こんばんは!ナビゲーターのビー玉です。
ピカソやゴッホに次いで、作品が高額で取引される近代の画家「モディリアーニ」。
イケメン画家で有名だった彼はたった35歳という若さで悲劇の死を遂げました。
モディリアーニをモデルにして「モンパルナスの灯」など、たびたび映像化もされ、作品以上に彼の人生にスポットがあたることも多い画家です。
本日は、そんな悲劇の画家の人生にあなたをナビゲートします。
お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
モディリアーニとは
アメデオ・モディリアーニ(1884〜1920年)
北イタリアの港町リヴォルノにスペイン系ユダヤ人の四人兄弟の末っ子として生まれる。21歳の時にパリのモンパルナスに移り住みました。
この当時のモンパルナスは安アパートが多く大奥の外国人が住んでおり、そこに集まった外国から移住してきた画家を「エコール・ド・パリ(パリ派)」と呼びます。
エコール・ド・パリはよく聞く名称ではありますが、芸術運動や流派ではないんです。
エコール・ド・パリの画家としては、モディリアーニ、キスリング、パスキン、シャガール、藤田嗣治(ふじたつぐはる)など多数!!
モディリアーニはモンパルナスの貴公子と呼ばれたイケメンで、貧しくてモデルが雇えない画家が多いなか、モディリアーニの場合は、その甘いルックスでモデルに事欠くことはなかったそうです。
イケメン画家はダメンズ多し(偏見ありあり)
だけど、残念ならがらこの手の画家の例にもれず、モディリアーニは立派なダメンズでして、生前には絵も売れず、体も弱かったことこもあり死への恐怖と人生の不安から逃げるために酒と麻薬に溺れ、描くモデルの女性とはもれなく深い関係になっていたといいます。
だけど、私はモディリアーニが無類の女性好きという感じがしないんですよね・・・
そんな彼の絵は裸婦が多く、とてもエロティックではあるんだけど、ものすごくストイックな感じがします。
彼が本当にモデル全員と深い関係にあったかどうかはわかりませんが、セックスがしたくてしているのではなくて、 “しないと描けない” という切迫感があったんじゃないかと思えるくらい・・
モディリアーニが同時代のエロの巨匠ルノワールに初めて会見した時、「女性のお尻を描くときは、優しく愛撫するように描かないといけないよ」と開口一番に言わて、「なんて薄っぺらなことを言うんだ」と憤慨していたようです。
たしかにモディリアーニのヌードは優しく愛撫というフワフワしたものではなく、もっと命を削るような本番に近いエロスを感じますね・・・
実際に唯一アトリエに入ることを許された親友で画家の藤田嗣治はその本番さながらの制作風景に驚愕したと言います。
エロ好きな私ですが、実はモディリアーニのヌードはあまり好きではないんです。
生々しすぎて想像をする余地がないというか・・・モデルに興味が持てません( •ὢ•)
ダッチ●イフみたいに思えちゃうんです(ノД`)シクシク
モディリアーニファンの方々すいませんっっ(>人<;)
ダ●チワイフを否定しているわけではありません。所有してらっしゃる方は大切にしてあげてくださいっ!!ドールも芸術だということは知ってます(((uдu*)ゥンゥン
個人的な好みとして、 “モロ” よりも “チラリズム” がそそられるっつう話でsヽ(#゚Д゚)ノ┌┛)`Д゚)・;'
・・・・。そんな(どんなだw)ヌードを得意とするモディリアーニですが、実は親しい間柄の女性のヌードは描けなかったみたいです。
同棲していた詩人のベアトリス・ヘイスティングスも、のちの伴侶(結婚はしてない)になる画学生だったジャンヌ・エピュテルヌも、肖像画はたくさん描かれていますが、ヌードは一枚も描かれていません。
独占欲だったのかもしれませんが、モディリアーニのヌードはエロスという造形であって、そこに特別な感情が入るのを恐れているようにも感じます。
ヌードと反対に、肖像画は親しい人とたくさん描いていて、その内面的を的確に表していると言われています。
私はモディリアーニの肖像画を見ていると首が痛くなっちゃうんですけどね(゚∇゚ ; )w
だけど、ずいぶん前にモディリアーニの回顧展へ行って、大量の彼の肖像画に囲まれたとき、その神秘性に度肝を抜かれたものです。
