あなたの知らないキリスト教の世界「最後の晩餐」に隠された秘密

聖書(宗教画)

こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。

「最後の晩餐」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょう?

教科書などでダ・ヴィンチの名画を見たこともあるでしょう・・

だけど、最後はどういうことなのか?一体何が描かれているのが知らない方も多いのではないでしょうか?

本日はそんな「最後の晩餐」の世界にあたなをナビゲートします。

知ってるようで知らない「あなたの知らないキリスト教の世界」シリーズです。(シリーズ化してませんw)

某マツコ氏の冠番組のパクリ疑惑がちらほらですが、ゆるくききましょう٩(●˙▿˙●)۶

よろしければ、最後までゆっくり鑑賞くださいm(_ _)m

 

最後の晩餐とは?

最後の晩餐にいくまえに、少し誤解があるかもしれませんので、簡単にイエス・キリストがなぜ処刑されなければいけなかったのかを書いておきます。

イエスは「私は神の子だ〜〜!!」とサイケな発言をしてキリスト教を広めようとしていたのではなく、あくまでもユダヤ教の若き指導者として正しいユダヤ教を広めようとしていたいたんです。

だけど、この「正しい」が曲者でして、イエスは当時の腐敗したユダヤ教(イエスはそう思っていた)を厳しく非難したために、保守的なユダヤ教の信者から「異端」であり「危険思想」を民衆に広めようとした反逆者ということで処刑されました。

(※処刑を実行したのはローマ人ですが、有罪を決めたのはユダヤ人です)

このことが原因でキリスト教とユダヤ教の仲が今もややこしいいことになってるんですが、本当に長い親子ゲンカです(;´д`)トホホ…

「最後の晩餐」は、イエスが捉えられる前夜に弟子たちと最後にした会食のことをいいます。

「最後の晩餐」を描いた絵

サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂のモザイク画」6世紀ごろの作品で最古の「最後の晩餐」とされています。

どう見ても主役は(^▽^;)ギョギョギョ〜

魚料理になったイエス・キリスト

最後晩餐で描かれるメニューは、イエスの血と肉になぞらえた「ぶどう酒」と「パン」以外にも魚料理が描かれることが多いのです。だけど、これは完全に後付けです・・・

ギリシャ語で「イエス」「キリスト」「神の」「子」「救世主」の頭文字を並べるとイクトゥス(ギリシャ語でΙΧΘΥΣ)となり、魚を意味します。

キリスト教が古代ギリシヤから迫害を受けていた時代はおおっぴらにイエスのこと描くことができなかったので、隠れシンボルとして「魚」を描いていました。

これがそのシンボルです。今でもいろんなデザインに使われているので、見たことがある人もいるでしょう!!

なので「最後の晩餐」に魚を食べるということは、イエスの血と肉、ようするに命を弟子たちに分け与えるという意味合いが含まれています。

パンとぶどう酒と同じような意味合いです。

絵画に魚料理が描かれているのは事実ではなく象徴なのです。

ヨハネは寝てない?

ちなみにイエス(中央)の横で酔いつぶれて寝てるのは、イエスに最も愛された弟子のヨハネです。

「最後の晩餐」を描いた絵画では、イエスの隣で寝ていることが多いです。

館長
館長

お酒に弱かったんでしょうか・・

酔い潰れているいるのでも、男同士でイチャイチャしてるのでもありません!あくまでも寝てるんです( ✧Д✧) カッ!!

 

でも、「この中に裏切りものがいる」とイエスが言い放つ緊迫した場面で寝てるなんて、どんだけ呑気なんだ( •ὢ•)って思いますよね?

実はこれは誤解です。

聖書では「イエスの隣で寝ていたヨハネ」という記述があるんですが、これは本当に眠っていたわけではなくて・・・

当時、ローマの会食スタイル(シンポジオン)は寝っ転がって食事をするというものがありました。なので本当はヨハネだけが呑気に寝ていたのではなく、最後の晩餐に参加した使徒全員が寝っ転がって食事をとっていたんです。

「サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂のモザイク画」一部

絵が描かれた時代はそんな文化はなくなっていたので、誤解するのも無理はありませんが・・ヨハネはとんだとばっちりです!

 

そして、ついにあの天才が「最後の晩餐」を描きます!!

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ

レオナルド・ダ・ヴィンチ作 「最後の晩餐」

PCでご覧の場合、画像をクリックすると大きな画面に変わります。

名画中の名画登場です!!

なぜ名画と言われているのか?どこが革新的だったのか?

正確な遠近法、完璧な構図もさることながら、この絵の中には今まで描かれなかった人間模様が細かく書き込まれているんです!

