こんばんは、ナビゲーターのビー玉(@beedama_lab)です。
本日は勇ましい逸話には事欠かないギリシャ神話の女神アテナについて、名画を通して解説していきます。
西洋絵画に描かれた女神といえば、ヴィーナスが圧倒的に数は多いですが、ゲームやマンガ、アニメへの登場回数でいえば、戦いの女神アテナに敵う女神はいないでしょう!
国内外で大人気となったアニメ『聖闘士星矢』でアテナは聖闘士たちを束ね地上を守り、彼女の盾イージスの名前を冠した戦艦イージスはミサイル駆逐艦として現在の日本を守っています(実際に守れるかは謎ですが)。
味方をしてもらえたら頼りなる女神アテナ。
敵に回せばこれほど恐ろしい魔女はいないと言われる女神。
そんなアテナの世界にあなたをナビゲートします。
よろしければ、最後までお付き合いください。
父の頭をかち割らさせて生まれたワイルドな女神
戦いの女神らしくアテナの出生がなんとも勇ましい。というか、これ以上ないほどワイルドなのです。
アテナの父は全能の神ゼウス。
ゼウスにはヘラという嫉妬深い妻がいるのは有名ですが、じつはヘラは3番目の奥さんで、アテナの母は1番の妻であった知恵の女神メティス。
メティスが身籠ったときに、ゼウスは祖母ガイヤから「メティスの産む子が息子だったらゼウスを超える神になる」と予言されます。
自分の地位が脅かされると思ったゼウスは妻メティスを胎児ごと飲みこんでしまうんですよ(((;꒪ꈊ꒪;))):
メティスはゼウスに統合されてしまいますが、アテナはゼウスの体内で生きていました。
ある日、ゼウスは激しい頭痛に襲われ、鍛治神ヘパイストスに自分の頭を斧で割ってくれと頼みます。
ワイルドすぎです
ルネ=アントワーヌ・ウアス《アテナの誕生》1688年
そうして、斧で割られたゼウスの頭から雄叫びとともに飛び出してきたのが成人済でなぜか完全武装のアテナだったんです。
突然の血みどろの誕生劇にお互いにビビると思うんですが、ゼウスは生まれたのが息子ではなく娘だったことに大喜びして、アテナを溺愛。
ゼウスにとっては自分の頭をかち割って出てきたことよりも、生まれた子どもが男か女かのほうが重要だったらしい(^▽^;)
息子が父を超えるとか、おめでたいことだと思うのですが・・
娘を溺愛したゼウスはアテナに数々の権能を与えます
軍略、戦争、英雄の保護といった勇ましいものから、知恵、航海術、造船術、建築といった知的なもの、そして機織り、ペンキ塗りといった技術職まで手中におさめ、文武両道完全無血の女神さまの出来上がり♪
レンブラント《パリス・アテネ》1655年
私はレンブラントの描くアテナがかっこよくて好き〜♡
このままアニメのポスターにでもなっちゃうそう♪
ただね、この女神様は性格に少々難あり(^▽^;)
同じ戦いの神で権能が少々かぶってるアレスとは犬猿の仲。
アレスいわく「父ゼウスがあのワガママ娘を叱りも躾もせずに好き勝手させている」とたびたび愚痴っています。
ジョセフ=ブノワ・シュヴァ《マルスとアテナの戦い》1771年
まぁマルスはアテナに戦いを挑んでは負けてばかりなので、愚痴も言いたくなるでしょうけど、
たしかにアテナは完全無欠なだけに弱者の気持ちに疎いところがあり、女性よりも男性、力が弱い者よりは強い者の味方でした。
自分が味方した者には自らの武器を貸し与えたり支援は惜しまず、自分に仇なすものは徹底的に陥れる恐ろしさがあったんです。
アテナを怒らせるとどうなるか、ほんの一例を紹介します。
アテナの怒りをかった方々
ピーテル・パウル・ルーベンス《メドゥーサの頭部》1617-18年
処女神として性に厳しいアテナの神殿で、恋人とイチャイチャしちゃったばかりに怪物に変えらた元美少女のメデューサ。
のちに、メデューサ退治に向かうペルセウスに力を貸し、退治されたメデューサーの首を自分の盾にくっつけ防具を強化してしまうという残忍さ!
