こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。
大人の美術館では、何度となく登場登場している華やかなる公妾!
公妾とは、王の正式な恋人であり、Royal mistress(王室の恋人)と呼ばれ、王妃と並ぶ最高の身分を与えられた女性です。
ただ・・敵も多く、王に愛されるのは命がけでした。
本日は、そんな公妾の地位についた最初の女性アニエス・ソレルの世界へ名画を通してナビゲートします。
よろしければ、最後までお付き合いください。
公妾とは
宗教上の問題で側室制度が許されていなかった王族が妻の他に社交界に公表できた愛人です。王が死ぬまでは王妃とに引けを取らない、いやそれ以上の待遇を許されていました。
始まったのは15世紀のフランス宮廷から・・
フランス宮廷で特に有名な公妾たちは、この方たちです♪
フランス王家の主な公妾たち
❤︎20歳も年下の王を生涯魅了し続けた元祖美魔女
ディアーヌ・ド・ポワティエ
❤︎王の愛を繋ぎ止めるために黒魔術まで用いたと言われる
モンパルナス夫人
(フランソワーズ・アテナイス・ドゥ・モルトゥマール)
❤︎その知性でもってベッドの中から政治を動かしたと言われる
ポンパドール夫人
(ジャンヌ=アントワネット・ポワソン)
❤︎マリー・アントワネットとのバトルがあまりにも有名。高級娼婦から昇りつめたと言われる
デュ・バリー夫人
(マリ=ジャンヌ・ベキュー)
デュ・バリー夫人がフランス革命で断頭台の露と消えるまで約300年つづいたフランス宮廷の公妾という制度は、誰に聞いても当代一の美女だと噂した、謎多きひとりの女性から始まりました。
究極の美女 アニエス・ソレル
公妾たちの礎を築き、優柔不断で引きこもりがちだった王を「勝利王」と言われるまでに成長させたヨーロッパ史最初の公妾がアニエス・ソレルです。
【作 者】ジャン・フーケ(Jean Fouquet)
【作品名】ムランの聖母子像( Madonna Surrounded by Seraphim and Cherubim)
【年 代】1452年頃
【種 類】パネル、油彩
【寸 法】113 × 104 cm
【所 蔵】アントワープ王立美術館(Koninklijk Museum voor Schone Kunsten van Antwerpen)/ベルギー
このムランの聖母子像は、アニエス・ソレルがモデルだと言われています。
ジャンヌ・ダルクを裏切った王
彼女を公妾としたのは15世紀にフランス国王になっていたシャルル7世です。
シャルル7世はかなり不幸な生い立ちでして、父は幼い頃に発狂。母はそんな父を見限り、愛人を次から次に作り国費を使って放蕩三昧!自分の子どもでも保身のために暗殺を企てるような母性皆無の女性だったんです。
そして!そんな母が、こともあろうか公の場で「シャルルは王の子ではない」と言ったからさぁ大変!!
フランス中が王位継承権を巡って大騒ぎ!
肝心のシャルル7世はショックのあまり引きこもり状態(; ・`д・´)
そんな窮地を救ったのがジャンヌ・ダルクだったのです。
神のお告げを受けたというジャンヌが「シャルル7世が正統な王」だと主張したことで、シャルルは自信喪失状態から脱し、イギリスから領地(オルレアン)を奪還して、100年も続いていたイギリスとの戦争に終止符を打っちゃうんですよ∑( ̄□ ̄;)ナント!!
豚もおだてりゃなんとやら・・ですね
だけど、ジャンヌはシャルル擁護派に利用さちゃった感が否めません
シャルル7世の戴冠後は、恩人のはずのジャンヌを敵対していたイギリスに引き渡しちゃうんですからひどいです(ノД`)シクシク
一説によるとジャンヌの人気に嫉妬したからだとか言われています。
小説などでは腹黒い卑劣な人物として描かれることが多いですが・・・100年戦争で荒廃した国土の復興に務め、フランスを秩序ある大国に導いた功績は評価できるかなと思っています。
そんなシャルル7世が40歳のころに出会い、心を鷲掴みにされたのが当時20歳(30歳説もあり)だったアニエス・ソレルでした。
父親が一兵士ジャン・ソレルだったということ以外は前半生は謎に包まれています。
美貌だだけでなく、王をもしのぐほどの教養の持ち主だったということで、高級娼婦のような立場ではなかったのかと思うんですけどねぇ・・
そんなソレルに一目惚れして “どハマり”したのがシャルル7世だったのです。
シャルル7世の義弟でナポリ王の妻イザベル・ド・ロレーヌの侍女をしていた時に見染められ、王の愛人として宮廷に迎えいれらました。
知性以外にもいろんな技術を持っていたのではないかと(。-`ω´-)キッパリ!!
あくまでもビー玉さんの妄想と願望です!