弟子たちと食べる最後の晩餐にイエスが放った言葉は・・・

「あなた方の一人が私を裏切るだろう」

この一言でその場は騒然となります!!

そう、裏切り・・この食卓が弟子と過ごす最後になるのは、裏切り者のユダがイエスをローマ軍に銀貨30枚で売ったからなのです。

最後の晩餐は、イエス受難の始まりになる重要な場面なので、たくさん描かれましたが、それまでの絵画はイエスが捕まり、処刑される、そんな「受難」の流れを伝えるだけの役割でした。

ユダの頭にだけ光輪がなかったり、独りだけ向きが違ったりして、誰もが「これがユダ」とわかるように描かれていました。

レオナルドの「最後の晩餐」は違うんです。

ちなみにユダはイエスお向かって左に位置していて、他の使徒とは同列に描かれています。

画像ではわからないですが、驚愕の表情を浮かべており、手にした銀貨を袖に隠そうとしています。

他の使徒たちも光輪はなく、怒り、悲嘆、不安、驚き・・あらゆる感情を描いおり、とても人間らしい表情の聖人が描かれます。

この感情表現だけで、誰が誰かわかるようになっているんだからスゴい!!

ダ・ヴィンチが描きたかったのは、「出来事」なのではなく、聖書を通した人間ドラマだったんですね・・・

この「最後の晩餐」は後世の画家に強烈な影響をあたえ、その後は「人間ドラマ」を描くための人気テーマとなりました。

もうひとりの巨匠

ルーベンス『最後の晩餐』1632

もう1枚、私の大好きな「最後の晩餐」を紹介します。

「王の画家にして、画家の王」と言われたドラマチックの帝王ルーベンスの作品です。

あれ?ちょっと地味?って思いました(^▽^;)

まぁ・・ぽちゃぽちゃの裸婦像や、雄大な構図の絵画に比べると地味なのは否めませんが、なかなかどうしてドラマチックですよ〜♪

食卓にはワインとパンだけ・・・シンプルです。

ユダはどこにいるかわかりますか?

実は独りだけこちらを向いているのがユダです。

その表情がこちら・・・

なにかを観賞者に語りかけてくるようではありませんか?

裏切り者は他にもいた!!

実は裏切りはユダだけではなかったのです。

イエスが捕まった後、一番弟子であったハズのペトロですら、ローマ兵に「イエスの弟子ではないのか?」と問われて「イエスなど知らない」と言ってしまいます。

イエスが一人で十字架に架けられたってことは、男性使徒のほとんどは「弟子じゃない!」と逃げたのです。

イエスの最後を見守ったのは聖母マリアとマグダラのマリア(一説によればヨハネ)、数人の女性使徒だけでした・・・

だけど、逃げた弟子たちは今では聖人となっています。大切なのは「裏切り」ではなく、その後、悔い改めて戻ってきたかどうか・・・

ユダは罪は悔いましたが自殺してしまったので聖人にはなれなかったんですね(ノд-。)クスン

あなたはどうなのか?とルーベンスのユダは絵の観覧者全員に問いかけているのです。

私は絶対に裏切る自信があります! 自分の身が大切ですw

ユダの足元に配置された「忠誠」を意味する犬の表情が秀逸!!

今までに描かれなかったユダを見事に描ききりました!さすがルーベンスと言うしかない名画ではないでしょうか?!

 

本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。

当館は毎週土曜か日曜の深夜に開館します。また来週お会いいたしましょう♪

動画で絵画を楽しもう♪

動画で絵画を分かりやすく解説しています。

別館Youtubeへもお立ち寄りくださいm(_ _)m

コメント

  1. レビ より:

    おや?私がエロヒムさんから教えてもらったのと違う?…いや、きっとめっちゃ簡単に教わったんでしょうな( ^ω^ )
    最後の晩餐は、キリストの肉と血に見立てたパンとブドウ酒を食べる事でキリストの子となり、天国に行ける…とかなんとか…(OvO)
    裏切りだなんてそんなユダ様のような話は出てこなかったけど、詳しくはそういう意味もあったんですね!