アントニオ・テンペスタ《アテナとアラクネ》1600年
アテナよりも機織りが上手いと豪語してしまい、機織対決でうっかりアテナに勝利しまったばかりに蜘蛛にされたアラクネ
誰からも愛されず、ずっと糸をつむいでろってことですね。
ヨハン・ゲオルク・トラウトマン《炎上するトロイ》1759-62年
王子パリスがアテナではなくヴィーナスを最も美しい女神に選んでしまったばかりに滅ぼされたトロイ王国と国民おみなさま(合掌)
などなど・・・
敵に回すとほんとに恐ろしいっ(((;꒪ꈊ꒪;))):
アテナの呼び名
古代ギリシャ語で Athēnā アテーナ、アテーナー、アターナなどと発音されますが、日本ではアテナが一般的。
ローマ神話ではミネルヴァ
そして、パラス・アテナという呼び方をされる場合があります。
バラスはアテナの親友の名前です。
アテナは海の神ポセイドンの孫娘パラスと姉妹のように育ちます。
お互いをライバルとして戦闘を学んでいたところ、アテナは戦闘訓練の最中に間違ってパラスを殺してしまうんです。
後悔したアテナは、親友パラスの名を自分の名前の前につけるようになったのだとか、なかなか悲しいエピソードです(ノД`)シクシク
女神アテナの見つけ方(アトリビュート)
クリムト《パラス・アテナ》
西洋絵画において、描かれる人物を特定するためのトレードマークのようなものをアトリビュートといいます。
古代ギリシャ風の衣装を着て、兜、甲冑で武装している女性が描かれていたら高確率でアテナです。
アテナの防具と武器
ちなみにアテナが身につけている防具はギリシャ語でアイギス(Aigis)、英語ではイージス(Aegis)と呼びます。
アイギスは父ゼウスからお守り代わりにもらったもので、あらゆる暴力や災厄を跳ね除けると言われる天界最高位の防具です。
そして、アテナが持つ武器は親友パラスを殺してしまった槍だという説あり。
ちなみにトランプのスペードのクイーンはアテナをモデルにしたものだと言われています。
他のクイーンたちは花だけを持っているんですが、スペードのクイーンだけ花と武器(棒状の槍か剣)を持っているのが特徴。
お手持ちのトランプがあれば確認してみてくださいね(武器を持っていない場合もあります)
じつは神殿じゃなかった?パルテノン
ギリシャの観光名所になっているパルテノン神殿。
アテナを祭る神殿だと言われていましたが、祭壇がみつからないことからじつは宝物庫だったのではないかと最近では言われています。
建設当時は中に黄金の防具を身につけ武器を持ったアテナ像が安置されていたそうですが、その黄金は取り外し可能で、いざとなったら取り外して逃げられるようになっていたんだとか!
そのため、アテナを祀ってたのではなく、アテナに宝物を守ってもらっていたのではないかと言われています。
じつは17世紀になるまでパルテノンはアテナに守られ無傷で残っていたんです。
その頃、パルテノンは要塞化され爆弾の貯蔵庫として使われていました。そこを攻撃され中の爆弾に引火したパルテノン要塞は内外から大破!
2000年無傷で残っていたアテナの守るパルテノンが完全に崩壊されてしまいました(現在は完全ではないですが修復されています)。
負け知らずだった無敵のアテナも科学の力には勝てなかったのでしょうか?
プライドの高い女神がこのまま大人しくしてくれるとは限りません。
あとあと、こっぴどく報復されないといいんですけどね・・
本日は以上です。お読みいただき、ありがとうございます。
当「大人の美術館」は1週間に一度の開館を目指しています。できましたら、また来週お会いいたしましょう(*ˊᵕˋ*)੭
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コメント
へぇ、スペードの女王がアテナ?
美しくも残酷なおんな戦士かぁ、格好いい。しかし、お話とはいえギリシャの神々の所業は目に余るなぁ(笑)
アテナよりもやっぱ父ちゃんすげぇー!( ゚Д゚)
奥さんごと子供飲み込むとか、頭痛いから斧でカチ割ってくれとか、もうそれだけでアンタ死んでるよね?ってレベル。
でも死なーない。
それどころか、頭から子供生まれたことに驚きも痛みもせず、娘の誕生を喜んじゃうって・・・すごすぎるwww
そこインパクトありすぎて、アテナが薄まっちゃった・・・(もちろん個人的感想です)
おもしろ。( ^ω^ )ニコニコ しかし、頭から生まれるてあーた。ワイルドすぎるやろ。
わ~、楽しい♪
ゲームで聞いたことのある名前がいっぱ~い((o(´∀`)o))ワクワク♪
それにしても、途中までカッコイイ女性だったけど
国を亡ぼすのはやりすぎ…(;´Д`)w
約束のネバーランドのミネルヴァさん…フクロウってここから?
ペルソナでアイギスってキャラがいたな~…とか
気になることがいっぱいでとっても楽しめました(*´˘`*)♡
イージス艦の名前がそこから来てるとは。おもしろいですね。
そして頭かちわって完全武装で成人で生まれてくるって、、、ワイルドすぎる。ゼウスは頭痛くなかったのかしら、そんなデカイものが出てきて、、、