新古典主義(ネオ・クラシシズム)ってなに?印象派の前に立ちはだかった美の巨人!

新古典主義、ロマン主義、写実主義

こんばんは、ナビゲーターのビー玉(@beedama_lab)です。

本日は聴き慣れないかもしれない新古典主義のことをどこよりも簡単にわかりやすくをモットーに紹介します。

なぜ聴き慣れないか・・・それは日本で印象派の人気が絶大だからです。

新古典主義の巨匠たちは印象派が大嫌い(゚∇゚ ; )

印象派が登場した頃に圧力かけまくったせいで、印象派が人気を得るごとに巨悪扱いされていったのが新古典主義。

では、恒例の無理やり擬人化(女性)シリーズ

12〜15世紀ガチガチのお堅い優等生タイプのゴシック
14〜16世紀明るくエロを叫ぶオープンエロのルネサンス
16世紀私に近づくことは許さない!ドS女王様のマニエリスム
16〜18世紀過剰な愛情であなたを繋ぎ止めたいメンヘラバロック
18世紀楽しければいい♪盛り盛りギャルのロココ
18〜19世紀上下関係にやたらと厳しいモラハラ女子の新古典主義
19〜20世紀いつもで流行の最先端、意識高い系女子の印象派
19世紀いつもなにもないところを凝視している不思議女子の象徴派
20世紀個性的にしか生きられない!藝大系女子の20世紀芸術

新古典主義・ロマン主義・写実主義の記事一覧

 

新古典主義は「上下関係にやたら厳しいモラハラ女子」とさせていただきました。

18世紀末〜19世紀にフランス美術において絶対無二の重鎮として君臨したのが新古典主義。

新しいのか古いのがどっちやね〜〜んって感じの名前の美術スタイルですが・・ほぼほぼ19世紀ですからね。古典と言うほど古くもないという(゚∇゚ ; )

新古典主義は私がそれほど詳しくはないため、この美術館でもちゃんと取り上げるのは初めてだと思います(゚∇゚ ; )

そして、興味がある人がどれほどいるのだろうとドキドキの本日(; ・`д・´)

 

館長
館長

そこそこ人気はありますからっ

新しくてクラシック、実はかな〜りなむっつりスケベは新古典主義の世界にあなたをナビゲートします。

よろしければ、最後までお付き合いください。

新古典主義(ネオ・クラシシズム)ってなに?

ダヴィット『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』 1805-07年

【新古典主義の特徴】
・ルネサンスの巨匠をお手本とした美しい構図と滑らかな肌
・神話画や歴史画を格調高く描く
・権威主義

フラゴナール『ぶらんこ』1767年(ロココ時代の代表作)

ふわふわと明るく軽薄な美術スタイルだったロココ文化はフランス革命とともに断頭台の露と消え、そのあと、18世紀末のフランスに現れたのが新古典主義。

フランス革命で勝利を勝ち取った庶民たちは貴族文化を嫌い、「チャラチャラしてんじゃねぇよって」って感じで、古典的なギリシャやローマの神話をモチーフにした骨太な美術スタイルを作り上げていきました。

ブーシェ作 『ポンパドール夫人』 1756年

フランス王宮華やかなりし頃のロココのふわふわドレス♡のあとの・・・

 

ジャック=ルイ・ダヴィッド『ホラティウス兄弟の誓い』 1784年

おっさん( •ὢ•)

それが新古典主義!以上!!

 

館長
館長

ビー玉さん、もう少し興味を持って

まぁなぜ「新」がつくのかといえば・・とにかく大袈裟な表現が好まれたにもバロック時代(17世紀頃)にも

プッサン
プッサン

もっと落ち着いていこっ

って、感じでルネサンスに活躍したラファエロのように、だれもが美しいと思えるような古典的な美術を推した古典主義があったんです。

なので、18世紀にブームとなった古典主義には新をつけて『新古典主義』と区別しました。

17世紀の古典主義は正直パッとしなかったんですが、18世紀は革命後という時流にのって美術界の絶対権力として力をつけていき、いつしか『芸術アカデミー』西洋絵画にとっての唯一の王道となっていきます。

近代美術への大きな壁となって立ちはだかった新古典主義なので、美術界の老害扱いされることが多いですが、新古典主義があったおかげで反発するロマン主義とか印象派という新しい芸術スタイルが生まれたのだから、決して老害などでは・・あれ?老害??

