こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。
国外に出すことができない門外不出の名画というものがあります。
徳島県『大塚国際美術館』
壁画などは建物を壊さないと持ち出せない。
信仰の対象になっていて動かす概念すらない。
劣化が激しくて持ち出せない。
大きすぎて動かせない。
動かすとよくないことが起こる(心霊的なものではない)
などなど・・さまざまな理由から国外持ち出し禁止になっている名画たちです。
コロナ禍の今、海外に観に行くのも難しいですもんね。
当美術館では観に行った気持ちになってもらおうという企画です。
本日は、現地に行けない観られない門外不出の名画の世界にナビゲートします。
よろしければ最後までお付き合いください。
じつは失敗作だった ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》
徳島県『大塚美術館』
レオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》は今でこそ名画中の名画と言われていますが、作られた当初は失敗作だと言われていました。
壁画にはフレスコ絵の具で描くという常識を無視して、剥がれやすいテンペラ絵の具(卵や蜂蜜が原料の絵の具)を実験的に使っちゃったものだから、描いてる側から剥がれてきていました。
それを見ていた注文主の頭に浮かんでいたのは「失敗」という2文字。
そんな壁画が!屋根が半分吹き飛ぶような爆撃にも奇跡的に耐え、500年先の現代まで残るとは誰も想像できなかったことでしょう。
よくぞ、今まで残った!
でも、かなり脆いのです。
建物の壁に描かれているので、持ち出すことはもちろんですが、劣化を防ぐために観る人数も制限されています。
今後日本でこの壁画をみることは何があろうともあり得ません。
【製作者】レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci )
【年 代】 1495年 - 1498年
【種 類】壁画、テンペラ
【寸 法】 420cm × 910cm
【所 蔵】 サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院(Chiesa di Santa Maria delle Grazie)
【所在地】イタリア、ミラノ
オーストリアの秘宝 クリムト《接吻》
【製作者】グスタフ・クリムト
【年 代】1907-1908年
【種 類】油彩、金箔、銀箔、カンヴァス
【寸 法】 180 cm × 180 cm
【所 蔵】 ベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館(Österreichische Galerie Belvedere)
【所在地】🇦🇹 オーストリア(ウィーン)
(画像出典:ベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館公式サイト)
《接吻》に関する詳しい記事はこちら↓
街中にはレプリカも溢れてます。
門外不出だと聞くと「あれ?来日してなかったっけ?」って思う人が最も多い名画ではないでしょうか?
門外不出なんですよぉ(ΦωΦ)フフフ…
大いなる巨人 レンブラント《夜警》
【製作者】レンブラント・ファン・レイン
【年 代】 1642年
【種 類】カンヴァスに油彩
【寸 法】 幅4.54m × 高さ3.79m
【所 蔵】 アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam)
【所在地】🇳🇱 オランダ(アムステルダム)
貸し出し時の保険料だけで国家予算レベルになりそうですね
Operation Night Watch
なんて貴重な!!!!
