アトリビュートとは何ぞや？猫でもわかる解説と一覧

こんばんは！ビー玉です。

今宵は、【大人の美術館】へようこそ・・・

本館【大人の美術館】は、。「知ると絵画は色っぽい」をコンセプトに、今宵も大人の美術館は開館します・・・

アトリビュートがわかると西洋絵画は100倍楽しくなる！！難しく考えることはありません。私たち日本人だって知らず知らずアトリビュートのお世話になっているんです！私たちが使っているアトリビュートとは？どこよりも分かりやすくアトリビュートが何かを解説します！！

お時間よろしければ、最後までゆっくりご鑑賞ください。

西洋絵画は難しい？

西洋絵画は難しくて分からないという言葉は本当によく耳にします。

それは西洋絵画特有の「決まりごと」があることと、聖書や文化に馴染みがないことが原因かと思います。

ただ、最初は訳が分からない絵だっととしても、展覧会に行ったり、絵に関する本を何冊か読んだりしていくうちに・・ある日突然「わかった」という感覚が得られることがあるんです！！

この「わかった」という感覚がとても気持ちいいんですよ( ´艸｀)

この「わかった」体験に必要なのが西洋絵画の決まりごとの一つ「アトリビュート」です。

アトリビュート（attribute）とは

個人を特定するアイテム

アトリビュート（attribute）とは、個人を特定する特徴だったりアイテムのことです！

まぁ・・難しいことを言うよりも、感じていただくのがわかりやすかと思います。私たち日本人も知らず知らずにアトリビュートのお世話になっているんですよ！

ではでは問題です。

この少年が誰かわかりますか？

私の友人は「幼少期の小次郎？」なんて言ってましたけど、小次郎以外にも一寸法師、牛若丸、蘭丸、などなど・・・

この情報だけで、いきなり漠然と「誰？」なんて言われても選択肢が多すぎてピンときませんよね！

ところが横にアイテムを配置してみると・・

ほら、これだと一瞬で分かりますよね。この個性を決定付けている「猿」「犬」「キジ」の存在（アイテム）が、絵画でいうところの「アトリビュート」です。

アイテム以外のアトリビュート

アトリビュートは持ち物や動物ばかりではありません。

これは誰？と聞かれたら「金太郎だと思うけど・・」ってちょっと躊躇しませんか？少し違和感を感じますよね？

これだと自信を持って金太郎って言えるんじゃないでしょうか？

そう、色も立派なアトリビュートになるんです(((ｕдｕ*)ｩﾝｩﾝ

おっと、間違えたw

「まさかり」と「クマ」、これはもう決定打です！！金太郎以外に思いつきません。

このようにして、絵を見ただけで「誰かわかった」「どんな物語かわかった」と、物言わぬ絵画から、メッセージを受け取る為の決まりごとがアトリビュートなのです。

なぜアトリビュートが必要だったのか？

現代の日本では識字率は99％だと言われています。

なので、誰でも美術館へ行って説明書きを読めば、何を書いているのかわかりますが、昔は字が読める人が少なかったので、「〇〇を持っているから、これは●●」という決まりごとが必要だったんですねぇ・・