公妾誕生の秘話
ソレルにどハマりしたシャルルは「彼女とひと時も離れたくない」「公務の時も一緒にいたい」と考えます。
そして閃いたのがソレルに王妃同様の立場を与えるという「公妾制度」だったのです。
公妾なら王のパートナーとして公式な場にも連れていけます。
公妾というのはですね、宗教的に側室を持つことが許されない王室が世継ぎ確保の為に仕方なく・・ということになっているんですが、シャルル7世と正妻の間には12人も子どもがいたんです(^▽^;)
なんと公妾第一号は「一緒にいたい」という王のわがままな理由、ただそれだけだったみたいwww
もちろん正妻は面白くは思ってなかったとは思いますが、ソレルを一目見て「この美しさなら仕方ない」と早々に諦めたっていうんだから、どんだけ〜っておもいますよね!
世界一の美女はと問われて誰もが「アニエス・ソレル」と答えるほどの美女だったというんだからスゴいです。
育ちがよくおだやな性格の王妃は、少なくも表面的には夫の愛人であるソレルと一緒にお茶をしたり出歩いたり、と仲良くしていたようです。本当よくできた王妃であります。
最初にダイヤを見つけた女性
シャルル7世は、ソレルに宮殿や領地を与えますが、豪華絢爛な貢物の中には “ダイヤモンド” がありました!
当時ダイヤは産出量が極端に少なくヨーロッパではほとんど流通していなかったので、希少価値が高かったんです。
富の象徴として身に付けていいのは国王くらいでした!
ソレルはダイヤを身に付けた初めて女性としても有名です。王の寵愛具合がわかりますね(((uдu*)ゥンゥン
ファッションリーダーとしてのアニエス・ソレル
ソレルは美貌だけでなくスタイルも抜群でした。
当時女性の平均身長が150㌢台だったのに対して、ソレルは王とほぼ同じの170㌢!
スラリとした肢体に細い腰。
それを強調するような体にフィットした衣装を好んで着ていました。
そして、綺麗な胸も自慢だったのです!
それを象徴するような肖像画・・・って思うでしょ?
“象徴” ではなくてですね!
実際にこのように片乳をだした状態で生活していたらしい ∑( ̄□ ̄;)ナント!!
どう考えて変ですよね?ね?
だけど、流行とは恐ろしいもので、今をときめくファッションリーダーでもあるソレルが着用するとどんな奇抜な衣装もカッコよく見えたのでしょう・・・
たいして美しくn・・・いえ、普通の宮廷女性がこぞって片乳を露出し始めたらしい!
流石に片乳をだした状態で教会にいく女性がいることを司祭たちがとがめ、そのことでソレル以外の女性たちは自粛することになったようです(^▽^;)ヨカッタヨカッタ
アニエス・ソレルの功績
「1時間としてソレルと離れることは耐えられない」というシャルル7世は次第に公務をおろそかにするようになります。
ソレルはそんな王を咎め、「(戦争に)行かないなら身を引く」的な一芝居をうち、王を戦地を送り出し、時には同行し、気弱で優柔不断だった王をなだめすかし、おだて倒して戦勝を上げさせてダメ王だったシャルルを「勝利王」と言われるまでに成長させたのは、ほかならぬソレルです。
突然の死
美人薄明と言われますが、ソレルは28歳の若さで突然この世を去ります。
第4子を妊娠中に王の遠征先に同行した際、突然激しい腹痛を訴え、大量出血の末に亡くなったそうです。
死因は赤痢と診断されましたが、シャルルは毒殺を疑い、料理人を即刻死刑にします。
毒殺を疑われたまま・・長年死因は謎のままでしたが、2005年の発掘調査により死因は「水銀中毒」と判明。ソレルの遺体から尋常ではない水銀が検出されたのです。
当時は化粧品にも水銀を使われていたので、毒殺だとは言い切れませんが、その量からして彼女が飲んでいた虫下の薬(水銀)の量を間違えたか、もしくは故意に量を増やされて亡くなったのではないのかと・・
故意だとすると誰がソレルを亡き者にしようとしたか・・・シャルル7世の長男説が有力ではありますが、敵はたくさんいたので、はっきりとは分かっていません。
ソレルが亡くなった後に描かれたのが・・・
冒頭でも紹介したジャン・フーケ作のムランの聖母子像なのです。
赤の熾天使(セラフィム)と青の智天使(ケルビム)は不気味ですけどね・・ソレルが亡くなった後に描かれたものだと知ると、最高位の天使たちに導かれて権力を象徴する椅子ごと天国へ昇天していくように見えるではないですか
幼児キリストは聖母のお腹を指差しています。ソレルのお腹の中にいる子を暗示しているのかもしれませんね。
そして、ソレルが亡くなった後、シャルルはソレル恋しさでソレルの親戚を愛妾に迎えますが、公妾を持つことは2度となかったそうです。
シャルル7世は58歳で亡くなります。死因は毒殺を恐れての餓死だったそうです。
王も王に愛される愛妾も本当命がけです(´-ω-`)
本日は以上です。お読みいただいき、ありがとうございます。
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GODIVA夫人は民衆にために全裸で馬にまたがり街を駆けた実在の女性です。
疾走感がないと恥辱プレイよねぇ😳 pic.twitter.com/eqwvy8VFwl
— ビー玉 (@beedama_lab) December 10, 2019
いや・・これはだたのエロですけど(;//́Д/̀/)カーッ
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参考資料:
コメント
え~・・・w
なんか、とんでもないファッションが流行するのが面白いですが、インフルエンサーの影響力ってすさまじいですな(;^_^A
やっぱ一夫一妻制はどんなに権力を持ってもしっかり守ってかないとですね(´ー`*)
えたさん、コメントありがとうです♪
流行とは後から振り返ると不思議なものもありました(((uдu*)ゥンゥン
とりあえず、男性の半尻と女性の片乳露出ルックのリバイバルだけは全力で阻止したい( ✧Д✧) カッ!!
