「ムンク展ー共鳴する魂の叫び」を楽しみ尽くすための観覧ガイド!

画家

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こんばんは!ビー玉です。

今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・

本館、【大人の美術館】は、素人の素人による素人のための妄想美術館です。いわゆる “常識” とされている見解と違う箇所もあるかとは思いますが、ゆる~い気持ちでリラックスしながらご観覧ください。「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します・・・

えっと本日は、東京都美術館で開催中「ムンク展ー共鳴する魂の叫び」に合わせてムンクの企画展をしたいと思います。

実は以前に一回ムンクの特集をしたことがあるんですが、当美術館の前身となるブログから引っ越しした際に記事が行方不明になってしまいまして、書き直しとなります。前回のムンク特集を読んだことがある人には重なる部分も多々あると思いますが、お時間よろしければ最後までお付き合いください。

 


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ムンク展ー共鳴する魂の叫び

ムンクの代表作である「叫び」が初来日です!!

じつはこの「叫び」は同じテーマで書かれたものが彩色画だけでも4枚あります。

① クレヨン 厚紙 オスロ市立ムンク美術館所蔵
②テンペラ+クレヨン 厚紙 オスロ国立美術館所蔵
③パステル 厚紙 個人所蔵
④テンペラ+油彩 厚紙 オスロ市立ムンク美術館所蔵

最も有名なのはオスロ美術館所蔵の②ですが、今回来日するのは4番の「叫び」です。

※ムンク展で見られます!

本当は叫んでない

この絵の真似をして「叫びポーズ」をした人もいるんじゃないですか?

何かに恐怖して叫んでいる絵だと思っている人も多いと思いますが、実はこの人物は叫んでいなんです・・・

友人と一緒に歩いているときに、空が血の色に染まり、自然を切り裂くような叫びがムンクには聞こえたそうです。

絵の中の人物はムンク自身で、叫んでいるのではなくて、叫び声から耳を塞いでいるんです。前を歩く友人たちは何ごともなかったようにムンク置いてを先を歩いているので、もちろん「叫び」はムンクにだけ響いている幻聴です。

わざわざ去りゆく友人たちを描き込んでいるところをみると、恐怖よりも孤独感を強く感じてしまうんですよねぇ・・・

 

最初の「叫び」を描いた少し前に、ムンクはこんな絵を描いています。

「絶望」手前の男性以外は「叫び」に似た構図。

今回のムンク展では同じテーマの別の「絶望」が観られます。

「絶望」※ムンク展で見られます!

これがリアルな「叫び」の風景なのです。

人間って、心の中でどんなに大声て叫んでいたとしても、本当に絶望に取り憑かれてると静かに佇むことしかできないんですよね・・・

ムンクは、悲しみ、苦しみ、愛おしい、人間の深層を描きたくてもがいた画家でした。

 

「絶望」の心象風景が「叫び」です。これらを一緒に見られるのは「ムンク展」最大のみどころかも!

 

では、「絶望」を感じたムンクの人生を少しみていきましょうか・・・

 

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ムンクとは

エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch)1863年 – 1944年

医者だった父のもとに生まれ、比較でき裕福だったムンクですが、ムンクが5歳の時に最愛の母を、14歳の時に母代わりだった姉を結核で亡くします。ムンク自身も病弱だったこともあり、子どもの頃から死に怯え続ける人生でした。

「病める子Ⅰ」※ムンク展で見られます!

そんなムンクは死への恐怖心を絵にぶつけていました。なので絵は生(性)と死がとても近いのです。

初恋は人妻

すれ違った女性が振り返らずにはいられないほどのイケメンだったというムンクの初恋は少し遅くて22歳。しかも人妻!!

恋愛初心者にはハードルが高い人妻に手を出すなんて・・・って思ったら!

ムンクはこんな言葉を残しています。

「僕の初めてのキスを奪った」・・・奪った?!

人妻主導かっ( ✧Д✧) カッ!!