彼の特徴であるアーモンド型の目には目の玉がはっきりとは描き込まれていません。表情を読み取ろうと真剣に絵を眺めればながめるほど、絵の中に吸い込まれていくんです。周りを見渡すと、そんな絵が何点もあって、大げさではなく軽いめまいを感じました。
そういえば、モディリアーニが好きだと言う人は、この肖像画たちにイメージが少し似てるなって思って、もしかしたら、首を傾げつつ・・自分の精神を投影させていくのかな・・なんて、薄っぺらい感受性しか持たない私は想像してしまいます(;´д`)トホホ…
俗っぽい私は彼の絵よりも、彼と彼の伴侶となったジャンヌ・エピュテルヌの人生に思いを馳せてしまうんですよね〜(^▽^;)
愛に殉じた妻
モディリアーニとジャンヌが出会ったのは、モディリアーニが33歳、ジャンヌが19歳のとき、
ジャンヌ16歳の肖像
ジャンヌはモディリアーニの才能に惹かれ、モディリアーニはジャンヌを優美な細い首と華奢な体を持った理想のミューズとして恋に落ちて、すぐに同棲を始めます。
ジャンヌは愛する画家のために何時間でも同じポーズをとり続けるような従順な女性だったようです。
二人の間には娘も生まれ、第2子も妊娠し、貧しいながらも幸せに暮らしていましたが、モディリアーニは持病だった結核が悪化して、36歳の若さでこの世を去りました。
そして、その二日後に夫の後を追ってジャンヌも5階の窓から飛び降りて自殺しまった・・・
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モディリアー二は病床で「天国までついてきてくれ、そうすれば、あの世でも最高のモデルを持つことができる」とジャンヌに囁いたと言われています(後付けかも)。
ジャンヌはその言葉に従い、小さな子ども置いて、身重だったにも関わらず夫の愛に殉じた妻・・・・
この悲劇の逸話がウケにウケてモディリアーニの絵は瞬く間に高騰していきました。
モディリアーニの描くジャンヌの悲しげな表情も、夫婦の秘話を聞くと胸に迫ります。
夫が連日飲み歩いても、モデルと浮名を流しても黙って許し、夫を死ぬほど愛する妻。
ジャンヌこそ理想のミューズであり、理想の妻だとする人も多くいますが・・・
本当にそうだったんだろうか・・・
まだ幼い子どもを置いて自殺とかどうなんだろう・・って思うわけですよ。
※モディリアーニの絵の評価には二人の愛の逸話が多大なる彩を添えていると思います。そんなイメージを壊したくない人は、これより先はご遠慮くださいm(_ _)m どうぞよろしくお願いいたします!!!なにとぞっ苦情はご遠慮くださ〜〜〜〜〜〜いっっ(>人<;)
ジャンヌ・エピュテルヌ、真実の愛
ジャンヌは子どものころから自殺願望のある早熟な子どもでした。おそらく自己肯定がうまくできなかったんじゃないかなぁ・・と思うんですが、モディリアーニに出会って理想のミューズとして扱われて、彼女の世界は一変します。
ジャンヌ・エピュテルヌ作 自画像
自分の全てを否定し続けていたジャンヌにとって、自分を肯定してくれるモディリアーニが世界の全てになっていきました・・・
両親に結婚を反対されて全てを捨ててモディリアーニの元にきたジャンヌの世界には実際に愛するモディリアーニただ一人だったんでしょう!そんな激しい恋に落ちた二人は、子どもにも恵まれ、しばらくは幸せに暮らしていました。
だけど、モディリアー二の悪い癖が(;´д`)トホホ…
残酷な移り気
モディリアーニ作「ルニア・チェホウスカの肖像」
ルニア、彼女もまたモディリアーニにヌードを描かれなかった女性です。既婚者だった彼女はモディリアーニのアプローチをうまくかわしていたようですが、ジャンヌはルニアや他のモデルたちへの嫉妬心から精神を病み、生まれた子どのも世話もできない状態になってしまいました。
実際に子どもの世話をしていたのは、ルニアとモディリアーニが雇った乳母だったんです。
その後、第2子を身ごもったところで、どうしようもなくなって子どもはモディリアーニの親戚に預けたまま二人は亡くなってしまうんですけどね(ノД`)シクシク
この頃のジャンヌには自分の殻から出られず、ルニアもそのほかのモデルたちのことはもちろん、自分の幼い娘さえも見えなくなっていたんじゃないかなぁ・・・と思います。
モディリアーニは少しずつ絵が売れ始めてはいましたが、体調は悪化し、ジャンヌが介護するも、そんな状態のジャンヌです・・・悲劇が起こります!