狂気を永遠に封じ込められた ココシュカ《風の花嫁》
風の花嫁(Bride of the Wind)
【作 者】オスカー・ココシュカ
【年 代】1913年頃
【種 類】油絵
【寸 法】181cmcm × 220cm
【所 蔵】バーゼル市立美術館 (Basler Kunstmuseum)
【所在地】🇨🇭スイス(バーセル)
稀代の魔性の女アルマ・マーラーに翻弄されまくったココシュカ。
アルマは典型的な才能を愛する女。才能から才能へひらひらと舞う美しき蝶。
誰も彼女を1人の天才に止め置くことはできません。
ココシュカはそんなアルマに心酔した若き画家の1人でした。
アルマは結婚を迫るココシュカに「傑作が描けたら結婚する」と囁き、その言葉を受けて描かれたのが傑作《風の花嫁》
結果的にはココシュカはアルマと結婚できずにストーカー化しちゃうんですけどね(ノД`)シクシク
詳しくはこちらの記事をご参照ください
暴走する気持ちを絵に閉じ込めるように、絵の具を幾重にも塗り重ねるうちに、絵の具が厚くなりすぎて少しの振動で剥がれ落ちるほどに・・・。
風の花嫁はココシュカの重すぎる愛ゆえに永遠に身動きが取れなくなってしまった名画なのです。
隠された名画 ピカソ《ゲルニカ》
(ゲルニカ市にある実物大のタペストリー 画像出典wiki)
【製作者】パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ(長っw)
通称:パブロ・ルイス・ピカソ(Pablo Ruiz Picasso)
【年 代】1937年
【種 類】壁画、油彩
【寸 法】 3.49 m × 7.77 m
【所 蔵】 ソフィア王妃芸術センター(Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía、MNCARS)
【所在地】🇪🇸 スペイン(マドリード)
スペインのゲルニカ地域が、ナチスドイツに都市無差別爆撃を受けたことに怒りを覚え1ヶ月で一気に描きあげられた渾身の世界的名画。
《ゲルニカ》にはピカソによる痛烈な戦争批判がこめられています。
だけど、ピカソの思いとは裏腹に《ゲルニカ》は36年間続いたスペインの反共独裁政権を批判するためのプロパガンダに使われ、ヨーロッパを巡回しアメリカに渡りました。
スペインの政治が安定してゲルニカがスペインに戻される際、首都マドリードで行われたピカソの展覧会を右派に襲撃されたり、反戦がテーマのゲルニカなのに、争いを招いてしまう悲劇。
ゲルニカはもうスペインから動くことはないでしょう・・
《ゲルニカ》を描いたのは誰?
ピカソは同じ大きさ同じ構図のタベストリーを3つ作ったんですよ。
その一つはニューヨークにある国際連合安全保障理事会議場ロビーにあります。
ブッシュ政権のころ、イラクの大量破壊兵器開発を批判したパウエル国務長官のバックあったゲルニカに暗幕がかけられていたことは記憶新しいです。
その光景は衝撃的でした。
その後、連合軍はイラクを空爆することになるんですから!
空爆批判のゲルニカが会見で映っていたのではバツが悪かろうです( •ὢ•)
ピカソがナチスにこの絵を描いたのは誰だと詰め寄られれたとき、ピカソはこう言いました。
「それはお前たちだ」と
悲惨な歴史を描いてきたのは今も昔も、 “誰か” ではなく私たち自身ですからね。
もうだれにも《ゲルニカ》を描かせない世の中を作っていかねばなりません。
門外不出の絵画を気軽に現地まで見に行ける、平和な世の中を何とか守っていかねばなりません。
門外不出の名画を等身大で体験できる美術館
徳島県の『大塚国際美術館』では、これら門外不出の名画の等身大のレプリカを見て触って体感することができます。
コロナが落ち着くまでは国内の美術館やネットサービスなので楽しみましょう〜♪
本日は以上です。
お読みいただきありがとうございます。
大人の美術館は不定期に開館するweb上の仮想美術館です。
週一の開館を目指しています。
また来週もお会いいたしましょう。
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***参考にしました***
早わかり! 西洋絵画のすべて 世界の10大美術館 (ビジュアルだいわ文庫)
文庫本だけど、印刷が綺麗で読みやすい♪
CREA Traveller 2019 Winter NO.56[雑誌]
コメント
門外不出だと聞くと「あれ?来日してなかったっけ?」と思った。。。
クリムトの接吻、まさしくそうです~><
ああ、無知は怖い。
持ち運べないのにも理由が様々なんですね。
大きさ、わかる、剥がれ落ちる、わかる!でも動かすとよくないこと…を国家レベルで!?と思うと人の心情はすごいな、と思いました^^
あれー、クリムトの接吻、本物をどこかの展覧会で見たような気がするのは、マボロシだったのか、、、オーストリアには行ってないからなぁ、、、
ゲルニカは実物を見てみたい絵画の1つです。