ちなみに人妻の名前はミリー・タウロヴ

人妻だったミリーとの恋愛は、早くに母を亡くしたムンクが求め続けた母性を埋めるようなものだったようです。

そんなミリーとのキスはムンクに強烈なインスピレーションを与えたらしく・・・

「窓辺の接吻」1892年

長年にわたってムンクが描き続ける「接吻」のシリーズです。体を密着させて、まるで一つの塊のように描かれた二人はなかなかエロティックです。

画面の大半をしめる窓の外は「世間」、そこから隠れるようにキスする二人。

ビー玉
ビー玉

一つになりたいという衝動と滲み出るような背徳感が秀逸な一作

月に照らされた男性の白いえりにハッとします。

 

接吻(1892年) ※ムンク展で見られます!

こちらはもう窓の中心で「世間」に見せつけるように抱き合いキスする二人です。最初の「接吻」の背徳感とは真逆な挑発的な作品ですね!

肉感的で力強い一作ですが、個人的にはモロな絵よりも「窓辺の接吻」の方にエロスを感じてしまいます(((uдu*)ゥンゥン

館長
館長

同感です

ど、同感なんだ(゚∇゚ ; )w

 

月明かり、浜辺の接吻(1914年) ※ムンク展で見られます!

もうミリーとはとっくに別れた後の作品です。世間の目も何もない。極端に単純化された二人はムンクの心象風景なのでしょう。

植物と一体化するような二人の背後には女性を表す月と、静かな水面のに映る月の光は形状から想像できるように “男性自身” を表し、十字架を形成しています。ツラい初恋だったと思うのですが、ムンクの中では静かな最終形態(良い思い出)へ姿を変えていったように見えます。

この月と月明かりはの描写はムンクの絵にたびたび登場します!

「神秘の浜辺」1897年 ※ムンク展で見られます!

それを踏まえてみると、よくわからない絵がなんとも色っぽく感じてくるではありませんか?

 

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友人と結婚した女

ムンクは絵の勉強で訪れたベルリンで奔放な恋愛感を持つ女性に出会います。

当時ムンクが入り浸っていた「黒豚亭」という居酒屋で自由を謳歌する芸術家たちと交流を深めていたのですが、そこでマドンナ的存在だったのがダグニー・ユールです。

マドンナ(1895-1902年)大原美術館所蔵

うーん、聖母とは程遠いセクシーなマドンナです。左下に胎児、マドンナを取り巻くのは無数の精子です。受胎告知の場面が描かれていると思うのですが、おそらく左下の胎児はムンクです。周りには無数の男たち・・

ムンクはマドンナに受胎することに成功したってことですよねっ( ✧Д✧) カッ!!

ムンク・・・どこまでも女性に母を求めるね。

ユールはムンクの友人と結婚しますが、その条件は「性の自由」・・

そんなユールはのちに恋人の一人であったロシアの青年に拳銃で撃たれた亡くなり、ムンクに多大なる精神的苦痛を与えます。

ムンク展で見られるマドンナはこちら↓

「マドンナ」(1895年〜1902年)※ムンク展で見られます!

 

「森の吸血鬼」1916年〜1918年※ムンク展で見られます!

吸血鬼というタイトルはムンクの友人が面白がってつけたものです。ムンク曰く、恋人の胸の香りを嗅いでいるんだそうです。だけど虚弱体質だったムンクは女性との性交渉は生気を吸いとられる行為だと考えていたようなので、あながち間違ったタイトルではないかもしれません。

ちなみに初恋以降、ムンクは数々の女性と浮名を流しますが、恋愛対象は人妻多しです(; ・`д・´)

単に人妻フェチだったのかもしれませんが、幼い頃に母と姉を亡くし、死に怯え続けたムンクにとって女性とは憧れの存在であると同時に死へと誘い恐怖を増幅させる、恐ろしい存在だったのではないかと・・なので、女性と本気で向き合ったり、家族を形成することから意識的に避けていたのではないかなぁ・・なんて想像します。

まぁ、人妻だからといって気楽に恋愛できるわけなく、嫉妬や猜疑心に苦しんだようですが、ムンクの場合はそのツラさが作品を描くのに必要だったと語っています。

そんなムンクは独身女性との恋の末に恐ろし事件に巻き込まれます。

 

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人妻ではない女

ムンク30代半ば頃、トゥラ・ラーセンのと恋に落ちます。数年の交際を経て次第にトゥラはムンクに結婚を迫るようになりますが、ムンクは逃げ腰になり距離をおくようになります。

 

「生命のダンス」1925年 ※ムンク展で見られます!

