こんばんは!、大人の美術館ナビゲーターのビー玉(@beedama_lab)です。
12月も末、いよいよクリスマスweekですね。
なので、クリスマスらしいお話を紹介したいなと思いまして、過去記事を確認したところ
12月にクリスマスらしい話をしたことがなかったことに気がつきました(汗)
今年こそはクリスマスに話のネタになるような、クリスマスらしい話を紹介したいと思います。
クリスマス特集ってことで取り上げるのはオーディン
オーディーンって北欧神話のですか?
そう、北欧神話のです
キリスト教のメシア(救世主)生誕祭である「クリスマス」と縁がなさそうな北欧神話ですが、調べてみると無視できない共通点がありました。
本日は、あなたを「本当は怖いクリスマス」の世界にナビゲートします
「本当は怖いシリーズ」のパクリですよね
いや、本当に怖いんですって
クリスマスは誕生を祝う日であって誕生日ではない
ジョット作「キリスト降誕」1305年ごろ
12月25日はイエス・キリストの誕生日だと思っておられる方も多いとは思いますが、誕生日ではありません。
という話は、当ブログでも何度か話題にさせていただきました。
聖書にイエス・キリストの生まれた時期についての記述はないんですが、気象状況から紀元前4年ごろの夏〜秋ではないかと言われています(4月5月ではないかという説もあり)。
だったらなぜ真冬である12月25日が「誕生を祝う日」とされたのかといえば、
作者不明『都市のモデルを持つコンスタンティヌス1世皇帝』1000年ごろ
4世紀半ば、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世が当時絶大な人気のあったキリスト教を国教に定めることで広がりすぎた国をまとめようとしました。
とはいえ、ローマの神々や、ミトラ教の太陽神を信仰していた人が簡単に受け入れることはできませんよね。
そこで皇帝は名案を思いつきます。
「土着的な太陽神のお祭りと、イエスの誕生祭を一緒にしたら受け入れやすいんじゃね?」と!
ようするに、キリストは太陽神の生まれ変わり、もしくは復活した姿としたんです。
そんな感じの力技で冬至の12月25日がイエス・キリストの誕生を祝う日とされました。
無謀に思えたその名案は大成功。
その後、キリスト教は地域の土着的な神様や伝説を雪の上を転がる雪だるまのように飲み込み大きくなっていきます。
クリスマスの夜に良い子にプレゼントを配るサンタクロースもそんな飲み込まれ組のひとり。
サンタクロース=聖ニコラウスの違和感
サンタクロースのモデルとなったは聖ニコラウスというのが定説です。
聖ニコラウスは実在の人物でキリスト教の司祭。
ニコラウスは事業に失敗して娘を売春宿に売らないといけないと嘆いていた貧しい家に匿名で多額の金を投げ込み娘たちを救いました。
そんな逸話からサンタクロースの原型になったと言われています。
「肉屋から3人の子どもを救う聖ニコラウス(アンヌ・ド・ブルターニュの大いなる時祷書)」6世紀
また、子どもをさらって殺して塩漬けし、商品として販売していた肉屋から子どもを救ったという伝説から子どもの守護聖人としても知られます。
その救われた子どもって、バラバラにされて7年間塩漬けにされていたのを生き返らせてもらったんだとか!
想像すると怖すぎる(((;꒪ꈊ꒪;))):
聖人はあくまでも人間ですし、7年も前に亡くなった死者を蘇らせるのは無理でしょう
娘の話はともかも、子どもの救出伝説はまゆつばっぽいですね。
ニコラウスがサンタクロースのイメージになったというのは本当かもしれませんが、ニコラウスひとりで現代のサンタクロースの原型になったというには弱いっ。
ニコラウスは現在のトルコで生まれて、トルコの教会の司祭です。
3〜4世紀ごろはおいそれと海外に行ける時代でもなかったので、北極圏に生息していたトナカイを見たことすらないかもしれません。
北欧出身のサンタクロースが赤い衣装に身を包み8頭のトナカイがひくソリに乗り、クリスマスに子どもたちにプレゼントを配るというイメージは、じつはそれほど古いイメージではありません。
1822年、米国教会の司教ムーアが娘のために書いた詩「サンタクロースが来た」が発表されたことで現代のサンタクロースのイメージとなりました。
ただこれはムーアの創作ではなく、神話などの伝承から着想を得たものでした。
そして、サンタクロースの元となったものが北欧神話のオーディンではないかという説があるのです。
オーディンとサンタクロースの共通点
オーディンは北欧神話の最高神
自分の片目と引き換えに知恵の泉の水を飲み、世界中の知識を手に入れます。
オーディンはその知識から、神々の世が永遠ではないことを知ります。
そこで8つの足を持つ愛馬スレイプニルを駆り、神々の最終決戦ラグナロクに備えて優秀な戦士を集めるんです。
優秀な戦士とは、勇敢に戦った戦死者の魂のことです。
フランツ・シュトゥック『ワイルドハント』1889年
戦士の魂を集めるために、時にはわざと戦争を起こさせたり、自ら戦士を殺したりもすることから、戦争と死の神として人々から恐れられていました
戦争と死の神と聞くと、サンタクロースとかけ離れた存在のようですが、共通点はいくつかあります。
ニコライ・アルボ『オーディンのワイルドハント』1872年
集めた戦士たちは軍勢となり空を駆け巡ります。
これをワイルドハントと言うんですが、クリスマス頃に活動が活発になります。
このワイルドハントを目撃してしまうと勇敢さとユーモアを試され合格した者は財産と成功を与えられます。
対して不合格になった者は連れ去られてワイルドハントの一員として生涯休むことなく連れ回されることになります。
軍勢に加えるなら勇敢な者を連れ去ったほうがいいような気がしますが
鍛えなおしてくれるんじゃないですか?