でもね、美術界の王道と言われるだけあって、誰が見たって美しくて圧倒されるような迫力があるのですよ(((uдu*)ゥンゥン

では、そんな新古典主義を牽引した画家を見ていきましょう。

けっしておっさん絵ばかりじゃいのでご安心を(*´﹀`*)

雑誌アート

ジャック=ルイ・ダヴィッド(1748〜1825年)

ダヴィッド『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト』1801年

おっさんやん?というい苦情は受け付けませんw

このおっさんはフランス革命後のフランスの指導者となった有名な「英雄ナポレオン」です。

ものすごく凛々しい姿で、さすが英雄「かっこいい〜〜〜💕」って思うんですが、実際の姿は・・・

アルプスをサラブレットで越えるとか無理だし、ナポレオンは乗馬があまり得意ではなかったこともあり、実際に頑張ったのはロバでした。

しかも、ナポレオンは「肖像画は本人に似てる必要はない」としてモデルになることは拒否。

洋服だけを画家のダヴィットに渡して、ダヴィットは仕方なく弟子にナポレオンのコスプレをさせて肖像画を描いたんです。

ダヴィットはナポレオンお気に入りの画家だったので、ナポレオンの肖像を多く残しています。

私たち現代人はそんなダヴィットの絵をみてナポレオンだと思っているんですが、じつは別人だったというね(^▽^;)

ナポレオンは現実よりもかっこよく描かせて「絵」をイメージ戦略に使ったんです(((uдu*)ゥンゥン

ダヴィットは心酔するナポレオンに入れ込みすぎてしまったっため、ナポレオンの失脚とともにベルギーに亡命することなり、20世紀までフランス画壇からは忘れられた画家となってしまいました。

雑誌アート

アレキサンドル・カバネル(1823 〜 1889年)

 

アレクサンドル・カバネル『ヴィーナスの誕生』(1863年)

どうよ!この滑らかな肌を!!

これぞ新古典主義の真骨頂です。画像だからタッチがわからないだけでしょ?というのではなく、実際に絵を前にして、どんなに近づいても筆跡を確認することはできません。

徹底的に筆跡を残さない丁寧な仕上げこそが新古典主義の特徴で、アカデミーに認められるための最低限の条件とも言えました。

滑らかな肌=ヌード

エロに走るのは必然です(((uдu*)ゥンゥン

ナルシスチックな男たちの暑苦しい絵ばかりが新古典主義ではないのです。

当時は神話に登場する女神ならば裸を描いても「よし」とされおり、女神方面ではエロをつ極めていくことになります。

お堅いイメージの新古典主義ですが、エロに関してはこの時代が一番ヤバい気がする。

カバネルの描くヴィーナスは今まさに誕生したばかりの処女なのに、この色っぽさなんですよ。

まさにヌードグラビア以外の何物でもないのに、ギリシヤ神話の女神だから格調高いってことで、どんなに際どくてもOK( *• ̀ω•́ )b グッ

それこそが新古典主義!!

このカバネルが、マネの「草上の昼食」や「オランピア」を下品だとしてサロン(官展)への出展拒否していたっていうんだから、今の感覚では理解不能です(^▽^;)

マネ『オランピア』1863年

そしてギリシヤ神話に登場する女神だけでは飽き足らずオリジナルキャラを生み出しちゃった画家もいます。

ドミニク・アングル

アングル『泉』1856年

重そうな水が入った瓶を軽々かかげるこちらの少女はもちろん人間の女性ではなく、泉の精なんです。

ギリシャ神話にはそんなキャラクターは存在しないんですが、ギリシャ神話の世界では日本の八百万の神のようにたくさんの神様がいたので、「泉の精」だっているでしょう?