あれ?えたさん、浮気発言してませんでしたっけ(ΦωΦ)?
凄いね、アニエス・ソレルさん
片胸出して相当自信があったんだろうね。20代だからね(笑)!しかし、歴史上のヨーロッパ各国の王様はろくでなしが多いね(@_@)生まれながらに権力を持っているとろくでなしかモンスターになり易いのかな(^0^;)
ヨウコさん、コメントありがとうです♪
本当にろくでなしが多いw だから面白いともいえるかもしれないんですけけどね(ΦωΦ)フフフ…
20代はたしかに、いや・・私は20代でも片乳は無理でした今はもっとダメです(゚∇゚ ; )
男性の半尻と女性の片乳露出!徹頭徹尾賛成!これでけつとか乳に劣等感持っている人は減るでしょう!一夫多妻制も復活を!少子化問題もこれで解決!しかし家庭の経済状況は悪化の一途を辿り・・・・やっぱだめかぁww冗談でしたぁ~まあでもカリスマがやるとみんなが真似する!というのはいつの時代も同じなんですねぇ。司祭があわてて止めた!と言うのも笑えるけど・・・
pope兄さん、コメントありがとうです♪
え〜〜〜賛成なの( •ὢ•)? 一夫多妻制え〜〜〜〜( •ὢ•) 絶対に大変だと思うけどなぁ・・・お金もかかるし、みんな平等に愛もお金も渡さないとダメなんだよぉ(゚∇゚ ; )
pope兄さんさんにできるかなぁwww
欲望を押さえつけないといけない司祭が最も切実だったんじゃないかなぁwww
片乳ファッション、すごいw
そして、王の子供じみた我儘ぶりも!
毒殺を恐れて餓死とか、なにもかも極端すぎるw
さくらノ姐さん、コメントありがとうです♪
毒殺を恐れて餓死してたら意味ないですよね(^▽^;) しかも絶対に餓死のが辛い気がするwww
片乳ファッションはリバイバルしませんように(>人<;)
いやいや、面白かった。( ゚д゚)ウム
毒殺を恐れての餓死って凄いな。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
ましゅーさん、コメントありがとうです♪
絶対に餓死の方がツラいと思うんだけど(^▽^;)
毒でひとおもいのがいいよねwww
あっ、大人の美術館でよく登場するあの絵。
ほんと片乳は妄想だと思ったらリアルだったという^^;
どうしてもキリストの怖い顔に注目でしたが、そういった背景があったんですね。
170cmの美貌、、、私には絶対に手に入れられない条件です~
marimoちゃん、コメントありがとうです♪
そうそう、この絵はもう3-4回くらい登場したかも(゚∇゚ ; )
あの片乳は実はリアルファッションというねwww
私は170cmの女性の横に立ったら猿か宇宙人に見えるんじゃないかなぁ(;´д`)トホホ…
最近、献血ルームで『ベルばら』を読むのがマイブームw
なのでデュバリー夫人に食いついた( ゚Д゚)
しかし、ソレルの片ちちファション・・・
姐さんも片ちち好きだもんね。
YOU、やっちゃいなよ!
世の中、やったもん勝ちらしいっすよ( ꉺ∀ꉺ )
aiaiちゃん、コメントありがとうです♪
献血といえばaiaiちゃん( ✧Д✧) カッ!!
いまだにベルばらが置いてあるのが渋すぎるんだけどwww
私はベルばらのおかげで世界のテストだけは成績よかったのよ(^▽^;)
「怖い絵」のパクりですよねw
あと「愛称」じゃなくて「愛妾」では?wwwwww
Kさん、コメントありがとうございます。
パクリというより史実です。つねに5冊〜10冊くらいの本を参考にしています(*´﹀`*)
愛称あがりがとうございます。直しました