クロード・モネ!泥沼不倫の末に生まれた名画・・・その本当の意味は?

印象派

こんばんは!ビー玉です。

今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・

当館【大人の美術館】は、web上の仮想美術館です。
「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します。

本日は、光の移り変わりを追い続けた印象派の画家「クロード・モネ」の回顧展です。

ナビゲータは、私ビー玉。

お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

クロード・モネとは

 

クロードモネは19世紀にフランスで活躍した印象派の画家です。

「印象派」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。

印象派は、絵を綺麗に仕上げることには拘らず、目の前に広がる風景の「印象」や「光の移り変わり」をカンヴァスに写し取ることに拘りました。

具体的に見てみると

ジャン=レオン・ジェローム作「コックファイト(一部)」

これまで主流だったアカデミーの基準では、どんなにカンヴァスに近づいても筆跡が確認できないほど滑らかな肌に仕上げるのが当たり前だったんですが・・・

モネ作「散歩、日傘をさす女性(一部)」

印象派の時代になると、筆跡は気にせず、絵の具をパレットで混ぜることなく原色のままカンヴァスに乗せる(置く)ことで、戸外のより明るい光を表現するようになります。

そんな印象派の名称の由来のなったのが・・・

モネ作「日の出(印象)」です。発表した当初は仕上げの荒さから、まだ制作途中の絵なんじゃないの?って思われたみたいですが、この荒さこそが新しさであり印象派と言われる所以なのです!

ちなみにモネのちょっと先輩で印象派の父と呼ばれるエドゥアール・マネと区別がつかないという人も多いでしょう・・・私もたまに「あれ?どっちだっけ?」ってなります(^▽^;)

モネマネって字面が似てますもんね(^▽^;)

だけど、それは二人が活躍した時代でも状況は同じで、モネが当時はまだ恋人だったカミーユをモデルに「カミーユ(緑衣の女)」を描きサロンに出展した時はマネと間違えらえてマネの名前で展示されたりしたそうです。

なのでマネは最初モネのことを「自分を利用して有名になろうとしてる」と思ったんだとか!その後、誤解がとけて2人は仲良くなったんですけどねw

 

館長
館長

( ;´・ω・`)マネとモネ・・・ややこしすぎますw

とりあえず、モネはマネの真似をしたかったんじゃないってことでっ(^▽^;)

 

 

モネの代表作

そんな(どんなだw)モネの代表作の一つが・・・

【作 者】クロード・モネ(Claude Monet)
【作品名】散歩、日傘をさす女(仏:La Promenade, la femme à l'ombrelle)
【年 代】1887年
【種 類】油彩、カンヴァス
【寸 法】100cm × 81cm
【所 蔵】ナショナルギャラリー(National Gallery of Art)/ワシントン

 

モネはカミーユと結婚し、長男のジャンとともに3人で郊外にスケッチに訪れたときのひと場面です。

先を歩く妻子が心配そうに振り返った一瞬を切り取った、まさに印象的なポートレート!

この頃のモネの絵は本当に幸せに満ち溢れていて、貧しいながらも幸せに暮らしていたのが伝わってくるようです。

 

「ひなげし(1873年)」オルセー美術館所蔵

 

「小川のガチョウ(1874年)」クラークコレクション

カミーユと長男ジャンはモネの郊外でのスケッチに頻繁に一緒に出かけ、モネの絵の中に息づいていて暖かい愛情を感じます。

絵も少しずつ売れるようになり、

富豪オシュデ氏にも気に入られ、モネはパトロンを得て金銭的にも余裕が生まれてました。

ただ、そのころから少しずつ歯車が狂い出します。

雑誌アート

歪む歯車

 

1877年、経済不況によりパトロンだったオシュデ氏が事業に失敗し、妻アリスと6人の子どもをモネの元に残して一人ベルギーへ逃避行しちゃいます。

館長
館長

妻子をモネの元に残したんですか?

そうなんです・・・・

アリスは大変社交的な女性で実家もお金持ちです。わざわざ貧しいモネを頼らなくても、他に頼れる人はたくさんいた筈なんです。

それが何を意味しているかといえば、モネとアリスはただならぬ関係であったということです!!

