こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。
あなたは「宗教画」と言われて魅力を感じますか? 好きですか?
現代の日本では、「好き」と即答する人は少ないと思います。が、ラファエロはお好きですか?と聞かれたら、好きだと答える人は多いんじゃないでしょうか?
ラファエロ・サンティ「小椅子の聖母」
1513 - 1514年頃
ピッティ宮殿パラティーナ美術館
ラファエロの描く聖母は、気高いけれども庶民的で、母の慈愛に満ちています。
そんな世界共通ともいえる母親への理想像が、宗教という垣根を超えて人々の共感を得ているんだろうなぁ・・と思います。
本日はラファエロの聖母像の秘密に迫ります。
よろしければ最後までご鑑賞ください。
ラファエロ・サンティってどんな人?
こちらは、彼が10歳の頃に描いた自画像・・・超美少年( ✧Д✧) カッ!!
こちらは、大人になってからの自画像・・・画家にとっての自画像は、宣材写真のような役割も兼ねていたので、それなり美化されているであろうとはいえ、かなりのイケメンです。
実際に相当モテたらしく、数えきれないほどの愛人がいたようですよ( ̄▽ ̄;)
私の持論ですが、女性関係の激しい男性は、もれなく「理想の母親像」を女性に追い求めていると思っています。ラファエロもそんな一人だったんじゃないかな?
ラファエロの実母は彼が8歳の頃に他界しているので、その理想はかなり肥大していたと思われ、彼の得意としていた聖母子像は理想的な親子の愛に満ちています。
そう、彼の理想の母親像は気高く、それでいて素朴で慈愛に満ちた美しくて優しい人・・・
そんな全部入りの人なんていないよ!って思うんだけど、ラファエロは根性で見付けちゃいます。
結婚できなかった永遠の恋人マルガリータ・ルティ
ラファエロ・サンティ『ヴェールを被る婦人の肖像』1512-15年
豪華な婚礼衣装に身を包んでいるのは、恋人のマルガリータ・ルティ。
ラファエロの別荘近くにある、パン屋の娘だと言われています。彼女は、まさにラファエロが抱いている、理想の女性像と一致していました!!
彼女と出会ってから描かれた聖母子像は、実に親しみやすく、愛に満ちていて印象に残ります。
ラファエロが生涯で最も愛した女性と言われていますが、結婚はしていません。
ラファエロは出世欲が強く、庶民の娘であるマルガリータと結婚するわけにはいかなかったんです。
ラファエロが婚約者に選んだのは、パトロンであった枢機卿(キリスト教の偉い人)の姪でした。
その頃に描かれたのが、この「ヴェールを被る婦人の肖像」です。
本当の花嫁にはしてあげられないけど、絵の中では「マルガリータ、君だけだよ・・・」みたいな?
どうしようなく好きだったら、胸キュンポイントになるんかな?
この絵ね、目に注目すると凄く悲しげで、辛くなるんですよ・・
涙を溜めているようにも見えますよね・・マルガリータが実際にそんな表情をしていたのかは分かりませんが、少なくともラファエロにはそう見えていたんでしょう。
そんなラファエロは、どうしても婚約者との結婚に踏み切ることができなったようです。
そして、ラファエロが結婚から逃げ続けている間に、婚約者は亡くなってしまいます。
だからといって、マルガリータとは結ばれるわけではありません。それは、パトロンである枢機卿からの援助の条件が独身でいることだったから・・・
そして、愛よりも出世を選んだラファエロの思いも虚しく、彼は37歳という若さにして亡くなってしまいます。
結局、ラファエロの決断は、婚約者とマルガリータ、2人の女性を不幸にしただけに終わりました。
そんなラファエロの死後、60年も経ってから、一枚の絵が見付かります。
秘密の恋人
ラファエロ・サンティ作 「ラ・フォルナリーナ(パン屋の娘)」
「ラ・フォルナリーナ」は、フランス語でパン屋の娘という意味なんだとか・・
まったく美化されることなく描かれたマルガリータ・ルティです。
絵の右下には
非売品を表す「E.I.」の文字
腕には、ラテン語で「ウルビーノのラファエロ」
自分のモノであるという証の腕輪です・・・
(T^T)ウウッ・・・・もういいんじゃない??
幸福とか不幸とか、この際どうでも・・・
希代の天才画家ラファエロに生涯愛された・・
これだけで女として充分じゃない( ノД`)シクシク…
マルガリータさんはラファエロの死後、修道女となって生涯独身を貫きました。
ラファエロは婚約者とともに埋葬され、古代建造物のパンテオンに眠っています。
そんな死後も一緒にはいられなかった2人ですが・・・
永遠の2人
ラファエロ・サンティ作 「アテナイの学堂」
このラファエロの代表作の中に、ラファエロとマルガリータが(※諸説あり)描かれています。
ちょっと離れた場所ですが、絵の中では永遠に一緒にいられるのですよ・・・
さて、2人はどこにいるんでしょうね( ̄▽ ̄)ニヤ
画面の右と左、向かい合うような位置に描かれています。
二人とも画面のこちら側を見つめています。
絵を眺めている未来の私たちに向かって「二人は未来永劫一緒だ」と宣言しているようではありませんか?
本日は以上です。お読みいただき、ありとうございます。
またのご来館を心よりお待ちしております。
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