宗教絵画のジャンルで最も描かれているであろう聖母マリアですが・・・

ダ・ヴィンチの聖母マリア

ビー玉

顔色悪いけど美麗〜( ´艸｀)♡

ミケランジェロの聖母マリア

ビー玉

ムキムキがっちり(ง •̀_•́)ง‼

ラファエロの聖母マリア

ビー玉

ほとばしる母性(ノ∀`)ﾀﾊｰ

エル・グレコの聖母マリア

ビー玉

可憐・・・(*￣∇￣*)ｴﾍﾍ

ルーベンスの聖母マリア

ビー玉

ぽっちゃろり〜♪

同じ聖母マリアを描いても、これだけ画家によって個性が違います！

決まりことがないと、聖母マリアだという特定が難しいのですよ・・・

このマリアさんたちの共通点が分かりますでしょうか？

聖母マリアのアトリビュート

上の聖母マリアの共通項は青いマントです！

聖母マリアを表すアトリビュートはたくさんありますが、最も重要なアトリビュートの一つが「青」なのです。

聖母マリアの容姿は時代の流行りや画家の好みによって変わりますが、着ている洋服の色はほぼ同じです。

青いマントか青いベール、下の服が見えている場合は赤というのが原則です（絶対ではないです！白い服も持ってますw）

館長

ビー玉さんの場合は、黒かグレーがアトリビュートですね

ビー玉

か、かぎりなく地味(ﾟ∇ﾟ ; )

なぜ青なのかと言うと、カトリック教会では聖母マリアを讃えて「海の星（マリア・ステラ）」と呼んでいました。

東洋において漢字で「海」と書くと「母」が入るように、西洋でも海は母のイメージなのです！

地球上の生命は海から生まれてますからね・・青は母なる海の色なのです。

「青」以外の聖母マリアのアトリビューは・・・

「百合」「棘のない薔薇」「12の星がついた王冠」「三日月」　などなど・・

そして百合は、聖母マリアにキリスト受胎を告げに来た天使ガブリエルのアトリビュートでもあります。

ロレンツオ・ロット作

と言うわけで、このどこかコミカルな感じの絵が、どんな画面を切り取ったものか、あなたにはもう分かるはずです( ✧Д✧) ｶｯ!!

分かると気持ちがいいでしょ？(￣∇￣*)ゞｴﾍﾍ

ちなみに百合の花を持って言い寄ってくる男性から逃げる女性の図ではありません！念の為♪（答えは文末に♪）

主なアトリビュート 一覧

神話、聖書に登場する人物のアトリビュート一覧です。

ギリシャ神話

アトリビュート を使った巧妙なだまし絵とは？！

絵画界における最高位の芸術「神話画」に隠された本当のエロスとは？

ギリシャ神話を題材にした絵画は、かつてはエリートための芸術で、磨かれた教養を試すための仕掛けが施されていました。その仕掛けとはどんなものだったのか？わかりやすく解説します。

kaigablog.com

2019.07.07

聖書

その他

などなど・・・

アトリビュートは無数にあって覚えるのは大変です。私も知らないものがたくさんあります。

絵をもっと深く読みたいなぁ…と言う人は、アトリビュートについて書かれた本が一冊手元にあると、とても便利ですよ♪

オススメの本はこちです↓

アイテムで読み解く西洋名画

目次がアトリビュートの一覧になっていて、本文はその説明。とても調べやすいです。

鑑賞のためのキリスト教美術事典 (リトルキュレーターシリーズ)

アトリビュートだけでなく、キリスト教に関する知識が網羅されてます。

お堅い表紙ですが、内容は漫画も織り交ぜて、とてもわかりやすくなってます。

この2冊は初心者向けにわかりやすく、持っているいると便利な書籍です。

もう少しアトリビュートについて知りたいという方は、こちらの記事もご参照ください。

猫でも分かるアトリビュート第2弾！どんなアイテムがアトリビュートになり得るのか？

西洋絵画に置いてとっても大切なアトリビュート。絵画を読むために必要なアトリビュートはどのようにして決められるか？どこよりも簡単にわかりやすくアトリビュートを解説します！猫でもわかるアトリビュート第二弾!

kaigablog.com

2019.03.17

絵は観るだけでなく読み物でもあります( ✧Д✧) ｶｯ!!

当館にしばらく通っていただければ・・

難解なヴァニタス絵だって読めるようになりますぞ！！

えっと、たぶん(ﾟ∇ﾟ ; )

この記事は動画でもお楽しみにいただけます。

本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
当館は毎週土曜日の深夜に開館します。また来週お会いいたしましょう(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