こんばんは!ビー玉です。
今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・
本館、【大人の美術館】は、素人の素人による素人のための妄想美術館です。いわゆる “常識” とされている見解と違う箇所もあるかとは思いますが、ゆる~い気持ちでリラックスしながらご観覧ください。「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します。
本日の題材は肖像画です。画家の個性が爆発する肖像画をいくつか紹介します。
個性的な肖像画の世界
肖像画なんて、モデルをただそっくりに描けばいいだけでしょ?って思う人も多いかもしれませんが・・
実は画家によって驚くほど個性が違ったりして面白いんですよ・・・本日は、そんな肖像画の世界を少しだけ案内させていただきます。
高貴で賞 アンソニー・ヴァン・ダイク
人間らしさを極限まで昇華させて、エレガンスで威厳に満ちた人物として描き上げる作風は、当時の王侯貴族に好まれ、若くして大成功を収めた画家です。
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ヴァン・エイクとかヴァン・ダイクなどと呼ばれていますが、ここではダイクに統一します。
この自画像の人ねw 肖像画通りなら超イケメン( *´艸`)
上の女性の肖像画は、彼の代表作「王女ヘンリエッタ・マリアと小人ジェフリー・ハドソン」
ヘンリエッタはヴァン・ダイクの雇い主である英国王チャールズ1世の王妃です。
それはもう最大限に美化されていたようで、「肖像画とまったく違ってガッカリした」というドイツ貴族の言葉が残されています(;´∀`)サービス過剰?
もうヴァン・ダイクのイケメン肖像画もまったく信用ならん感じになってます。
ちなみに私が自分の肖像画を描いてもらうならヴァン・ダイクがイイです。
サービス過剰でも何でもいいから、是非とも私の中の隠れきってる優雅さとかを、何とかこう・・引き出してもらいたいなと切望します。
笑顔が素敵で賞 フランス・ハルス
『陽気な酒飲み』
ヴァン・ダイクと同時期に活躍した画家ですが、ヴァン・ダイクとは生活も画風も何もかもが正反対です。
フランス・ハルツの肖像画は、上品さや優雅さをひっぺがして、人間らしい表情を引き出し、
どんな立場の人でも愛すべき人物として描き上げます。
モデルとなった人物の飾り気のない笑顔を引き出す才能に恵まれていたため、「笑いの画家」なんて呼ばれてました。
まぁ・・飾り気のない人の内面を描くのが信条の画家なので、可愛い人は可愛く、そうでない人はそれなりに・・・です(;´д`)トホホ
観る分には断然ハルクが好みなんですけどね・・・だけど、描いてもらうなら、あくまでもダイク(;´∀`)ユズレナイ
凝り過ぎでしょう ディエゴ・ベラスケス
『ラス・メニーナス(女官たち)』
サービス過剰にならないくらいのギリギリ似てるという線で、威厳ある人物として描き上げる天才ベラスケス。
その中でも、このラス・メニーナスは凝りに凝った作品で、この絵画一枚を読み解いた本が何冊も出ているほどです。
一見すると、当時のスペイン国王フェリペ4世の娘である皇女マルガリータ(中央)のポートレートに見えるんですが、実はちょっと違います。
マルガリータ王女の奥にある鏡に映っているのはフェリペ4世夫妻。夫妻の表情を和らげるためにマルガリータ王女が呼ばれたという場面。そして左端に描かれているのは、今まさに国王夫妻の肖像画を制作中のベラスケス本人。
実は凝りに凝った自画像とも言えるんですよね。
いや〜この絵は大好きだから、もっといろいろ語りたいので、またいずれゆっくり紹介しますね。
今回は変わり種肖像画ってことで、紹介してみました♪
華があるで賞 ジュゼッペ・アルチンボルド
『ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像』
ウェルトゥムヌスとは、森羅万象を司る神。そして、皇帝ルドルフ2世は当時の神聖ローマ帝国の王です。
花や果物、動物や文具などを使って人物を描く技法をダブルイメージというのですが、アンチンボルドはそんなダブルイメージの名手です。
それにしても、こんなフザケた絵を描いて怒られなかったの??って思うかもしれませんが・・・
ルドルフ2世は世の中の珍しいものが大好きで、とにかくいろんなものを集めていた人。世間から理解されなったアンチンボルドの芸術も愛して擁護していました。
アンチンボルドなりに最高の感謝を込めて、森羅万象の神としてルドルフ2世を描いたのでしょう。ルドルフを描いた他のどの肖像画よりも表情が柔らかいです。
出来心で賞 フランシスコ・デ・ゴヤ
『着衣のマハ』
世界を騒然とさせた肖像画です。肖像画と言っても誰を描いたものなのか分かっていません。
この絵のどこが世界を騒然とさせたか分かりますか?
これ一枚では、なんてことない絵なんですけどね・・・もう一枚対になる絵があるんです。
『裸のマハ』
え?何がダメなのか分からないって?
現代の日本ではヌードが珍しいものではありませんからね。これが描かれた19世紀のスペインでは普通の女性のヌードなどは あってはならないことなんです。
だったら、あの有名な絵画に描かれた、ヌードの女性たちは何?って思うかもしれませんが、中世絵画のヌードの女性は神話を題材とした女神様です。女神を表すアトリビュート(人物を示すもの)を描いておけば、どんなに際どいヌードでもお咎め無しなんです。
▼詳しくはこちらの記事をどうぞ▼
だけど、このマハには何のアトリビュートも描かれてない・・誤魔化しようがない人間の女性なんです。
この裸のマハを隠すために着衣のマハが描かれ、裸のマハを隠すように上から飾られていました。
着衣の下に裸のマハ・・・まぁ男性なら、その隠しておきたい気持ち? 分かるんじゃないですか( ̄▽ ̄ )?
・・まぁちょっとくらいのヌードなら・・と、思われるかもしれませんが、当時の教会は、そんな些細な出来心ですら許してくれるようなところではなかったようで、ゴヤは何度も裁判所に呼ばれて尋問を受けたようです。
度重なる尋問に大して、ゴヤは誰に頼まれて描いたのかも、誰をモデルに描いたのかも口にはしなったんです・・よほど守りたい人だったんでしょうか?
マハとは人の名前ではなく、「小粋なマドリード娘」という意味です。当時は遊べる女性のことを指していました。ゴヤの口を堅く閉じさせた女性は、ヌードになると不都合のあるマハだったんでしょか?
恋人だった人妻「アルバ公爵夫人」だとも言われていますが、どうだったんでしょうね・・・
まぁ個人的には、そうっいた際どいブツを発見しちゃったら? そぉ〜っとベットの下とかに戻してあげたいですけどね( ̄▽ ̄;)
最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。
当ブログの更新日は毎週土曜の深夜を予定しております。また来週(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ
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