という無理やりな解釈でアングルが作りあげたオリジナルキャラクターが泉を擬人化したこの少女。

なぜ彼女が人間でないとわかるのかといえば、足元に注目すると水の上に浮いてます。そして水の入った水瓶を軽々担ぎ、人間じゃないので体毛もなければ体には傷やシミなんてものはただの1つもない滑らかな肌を持っているんです。

しかも・・美術アカデミーの重鎮だったアングルはもっと「裸が描きたい」って感じで描いのがこちらのトルコ風呂

これね、トルコの後宮の女性たち。女神でも精霊でもないのに、ヌードに厳しい時代になぜ描けたと思います?

古のトルコでは、女性たちが集団で入浴するという「歴史」があったと、なんと無理やり西洋絵画のヒエラルキーの頂点「歴史画」扱いにしたんですよ。

さらに!「キャンパス」を丸く切った方がのぞき穴っぽくてエロくない?ってことでキャンパスを丸く切り取りました。

 

絵画界のヒエラルキーのてっぺんが歴史画

こののぞき趣味全面開放の絵が絵画界のヒエラルキーの天辺に君臨する不思議(^▽^;)

・・・・・。

どの口が歴史画とか言っとんね〜ん( ๑º言º)!!

とツッコミを入れずにはいられないほのど荒技を繰り出します。

このエロを描くことに関しては手段を選ばないアングルは新古典主義を立ち上げたダヴィットの弟子で、新古典主義の最大の画家でミスターアカデミックとかアカデミーの父と言われた画家ってのが面白い!

ビー玉
ビー玉

変態級のアングルは嫌いじゃないですw

一党独裁の世界はやりたい放題(≧∇≦)

雑誌アート

新古典主義まとめ

18世紀末から19世紀までの西洋美術界において美術界の王道となっていった新古典主義は、美術界の最大権威であった芸術アカデミーに認められて、サロン(官展)が賞を与えた者のみが作品を発表する機会すら与えないというゴリゴリの権威主義。

この例に漏れた画家たちの作品は発表する場所を奪われます。

19世紀になると、そんな権威主義に意を唱えた小さな美術スタイルが多く誕生します。

官展に落選した画家たちが集まって独自の展覧会を開催し真向勝負を挑んだのが印象派です。

共通の大きな敵がいるというのは盛り上がりますからね(((uдu*)ゥンゥン

↓印象派についてはこちらの記事をご参照ください。

マネは印象派?みんな大好き印象派は誰がいつ作ったの?
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その後の美術の発展を思うと、新古典主義の役割は小さくはなかったように感じます。

最近になって巨悪扱いだった新古典主義の巨匠の作品も見直されてますし、美術は多様性の時代に進んでいったということですね。

****新古典主義・ロマン主義・写実主義の記事一覧****

モラハラ女子の新古典主義(ロマン主義・写実主義)

上下関係にやたら厳しく逆らうと恐い。印象派とは犬猿の中

本日は以上です。お読みいただきありがとうございます。

またの御来館をお待ちしております(*ˊᵕˋ*)੭ SeeYou

 

コメント

  1. ( ゚д゚)ウム やはり、人類のエロへの執着心よ。(笑)

  2. ねぇやん より:

    馬に乗るナポレオンの絵は有名ですよね♪
    この峠を超えるのに、どれだけの山岳救助犬のお世話になった事か…(((uдu*)ゥンゥン

  3. Nick Ollie より:

    うん、エロなおっさんがおっさんを描くのに飽きて、宗教や歴史を口実に筆跡も見えないほど肌スベスベの恍惚状態の裸体の美女を描いたのが、新古典主義ってことかー。

    こういう理解でいいでしょうか?

  4. aiai より:

    ナポレオンよ、「肖像画は本人に似ている必要はない」と、なぜ思った?w(イメージ戦略だと言っていた)
    今も昔も自分を盛って見せたい気持ちは変わってないんだね~( *´艸`)

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