愛する人の死
訪ねてきた友人たちがみつけたのは、凍てついた部屋で衰弱してぐったりとするモディリアーニとそれをただ見つめるだけのジャンヌでした!慌てて病院に担ぎ込むも時すでに遅し・・
その翌日にモディリアーニは亡くなり、モディリアーニが世界の全てだと思っていたジャンヌはその二日後に妊娠8ヶ月だった子どもを道連れに(子どもは見えてなかったと思う)自殺しました。
モディリアーニの死の直前に描かれたジャンヌ・エピュテルヌ作の「自殺」
助けを呼べば来てくれるモディリアーニの友人は何人もいたと思うのですが、ジャンヌは助けを求めなかった・・目の前の夫しか見えていなかったのか、もしくは夫を誰かに取られるくらいなら、死をもって自分だけのものに・・なんて考えていたのかもしれないと勘ぐってしまう私ですm(_ _)m
正式な結婚をしておらず、ユダヤ人だったモディリアーニとカトリック教徒だったジャンヌは葬儀も埋葬も別々に執り行われました。
たくさんの友人に見守られて旅立ったモディリアーニに対して、ジャンヌの葬儀の参列者は最小限の家族だけでひっそりと執り行われました。
世論の声もあり、10年後に二人は同じお墓に埋葬され、今は二人一緒に永遠の眠りについています。
ジャンヌの墓標には「究極の自己犠牲も辞さぬ献身的な伴侶」と記されています。もう永遠に二人きりです。ジャンヌの愛は報われたのでしょうか・・・
ジャンヌの娘は成長後に著名な美術評論家となり「モディリアーニ」という伝記を書いています。とても客観的に書かれていて、自分を捨てた両親に遺恨を残している感じではなかったので、大切に育てられたんだろうなぁ・・と思うとほんの少し救われます。
モディリアーニ人気に隠されたジャンヌの従順なだけではなかった苦悩を思いながら肖像画をみると、今までと違った意味も見えてくるかもしれません。私はあの深い瞳の中に言い知れぬ深い苦悩を感じます。
本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
「大人の美術館」は毎週土曜か日曜の深夜に開館します。
また来週お会いいたしましょう(*ˊᵕˋ*)੭
コメント
モジリアーニは私には特別の画家ですね。高校時代に初めて買った画集がモジリアーニでした。何故か取り憑かれちゃって…(@_@)
「モンパルナスの灯」も観ました。かなり、美化されていましたよね。
ところが大人になっていろいろありまして、いつの間にか心はモジリアーニから離れ、日本に来れば観にいきましたが、なんだか胸苦しさを覚えて高揚しなくなりました。ビー玉さんのブログを読ませて頂きながら、何となくストンと思い当たるふしがあり、しみじみ読ませて頂きました.サンキュー!(´▽`)ノ
ヨウコさん、コメントありがとうです♪
初めての画集がモディリアーニですか!!これはなかなおオシャレさん+.d(・∀・*)♪゚+.゚ モンパルナスの灯のイメージが強かったんですが、あれはモディリアーニが良い夫すぎでした(^▽^;) とはいえ、もう長い間みていないので、内容を忘れております。また見直してみよかなぁ(((uдu*)ゥンゥン やっぱり胸苦しいですか!私もなんです。特にジャンヌの絵は強く感じます。若い頃にはわからなかった感情とかがわかるようになってきたんでしょうか・・・そうなると歳を重ねていくのも悪くないですね( *• ̀ω•́ )b グッ こちらこそ、いつも素敵な感想をありがとうございます(^人^)
ダッチ・・・ww
確かに人形っぽいですな( *´艸`)
いや~・・・
それにしても、画家さんって死後にその作品の価値が見いだされる人って意外に多い気がするっす(*´ω`*)
この辺りは切ないな~(*´ω`*)
えたさん、コメントありがとうです♪
だっち・・・連呼してますね・・この辺りはまだ熱にうなされて書いてて、やけくそだったんでしょう・・・ということに(* ̄  ̄)bシー
死後に価値を見出される画家はその生き方込みで死後に売り出されることが多いですね!画商や支援者のマーケティングの勝利だと思います(((uдu*)ゥンゥン
モディリアーニは母が好きで家に画集があったんですよね。
でも子供の私には、その絵が怖くて・・・w
そして、その絵にそっくりな女の人が同級生のお母さんにいて、そのお母さんも怖かった^^;(性格とかじゃなくて顔がw)
そんなわけでずっとモディリアーニ=怖いというイメージしかなかったけど、本人はイケメンだったんですね!