実はアリスが産んだ最後の男の子はモネの子どもだとも言われています。

そう考えると、オシュデ氏が妻子をモネの元に残して失踪した理由も納得できます。

ちなみに、右がアリスで左がその息子です。

こちらは若かりしころのモネ。下世話な話になっちゃいますが・・・・なんとなく似てる気がします(^▽^;) いや・・・本当のところはわかりませんw 外国の人は同じに見えちゃうからw

 

真相はさておき、夫婦と夫の愛人一家との奇妙な同居生活が始まりました。

 

カミーユの死とモネの後悔

 

同居後、程なくしてカミーユは次男を出産し、寝込むことが多くなります。その看病をアリスが請け負っていましたが、おそらく夫とアリスの関係には気づいていたと思うので、カミーユの複雑な心境を思うと胸がつまります(ノД`)シクシク

そしてカミーユは32歳の若さで無くなります。子宮ガンだったのではないかと言われています。

「死の床のカミーユ(1879年)」オルセー美術館

驚いたことにモネはカミーユの死に顔を描いています。

死せる肌の移ろいに目が奪われ無意識に描いていたそうです。画家とは本当に業が深い生き物です(ノд-。)クスン

 

唯一の救いは、その後アリスはカミーユの子どもを自分の子ども以上に可愛がって育てたということ・・・・

モネの後悔は深かったと思います。「死の床のカミーユ」を描いて以来、モネの絵からは人物が消えました。

カミーユの死から8年たって、やっと描いた人物画がこちら・・・

「戸外の人物 習作 (右向き、左向き)」です。

あの幸せだったころのカミーユを描いた「散歩、日傘をさす女」と同じ構図のこの2枚!!

決定的に違うのは、カミーユの死後に描かれたほうには表情が描かれていないこと!

実はこの絵のモデルはアリスの娘で同時18歳のシュザンヌでした。

モネは亡くなったカミーユを思って顔は描けなかったけど、カミーユとの思い出の花である「ひなぎく」のコサージュを白いドレスにつけました。

この絵は間違いなくカミーユを描いたものなのです。

 

画家のほうを見て立っている「右向き」には影がありません。

実際には存在しない白昼夢のように感じます。

去りゆくようにみえる「左向き」には色濃く影を落としています。

「思い出(幻想)」と「別れ(現実)」この絵を描くことで、カミーユとの思い出や後悔に一区切りつけたかったのかなぁ?

 

雑誌アート

 

鎮魂か覚悟か・・・

 

その後、モネとアリスは正式に結婚します。

ただ、モネが人物を描くことはほとんどありませんでした。アリスのことも描いていません。

晩年はだたひたすら睡蓮を描きまくってます(^▽^;) 全部で200枚!!

一蓮托生

日本でも大人気のモネの睡蓮シリーズ!なぜ睡蓮だったんでしょう・・

一蓮托生という言葉があります。

蓮は睡蓮の「蓮」、日本の仏教の考え方で、死後に極楽で同じ睡蓮の上で生まれ変わることを言います。

また、良くも悪くも最後まで運命を共にするという意味もあります。

日本びいきだったモネが一蓮托生(睡蓮)に込められた意味をどちらか一つくらいは知っていてもおかしくありません。

だけど、アリスにもカミーユにもどちらにも当てはまりそうな睡蓮をモネはどういう思いで描いていたんでしょうねぇ・・・

死後にカミーユと睡蓮の葉の上で再会を願っていたのか、罪を抱えてアリスとと添い遂げる覚悟を描いていたのか・・・気になるところではありますす(。-`ω´-)

 

本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。

当「大人の美術館」は土曜か日曜の深夜に開館します。

また来週、ご来館お待ちしております。

 

動画で絵画を楽しもう♪

動画で絵画を分かりやすく解説しています。

別館Youtubeへもお立ち寄りくださいm(_ _)m

 

コメント

  1. 印象画っていう粗いタッチの中でも、表情を残したり、逆に全くその感情を読み取ることができなかったりするっていうのは単純にすごいなって思います(*´ω`*)
    普通顔のパーツがなかったら絶対おかしいって思うのに、全然違和感がなかったんですよね~(((uдu*)

