季節に隠された秘密を読み解く!名画に秘められた春夏秋冬を読み解こう

豆知識

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こんばんは!大人の美術館、ナビゲーターのビー玉(@beedama_lab)です。

まだまだ寒いですが、春めいた日が少しずつ増えてきた今日この頃。

絵画でも季節の移り変わりを感じてもらおうかなと♪季節に関する絵画を集めました。

今も昔もかわりなく繰り返される季節の流れ、西洋絵画で春夏秋冬はどのように表現されてきたのか?

よろしければ最後までお付き合いください。

四季はどのように表現されてきたのか

四季といえば、日本では古来より季節それぞれの美しい風景を描かれることが多かったのですが、西洋では少し趣が違います。

風景画というのは西洋絵画においてはヒエラルキーが底辺に近い分野でした。

なので、名だたる画家たちは風景画を描くことがほとんどなく、歴史画や肖像画の奥にちょこっと描かれるくらい(^▽^;)

なので四季を表現するのに風景ではなく擬人化や神話を利用してきました。

春はギリシャ神話の女神ペルセポネ(プロセルピナ)やローマ神話のフローラ

夏は穀物のギリシャ神話の女神デメテル(デーメーテール)やローマ神話のケレース

秋は酒の神バッカス、秋の女神カルポー

冬は北風の神ボレアスや冥府の王ハデス

などなど・・

ちょっと見ただけでは季節感がわからず困惑しますけどね(^▽^;)

19世紀になってからは風景や情景が描かれるようになるので、遠い異国の絵でも共感を覚えます。

では春夏秋冬をイメージの絵を観てまいりましょう。

春をイメージする絵画

英語のseason(季節)はラテン語のsatio(種を撒く時期)を語源としています。

かつて1年の始まりは1月ではなく春、種まきと共に1年が始まったんです。

そんな春をイメージするのは、見たことがない人はいないんじゃないかってくらいの名画

その名も『春』

サンドロ・ボッティチェッリ『春-プリマヴェーラ-』1477年〜85年ごろ

ちなみに「春」というタイトルは画家がつけたものではなく、絵を観た人が「春」っぽいってことでそう呼ぶようになりました。

では何が春っぽいのか(^▽^;)

この二日酔いで吐きそうって感じの青い人は西風の神ゼピュロス。

西風は春の暖かい風を運んで来るんです。

 

館長
館長

凍てつく風を運んで着てるようにみるますけど

ゼピュロスが捕まえようとしているのは精霊クロリス。クロリスはゼピュロスと結ばれることで春の女神フローラに変身します。

変身した姿が左の花柄ワンピの女性です。

フローラが撒き散らした花は大地に根付いて春の花を咲かせます。

キューピット(エロス)は女神たちに恋をもたらし、愛の女神ヴィーナスを中心とした美しい円を描いているというのがボッティチェッリの『春』

生命力溢れる『春』は確かに春っぽい( *゚д゚))

だけど、こんなに生命に満ち溢れた「春」ではありますが、死のイメージもあるんです。

『春』に関する詳しい解説はこちら

ボッティチェッリの「春(プリマヴェーラ)」には何が描かれているのか?
誰もが知るボッティチェッリの代表作「春(プリマヴェーラ)」にはいったいどんな意味が隠されているのでしょうか?その意味を知ると、まったく印象の違う絵にみえくる。誰もが魅了される「春(プリマヴェーラ) 」の秘密を徹底解説します!

 

夏をイメージする絵画

エドヴァルト・ムンク『声・夏の夜』1893年

拗らせ恋愛の第一人者メンヘラ画家のムンクさんです。

正直、何が夏なのかわかんないんですけどねw

タイトルに夏とあるので夏なのでしょう(^▽^;)

 

館長
館長

それでいいんですか??

モデルは初恋の相手ミリー・タウロヴ

ミリーは人妻だったので不倫なんですが、ムンクさんの恋愛対象は人妻率高し。

それはこの初恋人が忘れられない存在だったからだと思われます。

妖艶にたたずむ女性。

そしてムンクの絵にたびたび登場する湖面に長く伸びる月明かりは男性器を意味します。

性の目覚め的な “アレ” ですね(((uдu*)ゥンゥン

恋と言えば春だけど、ふんわりした幸せな春を超えて狂おしいほどに熱い夏の夜。

2人の関係が進んだことを意味しているのかな?

恋で季節を表現した作品です。

いや、メンヘラ恋愛体質のムンクなので季節で恋の行方を描いた作品といったほうがいいかな。

秋をイメージする絵画

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『アンドロス島のバッカス祭』1523-24年作

バッカス祭と日本でいう秋祭りみたいなものです。お酒の神であるバッカスを中心に豊穣を祝うお祭りです。

古代ローマでは男たちを追い出し女性だけが参加できるお祭りだったらしいです。

年に一回、女性たちが鬱憤を発散するお祭りだったんでしょうね。

 

ビー玉
ビー玉

わかるわぁあああ

しばらくすると飲めや歌えの宴に、男性も参加するようになり、別の意味の収穫祭になっちゃったみたいですけどw

 

で!あまりもいかがわしいってことで2世紀には禁止令が出たほどだったとか(; ・`д・´)

それでも隠れて細々と行われてきたお祭りがカトリックの謝肉祭(カーニバル)となっとも言われています。

謝肉祭というと日本語訳では肉に感謝するお祭りって感じになっちゃってますが、実はキリストの復活祭に向けて肉断する前の「しばらく肉も酒もひかえなきゃだから、今のウチに食べておこう」というお祭りです。

謝肉祭の元となったのがバッカス祭なんだとすると、お肉とはいったいどんな “お肉” のことなんでしょうね(* ̄∇ ̄*)

 

館長
館長

ビー玉さん、それは完全にセクハラですよっ!!