その道中、名馬スレイプニルに干し草などを与えた子どもに対してオーディンはキャンディやお菓子などを配るという優しさも見せます。
ワイルドハントが活発になる時期になると、子どもたちは暖かい暖炉の前に干し草を入れたブーツを置いておくというのが習慣になっていったんだとか。
ね?ちょっとサンタっぽくなってきたでしょう(*´﹀`*)?
ちなみにワイルドハントが通り過ぎるときの軍勢の雄叫びやスレイプニルの蹄、オーディンののる馬車の轟音は雷鳴や稲妻に例えられます。
そのことから、ワイルドハンドって冬の嵐のことなんだろうなと想像できます。
吹雪の夜は外にでると危ないから、外に出るなっていう教訓なのかな?
北欧神話がキリスト教に飲み込まれる時に、オーディンは子どもたちにお菓子を配るサンタクロース、8つの足をもつ神馬スレイプニルは8頭のトナカイとなっていったんのでしょう。
サンタクロースのトナカイでDonder(ドンダ-)とBlitzen(ブリッツェン)と言う名のトナカイがいるんですが、ドイツ語で「雷鳴と稲妻」の意味だというのも興味深い。
善と恐怖、ふたつに別れたサンタクロース
じつはサンタクロースってトナカイ以外にも相棒がいるって知ってました?
ブラックサンタと呼ばれる存在で、サンタクロースは子どもたちにプレゼントを配る存在ですが、ブラックサンタは良い子にできなかった子どもを、持っている大きな袋に入れてさらうんです。
日本でいうところの「なまはげ」的な存在ですね
おそらく、死者の魂をさらうオーディンと子どもたちにお菓子を配るオーディンが善いサンタと怖いサンタに別れた結果なんでしょうね。
アメリカや日本には善いサンタクロースの伝説だけが伝わりました。
さて、オーディンがサンタクロースの原型だとすると恐ろしくなるのがクリスマスツリーなんですよ。
本当は怖いクリスマスツリー
ヴィゴ・ヨハンスン『きよしこの夜』1891年
北欧のヴァイキングの世には、敵戦士の遺体を木にぶら下げて生贄とし、戦勝を願うという習慣がありました。
オーディンがひきいるワイルドハントが凱旋する際には木に多くの遺体が吊るされたんです。
また
オーディンはより多くの知識を得るために自らを生贄に捧げたという逸話も残っています。
世界樹の枝で首を吊り自らを槍で突き刺したまま9日9夜すごしたそうです。
神様だから死なないんでしょうけど、なかなかワイルドで血生臭い逸話。
オーディンは自らを生贄にしたことで魔法(ルーン文字)を得ました。
タロットカードの「吊るされた男」というカードはこの時のオーディンの姿だとも言われています。
キリスト教的にはクリスマスツリーはアダムとイブが食べた知恵の実の樹で、赤い飾りはりんごを表現していると言われますが・・・
本当のところはどうなんでしょうね
生贄を吊るした木をを想像すると、クリスマスツリーに飾られた赤い飾りが禍々しいものに見えてくるんじゃないでしょうか?
クリスマスに目を輝かせている子どもたちにはできない話です(((;꒪ꈊ꒪;))):
楽しいクリスマスにはとても話のネタにできないような話になってしまってすいませんっ
本日は以上です。お読みいただき、ありがとうございます。
では、皆さまよいクリスマスを〜〜(*ˊᵕˋ*)੭
こちらの本は挿絵がゆるくて、だからこそ想像が膨らんでよかったです。
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コメント
なんかクリスマスもキリスト教の思惑が見え隠れしてて面白い。まだツリー飾ってなくて、今日飾ろうかなと思ってたけど、やめようかしら。なんか血生臭い気がしてきたし、、、ブルブル
Nickちゃん、コメントありがとうです♪
いやいや・・忘れてください
反省しております_(┐「ε:)_