    • ビー玉 より:

      えたさん、コメントありがとう♪
      実は印象派はそんなに詳しくないんだけど、最近になってやっと良さがわかってきました(((uдu*)ゥンゥン
      細かく描き込まないからこそ、見る人の想像が膨らむんでしょうね・・・ 確かに、普通だったらのっぺらぼう(((( ;゚д゚)))アワワワワ
      人間の脳って足りないものを補完する性能が携わっているらしいので、「何か足りない」絵をみると五感が刺激されて面白く感じるのかもしれない(((uдu*)ゥンゥン ←今気づいたw 気づきをありがとう!!

  2. pope より:

    あははは、確かにマネとモネ間違えますよね。当時の人も間違えてた、と聞くとなぜか安心!どちらも好きな画家ですけどね。でも驚いたなあ、パトロンの奥さんと関係してしかも子供まで生ませていたなんて!泣かせるのはモネの奥さんの看病を不倫相手がしてくれてた!え”?と思っちゃった。モネの心境複雑というか、何考えてんでしょうね。でもよくそんな裏話的なことが表に出てきちゃったのか?それも不思議・・・・ひょっとして姉さん、なにかカラクリがあるとか?ないとか?

    • ビー玉 より:

      pope兄さん、コメントありがとう♪
      めっちゃ間違えます。頭の中ではわかってるんだけど、口にだすと、マネをモネっていったり反対だったり(๑•́ ₃ •̀๑) 違う時代に生まれて欲しかったww
      ドロドロ不倫劇だけど、たぶんアリスさんはいい人で、複雑だけどカミーユさんも自分の死期を悟っていて、子どもをアリスさんに託さないとという気持ちがあったんだと思います。記事には書かなかったかったけど、モネはかなりわがまま王子だったので、カミーユさんも耐え忍ぶことに慣れていたんだろうなぁ(。-`ω´-) 絵を売るためにはいろんな演出や逸話が必要ってことで(ΦωΦ)フフフ… また詳しく描きます!!
       

  3. ash より:

    モネといえば睡蓮、くらいの知識しかありません( ノД`)。でも明るい色使いからそんなことがあったとは、全く思わせませんね。
    パトロンの嫁と不倫、パトロンの疾走、愛人と嫁の同居、愛人の嫁介護、そして嫁の死…。列挙しただけでもジェットコースターのようです。
    でもビー玉さんの読むと、あまりどろどろした愛憎は感じられなくて、モネを中心にみなそれぞれ少しずつ距離を取り均衡を保っている、そんな印象です。
    だからといってこうなりたいわけじゃございません。亡くなった方の肌の変化を無意識で描くって、やっぱり天才って怖っ!!

    • ビー玉 より:

      ashさん、コメントありがとう♪
      モネ=睡蓮!充分です( ✧Д✧) カッ!! 私もそんなものですw
      印象派の画家は本当に内情がドロドロで(^▽^;) 私生活が泥沼なのに、光を追い求めていたっていうのが業が深いというか、面白いというか・・・ あえて書いてないエピソードもたくさんあるので、実はモネの周りの女性はドMだったんじゃないかと思っています。だけど、今回は悲恋っぽく書いてみました٩( ᐛ )و ドロドロバージョンもいずれ書くかも(ΦωΦ)フフフ…

  4. 悲しいのう…。睡蓮の意味がそうであったとしたら、それはそれでアリスさんが可愛そうな気もするし…。(´・ω・`) 業深きよのぅ…。

    • ビー玉 より:

      ましゅーさん、コメントありがとう♪
      画家というのは女性を振り回すぐらいじゃないと魅力的な絵は描けなかったのか苦々しくおもいますが・・・男女ともに芸術家とパートナーとなるには、それなりの覚悟いるのかも(((uдu*)ゥンゥン 

  5. ヨウコの川歩き より:

    へぇ~!そうだったのか印象派は好きだし、まぁ、マネして絵を描いたりもしていたから、知っているつもりでした。
    モネ君、結構ドロドロしていたのね(^_^;。
    しかし、顔のない女性の逆光の絵をちょっと不気味に感じていたのですが、そんなことがあったのね(@_@)
     睡蓮は凄くたくさんあるよね。出来不出来があるよね。なぜあんなに睡蓮に取り憑かれたんだろうと思っていたんですが、なるほどそういうことだったんだ…勉強になりました。モネの溢れんばかりの光の洪水は大好きです。☀

      

    • ビー玉 より:

      ヨウコさん、コメントありがとう♪
      モネくんはドロドロしてました!ブログには書いてないゲスエピソードもたくさんあります(゚∇゚ ; ) だけど、それを面白いと思ってします私のゲスだわぁ(((uдu*)ゥンゥン 
      睡蓮は晩年の幻想的な感じが好きです。
      若いころは睡蓮よさがイマイチわからなかったんですが、岡山県の大原美術館にあったモネの睡蓮を見たときは、自ら発光しているかのような睡蓮の神々しさに圧倒されました!!

  6. Nick Ollie より:

    モネの睡蓮、好きなんですよね。一度、すごくでっかい睡蓮の絵を見て、動けなくなったことがある。

    でも人物を描かなくなった背景にそんなことがあるとは知らなかった、、、

    • ビー玉 より:

      Nickちゃん、コメントありがとうです♪
      私は岡山県の大原美術館にあるモネの睡蓮が好き(*´﹀`*) 晩年に目の病気になって、よく見えない目で描いた眩しいような睡蓮が幻想的で好きなのです( ´艸`)

  7. marimo より:

    モネとマネの見分けがつかないのが私だけじゃなくって良かった( ´艸`)

    そしてまた渾身の表現!
    「モネはマネの“真似”をしたかったんじゃないってことでっ(^▽^;)」
    座布団一枚プリーズ☆

    ほんと、印象派より詳しく描いている人の方が伝わるかな~と思ってましたが、印象派の受け取る側の自由な心情っていいなって初めて思いました♪

    • ビー玉 より:

      marimoちゃん、コメントありがとう♪
      マネとモネは間違えたことがない人はいないんじゃないかな(゚∇゚ ; )? 絶対に混乱するwww
      座布団ありがとうーーーーー٩( ᐛ )و 誰も突っ込んでくれないから、だだスベりかと落胆しておりました٩(●˙▿˙●)۶
      印象派の絵は省略美!日本美術に近い感じがします。省略されているところを個人で補完するのがまた楽しい♪

  8. aiai より:

    いつも思うけど、画家の人生って波乱万丈ですよね(;´Д`)
    画家に限らず、こういう時代の人はみんなそうだったのかなぁ。。。
    いろいろ赤裸々にバレ気味なのがまたつらいw
    睡蓮を描き続けたのか、カミーユを思って・・・だったらいいなぁ。。。(アリスには悪いけど)

    • ビー玉 より:

      aiaiちゃん、コメントありがとう♪
      いや〜たぶん、画家というか芸術家が特別なんだと信じたいっっ!!
      たぶん、人の内面を追い求めてる人が多いから、人に興味がありすぎるんだと思う。
      特に恋愛は麻薬と一緒で創作意欲が刺激されるからだろうね・・・アリスさんもいい人だけど、やっぱりねぇ(((uдu*)ゥンゥン

  9. より:

    モネと聞くとなぜかカミーユ ピサロを連想してました(^_^;) 同じ時代の画家だからとばかり思ってましたけどモネの奥さまがカミーユてお名前だったですね^_^ これで謎が解けました(^o^)
    私の連想は間違いでモネとカミーユはご夫婦だったてことを思い出せなかっただけだったです スッキリしました\(^o^)/

    • ビー玉 より:

      櫂さん、コメントありがとう♪
      カミーユとカミーユで一緒ですもんね(((uдu*)ゥンゥン 外国の方の名前はバリエーションが少なくて同じような名前の人が多いからややこしぃ〜〜〜〜!!マリアとか何人いるの?って感じだしwww
      思い出していただき、何よりです♪モネとカミーユ(ピサロ 男)が夫婦だったってインプットされると余計にややこしくなるww

タイトルとURLをコピーしました