その頃に描かれたのが「生命のダンス(1899年)」です。一つの絵の中に時間軸を左から見に過去・現在・未来へと愛の移り変わりが描かれています。(ムンク展で見られるのは1925年に描かれたもの)

真ん中の男性はムンク自身、女性は初恋人ミリーとも当時の恋人トゥラとも言われています。私は女性全般、ムンクの中の記号的 “女性” なのかな?って思っているんですけどね(((uдu*)ゥンゥン

銃暴発事件

「マラーの死」1907年 ※ムンク展で見られます!

そして、事件は起こります!結婚から逃げ回るムンクにしびれを切らしたトゥラは「結婚してくれないと死んでやる」とばかりに拳銃を胸に当てムンクに結婚を迫ります!!

それを止めようとしたムンク!!二人はもみ合いになり、拳銃が暴発しムンクは左指の薬指を失うのです。

この事件直後に、トゥラとは別れますが、トゥラはムンクの知人と結婚します。逃げ腰だったハズのムンクですが、このことを裏切りだと感じて、しばらくトゥラに執着しました!(人妻になったからか?)

父と弟の死、妹の精神崩壊、身内の不幸が重なる中、命は助かりましたが、この事件が決定打となりムンクは精神を病みます。

そんな苦しみの最中に描かれたのが4枚(版画を入れると5枚)の「叫び」なのです。

ムンクは病院に長期入院し、人としての精神の均等は取り戻しましが、ムンクの絵の特徴であった孤独や不安が消え、絵は格段に明るくなりました。

庭のリンゴの樹(1932年〜1942年)※ムンク展で見られます!

ムンクの世間的な名声は上がっていきましたが、平穏を得たことで、芸術家としての命は消えてしまった・・・私には、そのように思えます。それがムンクにとって幸せだったのか不幸せだったのはわかりません。

死に怯え続けたムンクは意外にも80歳と長生きしたんです!ムンクの枕元に立ち続けた黒い天使(死神)は「叫び」の画家としての魂だけで満足したのかもしれません・・・

 

オマケ

ムンクの絵は何度も盗難にあっていますが、いずれもすぐに見つかっています。

それは比較的容易に真作か贋作かを判定できるポイントがあるからです。

ムンクは、荒療治(ヘステキュール)と呼び、自分の絵を傷つけたり汚したりする癖がありました。そうすることで絵に命が宿ると信じていたようです。

今回来日した「叫び」ではないですが、オスロ国立美術館所蔵の「叫び」が盗難に遭い、見つかった時もムンクがつけたロウのあとが証拠となり、美術館に戻されました。

歪んだ愛ではありますが、ムンクの愛がのちに自分の絵を守ったんですね・・・

ムンク展でも、そんな「荒療治な愛」がたくさん見られると思うので、確認してみてくださいね(*゚▽゚)

 

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ムンク展の基本情報

【ムンク展ー共鳴する魂の叫び】

●開催場所:東京都美術館
(〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36 東京都美術館企画室)
●期間:2018年10月27日(土)〜2019年1月20日(日)
●時間:9:30~17:30 ※金曜日、11月1日(木)、11月3日(土)は午後8時まで
(入室は閉室の30分前まで)
●休館日:月曜日 (ただし、11月26日、12月10日、24日、1月14日は開室)、
12月25日(火)、1月15日(火)

●観覧料

一般大学生高校生65歳以上
当日1,600円1,300円800円1,000円

●チケット販売場所

本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。当館は毎週土曜日の深夜に開館します。また来週お会いいたしましょう(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ

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