしてならないんだけどwww これみて祈る気には慣れない気がするんだけど(^▽^;)
      アイキャッチいいでしょ?お気に入りの1枚でございます( ̄∇ ̄)v

  5. marimo より:

    ドメニコ・コルヴィの絵でようやく安心できました^^
    やっぱり私は人間らしいのがいいですね~~~。

    最近、ビー玉さんの記事に感化されて「目線」をめっちゃ見るようになりました♪
    そうすると「こわっ」と思うほど、どこ見てるねん!みたいなのもあったり。母は子どもを見て、子どもはスヤスヤ。(聖母がそれじゃダメなのかもしれませんが)安心です^^

    • ビー玉 ビー玉 より:

      marimoちゃん、コメントありがとうです♪
      安心できてよかったぁε-(´∀`*)ホッ 家に飾るならぜったいに安心できるのがいいよね♪
      目線が気になりだしてきましたか(≧∇≦) 目線とかスポットライトとか誘導線に注目すると美術展が格段に楽しくなります(((uдu*)ゥンゥン
      私が絵の何をみていいのかわからない時に教えてもらったのが目線を追うことでした(* ̄∇ ̄*) 
      スヤスヤ眠る我が子への愛情は癒しだと思うので、聖母的にもありだと思います(((uдu*)ゥンゥン

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