冬をイメージする絵画

秋は酒池肉林方面にいっちゃたので、冬は静謐な絵を(^▽^;)

クロード・モネ『カササギ』1868-69年

モネのカササギは視線誘導がおもしろい作品なんです。

視線の動きを意識して上の絵をご覧ください。

一旦CMを入れちゃいますね(*´﹀`*)

 

 

さてさて、視線はどんな風に動きましたでしょうか?

この絵はタイトルに「カササギ」とありますが、主役はカササギではありません。

なんとなくカササギに意味を見出そうとしてしまいますが、強いて言えばこのカササギは道標です。

こんな風に視線が動きませんでしたか?

カササギに視線が集中するようになってはいますが、それが終着地点ではありません。

一旦カササギに集められた視線は壊れかけた木の柵を通って下へと誘導されて、雪に残る靴跡を辿って明るい場所へと導かれます。

この絵の主役は雪に落ちた陽光なんですよ。

少し寒寒しく感じる雪景色から、最後は明るい陽光に辿り着くので、この絵をみた感想は寒さよりも暖かさが印象に残ります。

シンプルイズベストな東洋では雪は人気の題材でしが、西洋ではあまり描かれませんでした。

真っ白な雪景色の中に光の移り変わり(時間)までも描き込んだ絵画なのです。

さすがひたすら睡蓮だけを何百枚も描いた画家!

ゆっくり見るとその雪の表情の多彩さに目を奪われるではないですか♪

四季を描いた連作

春夏秋冬をそれぞれ描くのではなくシリーズものとして四季を描いたものも多々あります。

肖像画形を借りて描かれた四季 アルチンボルド

16世紀に描かれたとは思えないような斬新なモチーフ!

斬新すぎてシュルレアリスムの祖父なんて呼ばれています。シュルレアリスムが現る400年の前なので、父ではなく祖父っているのが面白いw

花や果物などの植物をうまく配置して人の顔を形作っております。

このヘンテコな肖像画を描いたアンチンボルドは神聖ローマ皇帝の宮廷芸術家という立派な肩書きを持っていて、この四季は当時の皇帝マクシミリアン2世がザクセン選帝侯アウグストに送るために描かれました。

斬新すぎて、もらった方も困惑したと思うんですけどね(゚∇゚ ; )

 

どうしても景色を描きたかったプーサン

風景画が描きたい!だけど権威ある歴史画も描きたいってことで、風景画の中に小さく聖書の名場面を描いちゃったのがプッサン。

プッサンの四季にも小さく聖書の世界が描かれてます。

春→アダムとイブ
夏→ボアズとルツ
秋→約束の地(カナン)の葡萄
冬→ノアの方舟

この連作は時の流れを描いているとも言われています。

春から冬
誕生から死
朝から夜

冬が終われば春がくるように、死や夜もまた振り出しに戻って巡回する。人間の普遍的な営みを描いているわけです。

なかなか深いっ!!!

美しい女性で四季を表現した ミュシャ

ミュシャの四季は春夏秋冬をそれそれ美しい女性として擬人化したもの。

ミュシャの描く四季は大人気になり、いくつものバーションがありますが、これはミュシャが最初に手がけた四季です。

四季の連作は月暦画と呼ばれるもので、今で言うカレンダーですね。

画家はいかにして季節感を出すかで力量を問われました。

ミュシャは季節の植物と四季を擬人化した女性の表情や仕草で四季を表現しました。

春は純白のドレスを身にまとい、彼女の奏でるハーブの音色に小鳥たちが集まります。春は新しい命が芽生える若々しいの季節「無垢な春」を表します。

夏は赤い唇、扇情的な眼差しと露わになった足。絡まる蔦も色っぽい「情熱の夏」です。

秋は色づく紅葉のように赤い髪の女性がたわわに実った葡萄を収穫しようとしています。他の季節たちよりもふくよかま女性として描かれている「実りの秋」

冬は女性の吐く息と小鳥体温でお互いを温めあっているんです。枝に降り積もる雪とまんまるに羽毛を丸めた小鳥が寒そう・・・「凍える冬」

ミュシャの祖国チェコのプラハの冬は厳しく長いです。

寒い冬を耐え忍んで春を待つ。

冬と春はループしており、冬の寒さを耐え忍んだ小鳥たちが春にはまたハーブの調べに耳を傾けるんです。

永遠に続くと思われる冬も、いつかは暖かい春に変わるってことですね。

連作でみると希望に溢れた美しい絵なのです。激動の時代に人気ができたのも納得です♪

 

たくさんの季節の絵を見てきました。

季節を楽しむのは気持ちをもっているのは日本だけではないんだと嬉しくなります。

春、待ち遠しいですね。

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本日は以上です。およみいただき、ありがとうございます。

大人の美術館は1週間に1度、真夜中に開館する大人のための仮想美術館です。

またのご来館を心からお待ちしております。

コメント

  1. aiai より:

    「カササギ」の目線の動かし方が、真逆だった件( ;∀;)
    手前の足跡からカササギを通って、奥や左右を見たよ。
    明るいほうからダークサイドへ落ちてゆく・・・的な???(/ω\)

  2. Nick Ollie より:

    毎回切り口が面白いです!
    西風の神ゼピュロス、ほんと二日酔いだわ。何でこんな色と顔にしちゃったんでしょ。こんなのに好かれたクロリスって、少し気の毒な気がする。
    バッカス祭での酔っぱらって奔放な女性たち。こりゃ男たちも嬉しかろう。
    で、結局私はミュシャが好き。

  3. (´・∀・`)ヘー 面白い。ミュシャのが好きですね。部屋で飾っても良い感じ。

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