    • ビー玉 より:

      レビちゃん、コメントありがとう♪ あっ!それ書くの忘れてた(゚∇゚ ; )
      あ!!パンとぶどう酒のことを書くの忘れてたw それも重要なアイテムなのだわw書き加えま〜す♪ありがとう♡
      だけどそれを食べただけで天国に行けるほど天国行きの切符は簡単には手にはいらないんだぜい(ΦωΦ)フフフ…
      大金を払って免罪符を買わないとwww

  2. ヨウコの川歩き より:

    ユダヤ教とキリスト教の関係を「本当に長い親子ゲンカです」と記述したビー玉さんの感性に脱帽(*⌒▽⌒*)!
     以前、そのあたりの本を読んだんですが、結局分かりませんでした(理解力の欠如(>_<))
    ダ・ビンチの傑作は「ダ・ビンチコード」を読んだ時に舐めるように観ました(笑)
     今日はルーベンスを舐めるように観ちゃいました。やっぱり、凄いわ。面白かったです( ^o^)ノ

    • ビー玉 より:

      ヨウコさん、コメントありがとうございます♪
      ははは・・長い親子ゲンカだけど、それよりも激化してるおはイスラムとキリスト教の兄弟ゲンカです(;´д`)トホホ…
      私もこのあたりは難しくてよくわからないんですが、手塚治虫氏の「アドルフに告ぐ」を読んで学習しました(^▽^;)
      ダ・ヴィンチコードは面白かったですね〜♪興奮の読書体験でした。また映画をみたくなってきた!!
      ルーベンスもいいでしょう?私の一押し宗教画です( *• ̀ω•́ )b グッ

  3. やっぱダヴィンチの晩餐が見慣れてるので、他の画はコミカルに見えてしまうっすw
    いや~。。。これはどう見ても館長がおっしゃってる通り、首絞められてるようにしか( *´艸`)
    ルーベンス氏のユダの表情もヤベー感が出てて( *´艸`)

    • ビー玉 より:

      えたさん、コメントありがとう♪
      ははは・・・確かにっ!!私は変な絵をコレクションしてるんだけど、最後の晩餐は数が少なくて、ちょっと消化不良( •ὢ•)
      taka :aさんにも事前に見せたら「首絞めてるん?」って言っていたので面白いなって思って追記しましたw
      ワンコの表情もいいでしょう(ΦωΦ)フフフ…

  4. pope より:

    今まではダ・ヴィンチのが最高!と思って見ていたけど、姉さんの解説で改めてルーベンスを見ると
    スンゲェ~!これ一押しじゃん!とPCの前でひっくり返っちゃったww

    • ビー玉 より:

      pope兄さん、コメントありがとうです♪
      私もダ・ヴィンチは死ぬまでにみたいなと思ってるんだけど、行けるかなぁ・・・
      予定では来年あたりに早期退社して、ピースボートに乗って世界旅に出かける予定だったんだけど(^▽^;)あれ?
      ルーベンスは一押し( *• ̀ω•́ )b グッ
      あっ!娼婦に関してはお正月早々に記事にする予定です( ᐛ )و グッ

  5. Nick Ollie より:

    ルーベンスの最後の晩餐は知らなかったなあ。でもいいですねぇ、この絵。
    わんこの怒ってる顔が、こいつユダだ! 裏切るぞ!と言っている。

    • ビー玉 より:

      Nicktyちゃん、コメントありがとう♪ ルーベンスもいいでしょう?ちょっと暑苦しいけど、ドラマチックよ〜♪今東京でルーベンス展やってるよ〜(*´罒`*)ニヒヒ このワンコの表情が好きなのよ(((uдu*)ゥンゥン

  6. こういうのが読み解けたら楽しいと思うんだ。(((uдu*)ゥンゥン
    今回も面白かったですぞ。

    しかし…、ルーベンスが出てくるとパトラッシュしか出て来んのよ。(´・ω・`)

    • ビー玉 より:

      ましゅーさん、コメントありがとう♪
      私の記事をけっこう読んでくれてるでしょ?試しに宗教画とかみてみ?もう、分かる絵が随分増えてると思うよ〜٩(●˙▿˙●)۶
      バトラーーーッシュ(ノд-。)クスン

  7. aiai より:

    ルーベンスのユダと犬の顔がね、、、夢に出てきそうなんだけど(T∀T;)
    ごめんなさい。
    わたしも90%裏切ります。
    がんばれ10%のわたし!

    • ビー玉 より:

      aiaiちゃん、コメントありがとう♪
      あらら・・・・ごめんね〜!!トラウマ残しちゃったwww そうだ10%のaiaiちゃんファイトだ٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶
      私は99.9%頑張れないwww

  8. koichi より:

    どうして同じ人間なのに、こんな表現が出来るのだろう・・?って
    随分前から思っていた。
    ちなみに自分学生時代の美術の通信簿「2」
    以上・・・

    • ビー玉 より:

      koichiさん、コメントありがとうございます♪
      私の宗教の通信簿は「2」でした(^▽^;) ほぼ全員が「10」か「9」をもらえる教科だったんすが・・・
      本当にいろんな表現があるのもだと思いますよね・・・時間という「ふるい」をくぐり抜けてきた画家はやっぱり違いますねぇ(((uдu*)ゥンゥン

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