あ、ちなみに信じられない話かもしれないけど、母は絵が上手です( *´艸`)
さくらノ姐さん、コメントありがとうです♪
子どもにはちょっと怖い絵ですもんね!私は学生時代にオシャレでかっこいい先輩(女性)が画集を持ってって、それからモディリアーニといえばオシャレな人というイメージなっちゃってます(^▽^;)
ちなみにですが、私の父も絵が上手で、若い頃はそこそこイケメンでした( *´艸`) ダメンズだけどw
モディリアーニのあのアーモンドの目は、ちょっと虚空を見つめてるようで、そして寂しそうで、怖いんだー。
ジャンヌはもう何も見えてなかったんでしょうね。重い、、、
Nickちゃん、コメントありがとうです♪
私はあの首を傾げたポーズが怖かったのですよ(゚∇゚ ; ) モディリアーニは彫刻家を目指していたので、彫刻っぽい絵を目指していたみたい・・・そう思うと彫刻っぽいよね(((uдu*)ゥンゥン
ちょっとこれは重く想い切ない方々でしたね(-“-;A
その後残された一人のお子さんが気になってしまう…
で、調べてみたら途中までは親が亡くなったことを知らずに1984年まで生きられていたみたいですね。
ちょっとホッとしました(^^;
もりりんさん、コメントありがとうです♪
娘のジャンヌは途中まで親が亡くなったことを知らなかったんですね((φ(・д・。)ホォホォ
だけど、あの環境ですから、親戚に預けられたのは正解かったのかのかなと思ったりもします。すごく知的な素敵な美女でした。たぶん大切に育てられたんだと思います(ノД`)シクシク
ふわ~、凄いストーリー…
悲しいけどこういうストーリーは好き( ˘ω˘ )
現実だから悲劇なんだろうけど、
どちらの心情も想像できる気がします。
首が傾いてる人を描く人(笑)って
イメージしかなかったけど勉強になりました♪
画家さんの人生はスゴイ人ばかりですねぇ( ˘ω˘ )
スヤスヤちゃん、コメントありがとうです♪
ヤンデレストーリーだからねぇ(^▽^;) 私はモディリアーニの絵とは相性は悪いんだけど、彼の人生ストーリは好きで色々調べてた時期があったんだぁ・・
今の世の中、アーディストにも道徳的な人間性を求めるけど、私は普通の人にはできないような破天荒な人生を歩んで、普通の人が思いつかないような作品を残してほしなぁ・・って思ったりしております(^▽^;)
モディリアーニ、存じ上げませんでしたが、なかなか・・・いやかなりイケメンですね(゚∀゚)
なんでみんな首かしげちゃうんだろう・・・と思ったら、姐さんからの「首痛くなっちゃう」発言!
ワロタwww
たしかに、見てると一緒に首かしげちゃいますねー。
モディリアーニが死ぬ直前に、ジャンヌは自殺する絵を描いてたの??
弱っていくのモディリアーニを見ながら、助けを求めず、自分も死ぬということを絵に描いたのかぁ。。。
相変わらずアーティストの人生はドラマティックだ!(´⌒`。)
aiaiちゃん、コメントありがとうです♪
画集とかみてると、ずっと首を傾げた人が続いて、みてる方も気がついたら首を傾げちゃってて、自分も面白くなっちゃって(≧∇≦)
そうそう・・もともとジャンヌには自殺願望があったから、他にも色々書いてるけど、最後の自殺絵を自分の覚悟だったんだろうなぁ・・・
まぁ・・モディリアーニは血の海になるほど吐血してたらしいから、助からないのはわかっていただろうけどね(´-ω-`)
だけど、このようにアーティストの人生はドラマティックでなくちゃぁって思ってる私です(^▽^;)
面白い。ケド、作品も人柄も好きにはなれんのう…。(  ̄っ ̄)ムゥ
ましゅーさん、コメントありがとうです♪
私もモディリアーニさんの絵のよさは未だ分かラズですが・・・わからないことが面白い( *• ̀ω•́ )b グッ なぜだ?って思うのが好き♪